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地域経済の崩壊を速めるデフレ下の完全雇用
デフレ下による間違った経済政策が、地域経済を縮小させ、より早く崩壊の縁に追い込んでいる。
それは余計な公共投資や、前倒しの公共投資、デフレを伸長させる成長政策、マイナス金利のような低金利が、不振な地域経済から、産業、企業、労働人口を流出させ、地域協同体(コミュニティー)に必要な店舗、サービス、職場を枯渇させ、縮小させている。
現在、失業率が3%近くに下がり、デフレ下の完全雇用状態になっている。このような状態が続くほど地域経済の崩壊が早まりその規模も大きくなっていく。
こういうことを言うと、何を馬鹿なことをとか、失業者が減って悪かろうはずがないとか、ステレオタイプの答えが返って来ると思う。
しかし今の現実、やってきたことをよく思い返し考えてほしい。ほしいところにお金も、生産資源も、労働も回っていないのが現実なのだ。
それ故に、日本経済全体が縮小し、そのなかでも、地方経済の落ち込みが顕著になっているのである。
それは、デフレ下にもかかわらず、低金利政策や、公共投資、生産刺激策などを、成長戦略などと称し、生産力の増強や、雇用の増加を図る政策をとってきたからである。
デフレは、生産能力に比べ消費が著しく不足していることが原因で生じており、それが循環的に市場から資金を流出させている。
資金が減少している中での、生産量増強は、単位辺りの付加価値を減じ、所得を低下させる。このようなことは、派遣社員の増加や、非正規雇用の増加から、もはや明らかであろう。
派遣社員や、非正規雇用の増加は、個別の企業の問題ではなく、デフレという市場経済のシステムから生じているものである。
それ故に、企業が悪い分けではない。政策を転換できない為政者、経済学者、メディヤに問題がある。
デフレ下の無理やりの生産量の増大の経済政策がデフレ下の完全雇用を招き、所得の低い地域や、公共事業の少ない地域から人口の流出が続くのである。
しかもなお悪いことに、この労働不足を補おうと移民による労働者を増やそうとしている。これがよりいっそう国内のデフレを加速させ、日本人の所得を減少させていくことになる。
デフレ下における、低所得国からの移民は、デフレ促進策にすぎない。(簡単に言うと、移民労働は生産量の増加を意味し、彼らの母国への仕送りは、消費を減少させるからである。)
デフレ下の低金利政策で、貸出し金利を低下させ、企業の生産設備の更新や、設備投資を促し、それによって雇用の伸長を図ろうとするが、個人の担保が下がるため、消費が伸びない中での生産量増大となる。
その結果、所得の増えない生産量の増大となって、生産量の増大に伴って労働量は増えるが、所得は増えず、労働曲線は右下がりとなり、低所得化する。
労働量が増えても、所得が漸次低下するため、完全雇用に達して、いくら時間が経っても所得が上がることはない。これがデフレ下の完全雇用の実体である。
このような完全雇用の状態になったのは、今必要でない無駄な公共投資や、前倒しの公共投資、不要な経済対策が日本のキャパシティーを越えた量まで増えそれが労働者の取り合いを行っているのである。
デフレ下の公共投資は、貯蓄乗数が働かず、逆に借金乗数が働くため、負の波及効果により、民間経済が拡大せず、ただその公共投資分が、生み出されるだけである。
これは一時的な臨時の公共投資の要員増となる。今の日本はこのような公共投資で一杯になっている。
しかもそのプロジェクトが終わればなくなる一過性のものである。
第2東名、リニア、北陸新幹線、北海道新幹線、オリンピック、などどんどん前倒しで行われ、また行われている。
本当に必要なものか、急いでする必要があるのか、借金してまでする必要があるのか、疑問なものが多い。
特にアベノミクスの過剰な公共投資の前倒し、将来の取り分を食っている莫大な公共投資や、マイナス金利をやるほどの低金利による生産増大策、円安にして輸出を図ろうとする輸出増大策などにより、労働が急速に逼迫している。
もはや日本の労働力のキャパシティーを越えてしまっているのである。
必要で早くしなければならない東北震災復興など必要な物があるが、それにも手が回らなくなっている。
熊本で今さらに大震災が発生したがそれにも人手がいる。
そのような事業に多くの資源や生産要素、労働者が必要なため、地域経済の担い手がどんどん流出していく。
低金利による企業への貸し出し優遇、法人税減税による生産者側への補助金、株価維持のための方策、円安誘導による輸出産業への援助などにより、企業は融資を受け易くなっており、生産量が、日本の労働者のキャパシティーを越えてしまっている。
このため不振を極める地域経済協同体の担い手である人々が、より良い労働条件を求め、流出し、地域経済が崩壊することになる。
あるいは、地方創成ということで、その地域に国の肝入りでカジノなどの箱物施設が進出した場合も同じような現象が起こる。労働者が今までの地域から、あるいは職場からカジノなどの方へながれていく。
これは完全雇用状態に近づいているほど、顕著に現れ、より賃金のよい方向へ労働者が流れる。
このようなことが日本全体で起こっている。
地方崩壊の原因
1、消費税率の引き上げ、国民負担の増加による消費の低迷:これは全国平等に起こることである。
2、偏在的公共投資、公共投資の前倒し施工などによる人的資源の確保。公共投資のなされる所はよいがそれ以外の地域は枯渇する。
3、マイナス金利や、異常な金融緩和、などによる過剰な企業側への生産刺激策による生産増、労働場所の増加。これにより消費者側への負担増となり直接給付が減少する。
4、低金利による出店コストの低下が、辺境の地域に、大型店、全国チェーン店が容易に展開し易くなっている。全国チェーン店と地方企業の労働者の取り合い
デフレ下では実体市場での資金の減少が、消費税の引き上げや、年金保険料の引き上げなどの国民負担の増加により続いており、その中での生産力増強や公共投資の増加は、市場全体の付加価値を引き下げる方向に進む。
このようなデフレ促進策を日本はバブル崩壊後、首尾一貫して取ってきた。
デフレ下は、収穫逓減の法則が支配しており、生産量の増大は、労働者の所得を低下させる。
このような所得の低下が生活レベルを維持するためにますます長時間労働や、祝日の複労働、就労者の低年齢、高年齢を招き、就業率が上がるだけの、デフレ下の完全雇用状態を実現させているのである。
その結果、産業集積の少ない地方経済や、公共投資の少ない地方から、大都会の産業集積度の高い地域や、公共投資の多い地域へ、多くの労働者や生産資源が流れる。
完全雇用に近いほど、労働が逼迫しており、公共投資の高賃金や、所得の高い都会に労働者が流れ、それが地方の衰退を急速にもたらすのである。
今のままの政策を続ける限り、この5年の間に地方都市の衰退が、見る見る顕著になっていくことだろう。
地方経済の衰退は始めはなるほど1企業や1店舗、数企業かもしれない。しかしある時期を境に一挙に衰退し崩壊する。企業はある一定の消費者がいなければ
成り立たないからである。
バブル崩壊後とり続けた、低金利政策、生産刺激策、大規模な公共投資が、デフレを促進したのである。
さらにデフレ下の消費税引き上げという馬鹿げた政策が、働けど働けどわがくらし楽ならずという災厄をまねいた。
消費税は我々国民の努力をすべて無駄にしてしまったのだ。
特にアベノミクスは、今までのデフレ政策の集大成とも言うべきもので、公共投資の大盤振る舞い、マイナス金利、国債の引き受け、株価の維持、企業減税、など大幅に大規模にやったため、その弊害も半端ではない。
さらに消費税を8%に引き上げ、東京オリンピックの招致に成功した。
このような政策が東京一極集中の流れを作り、その他の地域を崩壊させているのだ。
一言主http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
追記:デフレ解消は、1も2も消費不足の解消であり、直接消費者に資金をばらまくことである。
預金金利の引き上げ、失業保険の満額支払い、生活保護所帯への給付の増額、子供手当、税金の物納、住宅ローン破綻者の救済、その他なんでもよい。
デフレの場合、名目はなんでもよい。とにかく消費者にお金を与える方策が大事。経済学にモラルハザードなどはない。
生産者側をいくら支援してもデフレは解消されることはなく、余計にデフレを促進することになる。マイナス金利などモラルハザードそのものだ。
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