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オランダ・ハーレムのグロートマルクト広場で「ポケモンGO」をプレーする人のスマートフォン(2016年7月13日撮影)〔AFPBB News〕
「ポケモンGO」の成功で、期待に胸膨らますAR業界 世界的なブームは関連技術の市場拡大につながるのか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47365
2016.7.15 小久保 重信 JBpress
このほど米国のセンサータワーというモバイルアプリのマーケティング調査会社が公表したリポートによると、先週米国などで先行配信が始まったモバイルゲームアプリ「ポケモンGO」は、そのダウンロード件数がすでに1500万件に達しており、驚異的な成功を収めているという。
■利用時間でFBやツイッターのアプリ上回る
ポケモンGOの配信が始まったのは7月6日。その5日後の7月11日に、iPhoneユーザーの利用実態を調べたところ、ポケモンGOの1日当たり平均利用時間は約33分となり、ほかの人気アプリを上回った。
例えば同日におけるフェイスブックのiPhone向けアプリの1日当たり平均利用時間は約22分。フォトメッセージングサービス、スナップチャットの1日当たり平均利用時間は約18分、ツイッターも約18分で、写真共有サービスのインスタグラムは約15分だった。
一方で人気のモバイルゲームである「ゲーム・オブ・ウォー」の平均利用時間は約2時間、「キャンディークラッシュ」は約43分。ポケモンGOは、利用時間のランキングでこれらのゲームを下回ったものの、その出足は非常に好調という。
「モバイルゲームのファンは、従来からのファンや新たなファンを問わず、この新しいゲームに多くの時間を費やしている」とセンサータワーは指摘している。
このセンサータワーのリポートについて報じている米テッククランチによると、ポケモンGOのiOS版は、そのアプリ内課金で1日当たり約160万ドル(約1億6700万円)の収益を上げている。
同じくこのリポートについて伝えている米ベンチャービートによると、ポケモンGOは、先行リリースされた米国、オーストラリア、ニュージーランドですでにダウンロード件数、売上高ともに1位となった。
モバイルゲームの市場規模は369億ドルと言われるが、今後ポケモンGOのようなアプリが新たな顧客を取り込むことで、その規模はさらに拡大するだろうとベンチャービートは伝えている。
■現実の世界に仮想画像を重ねるAR技術
ポケモンGOは、スマートフォンのカメラを通して映し出される場面に現れる仮想のキャラクターを探して遊ぶゲーム。利用者の目の前のある現実の風景と、デジタル画像を重ね合わせるこうした技術は拡張現実(AR:augmented reality)と呼ばれている。
そして、米ウォールストリート・ジャーナルによると、今回のポケモンGOの成功を見て、拡張現実関連の機器やソフトウエアの業界は今、期待に胸を膨らませているという。
拡張現実の製品として知られるのは、米グーグルの「Google Glass」のような眼鏡型機器。だが同社は昨年、その消費者向け製品を販売する早期導入プログラムを中止。これに代わり同社は、産業向けの機器を研究開発していると伝えられている。
また透過ディスプレイを備える米マイクロソフトの立体映像用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HoloLens」も拡張現実に分類される機器だが、同社についてはスウェーデンの自動車メーカー、ボルボと協力し、仮想ショールームのシステムを開発していると伝えられている。
■ハードウエア製品の普及につながるのか
ウォールストリート・ジャーナルによると、拡張現実は、まずこうした企業向け分野から普及が始まると見られている。
しかし、今回のポケモンGOの突如の成功は、拡張現実を一般消費者に広く紹介するものとなった。これにより、投資家や企業にとってこの技術はこれまで以上に魅力的なものになったと同紙は伝えている。
米国の市場調査会社、IDCが先頃公表したリポートによると、拡張現実や仮想現実(VR:virtual reality)の技術を用いたハードウエア製品の世界出荷台数は今年1000万台程度にとどまる見通し。
しかしこれら機器の市場は今後数年かけて成長し、その2020年における出荷台数は、1億1000万台を超えると同社は分析している。
拡張現実や仮想現実を用いた製品については米アップルも研究開発を行っていると伝えられている。
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