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パナソニックの最新型ガラケー「P−01H」。高齢者でも見やすいように文字が拡大できる(写真:産経新聞)
なかなか絶滅しないガラケー…首位パナが次々新機能、スマホより優位に立つ?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160523-00000062-san-bus_all
産経新聞 5月23日(月)14時51分配信
急速に普及するスマートフォンの陰で、「ガラパゴスケータイ(ガラケー)」と呼ばれる従来型携帯電話の出荷台数も堅調に推移していることはあまり知られていない。法人や高齢者の底堅い需要に加え、電池のもちを含めた使い勝手の良さやスマホの約半額という維持費の安さにひかれ、スマホからガラケーに戻ってくる需要も市場を下支えしている。パナソニックなどは新機能を搭載した機種の投入や新サービスを始め、ガラケーの需要掘り起こしを進める。(橋本亮)
◆出荷堅調
「減少したとはいえ、従来型携帯電話の出荷台数は依然として、高い水準の市場規模を誇っている」。国内ガラケー市場でシェア首位を確保するパナソニックの担当者は、足元の市場動向をこう解説する。
一時期より勢いこそ衰えたものの、平成26年度のガラケーの出荷台数は1040万台で、パソコン(919万台)やデジタルカメラ(578万台)、薄型テレビ(545万台)を上回る規模を維持しているのだ。
スマホの急速な普及に伴い、ガラケーの出荷台数は減少の一途をたどった。調査会社のMM総研(東京)の調べによると、20年には携帯電話の国内総出荷台数のうち、90%以上をガラケーが占めたが、米アップルのiPhone(アイフォーン)の登場などもあり、一気にスマホが普及。23年にはガラケーの構成比が40%程度にまで落ち込んだ。
ここ数年はスマホへの買い替え需要が一巡し、ガラケーの出荷台数はほぼ横ばいで推移しており、構成比は30%程度。契約数でみると、今も5千万人超がガラケーを利用している。パナソニックも年間200万台強を出荷し、「まだまだ成長の余地は大きい」と同社の担当者は力を込める。
◆安い料金
スマホよりもガラケーが優位に立つ点として、端末の頑丈さや電池のもちを含めた使い勝手の良さがあげられるが、最も大きいものは維持費の安さだ。MM総研の調査では、スマホの月額平均利用料金が6283円なのに対しガラケーは約半額の3260円。余計な機能をそぎ落とすことで端末価格を安く抑えているのも売りとなっている。
スマホとガラケー、タブレット端末とガラケーを持つ「2台持ち」や法人向けの需要が市場を下支えする。それらに加え、「いったんはスマホを買ってみたが、機能を使い切れなかったり、慣れ親しんだガラケーの方がよいと戻ってくる需要も増えている」(パナソニックの担当者)ことも、ガラケーが“絶滅”しない要因となっている。
◆独自進化
ガラケーもカメラの画素数を高めたり、無線通信規格に対応するなどの機能充実も進んでおり、新サービスも提供され始めた。
パナソニックが昨年11月からNTTドコモ向けに提供する「P−01H」は、登録したあて先に歩数計のデータや電池残量、端末を開いた回数などをメールで知らせる独自の「みまもりメール」を使えるようにした。例えば、離れた場所に住む家族や一人で暮らす親の様子をガラケーの利用状況を通じて知ることができる。端末の設定だけで利用可能で料金も月額100円程度で済むといい、一人暮らしの高齢者らの安否確認に利用してもらおうと、自治体などに売り込みをかける。
京セラやシャープのガラケーは、スマホで人気の無料対話アプリ「LINE」に対応し、“ガラホ”として注目を集めている。多くのガラケー端末は高齢者向けに文字を拡大して見やすくする機能を搭載するなど、使い勝手に磨きをかける。何とか生き残ったガラケーは独自の“進化”の方向性を模索している。
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