http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/374.html
Tweet |
買い替え需要に期待する時代は終わった
「耐久消費財で景気刺激」は時代錯誤 サービス需要など開拓しないと消費伸びず
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160508/dms1605080830004-n1.htm
2016.05.08 大前研一のニュース時評 夕刊フジ
内閣府の消費動向調査で、2015年度に主な耐久消費財を買い替えた世帯を対象に調べたところ、テレビの平均使用年数は前年度より0・6年長い8・0年、新車は0・3年長い8・1年、携帯電話は0・2年長い3・8年となり、使用期間が伸びていることが分かった。
その背景には、節約志向と製品の性能向上がある。テレビは約57%の世帯が「故障」を買い替えの理由に挙げている。
画面解像度がフルハイビジョンの4倍もする4Kテレビなど、最新機種のテレビはどんどん生まれている。しかし、私の部屋のテレビは、1998年からずっと使い続けている。壊れないからだ。また、寝室のテレビは年賀状のお年玉くじで当たった大型画面だが、これまた10年以上使っている。
また、自動車についても、私は必ず10万キロ台は走らせている。現在乗っている日産のフーガは、十何年も使用している。その前に乗っていたのが、燃費試験でデータを不正操作していたことで話題の三菱自動車のパジェロ。こちらも十何万キロも走らせた。
携帯電話に至っては、買い替えた記憶がない。ずっとガラケーだ。電話するときは、断然こちらのほうがいい。
そんな私にとっては、この平均使用年数の数字は短いと感じてしまうが、買い替えなければ消費は伸びない。使用期間が10%伸びると、需要が10%落ちることになる。
耐用年数を短くするために、わざわざ破れやすい製品を開発したというナイロンストッキングのケースもある。そこまでしないまでも、買い替えてもらうため、メーカー側は消費者の心を刺激するような新製品を出す。
しかし、たとえばテレビで4Kの新製品を出しても、消費者は驚かない。考えてみると、テレビは液晶が出て以降、革命的な変化は起きていないのだ。
その一方で、外国製の安いテレビは、使っている部品が日本製ということもあって長持ちする。これでは、ますます消費は伸びない。私の場合、昔のテレビも壊れないし、携帯電話もダメにならない。
日本は以前から耐久消費財で景気を刺激しようという経済政策を行ってきた。エアコン、冷蔵庫、地デジ対応テレビを対象にした家電エコポイント制度(09−11年)などだ。しかし、エコポイントも需要の先食いによる反動で、その後、市場は逆に低迷した。
ああいった選挙目当ての政策は、正しいやり方ではない。こういうことを、そろそろ政治家も学んでほしいと思う。
いまの時代、耐久消費財以外の新しい需要を作り出すことが必要なのではないか。例えば旅行とかグルメなど、特にサービスの需要を開拓していかないと消費は伸びない、と心得るべきだ。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民108掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。