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激動 電子部品
<上> 中国勢、高付加価値で台頭 大型パネル・8Kでも攻勢
パソコン需要の縮小に加えスマートフォン(スマホ)市場も成熟化し、電子部品市場は成長の先導役が乏しくなってきた。液晶パネルを中心に中国勢の台頭も著しく、国内各社は需要の伸び悩みと価格下落に直面している。高付加価値品の開発など、新たな成長に向けた取り組みを模索し始めた。
東京都港区にあるオフィスビルの一室。画面の横幅が2メートルを超える110型の巨大テレビの前で、来場者が画面に見入っている。画質はフルハイビジョンの約16倍の解像度を持つ8K。このテレビの液晶を作ったのはサムスン電子でもシャープでもない。中国最大手の京東方科技集団(BOE)だ。
BOEは2015年1月、8Kテレビの体験コーナーを初めて東京に設置。商談も相次ぎ成立している。BOEジャパンの久保島力社長は「もっと宣伝をしたいが、対応能力に限界がある」と顔をほころばす。
15〜16年にかけ、生産能力の拡大で液晶市場の存在感を一躍高めた中国勢。米調査会社IHSによると、BOEや華星光電、天馬微電子など中国勢の生産能力シェアは15年は18%と前の年を4ポイント上回ったもよう。18年には29%と台湾を抜き去り、トップの韓国(36%)に迫る見通しだ。
中国メーカーの生産拡大で需給緩和が加速し、テレビ向け32型のオープンセル(バックライトなどがつかない半製品)の大口向け価格は、15年の1年で3割以上値下がりした。他のサイズも値下がりし、韓国や台湾、日本の主力メーカーの収益は軒並み悪化した。
中国勢はシェア確保に向けた攻勢の手を緩めない。テレビ向けでは大型の50型超にも取り組み、4K、8Kなど画質も高いパネルの生産拡大を進める。
BOEは昨年12月、安徽省合肥市で新工場の建設を始めた。約6400億円を投じ、65型以上の大型品を中心に生産を強化する計画。ディスプレー事業の責任者、張兆洪氏は「今後も8K商品を投入していく」と強調する。中国勢が増産すれば、50型台後半以上の大型パネルでも価格の下落圧力は避けられない。
高画質テレビ向けばかりではない。次世代を担う新たなデバイスにも中国メーカーの参入が進み始めた。
パソコン部品店が軒を並べる東京・秋葉原。パソコンの記憶装置ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の売り場で今年春ごろから目立つのが中国製だ。店頭価格は240ギガ(ギガは10億)バイトで5700円前後と、韓国や米国製の大口向け価格を下回るケースもある。
大容量SSDのコストを大きく下げる3次元NAND型フラッシュメモリーはサムスン電子や東芝が開発で先行する。ただ中国でも半導体メーカーのXMC(武漢市)が、米メモリーメーカーと共同で3次元品の開発を進めているもよう。
当面は受託生産にとどまるとの臆測が目立つ一方、「自社ブランドで安値で売り出せば、価格は一気に下がる」(パソコン部品メーカー)と警戒する声も絶えない。半導体開発技術でなお優位に立つ先進国メーカーだが、中国の追い上げが進めば液晶のように予想外の消耗戦を強いられる可能性がある。
[日経新聞6月16日朝刊P.23]
- 激動 電子部品(下)市場開拓、技術で挑む 耐久性・小型化に磨き あっしら 2016/6/20 05:35:34
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