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シンガポール沿岸沖の石油タンカー PHOTO: WALLACE WOON/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
原油相場、一段の上昇に備えるべき
http://jp.wsj.com/articles/SB11031890582215644392604582091510913940948
2016 年 5 月 27 日 13:02 JST WSJ
国際原油市場では、カナダの山火事などによる供給不安を背景に、原油価格が今年初めて1バレル=50ドルを突破した。
では、今後の相場は上がるのだろうか、それとも下がるのだろか。需要に変化が現れ始めるまでには時間がかかるが、供給はそうでないことが時折ある。在庫水準が過去最高に迫る中でも、需給が急激に引き締まるリスクをトレーダーらが織り込んでいるのは正しい。
要するに、原油価格は長期の見通しこそあまり良くないが、短期的にはまだ上昇余地があるということだ。原油市場はピーク時の状況から程遠いものの、数カ月以内の60ドル到達は明確に視野に入っているとも言える。生産会社の予算編成上の想定価格が50ドルにすら達していない可能性もある。
原油供給を押し下げている最大の要因はカナダの山火事だ。これによる供給減少は日量およそ100万バレルに上る。だが、山火事の影響は一時的なものにすぎない。はるかに先行きを見通しづらいのがナイジェリアで、情勢不安が続くニジェールデルタなどでの武装勢力の破壊活動により、日量60万〜80万バレルの輸出が減る見通しとなっている。破壊活動が拡大するようなことがあれば、これまで「安全」とされていた輸出源が脅かされる恐れがある。
ベネズエラも問題だ。同国の原油輸出には停電や急激なインフレの影響はまだ見られないが、新たに浮上しつつある二つの要因が輸出を妨げる恐れがある。一つは、ハリバートンやシュルンベルジェといった油田サービス大手の怒りを買ったことだ。両社は最近、ベネズエラでの事業縮小を発表した。支払いが遅延していることが理由だという。
もう一つは、マドゥロ大統領が13日に非常事態を宣言したことで、深刻な社会不安に陥る恐れがあることだ。ベネズエラの原油輸出は日量およそ170万バレルに上る。原油生産は2002年と03年のストライキで落ち込んだ。
原油生産の落ち込みが数年来の高水準にあるため、世界的な生産過剰(日量およそ130万バレル)は今のところ解消されている。これは米国でシェールオイルの生産がようやく減少軌道をたどり始め、世界中の従来型事業計画(生産能力は日量100万バレル超)が棚上げされた時期と重なる。一時的に供給不足に陥る可能性も否定できない。
これは物理的な不足を意味するわけではない。足元では世界の商業・戦略在庫が450万バレルを超えるためだ。これが前例のない「緩衝材」として機能している。
一方、世界のある地域の不足分を他の地域の増産で補う能力、いわゆる余剰生産能力は、ここ数年で最低となるかもしれない。これまではサウジアラビアの余剰生産能力が最大という状況が続いていたが、その規模は以前ほどではなくなっている。RBCキャピタル・マーケッツのアナリストらは今週、サウジの生産量(現在は日量1020万バレル)が一時的に日量1100万バレルを超えるというのは言い過ぎだと述べている。
原油価格は生産会社の見込みよりもずっと早く50ドルを突破したが、各社は長期見通しの引き上げを全く急いでいないかもしれない。それは賢明だが、生産会社が注目しているのは利ざやがどうなるかだ。各社はさまざまなニュースに目配りし、一段の価格上昇に身構える必要がある。
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