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31万社ものペーパーカンパニーが登録されている米東部デラウェア州ウィルミントン市北オレンジ通りに建つビル=2016年4月、清水憲司撮影
<租税回避地>「世界最大31万社」米国デラウェア州の実態
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160612-00000007-mai-bus_all
毎日新聞 6月12日(日)9時30分配信
租税回避地(タックスヘイブン)を駆使した課税逃れの実態を明らかにした「パナマ文書」が世界を揺るがしている。租税回避地と言えば、先進国から遠く離れた島々がイメージされるが、舞台となった中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」に長年勤める女性は「米国や英国では私たちと同じか、もっと悪いことが行われている」と話す。毎日新聞北米総局(ワシントン)の清水憲司記者が、米国が抱える「内なる租税回避地」を取材した。
◇米東部デラウェア州の2階建てビルに31万社
「世界最大の租税回避地がどこかご存じですか?」。5月20日、米ワシントンで開かれた講演会で、国際税務の専門家が問いかけた。聴衆が声を合わせたのは、ワシントンからほど近い米東部デラウェア州だった。
「そう。米国と英国こそが世界最大の租税回避地。パナマ文書は氷山の一角に過ぎないのです」。この専門家によると、パナマ文書の流出元となったモサック・フォンセカでは、1日あたり100件のペーパーカンパニーの設立や銀行口座の開設が行われていたが、世界全体で見ると、その200倍の規模で租税回避地の利用が拡大しているという。
デラウェア州ウィルミントン市北オレンジ通り1209番地。アップル、グーグル、コカ・コーラ、ウォルマート……。名だたる大企業が登記上の本社や関係会社をこの番地に置いている。総数は31万社。実際には事業を行わないペーパーカンパニーがここに集まるのは、州法で安い税率と秘密保持が約束されているからだ。
市街地の一角にあるビルを尋ねると、入り口のひさしに「1209」と書かれた2階建て。拍子抜けするほど平凡な建物だ。法人設立の登録代理店が入居する。インターフォンを押すと、若い女性が「取材にはお答えできません」と答えた。
31万社が、この小さなビルに集まっている。実はこのビルには、次の大統領の座を争う民主党のヒラリー・クリントン前国務長官、共和党の実業家ドナルド・トランプ氏もペーパーカンパニーを構えている。クリントン氏は少なくとも2社を著書の印税受け取りなどに活用している模様だ。トランプ氏に至っては378社だ。
地元大学の新聞がトランプ氏が4月下旬に開いた演説会の様子を伝えている。「2社や3社ではない。378社だ。つまり(州政府に)多くの金を払っているということだ。やましいところは全くない」
デラウェア州が租税回避地になったのは19世紀末。「企業に優しい法制度」を導入したのが始まりだ。例えば、他州で稼いだ利益の中から、法人税率の安いデラウェア州の法人に「企業ロゴ使用料」などとして資金を送れば、その分だけ他州での利益は減り、全体の納税額を減らせる。
それ以上にデラウェア州が重宝されるのは、秘匿性の高さだ。ペーパーカンパニーの設立時に、実質所有者の情報は必要とされず、多くの場合、設立を助言する弁護士らが名義上の代表者になる。誰が所有する法人なのか州当局でさえ把握できない。
代わりに、州政府は1社あたり年300ドル(約3万3000円)を得る。同州は歳入の約4割をペーパーカンパニー立地に絡む収入に依存する。
世界的な課税逃れの実態を暴露した「パナマ文書」の舞台となったパナマは、デラウェアの制度を手本にしたとされる。
オバマ米大統領は5月6日の記者会見で、改めて銀行など金融機関に実質的所有者の情報把握を求める規制強化案について議会の協力を呼びかけた。しかし、来年1月までの任期中に「内なる租税回避地」への対策強化が実現するとの期待は大きくない。議会上下両院で過半数を占める共和党が反対する可能性が高いためだ。
パナマ市で課税逃れを助言する弁護士は「米国で我々のようなサービスを使うのは昔から、共和党に連なる組織や人々ばかりですよ」と語る。課税逃れ封じに向けカギを握る勢力が、租税回避地の利用者でもある実態が対策を難しくしている。
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