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殺害されたEU残留派の女性議員(C)AP
世界の趨勢は「統合と協調」から「分裂と抗争」へ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184161
2016年6月24日 日刊ゲンダイ
世界が注視してきた“審判の日”が、ついに訪れた。イギリスのEU離脱の賛否を問う国民投票が始まった。国内世論はまさに真っ二つ。投票直前まで離脱派と残留派の拮抗が続き、調査によっては離脱派が上回るケースもあった。日本時間の24日昼ごろには大勢が判明するが、どちらに転んでも混乱は避けられない。
仮に残留派が勝利しても、離脱派の活動をより先鋭化させるだけだ。すでに残留派の女性議員が殺害されるなど、この問題は“血の抗争”に発展しているのである。どちら側もすんなりと、投票結果を受け入れるとは思えない。
EUに残り続ける限り、巨額の負担金を常に召し上げられ、増え続ける難民を半ば強制的に受け入れなければならない。離脱派がEUから抜けたがる理由はそんなところだが、民衆がこうした不満を抱える加盟国はイギリスだけではない。EUの主要各国でもフラストレーションは高まっている。
イタリアでは反EUを掲げる新党「五つ星運動」が地方選で国民の政治不信を背景に大躍進し、フランスでは女性党首のルペン氏が率いる反EU、反移民の極右政党「国民戦線」の勢いは増すばかりだ。
EUは加盟国がひとつにまとまってこそ、世界に強い発言力を持てるはずだが、もはや一枚岩とはいえない。巨額の負担金を支払いながら、国内の社会福祉の充実などは各国任せ。デフォルト危機のギリシャ救済問題や相次ぐイスラムテロの不安もあり、EUへの反感は欧州全域の人々に広まっているようだ。
EU離脱派を勢いづかせる反移民の潮流は、アメリカでも無視できない勢力となっている。米大統領選では、イスラム教徒の入国禁止を主張するドナルド・トランプ氏が共和党候補に選ばれ、今なお「メキシコ国境に壁を」と叫んでいる。
仮にトランプ大統領が誕生すれば、日本人も無関心ではいられない。在日米軍の撤退をチラつかせ、米軍の駐留経費の全額負担を日本に求めているのだ。日本の背後に米国が控えることで保たれてきたアジア太平洋地域の「安定」が音を立てて崩れかねない。
第2次大戦の終焉から70年が過ぎ、あらゆる戦後体制や世界秩序がどうやら崩壊に向かっているようだ。EUも当然そう長くは持つまい。
世界全体が半世紀以上にわたって維持してきた「統合と協調」の流れから、「分裂と抗争」という真逆の方向に堰を切って進んでいるように感じる。
米国のマーシャル・プランに基づく、欧州全体の戦後復興体制をルーツに持つEUの空中分解は、その象徴となる。世界は今、人類史上最も大きな分水嶺に差し掛かっている。
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