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マイナス金利の効果_具体的に何を、いつ頃期待すればいいの?
2016年05月18日(水)渡邊竜士 (トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社 執行役員)
4月28日の金融政策決定会合後、黒田東彦日銀総裁は「政策効果の浸透度を見極めていくことが重要と判断」と追加緩和の見送りについて説明をし、政策効果が「すでに金利面に表れており、今後、実体経済や物価面にも波及していく」と自信を示している(ロイター)。
マイナス金利政策が導入されて約3カ月、金利面の効果としては、短期金融市場(無担保O/N物レート)や、住宅ローン金利等の下落幅が預金金利のそれを上回っている。それでは、今後、具体的に何を、いつ頃期待すればよいのだろうか?infinity>国際>金融万事 塞翁が馬 [金融万事 塞翁が馬]
マイナス金利の効果
具体的に何を、いつ頃期待すればいいの?
2016年05月18日(水)渡邊竜士 (トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社 執行役員)
4月28日の金融政策決定会合後、黒田東彦日銀総裁は「政策効果の浸透度を見極めていくことが重要と判断」と追加緩和の見送りについて説明をし、政策効果が「すでに金利面に表れており、今後、実体経済や物価面にも波及していく」と自信を示している(ロイター)。
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マイナス金利政策が導入されて約3カ月、金利面の効果としては、短期金融市場(無担保O/N物レート)や、住宅ローン金利等の下落幅が預金金利のそれを上回っている。それでは、今後、具体的に何を、いつ頃期待すればよいのだろうか?
経済を生産面から考えた場合、企業がどのように資金調達費用の低下を活用し、好循環を生み出せるかがカギとなる。ロイター企業調査(日本における資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象とした調査)では、「調達コストの低下をどう活用するか」(注1)という質問に対して最も多かった回答は「設備投資」(37%)だった(図表1参照)。
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「マイナス金利による資金調達コスト低下が2016年度設備投資計画にプラスに寄与しているか?」(注2)という問いかけに対し、何らかの寄与を認めている回答は合計35%とほぼ同水準である。仮に3割強の企業が設備投資を強化するとして、それが充分かどうかは評価が分かれるところだろう。
法人企業景気予測調査(6月13日公表)の
設備投資計画に注目
財務省の法人企業統計によると、2015年10-12月期の設備投資(金融業・保険業を除く全産業)は約10.5兆円、前年同期比8.5%増で、11四半期連続で増加している。一方、今年1-3月の法人企業景気予測調査(3月11日公表、2月15日時点の調査)では、2016年度の設備投資計画(ソフトウェア含む、土地除く)が前年度比6.6%減となっており、今後はこれらの設備投資関連統計が実体経済の先行指数としてより注目を浴びる。
6月1日朝8時50分、公表予定の法人企業統計調査では1-3月の設備投資が分かるが、マイナス金利の実施が2月16日だったことを鑑みると、ここでの結果は時期尚早かもしれない。6月13日朝8時50分、公表予定の法人企業景気予測調査における来年度設備投資計画が目先のイベントだ。
国内の業界再編は加速するのか
3月のロイター企業調査では、11%が調達コストの低下をM&Aへ活用すると回答(図表1)しているが、実はこの分野は近年盛況にある。日本企業が関わるM&Aは昨年件数ベースで2937件(前年比11%増)、金額ベースでは約21兆円(前年比倍増)となった。M&Aをタイプ別に見ると、より興味深い。
アウトバウンド型(国内企業による海外企業M&A)は長引くデフレと低金利で過去15年程増加傾向にあるが、ここ2-3年はインバウンド型(海外企業による国内企業M&A)、足元では国内企業間M&Aも増加し始めた。日本の実体経済には(インバウンド型や国内企業間における)この変化はとても好ましく、特に国内企業間M&Aは件数も金額も影響が大きい。
国内企業間M&Aは昨年6.9兆円(前年比129%増)・2031件(13%増)、2016年1-3月期は金額ベースで(前年同期比)102%増・件数ベースで5%増、高水準で拡大している。長年M&Aに対して経営・文化要因から保守的だった日本も、産業競争力強化法(2014年1月施行)、コーポレートガバナンスコード(2015年6月導入)、そしてグローバル化する企業活動の中で、M&Aへの意識も変わりつつあるのかもしれない。
日産と三菱自動車の業務資本提携について林幹雄経済産業相も「業界再編を含めて、産業の新陳代謝を促すことは極めて大事」と述べている(5月13日 ロイター)。企業の資金調達費用の低下がこういった国内の業界再編の加速に繋がるか、四半期毎のM&A統計等からも目が離せない。
注1 3月3〜17日実施、回答245社
注2 4月1〜15日実施、回答244社
おことわり:本コラムの内容はすべて執筆者の個人的な見解であり、トムソン・ロイターの公式見解を示すものではありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6789
- 日産・三菱買収劇に見る投資戦略(大前研一) 軽毛 2016/5/18 23:24:00
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