http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/306.html
Tweet |
2年連続自動車盗難ワースト1の愛知県だけじゃない
あなたのクルマも狙われている! ますます高度になる盗みの手口と、知っておきたい防御策 純正イモビだけでは守れない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48573
2016年05月06日(金) ベストカー編集部 :現代ビジネス
最も自動車泥棒に狙われている愛知県。その愛知県の盗難手口から見える新たな問題点を『ベストカー』(BC)が徹底追求! 人ごとではすまされない危険があなたにも迫っている……。
なぜ愛知県が狙われやすいのか?
愛知県は、'16年1月に発表された'15年1~12月までの自動車盗難の認知件数で、'14年の2724件よりも減少したものの、2205件と2年連続全国ワーストと不名誉な結果になってしまった。
出典:警視庁 犯罪統計資料
愛知県警が発表した'15年11月末での認知件数は2039件だったが、この時点で愛知県内の自動車盗難の被害総額は約40億6400万円にも上っていた。
全国の合計被害額が約164億2500円だったことから、その1/4という割合を占めるこの数字が、いかに高い数値であるのか、おわかりいただけるだろう。年末までにさらに166件が増加しているので、さらに被害額は増加している。
BCでは愛知県警発表の資料を元に、さらにこの被害状況を細かく分析してみた。すると、愛知県内でもトヨタのお膝元で面積的にも勝る豊田市よりも、名古屋市周辺の区のほうが自動車盗難の認知件数が多いという、地域による差があることがわかった。
なぜこれほどまでに愛知県が狙われやすいのか? なぜ名古屋市周辺がこれほどまでに狙われやすいのか?
愛知県特有の事情を交えた自動車盗難の実態を、裏社会をよく知るライターの夏原武氏に語ってもらった。
また愛知県のみならず、全国的に増加してきているスマートキーの車両をターゲットとした、イモビカッターとは異なるキープログラマーという装置の出現により、昨年BCが取材したときよりも、さらに自動車盗難の手口が巧妙化していることが判明。その実態も追求した!
「問題なのは、愛知県民が、盗難に対する警戒心が薄いということなんです。自動車盗難が日常の一部じゃないですが、当たり前になってしまっているんですよ」
盗まれたら「運が悪かったんだよ」なんて軽く言う人もいるということだ。
「最近は車両保険に加入している人が多いので、盗まれても保険金が貰えるから気にしないという感じです。損害保険会社はたまったもんじゃないですよね」
このため、盗まれてもクルマだけで済むように、愛知県の人は車内に物やお金を置かない傾向があるそうだ。
守山警察署は名古屋市守山区と尾張旭市を管轄している。また豊田市は豊田警察署と足助警察署が管轄している
■悪質化する犯行の手口
「今話題になっているキープログラマーですが、これもイモビカッターと同じく、もともとはキーをなくした人向けに作られた商品で、製造は中国でされています。それがインターネットで、手軽に誰でも買えてしまうところに問題があるんです」
夏原氏がこのことを危惧し、規制できないのかと関係先に聞いたところ、法律を変えなければならないとの返答をもらったことがあったとのことだ。違法な商品ではないので、という理由なのだとか。
「これは以前もお話ししましたが、電波の出る物は破られるんです。スマートキーなら大丈夫と思うオーナーが多くなっていることも、盗まれる要因になっていると考えます。最近の盗難が撮影された映像を見たことがありますが、こじ開けるようなことはせず、ガチャっと普通に開けて持って行ってしまうんですよ。事前にコピーキーを作られていたんです」
最近は、盗む前の事前準備が周到になってきており、イモビカッターだけのほうが、まだ盗むのに時間がかかっていたらしい。
「今なんて用意さえできていれば、盗むまでものの1分ですから。実際にコピーキーを使用したことがある人物に取材したことがあるんですが、ガソリンスタンドの待合室などでコピーキーを作るんだそうです。やり方までは話してもらえませんでしたがね」
待合室では、テーブルの上に無防備にキーを置いておく人が多いので、やりやすいと語っていたということで、常に注意を払う必要があるということだった。
■この先の危険性
自動車盗難は、これからどう変化していくのだろうか?
「最近のナビと通信するシステムが搭載されていますが、そういったシステムに精通した人に聞いたところ、意外に簡単にデータを途中から抜くことができると言っていました。そうなればクルマだけでなく、あらゆる情報が盗まれることになります」
夏原氏は、電波を出すものは常に盗難される可能性を秘めていると語っているが、この話は冗談のように聞こえるが、決して冗談ではないということだった。
では、現在の変化する自動車盗難を、実際に捜査を行っている警察はどう捉えているのだろうか? 愛車を守るにはどうすればよいのかと合わせて聞いてみた!
自動車盗難に使われる
イモビカッターとキープログラマーとは?
イモビカッター
■イモビカッター
OBDポートに挿入することで、クルマに保存されている暗号化されたキー情報をリセットし書き換えることができる。これにより、別の暗号を認識させた合鍵でもイグニッションに挿し込めばそのキーを正式なものと認識して、エンジンがかかる。
キープログラマー
■キープログラマー
スマートキー搭載車両のロックを解除する装置。チップの内容を書き換えるというもので、端末をクルマに接続すると、クルマごとに設定されている暗号とは異なる暗号でも正しい暗号として登録させることができる。合い鍵は不要。
夏原 武氏が語る愛知県の実態
「最近の自動車盗難は、監視カメラがついていようがお構いなしに盗んでいきます。そのいっぽうで、傾向もハッキリしてきているんですよ。ハイエースなどを狙って、バラして海外に売りさばくグループ。高級車を狙って、中古車屋に売りさばくグループ。あとはいたずら的な輩です」
■愛知県の盗難裏事情
データで見ると、名古屋市が突出して多いが、何か理由があるのだろうか?
「まず第1に、名古屋市で自動車盗難が多いのは、歓楽街が多くあり、人口が多いことが要因として挙げられます」
外から名古屋に買い物にくる、出張でくるなど、人の出入りが非常に多いことが、犯罪をやりやすくするそうだ。
「買い物に来て、止めておいたら盗まれたなんてケースはよくありますよ。あと、お金を持っている人が集中しているので、高級車の割合が多いこともあります。守山区、中川区、北区も取材で行ったことがありますが、セキュリティーに関する意識は甘い家が多かったですね」
では、人の面では愛知特有の傾向はあるのだろうか?
夏原武(なつはらたけし)……映画にもなったマンガ『クロサギ』の原案者で、自身も裏社会に身を置いたことのある人物
「ありますね。こう言っては何ですが、比較的柄の悪い人が多いんですよ。今は解散しましたが日本最大のギャンググループがあり、そのギャングのケツ持ちをしていたのは、山口組系の組織でした。
それに日系ブラジル人やヤクザが多いなど、複合的な要因によって愛知県で自動車盗難が多くなっていると思います」
以前の話で裏社会に通じている中古車屋が多いと語っていたが、どのように繋がっているのだろうか?
歓楽街が多い名古屋市の街並
「愛知県民はよくわかっていますが、感心しない中古車屋が多いんですよ。異常に安い釣り物件などは、ほとんどが盗難車やニコイチです。それで一財産築いた人たちがゴロゴロいますよ。そういうこともあって、盗んだクルマを売りさばきやすいんです」
夏原氏によれば、この手の店に盗んだクルマを持ち込み、廃車手続きして抹消してから、再度車検をとるという手口で、新車という扱いにしてヤードに運び込むのだそうだ。そしてバラして海外に輸出してしまうという寸法だ。
自動車盗の現状
愛知県警はどう捉えているのか?
愛知県内の自動車盗難件数ワースト5が、名古屋市、あるいは近接する市に集中しているが、なぜなのか? 県警としてはどう分析しているのだろうか? 愛知県警広報係に聞いてみた。
「自動車盗は住宅地や月極駐車場などで多く発生しており、幹線道路が整備されている名古屋市の境界や周辺の地域で多く発生しています。豊田警察署のように認知件数が大きく減少している警察署があるいっぽう、認知件数が増加している警察署もあることから窃盗グループが犯行の対象を変えていることが考えられます」
犯人側とすれば、ある程度の地域内に対象車両が多いほうが自動車を盗みやすいと思われることから、警察署の管轄の広さと自動車盗の認知件数の多さは比例しないとのことだった。
では、管内でキープログラマーを使用した盗難は発生しているのだろうか?
街灯や人気のない月極駐車場は、自動車盗の格好の餌食になりやすい
「発生しています。イモビカッターは車両に設けられた車両診断用のOBDポートに差し込み、これを使用して自動車を窃取しますが、被害が多発したため、各自動車メーカーは平成23年後期型の車両について、OBDポートの装着をやめています。
このため新たなツールとして使用されはじめたのがキープログラマーです。盗難後に何らかの理由で放置された車両の見分結果からも、最近ではキープログラマーを使用した自動車窃盗が多発していると言えます」
県警では、これまでにイモビカッターやキープログラマーを使用して自動車盗を敢行していた複数グループを逮捕し、犯行ツールのイモビカッターやキープログラマーを押収しているそうだ。
全国初の報奨金制度その効果は?
愛知県警として昨年10月に導入した「捕まれば1万円」という全国初の報奨金制度。その導入に際するいきさつと、現在までの効果はどの程度なのだろうか?
「平成26年中に、自動車盗・車上狙い・部品狙いの自動車関連窃盗に関して、一般人から110番通報による検挙は20件ありました」
そこで、更なる自動車関連窃盗への通報の促進および防犯意識の高揚のため、愛知県自動車盗難等防止協議会と連携し、検挙に貢献した情報提供者に対し、1万円を贈呈する自動車関連窃盗情報報奨金制度を開始したそうだ。
「導入した昨年10月1日から本年1月25日現在までに、4名の通報者の方に報奨金をお渡ししています」
少しでも関心を持ってもらい、監視する目が増えれば、自動車盗難件数も相対的に減少するのではと考えられる。
誰でも入手できる
イモビ無効化器具規制はないのか?
愛知県警の話にもあったイモビカッターやキープログラマーという犯行ツールだが、窃盗に利用される可能性があるにもかかわらず、インターネットサイトを利用すれば、誰でも手に入れることができる状態となっている。この現状を、警察庁は問題として考えているのだろうか?
「警察庁では、これまでにインターネット・オークションサイトの管理者などに対して、イモビカッターの出品の削除の要請をしたり、自動車製造メーカーとの間で、イモビライザーの高度化などについて検討したりするなどの対策を講じております。また、愛知県や茨城県では、イモビライザーを無効化する器具(イモビカッターなど)の所持を禁止する条令がすでに施行されているところです」
問題であるという認識はあるようだが、具体的な施策までは回答をもらうことができなかった。
包丁などと同じで、使用者次第で毒にも薬にもなる商品であるため、規制ありきで話をするのは好ましくないという意見もあるだろうが、供給元を絶つという意味でも、所持だけでなく、インターネットでの販売にも規制や罰則を設けることが議論されるべきではないだろうか。
新たな手口 愛車を守るにはどうする!?
では、そんな自動車盗から、愛車をどのように守ればいいのだろうか? 夏原氏と警察庁がその対策を指南する。
(1)プラスワン対策
ハンドルロック相場価格/8000円程度
被害の約77%は、盗難時にキーは盗まれていない。しかも、被害の半数以上は、イモビライザーやその他の盗難防止装置が装着されていても盗まれているそうだ。そこで、物理的に運転を困難にするハンドルロックや、タイヤロックの装着。また、犯行グループが盗難した自動車のナンバープレートを付け替えることから、ナンバープレート盗難防止ネジの装着も推奨する。
(2)駐車場へのセンサー式防犯ライトの設置
暗がりを照らすだけでなく、窃盗犯が人に気配を察知されるリスクを向上させる。
(3)自動車カバーの使用
自動車カバー 相場価格/6000~2万円程度
ガサガサと音が発生することと、時間をかけさせる手段として有効である。
(4)高度化されたイモビライザーの装着
アフターで取りつける高性能なイモビライザーの装着で、純正よりも盗難率を減少させることが可能だ。
まとめ 盗難されにくさで重要なことは、短時間で犯行を遂げようとする犯人に、いかに時間をかけさせるかである。犯行を思いとどまらせるために、あらかじめ複数の対策を講じることが重要となる。今回の内容は愛知県だけには留まらない。この対策で完璧ということはないが、あなたの大切な愛車を守るために、ぜひ参考にしていただきたい。
「ベストカー」2016年3月26日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民108掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。