http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/277.html
Tweet |
アイスランド、海外投資家排除の動き
アイスランド議会が5月22日に可決した新法は、同国経済が海外資金の流出入に大きく左右されるのを防ぐ狙いがある
By MATT WIRZ
2016 年 5 月 30 日 16:12 JST
アイスランドはこれまで8年間、海外投資家が国内金融市場から逃げ出すのを防いできたが、ついに海外投資家を追い出し始めたようだ。
22日に同国議会を通過した新法は、約23億ドル相当のアイスランドクローナ建て国債を保有する海外投資家に対し、6月に市場の為替レートを下回る水準で売却するか、国債満期時の償還資金を低金利の銀行口座に無期限滞留させるかのいずれかを選択しなければならないと定めている。
投資家はアイスランドからの資金引き揚げを望んでおらず、この中にはボストンを拠点とするイートン・バンスやナティクシス傘下のルーミス・セイレスといった資産運用会社も含まれており、両社は政府の指示を拒否する意向を示している。
イートン・バンスのグローバル債券アナリスト、パトリック・キャンベル氏は「今後も投資を続けたい」と述べた。
こうした問題の原因は、同国政府が海外投資家との関係を急変させたことにある。
国内銀行が債券市場での借り入れを拡大し、高金利で海外からの預金を呼び寄せた結果、アイスランドは金融市場での錬金術師のようになってしまった。こうしたシステムは2008年に破綻し、債券価格が一気に下落する中で銀行では取り付け騒ぎが起きたため、通貨クローナは対ユーロで急落した。
ただ、資本規制が適用された場合に影響を受ける向きも含め、ファンドの運用担当者らの間ではアイスランド国債を買う動きが拡大している。同国は現在、数少ない高金利と堅調な経済成長が見込める国の一つなのだ。
イートン・バンスに加え、こうした「オフショア」債を保有しているヘッジファンドのオートノミー・キャピタルは政府に対し、同国での投資継続を認めるよう求めており、現在の保有国債を長期債と交換する案まで提示している。両社は、この交換された長期債については満期まで保有し続けることを約束している。
しかし、アイスランド側はこれに関心を示しておらず、新法を後押しした当局者らは、同国経済が海外資金の流出入に大きく影響されないことを望んでいる。
アイスランド中銀のグドムンドソン総裁は「私たちは資金を必要としているのではない」とし、「これらは前回のバブル発生と崩壊の遺産であり、私たちがこうした過ちを繰り返すことはない」と述べた。
今回の新法でアイスランドは、投資家に二つの選択肢を示した。一つ目は来月の入札で保有国債を売却すること。この場合、売却で得られる資金の交換レートは1ユーロ=210クローナ以下となる。この選択肢を受け入れる投資家が十分多くなれば、レートは同190クローナまで改善するという。
ただ、投資家は、いずれの為替レートも妙味がないと指摘している。現在のレートは1ユーロ=140クローナ付近だ。
もう一つの選択肢は、国債を満期まで保有することだ。一部の国債は10月に満期を迎える。政府は満期には償還を行うが、償還された資金はアイスランド国内の貯蓄口座に留め置かれ、資本規制解除まで0.50%の金利が支払われる。
投資家の中には、この条件は強制的なものであり、実質的にデフォルト(債務不履行)と同じだと考える向きもある。ただ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスのソブリン債格付けアナリスト、クリスティン・リンドウ氏は、この条件は全く任意的なものだとしたうえで、ほとんどの国債の期限にはまだ数年あり、その時点で資本規制は解除されている可能性が高いと指摘した。
中銀のグドムンドソン総裁は、条件の中で提示された入札の為替レートと市場でのレートの差について、このような大規模債務を支払うことの困難さを反映したものだとし、「償還が明日行われるとすれば、1ユーロ=140クローナになることは絶対にない。もしそうなれば、市場は圧迫され、クローナは急落するだろう」と指摘する。
アイスランドは08年、クローナと外貨との交換をほぼ全面的に禁止したことで、海外の国債保有者の資金を実質的に閉じ込めている状態だ。この資本規制によって、政府は銀行破綻を受けて発生し、クローナ急落とインフレ率の急上昇を招いた厳しい経済減速に対処するための時間稼ぎが可能となった。
左からアイスランドの総合消費者物価指数(CPI)、国内総生産(GDP)成長率(前年比)、アイスランド・クローナの対ユーロ相場 ENLARGE
左からアイスランドの総合消費者物価指数(CPI)、国内総生産(GDP)成長率(前年比)、アイスランド・クローナの対ユーロ相場
アイスランドは昨年、国内銀行の債権者との協定を取りまとめ、通貨規制撤廃の最大の障害を取り除いた。債権者の多くはデビッドソン・ケンプナー・キャピタル・マネジメントやシルバー・ポイント・キャピタルなど、ディストレスト債投資のヘッジファンドだった。
だが、アイスランドはまだ海外の債券保有者の問題を解決する必要がある。同国債の半分以上はイートン・バンス、ルーミス・セイレス、ヘッジファンドのオートノミーやディスカバリー・キャピタル・マネジメントが管理している。
アイスランド国債の保有歴はイートン・バンスが過去10年のうち8年間で、ルーミスは10年間継続保有している。同国債は2008年に42%下落したが、昨年は12%程度持ち直した。投資家らによると、6%と比較的高い金利やクローナ高が背景だ。
主に観光ブームのおかげで経済は再び強さを増している。だが、国民は資本規制の完全撤廃を求めている。
レイキャビクでフランス産ワインの輸入を手がけるアマール・シグルドソン氏は、「資本規制はずっと前に撤廃されているべきだった」と指摘した。同氏は個人資産を債券や為替に投資している。
今のところは行き詰まりの状態だ。イートンとルーミスは、いずれ資金の再投資や罰金なしでの資金引き出しが可能になるとみている。その一方、クローナは上昇が続くと予想しているため、必要であれば国内銀の口座に資金を預けておくことも構わないと考えている。
ルーミスの債券部門ディレクター、ダイアナ・モンティース氏は「われわれの戦略は待つことになるだろう」と述べた。
カナダ財政収支、15年度は赤字転落の見通し−資源安響く
カナダ中銀は25日、企業の設備投資意欲は「期待外れ」の状況が続いていると警告した ENLARGE
カナダ中銀は25日、企業の設備投資意欲は「期待外れ」の状況が続いていると警告した PHOTO: REUTERS
By PAUL VIEIRA
2016 年 5 月 30 日 12:06 JST
【オタワ】カナダの2015年度(15年4月〜16年3月)の財政収支は赤字に転落する見通しとなった。資源価格の下落が響き、3月の財政赤字が単月としては05年3月以来、11年ぶりの大きさとなったためだ。
財務省の財政状況報告によると、3月の財政赤字は94億4000万カナダドル(約8000億円)。2月は32億1000万カナダドルの黒字だった。
この結果、速報段階では15年度の財政赤字は19億6000万カナダドルとなったもよう。ただ財務省によれば、これは年度末調整前の数字で、16年度(16年4月〜17年3月)予算案に盛り込まれた財政出動策は含まれていない。確報値は今秋発表される。
財務省は、調整分を考慮すると「これまでの結果は、15年度は小幅な赤字との予想におおむね合致する」と述べた。
カナダの16年度予算案では、15年度の財政赤字を54億カナダドルと想定していた。16、17年度はそれぞれ約300億カナダドルの赤字を見込む。この赤字増加は、自由党政権が成長刺激策として実施するインフラ投資拡大と減税を反映したものだ。
カナダ政府はこれまで、3月は法人税収関連の年度末減額調整のほか、資源安が企業収益を圧迫した影響で、大幅な赤字になると警告していた。事実、財政状況報告によると、3月は法人税収が37.3%もの大幅減となった。歳入全体では17.2%減だった。
カナダ企業は一般に、税額実績や税額見通しに基づいて、月次で法人税を納めることを義務付けられている。
「この慣行により、さまざまな経済事象の月次法人税収への影響が年度末近くになってようやく出てくるという時間差が生じる場合がある」と財務省は説明した。
カナダ統計局が先週発表した1-3月期のカナダ企業の営業利益は、4.8%減の730億9000万カナダドルとなった。原油・ガス関連企業の営業利益が14.4%減に沈み、全体を押し下げた。
利益の減少が国内での設備投資を鈍らせている。カナダ銀行(中央銀行)は25日の政策判断で、企業の設備投資意欲は「期待外れ」の状況が続いていると指摘した。
16、17年度は財政赤字のさらなる拡大が予想されているが、財務省は予算案が所得の伸びを低く見積もっているようなので、赤字額は予想より小さくなる可能性があるとしている。
関連記事
原油価格、50ドル超えも持続的上昇は不確か
原油相場、一段の上昇に備えるべき
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwixrOvY14HNAhUJG5QKHR8tA7MQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11290027141701334812004582097462956574848&usg=AFQjCNFz0f2nVXvaXrml33owilhmV4MGyg
FX Forum | 2016年 05月 30日 19:21 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:米利上げ織り込み後に「円高」へ=亀岡裕次氏
亀岡裕次
亀岡裕次大和証券 チーフ為替アナリスト
[東京 27日] - 5月のドル円上昇は、ドル高によるところが大きい。リスクオンや麻生財務相の為替に関する口先介入が円安に作用した局面はあったが、世界株安などリスクオフに傾く日も多く、ドル以外の通貨に対する円安の進行は鈍い。
一方、米金利上昇、あるいはリスクオフによるドル高から、実効為替ベースでドル高が進んでいる。原油価格反発に加え、4月米小売売上高や消費者物価(CPI)などが市場予想を上回ったことが、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ期待を高めた。
また、4月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、米経済指標が4―6月期の成長加速を示し、雇用とインフレ率の前進が確認されれば、6月か7月の利上げが適切と考えるメンバーが大半を占めたと判明したことや、早期利上げに前向きな一部メンバーのタカ派的発言から、利上げ期待とともに米国金利が上昇した。
<米利上げ前にドル円の反落も>
2015年12月にFRBが利上げする前にも、利上げ期待の高まりによる米金利上昇とともにドル高(実効為替の上昇)が進み、ドル円が上昇した。ただし、12月16日にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の0.25%引き上げが決定されるおよそ1カ月前の11月18日に、ドル円は123.68円のピークをつけた。そして、利上げ前の12月8日以降に下落の兆しが見え、利上げ決定から間もない12月18日以降に急落した。これは円の動きによるものだ。
ドル以外の通貨に対する円の為替(クロス円)は、11月9日以降に円安が伸び悩み始め、12月8日以降に円高進行が明確化した。つまり、ドル高(実効為替の上昇)は続いていたものの、リスクオフの円高が明確化したためにクロス円だけでなくドル円も下落するようになり、利上げ後にその動きが拡大したのだ。
16年6月14―15日のFOMCを控え、利上げ期待からドル円は一時110.59円まで上昇する一方で、クロス円は全般的に伸び悩んでいる。今年5月以降も昨年11―12月と同様に、米金利上昇やリスクオフによるドル高が続くなかでリスクオフの円高が明確化し、クロス円だけでなくドル円も下落することになるのだろうか。
<利上げ期待によるドル高は限定的か>
1年先のFF先物金利は、16年3月FOMCの政策発表前日の水準をやや上回ったが、差は小さい。17年半ばにかけてのイールドカーブの傾斜は3月当時とほぼ同じであり、金利水準は当時よりも0.03%ほど低い。一時に比べると利上げ期待が高まったとはいえ、3月のFOMC直前とほぼ変わらないのだ。
一方、米2年国債金利や10年国債金利などは3月当時よりも低い水準にあり、長めの期間でみると市場の金利先高観は後退している。最近の米経済指標改善や市場安定を受けて、6月か7月にFRBが利上げする可能性が出てきたものの、中長期的な利上げペースが速まるとの見方が強まっているわけではない。
これは、市場の米国景気見通しが改善していないからだろう。米景気見通しが改善しない限り、利上げ期待の高まりによる米金利上昇は限定的で、金利上昇によるドル高も大きなものとはなりにくいとみられる。
15年12月の米利上げ後、年末近くまで米2年国債金利は上昇したが、ドル円は上昇しなかった。利上げ前の11月に米10年国債金利の上昇が止まると、ドル円も同じように上昇が止まった。短期債よりも長期債の方がリスク許容度を反映しやすいため、このように為替との相関が強くなるケースが出てくる。16年6月か7月に利上げが行われた場合も、ベース金利上昇効果から短期債金利が上昇する一方で、リスクオフ効果から長期債金利が低下する可能性がある。
ドル円は、利上げ前後までは短期債と同様に上昇しても、次第に長期債の金利に連動するように下落するのではないか。もし、FOMC前にリスクオフの米株安・長期金利低下(ドル円下落)が顕著に進む状況となれば、利上げが見送られる可能性が高くなる。
<ドル高とリスクオフの循環に入る可能性>
米金利上昇が止まると金利面のドル高圧力は緩和するが、それでもドル高(実効為替上昇)が止まらない可能性がある。すでにドル高に振れたことが米国の製造業景況感を悪化させやすく、株安などのリスクオフを招いて、低金利(調達)通貨以外に対しドル高に作用するからだ。
株安に振れると、個人消費が減速して米国の景況感が悪化し、リスクオフがますます強まりやすい。つまり、いったんドル高に振れると、ドル高とリスクオフが相互に作用する循環に入りやすいのだ。そして、ドル高とリスクオフの循環は、米国の利上げ期待が後退して金利が明確に低下し、金利面のドル安圧力が大きくなるまで続きやすいと考えられる。
ドル高とリスクオフの循環を生む要因として、人民元の動向もある。4月まで対ドルの人民元安が収まっていた原因はドル安にあったが、5月はドル高(実効為替上昇)を受けて、対ドルで人民元安に振れ始めた。対ドルで下落した通貨バスケットに対して人民元高に振れることで、中国当局が対ドルの人民元基準レートを低めに設定しやすくなり、市場での人民元売りも強まりやすいからだ。
また、人民元安が進むと、中国からの資本流出が強まり、株安を招きやすい。つまり、ドル高は人民元安を通じても世界的なリスクオフを誘発する可能性が高いのである。
米利上げ期待の高まりによる金利上昇はドル高を生むが、それがリスクオフに点火することになると、米金利上昇によるドル高が弱まるとともに円高が優勢となりやすい。市場がリスクオフに傾いた場合、FRBが7月までの利上げを見送る可能性がある。この場合、米金利上昇によるドル高が進みにくく、ドル円の上昇は抑えられるが、リスクオフの円高によるドル円の下落も緩やかなペースとなるだろう。
一方、市場が安定を保った場合は、利上げが行われるだろう。この場合、利上げ前後まで米金利上昇によるドル高が進んだ後、リスクオフの円高が進みやすくなり、ドル円の上下動は大きめになるだろう。利上げの有無によってドル円の変動パターンは変わるが、いずれにせよドル円はいったん上昇しても、それが持続せずに下落に転じることになるのではないか。
FF金利先物市場は7月までの利上げを、すでに60%ほど織り込んでいる。5月中旬に市場が予想する利上げ確率が40%程度上昇する間に、ドル円は2円程度上昇した。FRBが6月15日か7月27日のFOMCで利上げすることになれば、その頃までに一段の米金利上昇によりドル円は112円前後へ上昇する可能性があるとみている。
しかし、その後は年末に向けて、ドル円は再び下落していくことになるだろう。16年末までのドル円相場のレンジは、103―113円と予想している。
*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yuji-kameoka-idJPKCN0YI0IR?sp=true
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民109掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。