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英国、ＥＵ離脱すればリセッションに陥る恐れ−ＩＭＦ
Jill Ward
2016年6月18日 08:00 JST
離脱の影響「マイナスで、著しい」恐れ
経済成長は低下、インフレは上昇する公算大
国際通貨基金（ＩＭＦ）は欧州連合（ＥＵ）残留・離脱を問う英国の国民投票について再度考えを明らかにし、離脱が決まれば同国はリセッション（景気後退）に陥る可能性があると警告した。
ＩＭＦは64ページにわたる報告書を公表。離脱した場合の影響はさまざまな要因に左右されるだろうとしつつ、全体的な評価は「長期的に経済が厳しくなる可能性が高い」と断定した。
信用ひっ迫の恐れも指摘し、市場の流動性が枯渇して支出や投資が滞る可能性があるとした。英イングランド銀行（中央銀行）ではこれを防ぐべく、国民投票前後に追加的なオペを実施することを決定している。
報告の中でＩＭＦはＥＵ離脱の影響が「限定的」と「逆境」の２つのシナリオを提示。より厳しい影響が生じる「逆境」シナリオでは今年から経済成長率が急減速し、17年にはマイナス0.8％に落ち込むと予測した。離脱しなかった場合と比べ経済規模は19年までに5.6％小さくなり、失業率は６％に上昇、財政赤字は拡大すると見込む。このため恐らく一段の緊縮政策が必要になるだろうと指摘した。
この報告は16日に英下院議員が死亡した銃撃事件を受けて、発表が24時間延期されていた。
原題：IMF Revives Recession Warning for U.K. Economy Over Brexit Vote（抜粋）
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-17/O8XF216JIJUX01
ＩＭＦ専務理事：英国はＥＵ加盟で豊かになった、離脱はリスク
Boris Groendahl
2016年6月17日 21:11 JST
国際通貨基金（ＩＭＦ）のラガルド専務理事は17日、英国に欧州連合（ＥＵ）離脱のリスクを警告し、残留を正当化する明確な経済的根拠があると説いた。
同専務理事はウィーンで講演し、ＥＵ加盟国であることは英国に雇用をもたらし「ダイナミックで活気のある」英経済を生み出したと語った。貿易と投資、生産性、所得へのプラス効果に言及した。
英国がＥＵを「離脱することによる経済へのリスクは明確に下向きだと、われわれはかねて言明している」とし、「英国がこれまでもこれからもＥＵ加盟によって恩恵を受けることは私の目には明らかだ」と語った。
原題：IMF’s Lagarde Says Being in EU Has Made U.K. Economy Richer (3)（抜粋）https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-17/O8WYZT6JIJV201
ブレグジット懸念、欧州に飛び火の理由とは
ウェストミンスター宮殿前で旗を掲げるEU離脱支持派（ロンドン、15日）
By RICHARD BARLEY
2016 年 6 月 17 日 15:22 JST
パートナーを残して去るのはつらい。だが残される側もまたしかりだ。市場は遅ればせながら、英国の欧州連合（EU）離脱（ブレグジット）が欧州にとって何を意味するのか思案している。油断できる余地はほとんどない。
市場はかなり最近まで、EU離脱の是非を問う6月23日の国民投票は英国のイベントだと考えがちだった。英ポンドが最も大きく動き、年初来ではドルに対し4％安、ユーロに対し7％安となっている。だが、世論調査で離脱支持派の優勢が明らかとなる中、欧州にも影響が飛び火する兆候が見られる。
ここ数日は、ユーロの対ドル相場の予想変動率（インプライド・ボラティリティー）が上昇し、急変動の可能性を示唆している。いわゆるリスクリバーサルを見ると、大幅なポンド安に対するプロテクションほどではないものの、ユーロ安ヘッジの需要が高まっている。10年物のイタリア国債とドイツ国債の利回り差は拡大しているが、これは欧州における緊張の兆候と考えられている。iTraxxのクレジット・デフォルト・スワップ（CDS）指数でみる欧州社債のデフォルト（債務不履行）保証料は上昇しており、企業の見通しを巡り懸念が高まっていることがうかがえる。ただ公平にみれば、これらいずれの動きもまださほど警戒すべき水準には達していない。
それでも、ブレグジットが決まればこの欧州統合というプロジェクトは前例のない挫折に直面することとなる。EU経済の17.6％を占める英国はそうした意味で大きな存在であり、欧州の発展に重要な役割を果たしている。英国が離脱すればEUではユーロ圏（英国を除くEU経済の85％以上を占める）の重みがはるかに増し、ユーロ圏加盟国と非加盟国の間で力のバランスが偏る恐れもある。
英ポンド相場、対ユーロ（緑）と対ドル（黄緑） ENLARGE
英ポンド相場、対ユーロ（緑）と対ドル（黄緑）
ブレグジットが決まった場合、各中央銀行は流動性供給を拡大することで市場の懸念を和らげようとする可能性があるが、欧州の政治対応も、それ以上とは言えないまでも同じくらいには重要だろう。ユーロ圏のソブリン債務危機の歴史を振り返ると、欧州の政治家が最初の段階で一致団結して信頼すべき対応に踏み切れるとは考えられない。欧州の統合深化を呼び掛けるというこれまでの戦略も、ユーロ圏の有権者の反発を招いている。
当然ながら、投票で離脱が決まった場合、最も急を要する問題や最も高い不確実性に直面するのは英国だろう。だが、それ以外の欧州諸国に課題が投げ掛けられることはないと考えているとしたら、それは無謀というものだ。
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ECB総裁、欧州結束を呼び掛け−英国民投票控え
ECBのドラギ総裁（6月9日、ブリュッセル） ENLARGE
ECBのドラギ総裁（6月9日、ブリュッセル） PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By TOM FAIRLESS
2016 年 6 月 18 日 02:33 JST
【フランクフルト】英国の欧州連合（EU）離脱の是非を問う国民投票が近づく中、欧州中央銀行（ECB）のドラギ総裁は17日、欧州に結束を訴えかけた。
ドラギ総裁はミュンヘンで講演し、欧州には共通のニーズがあり、協力して対応するのが最善だと論じた。こうしたニーズには経済的利益、防衛、世界の移民問題、知的財産や環境の保護が含まれると指摘した。
EUはこうしたニーズを「各国の政府には必ずしも可能ではない方法で」解決することができると述べた。
英国は23日、EU残留・離脱を巡る国民投票を実施する。直近の世論調査では「離脱」支持が過半をやや上回っている。
ドラギ総裁はこの日、欧州統合に関し「人々の共通のニーズをより確実に満たす」新たな取り組み方法をとることを提唱した。
「われわれが共有するニーズで、協力すればより安全に解決できるものを特定し、一段と明確にしなければならない」とし、「不作為の代償は大きい」と述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi_09e1srDNAhWFmJQKHdTZDdYQqQIIHjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11611722697749014104804582134884292133856&usg=AFQjCNGjiMP0hRufG_LRSfv5UvXuIU_Qow
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