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NTTデータの本社がある豊洲センタービル(「Wikipedia」より/Tennen-Gas)
NTT、情けない惨状…巨額海外投資4連続失敗で1兆円損失、懲りずに3千億の買収
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15182.html
2016.05.22 文=編集部 Business Journal
NTT(日本電信電話)グループが北米市場に再挑戦する。海外のM&A(合併・買収)で失敗続きのNTTドコモに代わって、システム開発のNTTデータ(エヌ・ティ・ティ・データ)が海外戦略の中核を担う。
NTTデータは3月28日、米パソコン大手デルのIT(情報技術)サービス部門を買収すると発表した。買収額は30億5500万ドル(約3500億円)で、NTTグループでは過去3番目になる大型買収である。
買収するのは、デルが北米を中心に展開するITサービス部門のデル・サービシーズと、ITサービス子会社3社。ITサービス部門の2016年1月期の売上高は28億2600万ドル(約3200億円)で、従業員を2万8000人抱えている。
米大統領選に2度出馬した米実業家ロス・ペロー氏は、米IBMを経てペロー・システムズ前身のITサービス企業を創業。米政府内に持つ人脈を生かし、医療システムの受注に成功した。一時期、米自動車大手のゼネラル・モーターズ傘下に入ったものの、1988年に再び独立してペロー・システムズを設立した。09年にデルがペロー・システムズから医療・保険部門を39億ドル(約3600億円)で買収した。これは翌10年に“オバマケア”と呼ばれる「医療保険制度改革法」が成立することを先取りした動きだった。3000万人の米国民がメディケイド(低所得者向け公的医療保険)や民間医療保険に新規に加入すると見込んだのだ。
デルは買収後、巨大化する医療システム市場を開拓。米病院チェーンなど有力顧客に深く食い込み、医療向けITサービス分野でトップシェアを握るまでになった。
主力のパソコンが落ち込んだデルは、15年10月、ストレージ(外部記憶装置)大手の米EMCを670億ドル(約8兆円)で買収すると発表した。16年10月の買収完了に向け、資金調達の一環としてITサービス部門を売却することにした。
仏アトス、米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、インドのタタ・コンサルタンシー・サービシーズら大手ITサービス事業者が争奪戦を繰り広げた。最終的にNTTデータが射止めたが、このときの買収額30億5500万ドルは、デルがこの部門を買収した時の全額のおよそ4分の3。つまり、買い叩かれたといえる。
NTTデータは海外売上高1兆円を目指す
システム構築を手掛けるNTTデータは官公庁や金融業界に強く、業界トップの存在だ。2000年代後半から国内市場の成長鈍化を見据えて欧米中心にM&Aを展開してきた。
08年にSAP(統合管理システム)事業をメインに展開する独アイテリジェンスや独BMWグループの情報システム子会社だった独サークエントを買収。10年12月にITサービスの米キーンを1000億円で手に入れた。
13年にスペインのITサービス会社エヴェリスを500億円、15年にITコンサルティング会社の米カーライル・アンド・ガラガー・コンサルティンググループを270億円で相次いで買収した。
一連の海外でのM&Aにより、04年3月期に30億円規模だった海外売上高は16年3月期には170倍以上の5196億円に増加した。海外売上高比率は30%に達したが、国内売上高が7割近い状態では、まだグローバル企業とはいえない。20年をめどに、海外売上高1兆円、海外売上高比率50%を目標に掲げる。
デルのITサービス部門と子会社3社の買収によってNTTデータの海外売上高は8000億円規模まで膨らむ。海外売上高1兆円の目標が射程距離に入ってきた。
NTTグループ全体では、18年3月期に海外売上高220億ドル(2兆6000億円)を目指している。16年3月期には1兆9000億円にまで伸ばした。持ち株会社のNTTは10年に南アフリカの情報システム会社ディメンション・データを2860億円で買収している。
■NTTドコモは4度、海外M&Aに失敗
海外M&Aが金の卵を産むという保証はどこにもない。NTTグループの海外M&Aは失敗の連続だったといっていいだろう。2000年代前半、NTTグループの海外進出の切り込み隊長の役割を担ったのが携帯電話会社のNTTドコモだった。
ITバブルの到来によってドコモは海外M&Aの先陣を切り、ドコモの世界進出は日本のIT戦略の象徴と称された。その後、日本の大企業はそろって海外でのM&Aに乗り出したが、ことごとく失敗した。
2000年にオランダのKPNモバイルに4000億円、英国のハチソン3GUKに1900億円投資した。ハイライトは01年、米国の携帯電話会社AT&Tワイヤレスに1兆2000億円を投資した。第3世代携帯電話とiモードの米国展開をにらみ、巨額投資に踏み切った。これがNTTグループの最大の投資案件となった。
だが、海外事業はいずれも失敗。05年にはすべて撤退し、損失額は1兆5000億円に上った。高い授業料を払ったが、懲りなかった。米国進出に失敗した後、次に目をつけたのはIT大国を目指しているインドだった。
09年にタタ・グループのタタ・テレサービシズ(TTSL)に2600億円出資した。TTSLは秒単位の課金など斬新な料金体系を導入してシェアを6位から4位に上げたが、上位企業の反撃を受けると失速した。
14年4月にインドからの撤退を決めた後は、出資時の契約に基づきNTTドコモはタタにTTSLの保有株の買い取りを要請した。タタはドコモの要求を下回る水準の買い取りを提案したため交渉は進まず、15年1月に国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。ドコモはこれで海外のM&Aで4度失敗したことになる。
そこで、ドコモに代わって海外M&Aを担ったのがNTTデータである。ドコモの二の舞は許されない。
(文=編集部)
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