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プリマ・パスタのHPより
食べても太りにくいモチモチ生パスタ!なぜヒット?美味いのに糖質60%カットで無添加
http://biz-journal.jp/2016/05/post_14989.html
2016.05.06 文=中沢光昭/経営コンサルタント Business Journal
業務用がメインなので一般的にはあまり知られていませんが、プリマ・パスタという、「日本一美味しい」(と筆者は思います)生パスタを大量生産できる会社が千葉にあります。多くの有名レストランや高級ホテルに生パスタを卸しています。日本での評判がいいことから、海外の系列拠点で利用している取引先もあります。
シェフは食材の選定で妥協を許さないため、採用に至るまでには非常に厳しいシェフとの協働による試行錯誤があります。そこを突破し続けてきている、いわばトップクラスのパスタ開発技術を持つ会社です。一般的に生パスタというと単に柔らかいパスタを連想しそうですが、本格派の生パスタは最初に噛んだ時にコシ・プリプリ感があって、噛み始めるとモチモチしているものです。プリマ・パスタでは特殊な製法により、この本格派を実現させているそうです。インターネットでもサンプルを販売しているので、一般消費者も買えます。
そんなプリマ・パスタが新たに「ロカボーノ」という低糖質のパスタを開発しました。通常のパスタと比べて糖質が60%以上カットされているため、食べても太らないというのが売りです。実は似たような製品はいくつか出ているのですが、うまみを出すための添加物が入っているか、あるいは味気なかったりしてしまいます。それに対して、ロカボーノは小麦の使用量を減らしながらも無添加で本来の生パスタの持つモチモチ感とプリプリ感に近づけ、機能性と味を総合的に高めたものです。
機能性に関しては糖尿病の研究で有名な山田悟医師、味に関しては仏グルメ本「ミシュラン」で星を獲得したレストラン「リストランテ・ホンダ」の本多哲也シェフが監修していますので、折り紙つきです。
■1通の手紙で得た気づき
当初、プリマ・パスタは既存の顧客(レストラン)にロカボーノを売り込みましたが、厳しい反応でした。その高い付加価値を認めて、レストラン間での競争で差別化を図るために購入するお客もいた一方で、にべもなく断る顧客が予想以上にいました。
プリマ・パスタが「あれだけ苦労してつくったものなのに……」と失意にあったある日、糖尿病を患っていた高齢男性から手紙が届きました。彼はロカボーノがラジオで紹介されているのを聞いてネットで購入し、「長らく糖質制限でパスタを食べられなかったこともあって、とても美味しかった。感謝しています」との内容がしたためてありました。その後も継続的に購入しています。
そこで初めて、「ロカボーノを欲しがるのは、ハレの気分を味わいたくてレストランに来ているお客様ではなく、なんらかの理由で糖質制限を意識している人なのだ」と気づいたそうです。それまでパスタができれば条件反射のようにイタリアンレストランに売り込んでいましたが、その方法が間違いだったことに気づいたのです。
それをヒントに、売り込み先を従来のイタリアンレストランではなく糖尿病を気にされている方にして、医療施設、老健施設、介護施設、あるいはそうした施設に食品を卸している会社、健康に意識が高い方、食生活から改善するフィットネスサービスを行っている会社にアピールしたところ、反応や評価がそれまでとはまったく異なったそうです。そうしたお客の評価軸は味わいだけではなく、あくまでも機能性とのバランスにあるからです。
プリマ・パスタは、次は糖質制限をする妊娠中の女性に売り込むための施策を打っています。今までずっとイタリアンなど洋食系のレストランや高級ホテル、それらと取引する卸業者ばかり相手にしてきたため、まったく異なる見込み顧客層へのリーチには相応の苦労があります。「もし新規開拓営業に慣れたメンバーがいたら助かるのに」と思うことが多いようです。
■外に目を向ければ、活躍の場は溢れている
BtoBにせよBtoCにせよ、良いものをつくれば勝手に人が集まってきて買ってくれる、ということはほとんどありません。「誰にどんな利得を感じてほしいか」「その人にメッセージを届けるためにはどうすればいいのか」「どうやって表現すれば伝わるか」というマーケティングのアクションを合わせて起こさなければ意味がありません。
「そんなの当たり前だよ」と思われるかもしれませんが、つくるのが得意な人は、どうしてもつくること以外を考えるのは後手に回ります。逆に売るのが得意な人は、つくるのが苦手な傾向があります。プリマ・パスタの事例から、改めて会社組織はチームで動くものだと実感しました。そして、まだこうした特徴のある中小企業でもメンバーが欠けているチームがたくさんあり、人材が活躍できる余地がたくさんあるという実態の一例だと思えました。
もし、自分も優秀だけど周りがもっと優秀だったり、コミュニケーション力や世渡り力で後れを取っているため、今の会社で楽しく過ごせないと感じたりしている方は、早めに「ビジネスをしている」という実感を得て成長するために、こうした自分が活躍できる場を探すのも十分価値のある選択肢です。
もちろん経済的な安定を失う可能性があったり、イチから社内外と信頼関係を築かなければならなかったりというネガティブな要素もあります。しかし、別のものを得られる可能性もあるため、最終的には自分の価値観に素直になることが大事だと思います。
(文=中沢光昭/経営コンサルタント)
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