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消費税引き上げは凍結、引き下げへ。正しいデフレ対策とは。
消費税を10%に引き上げる暴挙は一旦止まった。
しかし未だに消費税引き上げると財政回復や福祉が充実するという幻想を持っている方が大勢いるのには呆れてしまう。
消費税を上げなければ財政が悪化し、国債が暴落する。この珍説をまだ信じており、外国の格付け機関が、消費税を引き上げなかったことを理由に、日本の国債を格下げする。
こんなとんでもない国債格付け機関が存在するものだから、世界経済は混乱するはずだ。
本当はデフレ下で消費税を引き上げたから、経済がおかしくなり、財政悪化が避けられず、国債の暴落の危機が予見されるようになったのである。
10%を延期してはいけない。凍結してやめなければならない。それがデフレ下のごく当たり前の経済政策なのである。
デフレ下の消費税引き上げはデフレスパイラルを引き起こすため、大恐慌を惹起する。ずっと言い続けてきたがそのことがまだ分からないようだ。どのような分析をしているのだろうか。
大恐慌など起こっていないじゃないかという方には、どれだけ多くの景気刺激策や、公共投資を消費税引き上げ後やってきたかと言いたい。それがなければ奈落の底をまっしぐらに落ちていよう。
知っておかなければならないことは、デフレ下の無理やりの生産増は、拡大再生産されず、その投資効果がなくなると直ぐに消滅するものであることである。
そのため一時の回復と借金の増加になりデフレからの脱却には程遠い結果となる。
実際は引き下げて早くデフレから脱却しなければならないのである。
新聞紙上などでは、未だに真顔で財政再建は遠のいたなどと言っている。彼らの常套手段として、政府が何かの政策をすれば常に違う意見を載せて置き、失敗すると、そらみたことかと反論してさも自分がその政策に反対であったと言いたいがためにやる反論であろう。
自分たちは軽減税率の適用を受け、庇護される身であるから、のんきなことを言えるのだ。
このまま経済収縮している中で、消費税を10%にすれば、財政再建どころではなく、国民が困窮し経済が破綻するところであった。
阿部政権の失敗は、アベノミクスという
1、大規模な公共投資、2、過大な低金利政策
3、成長戦略(中身はデフレ伸長策)、という3本の矢で、借金をしてでも生産量増大策を闇雲に行ったこと、と、さらに消費税を3%分引き上げたことにある。
アベノミクスのような政策は、デフレ下では、一時的に生産量増大がなされるが、拡大再生産せず、自律的に成長しないため、その投資効果がなくなるにつれ、元の木阿弥に戻る。そのため初めから期待できないものであった。
デフレ市場は、生産能力に比べ資金量が著しく少なくなっている市場であるため、生産量増大策を取ると、生産単位辺りの付加価値が減少していく。その結果賃金や、価格が低下する。
企業にいくら賃金引き上げの要請をしても、企業に取っては売上の伸びない中でのコスト増となり、企業の付加価値が減少する。企業は付加価値の減少を取り戻すため、低価格や過剰なサービスを提供し売上を維持しようとする。そのため拡大再生産になかなか移行しないのである。
この辺が低金利にしてもデフレ下では全く、インフレを招かない理由でもある。デフレ下の低金利は、貸し出し金利を引き下げ、企業の生産拡張を促すが、同時に、預金金利が低下し、個人の担保力が減少する。これが余計にデフレを招くことになる。
そしてトドメように消費税を8%に引き上げたのである。これにより一挙に坂道を転げ始めたのである。
デフレは生産能力に比べ消費額が著しく少ない市場である。そこへさらに消費税を引き上げると、市場からその分資金を奪い取ることになるため、消費額がさらに少なくなり、デフレ恐慌に陥る結果となったのである。
当然の帰結である。二度とデフレ下で消費税を引き上げることに賛成した専門家や、政治家、メディヤ関係者には経済政策の正面に立ってほしくない。
デフレ下での消費税引き上げは、市場から資金を奪い取り減少させる政策であるため、著しく消費額が落ちる。これは所得線の角度が下降で表すことができる。
この所得線の角度が下降している間が、デフレスパイラルという、縮小循環である。
さらに公共投資や、生産刺激策などを取り、生産量を増大させると、資金が生産により多く使われるため、消費額に回る資金が余計に減少することになる。
そのため、生産量が増加しても、消費が追いつかず所得増に結び付かないのである。
その結果、付加価値が減少し、企業利益が減少し、労働者の所得が減少する。そのため民間から上がる税収は、減少することになる。
消費税の駆け込み需要による、消費の拡大は、8%に消費税を引き上げたことによる消費の縮小によって、この2年でほぼチャラにしてしまった。
いよいよこれから消費が本格的に以前の水準より減少していくことになる。
問題は、これからも日本の景気対策は、今までとなんら変わらない経済政策を取ることであろう。
しかしアベノミクスを否定しなければ、デフレから脱却することはできない。
アベノミクスは、正当な、インフレ時の景気刺激策であり、それを大規模に推し進めたものである。これまで日本が戦後やってきた集大成とも言える経済政策であった。
しかし経済の諸条件全く違うデフレ下でもやってしまうところが、日本の馬鹿さかげんと言えるであろう。
生産刺激策による生産量の増大、公共投資による生産量の増大、異常な金融緩和と低金利は、生産者側への貸し出し金利を低くし、生産量の増大を目指すものであり、上場企業の株価維持策は、企業の担保が増え、資金繰りやりやすくする。
しかしこのことは、デフレ下では、デフレ促進策となり、借金の増大と、付加価値の低下で終わる。
アベノミくスは、インフレ時の効果のある政策であるが、デフレ下では害悪をもたらす政策なのである。
しかし日本は今ここで根本的に経済政策を変えなければならない所にきている。ここでかえなければ、日本は近い将来破綻するだろう。
残念ながら日本の大問題はここに来てもまだ、また同じような生産量の増加策のような、公共投資や、金利政策、生産刺激策を取りそうなことである。
全然変えることができないのだ。経済を分析する能力が欠如しているのだ。野党もアベノミクスを批判するが、経済が分かっている訳ではない。
(この辺りが明治以降、西洋の猿まねばかりして、自分たちの考えで仕組みを作ってこなかったつけが出ているように思う。)
ここ最近になってようやく、消費税の引き下げに賛成する主張や論調が増えて来た。今まで引き上げ絶賛の記事ばかりだったが、新聞のいい加減さが出ていておもしろい。
識者とか、どこかの大学の先生とかで、消費税に賛成でなかった人達に記事を書かせている。(絶賛していた人達は2年ほど寝かしておくのだろう。)
しかしその内容を見て見ると、デフレがどんなものか分かって言っている人はほとんどいない。闇雲にアベノミクスを批判し、さも自分は消費税に反対であったということを自慢しているに過ぎない。
デフレから脱却するためには、
1、に
消費を増やすため、市場に資金を注入し、消費者に使うお金を増やさなければならない。この一点に集中する政策を取ればよいだけだ。
これをやればわずかなお金でデフレは簡単に直るだろう。
そのための政策
消費税の引き下げ。消費税の引き下げは、お金を消費者に配らなくとも、取引にかかわる税金が少なくなるため、自然に消費額が増えることになる。
同じようなものに、プレミア商品券などもある。
これは例えば500円で600円のものが買えるようにするものであるが、その百円は国などが負担し、直接資金を消費者に増やすにはよい方法である。
しかしこんなことをする手間暇を考えると、消費税を下げた方が、コストがかからず、まんべんなく人々にお金が回ることが分かるだろう。
軽減税率を地域別に設けることも大切だ。消費税率を、東京は8%のままで、他の地域は5%に引き下げる。さらに北海道、九州、四国、東北復興地域は、3%に引き下げることだ。
ネット販売には、本社の地域の消費税を掛ければよい。自由に移動すればよいだろう。
これによりより格差のない地域社会ができよう。地方創生に大事なことは、地域社会を維持できるだけの消費者の消費が存在することだ。地域の企業が拡大再生産できるだけの売上があることが大事なのである。
重要なことは生産量や雇用ではない。第一儀的に、消費の増大なのである。
2、低金利の代表であるマイナス金利を今直ぐ止め、個人預金を引き上げること。
これにより、消費者の担保額が増えることになる。
低金利による企業への貸出を減らし、生産量を減らすこと。デフレ下の生産量の増大は付加価値を減らすため、所得が減少する。失業者が増え、生産量が少なくなる方が、付加価値が増え、デフレから逃れられるのである。
3、雇用保険の満額支払い、給付期間の延長
もっと失業者を増やせ。
しかし失業者を増やしても彼らの購買力を減少させてはいけない。そのため、失業者に前の企業にいた場合と同じ雇用保険を払うことである。その期間をデフレが解消するまで延長することも大事な政策だ。
4、税金の現物納付を幅広く広める。税金をお金で納めるとは、デフレ下ではさらに市場から資金を奪うことにつながる。それを避けるため、現物の土地資産などを納める方がデフレの解消に結び付く。
国や日銀などは、その現物に応じて貨幣を発行すればよいだけだ。
5、ローン破綻懸念者に対し、支払い猶予をする。10年以上、住宅ローンなどを支払い、なおかつ破綻懸念がある人たちに、ローンの支払分を国が替わりに支払い、その分を国の所有物にする。
払えなければ、国の所有物になるが、直ぐに追い出される訳ではない。また所得が増えれば買い戻せばよいだけだ。
6、有料道路料金の引き下げ、ガソリン税の引き下げ、子供手当の引き上げ、生活保護費の引き上げ、など、消費者の消費額が増える政策を取ること。
子供手当か保育所増設か、どちらがデフレ解消にるか。当然子供手当である。これは直接消費者に資金を配ることになるからである。この金が、保育所費用にかかっても、給食費の支払いに充てられてもなんら問題はない。
保育所の建設代金に使われるのは、ゼネコンのインフラに使われるのと同じで効果が薄い。
医療費の補助金等も、病気をすれば払うのではなく、予防で支払うこと。今までと同じように病気をしたら払うのであれば、医者や病院側、薬会社への補助金にすぎない。
直接本人に前以て給付することが大事。各種ガン検診、胃、大腸、乳癌の検査の無料券を配るではなく、直接お金を給付すること。そのお金が飲食に使われても問題はない。
8、公務員の給与を民間並にすること。その削った額を、生活困窮者に回せば、消費は増えることになる。
民間に比べ大金持ちの公務員は、貯蓄に回すため、消費は所得の割に伸びない。
このような消費者に対して直接資金が増える政策を取ることがインフレスパイラルを惹起し、デフレが解消されることになる。
少しでも早くこれらの方策を取り、デフレから脱却してほしい。でなければ、日本の経済的な成功は、一挙につぶれるだろう。
先ずは、どれかひとつを選択し、始めよ。
一言主。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninrou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
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