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政府には持ち家政策より、教育政策の再構築が望まれる
「持ち家優遇」政策の弊害 少子高齢化の原因は住宅政策にある
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160619/ecn1606190830002-n1.htm
2016.06.19 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司 夕刊フジ
日本はこれから衰退する、と言われている。原因は人口減少。そして少子高齢化だ。
日本人は結婚しなくなった。そして、子供を産まなくなった。その原因は何だろう。第一に考えられるのは、経済的な問題。結婚するにしても、子供を育てるにしてもお金がかかる。そのお金を十分に稼げないという格差社会や貧困問題が浮かぶ。
では、何にお金がかかるのか。住宅が挙げられる。都会に住む若い人々の多くが、家賃か住宅ローンを払っている。その割合は、収入の2割から3割くらいだろう。支出を項目的に分ければ、1番目か2番目になる。
特に地方から大都市に移り住んだ若年層にとって、住居費の負担は大きい。家賃や住宅ローンという形で、ほぼ一生付きまとってくる。
これに対して、これまでの政府はどういう政策で臨んできたのか。一言で言えば、「持ち家政策」である。
住む家を購入しなさいという政策を何十年も続け、そのために「35年ローン」という制度が生み出され、「住宅ローン控除」という税制の優遇策も施行された。ほかにも固定資産税の優遇措置など持ち家に対する政策上のバックアップは手厚い。
こういった持ち家政策は、実のところ住宅の供給サイドに対する優遇政策でもある。35年ローンや住宅ローン控除があることで、より多くの人が背伸びをしてでも住宅を購入できるようになった。裏返せば、多少高い住宅でも買えるのだ。
そのことが、日本の住宅産業を甘やかしてきた、と私は考える。本来なら、もっと安く供給できる新築住宅を、需要者が35年ローンで何とか買える価格水準に設定してきたとも言える。
現在、新築マンションに限れば、「住むため」に買う人がかなり少なくなっている。35年ローンを組んで、郊外のファミリーマンションを買おうという人は、20年前と比べると半分以下に減っているのではないか。
先日、『年収300万円でも家が買える!』(WAVE出版)という拙著を刊行したが、3000万円や4000万円の新築マンションを35年ローンで購入しなくても、いまは1000万円以下の住宅を無理のない10年ローンで買える時代だ。
日本の政府が長年続けてきた持ち家政策は、もはや時代遅れになってしまった。むしろ、若い人々は住居費に縛られずに生活設計を立てられる時代が到来している。
とすれば、次に政府がなすべきは住居費ではなく教育費に対する配慮だろう。結婚して子供をつくり、育てるにはお金がかかる。その最大の出費は、公立校が健全に機能していないことによって強いられる塾の費用や私立への学費である。
若い人々が結婚し、子供を産み育てる環境をつくらないと、この国の衰退を止められない。そのために求められるのは、もはや持ち家政策ではなく、国民の教育負担の低減であると申し上げたい。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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