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「タイタニック」に乗って死にたくないから起業した サラリーマンは大船の乗客であり、起業家は小舟の船長である
http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/854.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 23 日 00:10:41: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「タイタニック」に乗って死にたくないから起業した サラリーマンは大船の乗客であり、起業家は小舟の船長である
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46861
2016.5.23 安田 修 JBpress


 よく人から、「どうしてあんな良い会社を辞めてまで、起業をしたのか?」と聞かれます。確かに大企業を辞めてリスクの高い起業をすることは、経済的には合理的な判断ではないかもしれません。嫌だから辞めた、という単純な話でもありません。ではどうしてそんなことをしたのかといえば、1つの答えがこれです。

■「タイタニック」を見て戦慄した

 もうかなり古いのですが、『タイタニック』という映画がありましたよね。一般的にはラブロマンスの代表的な作品として知られていると思いますが、端的に言うと、時代を代表する豪華客船が、氷山に衝突してなす術もなく沈む話です。私はあの映画を観て、感動したり興奮したりするよりも、むしろ恐怖したんです。

 あんな大きな客船が、ちょっと舵取りを誤って氷山に衝突しただけで、真っ二つになって沈んでいく。乗客は、完全に安心しきって船旅を満喫しているわけです。今が危険なのかどうかすら、実際に氷山に衝突するまで分からない。これって、大企業に働いている自分と同じだな、と思ったわけです。

 全米が感動で涙している中で、1人戦慄し、震えたわけですね(笑)。

■豪華客船である大企業

 いざ辞めようとすると強烈に気付くことなのですが、サラリーマンというのは非常に恵まれた身分なんです。最大の良さは、雇用と給料の安定性ですよね。これは起業・フリーランス側から見ればもう、「不公平」「ずるい」というレベルです。

 必ずしもいつも仕事で結果を出さなくても、それなりに真面目にやってさえいれば高い給料がもらえるし、ボーナスも出る。これは、サラリーマンではない人から見たら垂涎の的なわけです。さらに、格安で借りられる社宅や福利厚生施設、手厚い年金に社会保険などなど、過剰と言ってもいいくらいにサラリーマンは守られています。

 さらに、会計・税金関係や事務手続きなど煩雑なことはそれ専門の人が社内にいてやってくれますから、知識がなくても大丈夫です。そんな、至れり尽くせりの状態で、会社の看板を使って大きなビジネスに、自分の専門性を生かして取り組めるわけです。社会的なステータスもあります。

 つまり、豪華客船に乗っているのと同じですよね。会社の舵取りの心配は、基本的にはしなくていいわけです。舵取りをしたくても、できないというのが本当のところかもしれませんが。

■なぜ大会社を辞めて起業をするのか

 そろそろ本題に入りますが、私がサラリーマンを辞めて起業をした理由の1つは、サラリーマンである限り、人は「部品」に過ぎないということでしょう。

 私にとって「自分の頭で考える」というのは重要な価値観なのですが、それが大きな組織では許されません。上意下達、指揮命令系統に従って、誰かが考えたことを粛々と実行していくのが主な仕事です。

 また、サラリーマンは愚かに保たれています。税金を例にすれば、自営業者には認められている節税が、サラリーマンにはほとんど認められていません。搾取されているんですね。税金の基本は「取りやすいところから取る」なので、これは至極当然の仕組みなのです。

 税金は一例ですが、そういう大きな仕組みの中で政策的に、常にサラリーマンはある意味で愚かに保たれ、統治されています。誤解を恐れずに言えば、自分で舵を取ることがないために、安心しきっているのです。例えるならば、サラリーマンは大船に乗った乗客であり、起業家は小舟の船長です。

■会社の倒産を経験して考えたこと

 少し話は変わりますが、金融機関で融資や投資の仕事をやっていると、目の前で会社が潰れることがあります。あ、誤解しないでいただきたいのは、私が「金返せや、コラァ」と追い込みをかける、みたいな仕事をしていたわけではありませんよ。債権者集会に出席したりして、同じことをもっと紳士的にやるわけです(笑)。

 いつもそんなことをしていたわけでもありませんが、一般の方と比べて、そういう機会は多くなります。投資に関わった会社で、倒産したところもあります。企業が倒産する原因はいろいろありますが、結局のところ、多くの場合は人材の不足が致命傷になっていると感じました。

 少なくとも、優秀な人材は大企業が抱え込んでいて、中小企業には驚くほど人がいない、というのは事実でしょう。大企業から中小企業へ、人材の流入が起こらないといけない。かといって大企業の社員に転職をしろと言っても待遇面が違いすぎますから、それは現実的ではありません。しかし例えば、経営コンサルタントという形で活躍する大企業出身の起業家が増えれば、世の中はもっと良くなるのでないかとも考えたんですね。

 それは余談ですが、そのとき目の当たりにしたのは、「会社というのは潰れるときは潰れるものだし、従業員はそのことを、ニュースで見るまで知らされない」ということでした。大きな会社だから大丈夫、という時代でもありませんし、潰れなくてもリストラされるかもしれません。自分の乗っている船が安全かどうかは、分からないまま死んでいくんだな、と感じたのです。

■どちらが良いのかは、結局のところ

 大船の乗客と小舟の船長のどちらが良いかというのは、結局は価値観によります。これから海が荒れたとき、実際に生き残るのはどちらかといえば、何も考えずに大船に乗っている方だったりするのかもしれません。でも、船が沈んで全員が死ぬとすれば、大船の乗客は何が起こったのかすら分からないでしょう。一方で小舟の船長は、最善を尽くした上で納得して死ねることでしょう。

 私は、そこが決定的に重要なのだと思います。単に安定的に生きようとすればサラリーマンで良いでしょう。しかし、自分の人生に責任を持って生きようとすれば、起業家という選択肢は妥当であり、必然だと思いました。そんなわけで私は起業しましたし、今のところ後悔はしていないのですが、皆さんはどのように思われますか。

 それでは、また。人生計画で夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修でした。

 

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