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スイスに足を運んだ英国人老婦(手前。宮下洋一氏提供)
目の前で老婦は目を瞑った 「安楽死合法国」の旅立ちの瞬間
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160715-00000003-pseven-life
週刊ポスト2016年7月22・29日号
この国では、自分で自分の死に方や死ぬ時を選べない。だが、世界ではいま、それが認められはじめている。「安楽死」という方法だ。
「用意はできていますか」
「ええ……」
突如、泣き崩れた老婦を落ち着かせ、ベッドで仰向けにさせると、女医は質問を始めた。
女医「あなたはなぜ、ここへやって来たのですか」
老婦「昨年、がんが見つかりました。私は、この先、検査と薬漬けの生活を望んでいないからです」
女医「検査を望まないのは、あなたがこれまで人生を精一杯謳歌してきたからですか」
老婦「ええ、私の人生は最高でした。望み通りの人生を過ごしてきたわ。思い通りに生きられなくなったら、その時が私にとっての節目だと考えてきたの」
女医「私はあなたに点滴の針を入れ、ストッパーのロールを付けました。あなたがそのロールを開くことで、何が起こるか分かっていますか」
老婦「はい、私は死ぬのです」
女医「心の用意ができたら、いつ開けても構いませんよ」
この瞬間、老婦は何を思い浮かべたのだろうか。わずかな呼吸と共に、自らの手でロールを開き、そっと目を閉じた。
これは世界各国の安楽死の現場を取材しているジャーナリストの宮下洋一氏が、目の前で目撃したその瞬間である(『SAPIO』4月号参照)。
子供がおらず、夫には10年前にがんで先立たれ、自身の体にもがんがみつかったこの英国人老婦(81)は、老人ホームへの入所を拒否し、スイスの自殺幇助団体の門を叩いた。このやり取りは、ベッドに横たわる老婦と、血管に致死薬を流し込む準備をした女医との間で交わされた臨終間際の会話である。
点滴の注入が始まると、20秒ほどで意識を失い、眠るように死へ誘われる。一部始終を見届けた宮下氏はこう語る。
「病室で管をたくさんつながれて眠っている人ではなく、さっきまで元気そうに話していた人が、次の瞬間には亡くなっているということに強い衝撃を覚え、彼女をこのまま死なせてしまっていいのか、止めるべきじゃないのかという藤がわき起こりました」
本人の意思である以上、誰にも止められないというのが、スイスでの考え方だ。
スイスでは1942年から自殺幇助を法的に認めている。外国人にも認められる唯一の国で、英国人老婦がスイスに足を運んだのはそのためだ。医療倫理学や死生学が専門の東京大学大学院人文社会系研究科の会田薫子特任准教授は、スイスへの安楽死ツアーの現状をこう語る。
「チューリッヒ大学の研究者の『自殺ツーリズム』という報告によると、2008〜2012年までの5年間で、31か国から611人がスイスを訪れ、自殺を幇助されたとされています」
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