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日本の景気対策、ヘリコプターマネーの印象否めず
By JON HILSENRATH
2016 年 6 月 2 日 12:01 JST
安倍晋三首相は1日、経済成長の活性化を目的に、消費税の税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半先送りすると表明した。首相は最大10兆円規模の補正予算案についても検討している。一方、首相の経済顧問を務める本田悦朗内閣官房参与はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、アベノミクスの「バージョンアップ」の一環として日本銀行に資産買い入れの拡大を呼び掛けた。
本田氏は「6月あたりに(日銀が追加緩和を)やったらどうかと個人的には思っている」と述べた。日銀は米連邦公開市場委員会(FOMC)の翌日に当たる6月16日に金融政策決定会合を開く。本田氏は、資産買い入れの年間目標を現在の80兆円から100兆円に引き上げるべきだと指摘した。
米連邦準備制度理事会(FRB)前議長のベン・バーナンキ氏は、財政刺激策とマネーサプライの永続的な拡大との併用を「ヘリコプタードロップ」と表現した。公共事業の拡大や家計所得の増加、インフレ期待の上昇という形で「効果を発揮する可能性が極めて高く」、政府の刺激策として有力な手段だという。同氏は日本のデフレ問題を念頭に、2002年にこの案を提唱したが、元をたどれば経済学者ミルトン・フリードマンが1969年に編み出した概念だ。
日銀の黒田東彦総裁は4月、WSJのインタビューで、ヘリコプターマネーのような政策の活用は意図していないと述べた。金融政策と財政政策の連携を図りつつ独立性を維持することの重要性を強調した。
日本では、政府による巨額の借り入れと中央銀行による長期的な資産買い入れを組み合わせる形で、すでにヘリコプターマネーのような政策が行われている。黒田総裁は4月、2%のインフレ目標を達成するために必要であればいかなる措置も講じる意向だとし、それ以降は他の日銀当局者もそう主張している。日銀は6月に債券買い入れを拡大しても、それをヘリコプターマネーとは呼ばないだろうが、そのような印象は否めない。
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消費増税の再延期、アベノミクス失速浮き彫りに
By ELEANOR WARNOCK AND MITSURU OBE
2016 年 6 月 2 日 07:56 JST
【東京】安倍晋三首相は就任時、日本経済の健全性回復と長きにわたるデフレからの脱却を約束した。
安倍首相が1日表明した消費増税の延期は、この約束がまだ果たせておらず、いつ実現するかも分からないことを浮き彫りにした。増税延期は日本が抱える巨額債務の軽減を難しくするが、景気の低迷によって選択の余地がほとんどなくなったと首相は考えたようだ。
【社説】消費増税延期は一時しのぎ
首相は日本が8%から10%への消費増税を受け入れる用意ができるのは2019年10月になるとの見方を示した。従来は15年10月の増税を予定していたが、今回の再延期前に一旦17年4月まで先送りにされていた。
参議院選挙を来月に控える中、安倍首相は日本がデフレに逆戻りするリスクがあり、危機を回避する必要があったと説明した。中国をはじめとする新興国の景気減速も一因として挙げ、年内に追加の景気刺激策を成立させる考えを示した。
こうしたリスクを振り払うために「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす必要がある」と述べ、キャッチフレーズを用いて経済の活性化に向けた政策を表現した。
首相の発言はこのエンジンの失速を認めたようにも聞こえた。日本経済は今年1-3月期に拡大したが、過去3四半期のうち2四半期で縮小している。政府が公表するコアインフレ率はマイナスに陥っており、日銀が異例のマイナス金利政策を導入したにもかかわらず、目標の2%にはほど遠い状態となっている。
民進党の岡田克也代表は、間違った政策のエンジンをふかしても真の経済成長は実現できないとし、アベノミクスを続ける限り同じことの繰り返しになるだけで、持続的な成長は達成できないと批判した。
安倍首相は金融緩和、財政支出による刺激、構造改革を組み合わせて経済成長を生み出そうとしている。
株価と企業利益は年初に一時落ち込んだものの、首相が就任した2012年12月の水準を依然として大幅に上回っている。だが大半の世帯はこの恩恵を受けておらず、個人消費は弱いままだ。消費税が14年4月に5%から8%に引き上げられた影響が残っていることもその一因となっている。
安倍首相は1日の記者会見で雇用市場の改善と賃金上昇に触れ、アベノミクスが失敗したとの見方を否定した。
だが首相は雇用市場の柔軟性促進や、人口と労働力の減少の緩和に向けた移民受け入れなど、さらに踏み込んだ経済改革は断行していない。
消費増税の再延期からは、日本経済がわずかな打撃にも耐えられないほど脆弱であることに加え、前回の増税による影響を踏まえて政治的反発を懸念する首相の姿が見て取れる。世論調査では消費増税の反対派が優勢となっていた。
増税は従来、20年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化、もしくは利払いを除く財政均衡を達成することを目的に導入が予定されていた。日本の債務残高は対国内総生産(GDP)比で世界最大となっている。
格付け機関フィッチ・レーティングスは消費増税の再延期について、「財政再建に向けた政治的コミットメントの信頼性が損なわれるだろう」と指摘した。
大手格付け3社はいずれも、14年に消費増税が延期されてから1年の間に日本の格付けを引き下げている。
一方、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は首相の判断により理解を示し、17年に増税を実施すれば経済成長に打撃となるため、どの選択肢も厳しいものだったと述べた。
だが、投資家は利回りの大半がマイナスでも国債を買い続けており、財政危機に陥る兆しは見られていない。メリルリンチ日本証券のチーフ金利ストラテジスト、大崎秀一氏は、日銀が年間80兆円の国債を買い入れているため「利回りの上昇トレンドを見込むのはほぼ不可能だ」と述べた。
本田悦朗内閣官房参与は、立案者の1人として同氏が関与したアベノミクスの「バージョンアップ」が必要な時期に来ているとの認識を示した。本田氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、日銀が6月半ばの金融政策決定会合で資産買い入れの年間目標を100兆円に引き上げることも可能だと指摘した。
言い換えれば、これまでと同じ段階的な措置の強化が実施される見込みで、おそらく日本が危機に陥るのを阻止するには十分だが、アベノミクスが打ち出された当初に一部の海外投資家が描いた成長モデルを生み出すには至らないということだ。野党は弱く、分裂しているため、来月の選挙では安倍首相率いる与党自民党が過半数を確保する公算が大きい。
ジャパン・マクロ・ アドバイザーズのチーフエコノミスト、大久保琢史氏は「投資家や企業幹部はすでにアベノミクスの成功を諦めていると思う。問題は代替策がないことだ」と述べた。
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【社説】消費増税延期は一時しのぎ
安倍首相は基本的な経済戦略を変える必要がある
2016 年 6 月 2 日 14:40 JST
安倍晋三首相は1日、日本のためになることをした。消費税率の10%への引き上げを2019年10月まで延期することを表明したのだ。しかし、自身の基本的な経済戦略を変えなければ、いずれ避けられない措置を先延ばしするにすぎない。
来年4月に予定されていた消費増税が延期されたことで、日本は1997年と2014年の増税後に陥ったようなリセッション(景気後退)を免れるかもしれない。だが安倍氏は、将来の増税を不可避なものにする景気刺激策を推進しており、それが消費や投資の足を引っ張っている。
先週の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で安倍氏は、世界経済減速への対策として財政出動で協調するよう各国首脳に呼びかけた。それは実現しなかったものの、安倍氏がこの夏に予定している最大10兆円規模の第2次補正予算に対する支持は得られた。いわゆるケインズの乗数理論では、財政支出を増やせばその増加分以上に国内総生産(GDP)が増えるため、自律的成長が見込めると期待されている。だがこれが本当だとしたら、日本は好景気に沸いていることだろう。
財政支出が続くなか、4月の実質消費支出は前年同月比0.4%減少した。3月は5.3%の減少だった。過去15年の消費支出は年平均0.73%減少している。企業の内部留保は3兆1000億ドル(約340兆円)に上る。利益はあがっているが、投資は停滞しているのだ。
消費者も生産者もこれほど節約に走るのは、国内投資の機会が少なすぎることが一因だ。だが彼らは、現在の財政支出が将来の税金で賄われることも知っている。これは経済学で合理的期待と呼ばれ、財政出動がたいてい失敗する一因でもある。
財務省は、財政赤字を減らすために消費増税を実施すべきだと主張するが、一方で財政支出が成長を押し上げるとも信じている。その結果は、支出の増加が政府の負担と赤字を増やし、それが増税につながり、ひいては成長に水を差すという循環だ。日本の経済政策がケインズの呪縛から解放されない限り、増税を延期した安倍氏の判断は、役に立たない一時的救済に終わるだろう。
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日銀、6月に緩和すべき=本田内閣官房参与
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