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(回答先: 物価目標4度目先送り 日銀「金融政策頼み」限界 投稿者 軽毛 日時 2016 年 4 月 29 日 15:57:45)
FX Forum | 2016年 04月 29日 10:07 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:日米金融政策維持で円高加速は本当か=村田雅志氏
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト
[東京 28日] - 日本時間4月28日に開催された日米の金融政策決定会合では、ともに金融政策の現状維持が決定。日銀が追加緩和に動くと一部メディアが報じると、ドル円は会合前に2円以上も上昇したが、日銀が金融政策の現状維持を発表すると一気に年初来安値付近に急落した。「Sell in May(5月に売れ)」という相場格言もあって、ドル円のさらなる下落を心配する声も強まっているだろう。
しかし、米国が利上げ再開に向けて判断を前進させる一方、日銀の黒田東彦総裁は毎会合で追加緩和を検討する可能性を示唆。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続ける一方で、日銀は金融緩和を続けるという金融政策の違い(ダイバージェンス)は健在だ。5月に入り米国や中国を中心に世界景気の持ち直し機運が強まることで、市場の不安心理は後退し、ドル円は下値の堅い展開を続けると予想される。
<6月の米利上げに向け前進とみるべき>
FRBは、日本時間4月28日未明に連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25―0.50%に据え置くことを発表。決定は9対1で、カンザスシティー連銀のジョージ総裁が前回に続き25ベーシスポイント(bp)の利上げを主張し、反対票を投じた。
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声明では、前回会合で「引き続きリスクをもたらしている」と指摘された海外経済と金融情勢が、インフレ指標とともに「緊密に注視し続ける」対象に移された。FOMCは海外経済と金融情勢による米国景気の下振れ懸念を後退させたと解釈できる。
ただ、米国景気については「減速しているようだ」と、前回声明での「拡大している」から下方修正。インフレについては「最近上昇している」との文言が削除された。これを根拠に市場関係者の一部は、FRBが利上げを急いでいないと指摘しているようだが、筆者の見方は逆だ。今回の声明では、米労働市場が「さらに」改善したと指摘。米景気の減速が指摘されたが、同時に、実質所得の堅調な伸びと消費者マインドの高さの2点が追記されている。仮にFOMCが米景気の減速を懸念しているのであれば、この2点をあえて指摘する必要はない。
FRBの立場から考えれば、6月14、15日開催の次回FOMCは利上げに踏み切る貴重なチャンスだ。同月23日には英国で欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票が実施され、11月8日には米大統領選が実施される。こうしたビッグイベントを機に金融市場が混乱する可能性はゼロではなく、FRBが利上げ先送りを余儀なくされるリスクは残り続ける。
今回のFOMC声明でも、中期的にはインフレが2%に復帰するとの見方が維持されたことも考慮すれば、6月FOMCでの利上げ再開に対し判断を前進させたとみるのが自然だろう。
<堅調な米中経済指標がドル円をサポート>
一方、日銀は同日の金融政策決定会合で政策方針の現状維持を賛成多数で決定。一部メディアは、金融政策決定会合前の4月22日、日銀にて金融機関に対する貸し出しにマイナス金利の適用を検討する案が浮上していると報道。事前調査では回答者の6割程度が何らかの追加緩和を予想していたが、そうした期待は裏切られた。
黒田総裁は会見で、国債市場の流動性低下やマイナス金利による金融機関の収益悪化などを指摘する声があるものの、現在の金融政策で大きな問題が生じているわけではないと明言。今後も必要であれば毎会合で追加緩和の是非を判断するとも述べ、これまでと同様に、さらなる追加緩和に前向きな姿勢を示した。
しかし、ドル円は日銀の発表直後に111円台後半から108円台後半に急落。いったんは109円台前半に反発したが、黒田総裁の会見後には一時108円割れと、この日の高値から4円近い下げを記録した。ここまで大きく、かつ一気に円高が進んでしまうと、たとえ黒田総裁が強気の姿勢を示しても、日銀の影響力が低下したとの印象も強まらざるを得ない。
4月29日から日本は大型連休に突入。為替市場の流動性が薄くなりがちな日本時間の朝方から午後3時くらいにかけて投機的な円買いの動きが強まり、ドル円が年初来安値である107円台半ば近辺や心理的な節目である105円ちょうどを割り込む、などといったもっともらしい予想を目にする機会が増えるかもしれない。
ただ、こうした声は中国や米国の経済指標によって次第にかき消されるだろう。3月の中国・製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2と8カ月ぶりに50台を回復。輸出は3月に9カ月ぶりの前年超えとなった。5月1日発表予定の4月の中国・製造業PMIも3月並みの水準を維持すると見込まれており、中国景気の先行き懸念は後退を続けると予想される。
米国景気も第2四半期以降、回復基調が強まると予想される。4月16日終了週の米新規失業保険申請件数は24.7万件と1973年以来の低水準を記録。4月の米雇用統計でも非農業部門雇用者数は20万人程度の増加が見込まれるなど、米国の労働市場の改善はさらに続くだろう。
米景気との連動性が強いことで知られる米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は3月に51.8と昨年7月以来の高水準に回復。内訳では先行性が強いとされる新規受注が58.3と2014年11月以来の高水準を記録しており、第2四半期の米景気の急回復を予感させる。
経済指標を通じ、米景気の持ち直しが確認されれば、米国の国内総生産(GDP)成長率が、第2四半期以降、年率2%超に回復するとの見方が強まるだろう。米景気の回復はFRBによる利上げ継続期待を強め、ドル円は下値を固める展開が期待される。
*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。著書に「名門外資系アナリストが実践している為替のルール」(東洋経済新報社)
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-masashi-murata-idJPKCN0XP113
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