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三菱自動車に朝日新聞…不祥事を起こした企業が設置する「第三者委員会」への違和感(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/896.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 28 日 08:58:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

三菱自動車に朝日新聞…不祥事を起こした企業が設置する「第三者委員会」への違和感
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48565
2016年04月28日(木) 井上 久男「ニュースの深層」 現代ビジネス


■弁護士=正義、学者=専門家は思考停止の発想

燃費試験の不正行為で揺れる三菱自動車は27日、相川哲郎社長が記者会見して2016年3月期決算を発表した。決算発表の冒頭、相川社長は、客観的かつ徹底的に(原因の)調査を行うために第三者委員会を設置したことを明らかにした。

しかし、筆者は敢えて言いたい。三菱自動車の関係者を全く入れない第三者委員会を構成することで、一見、客観性は担保できるかもしれない。ただし、世間受けは良くても本当の原因を突き詰めることができるのだろうかとの疑問がある。検事・弁護士=正義、学者=専門家という安易なイメージから法曹界の人や大学の研究者を使う発想自体が思考停止していると思う。

三菱自動車では2000年と04年にリコール隠しが発覚、会社存亡の危機に陥り、三菱グループ御三家(三菱商事、三菱東京UFJ銀行、三菱重工業)が中心となって財務的な支援などを行うことでどうにか生き延びてきた。その過程では元社長が逮捕されるなど衝撃が走った。だから、世間的には「三菱自動車は反省しただろう」と思われていた。その矢先に、再び今回の不祥事が起こった以上、同社の体質に何らかの問題があったと言わざるを得ない。

一方で、三菱自動車の中には、まだ志の高い人材は残っているはずだ。こうした人材は、自分の会社を今度こそは本当に再生させたいと思っているに違いないと筆者は信じたい。そういう人材はどんな人材かというと、仕事はできるが上司にたてついたことで社内評価が低いとか、日の当たらない仕事を入社以来30年こつこつやっているとかいうイメージだ。

あるいは役員や社長に反抗するなんて朝飯前の人かもしれない。健全な精神をもった「異端児」は三菱自動車にもいるはずで、社内をよく知るこうした人材に今回の不正の原因を調査させ、その調査プロセスや調査結果が妥当かを第三者員会に検証してもらうのが理想ではないか。

■朝日新聞でも起こった問題

不祥事が起きた際には、独立性を担保された社内の調査部門がまず調査を行い、その調査手法が適切か否かを第三者に監督してもらう方が、調査の内容もより実態に近いものが浮かび上がってくるはずだ。会社の実態や企業風土、人間関係を知らない第三者が不正の本当の理由を探ることができるとは到底思わない。

自社内部できっちり検証し、何が問題だったのかを組織に学習させていくことが一種の自浄能力である。三菱自動車はその自浄能力がないから度々不祥事を起こすとも言える。第三者員会はあくまで自浄能力のための補助的手段であり、それが「主役」になること自体、組織に自浄能力がないことを示している。

企業で不祥事が発生した際に、第三者委員会を設置して問題を解明しようとする手法には限界がある。一見利害関係者ではない第三者に調査させることや、元検事など法曹関係者をそのトップに起用することで客観性を担保しているように見えるが、「第三者と言いながら、実は何らかの形で会社の息がかかっているのではないか」との見方もある。

先述したように内部事情を知らず、しかも時間にも制約がある中で外部の第三者委員会に調査を依頼しても、真相を探ることには無理がある。

最近でも粉飾決算をした東芝の第三者委員会が発表した報告書には、なぜあのようなことが起こったのかの本質的な理由が記載されていない。それは、当時のトップの人間性や考え方、企業風土などにまで踏み込んだ調査がされていなからだ。

さらに言えば、監査法人と東芝側がどのようなやり取りをしたのか、肝心な点も説明されていない。東芝の第三者委員会による報告書に対しては、危機管理の専門家からも内容を疑問視する声が多く出ている。

筆者の古巣である朝日新聞でも「池上彰コラム掲載問題」など一連の不祥事が起こった際、第三者委員会が立ち上がり、社内調査が行われたが、「実際には事務局が用意した資料をベースに関係者を尋問するだけで、その資料が本当に正しいか否かは分からなかった。危機を収拾したい会社が目論む結論を誘導するための第三者委員会だった」(朝日新聞関係者)との指摘もある。

このため、朝日新聞社内では今でも第三者委員会が導き出した結論に対して、根強い不信感が残っているそうだ。

今回の不正の原因が解明され、三菱自動車が今後も存続できるとするならば、企業内の自浄能力を持つことが重要になるだろう。そのためにはまず、危機において、しっかり機能する広報部の存在も重要になる。

社内の情報収集を確実に行い、同時に社外(マスコミ等)が自社をどのように見ているのかも把握することも求められるが、こうした一朝一夕ではできない。有能な広報マンを育てていく思想が求められるのだ。

ここで言う有能な広報マンとは、会社の為に敢えて「社内野党」になれる人物であろう。

 

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コメント
 
1. 2016年4月28日 10:02:21 : EYJGYMYwEQ : 0OBrLyElNXs[2]
世界中のどこの企業でも、上に従順で組織の中で上手に泳ぎまわれる人材は重用され、出世の階段を上って行く。組織に歯向かう人間は阻害され閑職に追いやられたり、辞めさせられたりするのが普通であり、それで組織は調和を保ってきた。しかし問題が残った。自浄能力の低下である。社長の命令には絶対服従、異を唱えることは御法度とされてきた。ところが技術畑の社長は法務や経理を軽視する傾向があり、下に丸投げする。逆に事務畑の社長は技術が分からず、頓珍漢な指示を平気で出す。このような体制では、会社がうまく行くわけが無い。第三者委員会と言うが、最悪は臨時に組織し、外部の弁護士や学者を入れることである。これで実地に即した迅速な分析は無理であり、お金と時間の無駄である。最も、有効なのは社内で様々な経験を持つ人材を集めた社長直轄の常設の委員会である。社内監査を行ってもごまかしが効かず、的確な解が見つかる可能性が飛躍的に高まる。今回の三菱の燃費不正も、現場には不正を行っていると言う意識は無く、これまでの慣習に従っただけだろう。悪意があったとは考え難いが、文書類の更新管理や情報の見える化等を徹底すれば、簡単に防げた問題である。技術者社長にそのような発想は無理かも知れないが、社長を補佐する人間にそのような提言のできる人材はいなかったのだろうか。返す返すも残念である。

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