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年収1000万円の暮らしは実はとても不安定なものだった!?
年収1000万円でも下流老人になるのはこんな人だ
http://diamond.jp/articles/-/90471
2016年4月29日 鈴木貴博 [百年コンサルティング代表] ダイヤモンド・オンライン
30歳だった頃、当時勤務していたコンサルティングファームの同僚からよってたかって「鬼のようだ」と非難されたことがあった。酒席で新婚当時のエピソードをぽろっと話したときのことだ。
私が話したのは、妻に自分の年収を教えていないということ。それと生活費を15万円渡して「これで生活しなさい」と言って、妻には家計簿をしっかりとつけさせていたことだった。
もう少し非難されるように情報をつけくわえると、この当時の私はちょうど年収1000万円を超えた頃。それで同僚とフレンチのお店でフォアグラを食べているときにこの話が出たので、「お前はひどい人間だ」という話になって盛り上がったのだ。
実はこの話には続きというかオチがある。
非難されようが何と言われようが、その後もうちの家庭内ではこの習慣が続いていた。それで35歳になったときにネットベンチャーに転身することになった。当然、給与水準はがくんと下がる。
しかしうちの家庭では生活水準はまったく変わらず、家内は私の収入の変化に気づかなかった。
これは私にとってはある種の戦略で、要は「いつかコンサルを辞めて、別の仕事につく」ことを結婚前から決めていた。ところがコンサルティングファームのように年収が高い仕事についている人が、ベンチャーや中小企業など、ずっとリーズナブルな仕事につこうとすると、給与水準が問題になる。
私の知り合いで、30代前半で年収1000万円超えをしていた会社を辞めて、ロマンをもとめて中小企業に転職した人がいる。会社側が思い切って課長職と800万円の年収を用意して迎えた。実は年収800万円というのはその会社の本部長職よりも高い水準だった。
それでもその知り合いは生活環境が変わってたいへんだと言っていた。
私は年収が半減しても大丈夫なように30代から意識して生活水準を抑えていた。当時の会社では22時を過ぎたらタクシーで帰宅してもよかったのだが、終電間際でも地下鉄で帰宅するように心がけていたし、仕事の付き合いではフランス料理や高級日本料理のお店に顔を出していても、家族で出かけるのはいつもファミレスだった。
■年収1000万円の人が年収600万円で生活できないワケ
さて、年収1000万円でも下流老人になる人が増えている。年収1000万円の頃には気づいていないのだが、そのときの贅沢な生活は毎月安定したフローで給料が入ってくるから成立している。この環境が突然変わると、環境変化についていけなくなり下流に転落する。
外資系の社員のように、若いころから何度か「クビ」になったり、突然日本から撤退して会社がなくなったりということを経験すると、「今の年収1000万円は不安定だ」ということに気づいていたりするのだが、就職してからずっと同じ会社で年収1000万円と言う人は、その心の準備がないから、なおさら転落しやすい。
年収が1000万円だった人が出向で800万円になり、2年後、転籍で600万円になる。大半の読者から見れば「普通の水準になっただけ」で「まだ世の中の平均からすれば高給とり」だと思う水準だが、本人や家族にとっては大事件になる。
なにしろ年収が数百万円の水準で変わるのだ。収入が減ったのだから支出を切り詰めて辻褄をあわせればいいだけなのだが、それが意外と難しい。毎月20万円の住宅ローンの返済をどうすればいいか?月10万円はかかる長男の大学の学費は?二男の学習塾代である月5万円は?
それらをばっさり削るという決断ができればすぐに解決できる。たとえば家を売却して引っ越すとか、長男には居酒屋のバイトで学費を稼がせるとか、二男は早稲田塾からスマホのスタディサプリでの勉強に切り替えるとか。こういった年収600万円の人が普通にやっている生活に切り替えればいいのだが、そのような根本的な決断がなかなかできない。
一方で奥さま同士の付き合いを急にやめることもできず、ご主人も自分のお小遣いを大幅に切り詰めることもできないとなると最悪だ。
こうして支出の切り詰めがうまくいかなければ預貯金がどんどん取り崩される。フローで入ってくる月収よりも生活水準が高くて、家計の収支が経常赤字になっているのだから、生活はいつか破たんする。年金生活を迎える前に、間違いなく下流に転落する。
一方で根本的な削減をせずに何とか目の前の支出だけを切り詰めようとすると、精神的に参ってしまう。ご主人のお小遣いを月3万円にしたところ、夜のつきあいを維持するために昼ごはんはコンビニのパンしか食べられなくなったとか、奥さまが毎月楽しみにしていた雑誌が買えなくなったとか。人間というものは「自分がこうありたい」と思う生活水準が一旦できてしまうと、それよりも一段低い生活になった瞬間に「不幸だ」と感じるようになる。
最初からつつましい生活だったら幸せに暮らせる人生なのに、一度贅沢を経験したために、同じ生活でもそれを不幸だと感じてしまう。そのこと自体が本当に不幸なことではないか?
■本当の上流とは財産が豊かな人のことである
年収1000万円の人が下流老人にならないためには、普段から年収500万円の生活を心がけることだ。差額は貯めて投資に回す。最初は投資信託のようなリスク資産から始めて、だんだん不動産投資のようなリスクの低いものに資産を変えていく。
本当の上流とは年収1000万円のフローリッチではなく、財産がしっかりとあるストックリッチな人のことだ。
たとえば年収1000万円の人が年収500万円の生活を30年間続ければ、差額の資産が1億円になる。それで投資用の中古マンションを5部屋購入したらどうなるか?毎月10万円の家賃が5つの部屋から入ってくる。マンション経営もそれなりに大変だが、それでも費用やリスクを除いても不動産が稼ぐ年収は500万円前後の水準になる。そうなれば老人になってリタイアしても、それまでと同じ生活が維持できるだろう。
そうなるためのポイントは30歳のころから計画をたてて、それを60歳までやり続けなければいけないということだ。
今が年収1000万円でも老後に漠然とした不安を感じている人。それこそが老後に下流老人に転落する予備群だ。今が年収1000万円だろうが500万円だろうが、老後の資金計画をちゃんと考えて手を打っている人とは、何十年の先には大きな差が生まれることになる。果たして、みなさんは大丈夫だろうか?
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