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米雇用、回復するも道半ば
By GENE EPSTEIN
2016 年 7 月 11 日 15:23 JST
米国の労働市場は息を吹き返した。4月と5月の雇用統計では、非農業部門就業者数の伸びが、まるで米国の雇用がゆっくりと死を迎えようとしていることを示しているように見えた。両月の就業者の伸びはあまりに小規模で、統計誤差を辛うじて上回る水準だった。
だが、米労働省労働統計局(BLS)が8日発表した6月の雇用統計は、一つの大見出しだけでこうした状況を一変させた。同月の非農業部門就業者数は前月比28万7000人増と、8カ月ぶり高水準となった。今回の回復は、活況を取り戻したとまで言えるものではない。6月の雇用統計は3カ月平均でのトレンドに回帰し、一息ついたという程度の力強さ、つまり、実態が改善したことを示すものではある。ただ、その伸びが小幅なものにとどまっていることに変わりはない。
4月と5月の数値が小幅に下方修正され、4〜6月の就業者数は月次平均14万7000人増となった。3カ月の同平均が11万4000人増となった3〜5月を除けば、この14万7000人増という数値は2014年2月以来の低水準なのだ。
同様に、民間部門だけで見ても、4〜6月の伸びは平均13万5000人で、これは10万3000人増にとどまった3〜5月を除けば、2012年7月以来の低い伸びとなっている。
全体の伸びの90%以上を占める民間部門の雇用の伸びに注目してみよう。注意すべきは、BLSの雇用統計に先立ち給与計算代行サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティックスが発表する民間雇用推計だ。同推計の3カ月トレンドは、雇用統計の民間部門の就業者数と強い相関性を持っている。
このため、7日に発表された6月のADP推計で17万2000人の増加が示された時点で、雇用統計でも17万2000人を上回る雇用増が示される可能性は高かった。これが達成できないようであれば、両統計の相関性は維持されないところだった。予想通り、6月の雇用統計では民間雇用の伸びが26万5000人となり、株価はこれを受けて急伸した。
6月の就業者数の急増については、失業率の算出の基盤となる家計調査で確認されていればもっと好材料になっていたかもしれない。だが確認されるどころか、やや否定された形だ。
6月の失業率は4.9%と前月の4.7%から上昇した。4.9%の失業率は前年同月の5.3%よりは低いものの、やはり4.9%だった今年1月と比較すると改善してはいない。家計調査で示された就業者数は6万7000人増にとどまる一方、労働人口は41万4000人増加し、失業者数はこの差に相当する34万7000人増となった。
ただ、労働市場が引き続きひっ迫していることも示された。6月の平均時給は前年同月比2.6%増で、昨年12月までの1年間と同水準となり、また、過去7年間のペースとしては最大だった。
家計調査ではこれ以外のポイントも明らかとなった。常勤雇用を希望しつつパートタイム職に就いている人を含む広義の失業率「U-6」が景気循環上の新たな底を付けた。そうした不本意ながらパートタイムで働く人の数は5月の増加から反転しただけでなく、9%減少した。労働参加率については62.7%へ上昇し、38年ぶりの低水準に当たる昨年の62.4%を大きく上回った。
米労働市場は引き続き回復しており、各種の期待が後退している現状にあってはまずまずの好調ぶりを示している。
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米経済、原動力は楽観的な若年層
コンファレンスボードの調査によると、35歳未満と55歳以上の消費者信頼感の格差は6月に過去最大となった
By BEN LEUBSDORF
2016 年 7 月 11 日 14:37 JST
米国ではベビーブーム世代の間で景気への懸念が強いため、支出を続けて経済全体の成長を維持する役目は楽観的なミレニアル世代に委ねられている。
ここ数十年の消費者調査をさかのぼると、20〜30代の米国民は両親や祖父母の世代に比べて景気を楽観していることが明らかとなっている。だが、全米産業審議会(コンファレンスボード)やミシガン大学の調査で見ると、この世代格差は近年、異常なほど拡大している。35歳未満の消費者の信頼感はリセッション(景気後退)前の水準に戻っているが、55歳以上の信頼感は依然としてかなり低く、1年以上にわたり悪化している。
この格差は、若年世帯の間で所得の伸びに対する楽観が強いことが部分的に影響しており、低金利やガソリン安、失業率の低下をよそに個人消費が昨年や今年初めに減速した理由を説明する上で役立つ。
JPモルガン・チェース・インスティテュートがまとめたクレジットカードとデビットカードの利用額データによると、高齢層の支出は昨年と2016年1-3月期に減少したが、若年層の支出は増加した。
同社のダイアナ・ファレル最高経営責任者(CEO)は「成長の原動力は全て若年層であり、高齢層は実際のところ成長の足を引っ張っている」と指摘した。
テキサス州ヒースで妻と暮らすレイ・エルナンデスさん(35歳)は6月上旬、4カ月に及ぶ家探しを経て、ダラスの都市圏に初の住宅を購入した。
「家を買おうとするたびに、現金で4万ドル(約400万円)程度高い値を付けられたため、景気はとてもいいと言える」と語った。
将来にやや不安があることは認めたが、ダラスのテクノロジー企業でクリエイティブディレクターを務めるエルナンデスさんは、差し当たり地元の飲食店は一杯で「誰もがお金を使いに出かけている」と言う。
若年層の購買力が制限されれば、永続的に経済成長を遂げるのは難しくなる公算が大きい。
20代や30代の多くは学資ローンの返済負担を抱えており、住宅などの大きな買い物は制限される恐れがある。
コンファレンスボードの消費者信頼感指数(3カ月移動平均)、年齢層別。青は35歳未満、ベージュは35〜54歳、オレンジは55歳以上 https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CK713_OUTLOO_16U_20160710120008.jpg
米労働省のデータによると、この世代は一般的に中年層より所得も支出も少ない。連邦準備制度理事会(FRB)によれば、35歳未満の世帯の純資産(中央値)は2013年時点で、55歳〜64歳の6%にすぎなかった。
調査会社NPDグループの小売り担当チーフアナリスト、マーシャル・コーエン氏は「少しばかり自信がある消費者だが、裕福とは言えない消費者でもある」と指摘した。
個人消費は米経済の原動力であり、通常は支出の緩やかな減少が続いただけでも本格的なリセッション(景気後退)の前触れとなる。
インフレ調整後の個人消費はここ1年半で伸びが減速し、1-3月期は年率1.5%の増加にとどまった。商務省によれば、この伸びはここ2年で最も低く、14年末の約3分の1のペースだった。
ただ、設備投資の大幅な落ち込みといった逆風に直面する中、これでも生産全般の拡大を維持するには十分だった。
確かに、消費者心理と実際の支出との関連は曖昧になることもある。今春は信頼感指数が依然まちまちだったにも関わらず、家計支出に持ち直しの兆しが浮上し、4-6月期の経済成長に期待が高まった。
高齢層は差し当たり、財布のひもを緩めることを警戒している。
コンファレンスボードの消費者信頼感指数は2015年序盤から低下しており、55歳以上の信頼感低下が圧迫要因となっている。
35歳未満の消費者の数字は月ごとの変動が大きいが、リセッション前の水準付近を維持している。35歳未満と55歳以上の格差は6月に過去最大となり、1980年以降の平均の約3倍に達した。
ミシガン大が長年続ける消費者信頼感調査にも、これと同じようなパターンが表れている。18歳〜34歳と55歳以上の世代の格差は昨年8月に過去最大に達し、この春にかけて平均を上回り続けた。
ミシガン大消費者調査局のチーフエコノミスト、リチャード・カーティン氏はこの世代格差について、賃金の伸びに対する若年層の自信の強さを反映しており、景気拡大の進展に伴い広がる傾向があると述べた。
直近のリセッション終了から7年がたった今、「高齢世帯は景気の先行きを一層懸念している」ため、支出や借り入れを先送りすることで「貯蓄の割合を増やそうとしている」という。
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米社債、利回りに妙味も警戒必要
By MIKE CHERNEY
2016 年 7 月 11 日 14:11 JST
英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことに伴う不透明感を背景に、世界中で国債利回りがマイナス圏に沈んでいる。その結果、米国の社債など利回りがまだプラスを維持している債券は優れた投資先のように見える。
だが、こうした高めの利回りに引き寄せられた投資家は用心深くあるべきだ。企業は多額の債務を抱えており、デフォルト(債務不履行)率が上昇しつつある。また、企業の借り入れ能力を反映する信用サイクルは悪化の兆しを示している。
これらの要因を踏まえ、一部の米社債のパフォーマンスは債券市場全体のそれを下回りそうだと警告しているアナリストもいる。ウェルズ・ファーゴ証券のアナリストらは最近のリポートで、「2016年に経済成長が続くとの予測にもかかわらず(中略)、社債のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は悪化し続けている」と指摘した。同社は高格付け企業の社債への投資配分をアンダーウエイトにするよう推奨している。
投資家がまだ米社債を選好している理由は明白だ。バークレイズによると、年限7〜10年の投資適格債券を対象とする指数の利回りは3%程度となっている。これに対し、米国債利回りは1.4%程度にとどまる。
結果として、投資適格企業の社債発行が今年も過去最高を更新しそうな勢いとなっている。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス傘下のLCDによると、1〜6月の投資適格社債発行額は6730億に達している。
こうした借り入れブームが意味しているのは、足元の企業債務の規模は2008年初頭に始まったグレート・リセッション(大不況)の前よりも多い、ということだ。そのため、企業は長期的に返済できるのかという懸念が浮上している。企業収益が落ち込み、米経済成長の低迷も続いている状況ではなおさらだ。
モルガン・スタンレーの調査によると、高格付け企業のレバレッジ比率は最近2.3倍となり、グレート・リセッション初期ごろの1.8倍を上回る。ジャンク(投資不適格)級企業の場合は最近が4.5倍で、やはり当時の3.6倍から上昇している。同社のアナリストらは「信用市場のレバレッジ度合いから、デフォルトの波が数年にわたり広範囲に及ぶのははっきりしている」と述べた。
デフォルト率は既に上昇しつつあり、その中心は原油価格の急落が打撃となったジャンク級の資源関連企業だ。モルガン・スタンレーによると、デフォルト率は昨年10月時点では3.9%にすぎなかったが、足元では6.6%と、直近のピークを付けた前年に当たる08年の水準に近い。
さらに気がかりな兆候がある。同社のアナリストらが経済や市場に関する20の指標(株価や資源価格、米鉱工業生産、雇用関連統計など)を調べたところ、このうち12指標は昨年10月以降に悪化していた。変わらずは3指標で、改善したのは5指標にとどまった。
ワスマー・シュローダー(運用資産70億ドル超)のマネジングディレクター、ジョン・マジョロス氏は、投資家が米社債を買い続けると予想している。世界各国の中央銀行が金利を低水準で維持する限り、債券価格は比較的堅調を維持するはずだと述べた。
この点を裏付けるかのように、社債スプレッド(米国債との利回り差)は英国民投票以降、ほぼ横ばいとなっている。バークレイズによると、投資適格の米社債スプレッドは6月23日の国民投票前には1.48%を付けていたが、投票から7月7日までは1.53%程度で推移している。スプレッドの拡大は、社債全般が債券市場全体よりもアンダーパフォームしていることを意味する。
マジョロス氏は、米社債を若干アンダーウエイトにしているが、特に高格付け社債を買う機会を狙っているという。同氏によると、ワスマー・シュローダーでは米国の銀行と金融会社の社債に注目している。金融危機後に新規制が導入されたにもかかわらず、これら企業の健全性は改善していると指摘した。「当社は社債市場を敬遠していない」とし、「この市場に投資する価値はまだあるとみている。選別色が強いだけだ」と述べた。
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-OV675_ONBT11_NS_20160711013414.gif
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