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日銀、国庫納付を大幅減
昨年度、引当金4500億円積む 緩和「出口」に備え
日銀は将来の金融緩和の「出口」で保有国債に損失が生じる事態に備え、2015年度に初めて4500億円程度の引当金を積む。これに伴い日銀の利益が目減りし、15年度に政府に納付する金額は大幅に減少する。単年度でみれば量的・質的金融緩和(異次元緩和)のコストが国民に転嫁されることになる。
日銀は来週にも15年度決算を発表する予定で、引当金や納付金も公表する。
日銀は異次元緩和による購入で膨らんだ国債の利息収入の一部を引当金に積める制度を15年度につくった。黒田東彦総裁は物価目標の達成が難しくなれば追加金融緩和を辞さない考えを示しているが、新たな引当金は異次元緩和の出口を見据えた布石だ。
日銀が持つ国債は3月末で349兆円と3年間で2.8倍に急増した。デフレ脱却が確実になり日銀の金融緩和が出口を迎えれば、現在はマイナス圏に沈む長期金利が上昇(債券価格は下落)することは確実。日銀が保有する大量の国債も値下がりし損失が大きく膨らみかねない。日銀の試算では長期金利が1%上がると保有する国債の時価は21兆円減る。
引き当ての原資には国債の利息収入を充てる。大量に国債を買い続けているため、15年度の利息収入は1兆3千億円程度と14年度より3割ほど増えたもようだ。4500億円程度を引当金とし、自己資本に算入する。将来収益が悪化した際には引当金を取り崩し、赤字に陥ることを避ける。
日銀は企業の最終利益にあたる剰余金から毎年政府に納付金を支払っている。15年度は4500億円規模の引当金を積むため、その分だけ利益が目減りすることになる。円高の影響で外貨建て資産の評価額が減ることも利益を圧迫する要因になる。15年度の納付金は4000億円前後にとどまる可能性が高く、14年度(7567億円)を大きく下回る。
納付金が5000億円を下回れば、10年度以来、5年ぶりの少なさになる。日銀は「引当金は収益の振れをならすもので、長い目で見た納付金の総額は変わらない」(幹部)としている。
しかし、単年度でみれば納付金の減少は国民負担が増えることを意味する。日銀の異次元緩和によって景気や物価が支えられている面がある一方で、国民には負担が回っている形だ。
日銀の国庫納付金とは
▼日銀の国庫納付金 日銀は企業の最終利益にあたる剰余金の大半を政府に納め、一般会計の歳入となっている。原則として剰余金の95%を政府に納めている。2014年度は財務基盤強化のために麻生太郎財務相の認可を得た上で75%に下げていたが、15年度は引当金制度ができたため95%を納める方向だ。
[日経新聞5月21日朝刊P.]
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