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雑感。税収と市場
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52810240.html
2016年06月28日 在野のアナリスト
今日の株式市場は底堅かったですが、6月末は半期の成績がでるヘッジファンドや年金などの大口投資家からみると、ドレッシングに動き易いタイミングです。15000円割れは何としても避けたい。昨年末から3月末まで10%以上の下落、3月末から6月末まで再び10%の下落に見舞われれば、運用担当者は泣きっ面に蜂です。外資などでは早くも運用担当者のリストラなどがすすみ始めるでしょう。何より日本株は当面魅力がなく、積極的な運用先ではないのですから。
2015年度の一般会計の税収が56.3兆円と、1月時点の見通しを1400億円ほど下回りました。安倍政権では税収の上ブレ分ですべて賄う、というのが参院選でも語られますが、上ブレがいつまで続くか、不透明であることを改めて示した形です。例えば13年度の税収は47.0兆円、消費税が3%に増税された14年度は54.0兆円、15年度の見通しは56.4兆円でしたし、16年度は57.6兆円を見こんでいます。しかしこの株価低迷、さらに内需の落ちこみ、外需の不透明感からみても、16年度がどうなるかは予断を許さないところです。
1-3月の推移でみると、法人税収が9100億円下回り、所得税が2200億円、消費税が3100億円上回っています。株など資産を売り逃げしたことで所得税が上がり、インバウンド消費が継続したことで消費税も上がったのなら、4月以後の剥落も予想されます。法人税は円安要因の剥落とみられることから継続する。16年度の税収、見通しよりかなり下ブレが予想されるのです。そうなると、自公が掲げる「税収の上ブレ」が消え、あらゆる政策を打つための財源が枯渇する恐れが出てくる。関東では水不足により取水制限も始まっていますが、安倍政権では財源不足により政策経費の制限も、深刻になるかもしれないのです。
まずは秋にも予定される、大型補正予算ともされる財源がない。熊本地震で一度、補正予算を組んでいるため、1-3月の税収が重要だったのですが、それが下回ってきた。さらに消費税増税を先送りしたため、財務省が予算を捻出することも及び腰ですから、小型にしかならないかもしれない。安倍ノミクスを「ふかす」どころか、税収からみる限りすでに腰折れです。ここに来て市場は年2回の追加緩和を織りこみ始めていますが、秋の大型補正予算はすでに織り込まれている。もしここが崩れると、市場はもっと下を試す恐れもあります。
これが安倍ノミクスの悪循環です。株価が下がると、配当の引き下げも増える。そうなると所得税も下がり、税収が減ったことで対策を打ちにくくなる。対策がないから株価が下がり、配当が引き下げられ…。その連鎖はもう始まりつつある。参院選になると「道半ば」や「ふかす」と使い、「好循環」を用いなくなったのも、もう悪循環がおき始めていてウソになることを自覚してのことでしょう。だから見かけの「雇用」「賃上げ」しか成果として語らないのです。
しかし2015年の非正規雇用は10年前から比べ2割も増えた。安倍政権では雇用が110万人増えた、賃上げが達成された、と言いますが、実質賃金で目減りしているということは、物凄い勢いで低賃金労働が増えていることの裏返しでもあるのです。簡単に言えば、1人が行っていた仕事を2人で行えば、雇用は増えますが、決してそれは国民にとって幸せな方向ではない。広く浅くなっただけで、全体のパイが増えることはないからです。それが消費の減退を生み、さらに国内経済を悪化させている。こんなところにも悪循環が窺えます。
内閣府から、東海地震に関する抜本見直し、という話が出てきました。このタイミングでだしてきたのは震災を意識させ、「政治の安定が必要」との意識を国民に芽生えさせる算段かと思われます。北海道5区補選で味をしめたこともありますが、英国のEU離脱でもこの「政治が安定していないと…」と、何かと安定していないと何もできないかのような発言をくり返します。むしろこの言葉は「安倍氏の心が安定していないと…」政治の手もつかない、ということを意味するのかもしれません。しかし市場の不安定が、すでに税収という国の屋台骨まで不安定にしはじめてきました。その屋台で「ふかす」のが、バブルという泡だけのものなら、早晩日本では商売のしにくい環境が生まれるだけなのでしょうね。
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