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無電柱化で期待できる効果とは(※イメージ)
景観だけでなく防災力も上げる! 「無電柱化」実現の壁とは〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00000275-sasahi-soci
週刊朝日 2016年5月6−13日号
補正予算の前倒しなどで被災地支援に全力をあげる安倍政権。一方、決断の時が迫るのは最大10兆円ともいわれる追加の経済対策、つまり“バラマキ”だ。伊勢志摩サミットを控え、財政出動表明で先陣を切るはずが、地震で非常事態となり、票目当てのバラマキなどする余裕はない。
週刊朝日は国民のためになる一つの策として、「無電柱化」を“逆提案”する。
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大地震に備えて街の防災力を上げ、後世への置き土産となるインフラ案もある。その一つは、道路に林立する電柱をなくし、電線を地中に設けた管路の中に収める「無電柱化」だ。
訪日客で賑わう京都市中京区先斗町。全長490メートル、幅約1.4メートルの小道の両脇にはお茶屋や飲食店が軒を連ね、風鈴と箒(ほうき)の音が聴こえる風情豊かな通りだ。ここで昨年末、住民らが市などと合意。東京五輪がある20年をメドに無電柱化へと動き始めた。先斗町まちづくり協議会の金田祐一副会長は言う。
「2年ほど前、各店から道にせり出した看板のほとんどを敷地内に引っ込め、奇麗にしました。すると今度はブサイクな電線が頭上に見えてきた。当初は難しいと思ってましたが、関連機器の小型化などの協力、機器設置のために地元が民有地の提供もして、ここまできました。景観が改善するのはもちろん、ここは店が密集し、車が入れない歩行者専用道路なので、とくに防災面でも電柱がなくなるのはプラスになる」
京都市建設局によると、無電柱化は市内道路全体の約2%で完了。道路環境整備課の永田盛士さんは「世界が誇る京都として重視するのは景観。ただインフラ老朽化もあり、耐震補強などを優先しているのが実情です。無電柱化の進捗は年1キロ程度。地域協力あっての取り組みですが、予算がなければ呼びかけもできない。支援が手厚くなればもっと進めたい」とする。
ちなみに世界ではどうか。ロンドンやパリ、香港の進捗率はなんと100%。台北は95%、シンガポールでも93%と京都は大きく水をあけられている。
わが国全体でみると、電柱が立っていない部分を除いた道路延長(左右合算)はざっと40万キロ。だが進捗状況は約9千キロ(同)と全体の2%程度。最も進んだ東京都でも5%程度とお寒い状況だ。
ではあらためて無電柱化で期待できる効果とは何かを知っておきたい。国土交通省道路局によると三つある。担当者は言う。
「阪神・淡路大震災や東日本大震災時には、道路に倒壊した電柱や電線が邪魔になり、被災地への物資輸送などに支障が出た。地中化すれば倒壊することもなく、管路が揺れと同じ方向に動くため、巨大な地割れでもない限り壊れにくくなる。また、歩道内の電柱の解消や、良好な景観、観光振興にもつながります」
いいことずくめだ。限られた道路幅員を再度レイアウトし、「自転車専用道」を新設して歩行者との事故を減らすこともできる。なぜとっととやらないのか。京都市の担当者が言うように、やはり問題は費用だ。
無電柱化には、道路管理者の自治体と国、電力会社(通信会社)の合意が必要だ。1986年から全国で計画的に進めてきているが、その費用は同省試算で1キロあたり平均約5.3億円かかる。国が行政負担分(同3.5億円相当)の約半分を補助するが、「コストは電柱と電線のおよそ10倍といわれている」(国交省担当者)。京都市の場合はさらにかかるという。
全国の道路をすべてやるのはさすがに非現実的なのかもしれないが、例えば京都市全体では、国試算からだと3兆〜4兆円で実現する計算だ。とくに道路環境が悪い都市の道路や地震リスクの高い密集地、訪日客で賑わう地域では十分に検討の価値あり、である。(本誌取材班 鳴澤大、西岡千史、永野原梨香)
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