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米経済はピークを迎えた!? 市場を失望させたある重要な統計数値
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48825
2016年06月06日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済 現代ビジネス
6月3日に発表された5月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から3万8千人増となり、16万人程度とみられていた市場予想を大きく下回った。
過去2ヵ月分の雇用者数の増加も下方修正された。今回の統計を見る限り、米国の雇用市場の改善傾向に一服感が出ている可能性がある。
雇用統計発表後、市場の利上げ予想は大きく後退した。投資家は、米国の利上げが遠のき低金利が続くことを好感する一方で、米国の先行きに対する懸念は徐々に高まる可能性がある。その結果、5月に進んだドル買いの反動で、円安に振れていたドル・円レートは再び円高方向へと動いた。
■景気のピークを迎えつつある米国経済
今回の“失望”といえる米国の雇用統計は、雇用改善のペースが鈍化しているとの見方を強めるだろう。通信企業のストライキの影響で一時的に3万5千人程度の雇用の減少がカウントされたとはいえ、16万人増の事前予想との差はあまりに大きい。
一方、失業率は4.7%に低下した。これは労働市場の需給の緩みが引き締まったことを示している。このため景気への懸念ばかりを指摘するのは適切ではないかもしれない。しかし、低調な雇用者数の増加を見ると、米国の景気が徐々にピークを近づいている感触がある。
景気のピークが近づく中、米国の金融政策は難しさを増す。雇用統計発表後、米国の金利先物が示す6月の利上げ確率は3%台に急低下し、7月、9月の利上げ確率も低下した。それは、経済が利上げに耐えられないという見方を反映している。FRBは5月中旬以降のような利上げに対して積極的な姿勢を取りづらくなるはずだ。
当面、FRBは慎重な金融政策の運営を強調せざるを得ない。これまでの発言を踏まえれば、イエレン議長らの頭の中には利上げで割高な資産価格を是正し、景気の持続力を高めたいとの考えがあるはずだ。
しかし、市場の利上げ予想が急速に後退している以上、利上げの可能性を仄めかすことは容易ではなくなりつつある。
■やっぱり円高が進みそう…
雇用統計後、米国の金利は大きく低下した。米国の株式市場は前日から1%下落した場面があったものの、引けにかけて徐々に株価は持ち直した。一方、為替相場ではドルの下落が顕著だ。ドルは主要通貨のバスケットに対して1.6%程度下落し、対円では2%下落した。この結果、106円台半ばまでドル安・円高が進んだ。
当面、金融市場では5月に進んだドルの買戻しが終り、これから円は上昇しやすいだろう。
また、雇用統計後の金融市場の反応は、概ね米国の利上げが遠のいたことを好感し、これまで売られてきた新興国の資産等が買い戻された。それは一見すると市場がリスクオンに向かっているとの印象を与えやすい。この点は慎重に考えるべきだ。
世界経済が抱える問題は、米国に代わる牽引役が見当たらないことだ。雇用統計後の金価格の急上昇にはそうした不安心理が影響したのではないか。ドルを売った投資家を満足させるだけの有望な投資先が見当たらない。その結果、安全通貨としての円買いが進みやすい。
米国の景気がピークを迎えるとの認識が強まれば、新興国の成長に対する懸念は高まりやすい。徐々に投資家のリスクオフの姿勢が広がり、世界の金融情勢は不安定になる可能性もある。11月には米国の大統領選挙も控える。着実に米国の利上げのハードルは高まっており、再度、円買い圧力が高まりやすくなっていることには注意が必要だ。
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