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日銀の黒田東彦総裁
黒田日銀総裁、過剰期待に天の邪鬼発揮か 追加金融緩和見送りの裏側
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160510/dms1605100830003-n1.htm
2016.05.10 「日本」の解き方 夕刊フジ
日銀は4月27、28日の金融政策決定会合で追加緩和を見送った。多くの市場関係者は追加緩和を「希望」していたので、今回の決定に失望し、円高株安に急に振れてしまった。
ただ、注意が必要なのは、市場関係者は利益のために思惑で売買しているだけなので、彼らの行動の結果を、日本経済全体のために行われている金融政策を評価するために使ってはいけないということだ。
そこで、日本経済の観点から、今回の追加緩和見送りの背景を考えてみよう。経済全体の指標としては、国内総生産(GDP)と失業率が重要だ。この意味で、株価や為替は二義的な意味しか持たない。GDPはやや足踏み、失業率は低い水準だが、このところは下げ止まっている状態だ。一方、物価や賃金も伸び悩んでいる。
こうした状況を日銀がどう判断しているのかが重要なポイントだ。今回公表された「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中に気になる記述がある。わが国の潜在成長率を「0%台前半」としている点だ。
そうであれば、日銀は、今の失業率を、これ以上低下できない構造的な下限の水準とみていることになる。そう考えると、これ以上金融緩和しても無意味という理屈もありうる。
ただし、筆者はその見方に異論がある。物価や賃金が伸び悩んでいることと矛盾するためだ。さらに金融緩和を行えば、失業率は今の3%前半から2%後半へ引き下げることができ、物価や賃金が上がり出すとみている。筆者のこの立場から見ると、4月の会合で日銀が金融緩和して、政府は7月の参院選前に財政出動することが最適解であった。この意味で、日銀の行動は解せない。
黒田東彦(はるひこ)総裁は、(1)金融政策への理解がありつつ、(2)元大蔵官僚という側面を持っているが、なにより(3)生来の天の邪鬼(あまのじゃく)である。今回は、あまりに市場の追加緩和への期待が強く、相場も動きすぎていたので、(3)の性格から、市場の思惑に乗りたくなかったのかしれない。
それを後押ししたのは、日銀の事務方からの「潜在成長率がゼロ%前半なのでこれ以上金融緩和をしても意味がない」といった意見だったのではないか。
加えて、政府は消費増税をやめて財政出動するだろうから、金融緩和しなくてもいいという判断もあっただろう。これは、2014年10月の追加緩和と真逆の現象だ。
当時の黒田総裁は、政府が消費増税を決めるのだから、それを援護するために金融緩和するという(2)の側面による判断だったが、結局、増税は延期された。今回も消費増税しないのだろうから金融緩和は不要と考えたのかもしれない。
ただ、日銀は、予想物価上昇率が弱含んでいることも認識している。であれば、単純に金融緩和するという選択肢もあったはずで、その方が日本経済のためになっただろう。まだ失業率を下げる余地はあるからだ。
こう考えると、やはり今回の日銀の決定は、黒田総裁の天の邪鬼ぶりによるものではないだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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