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謝罪する三菱自動車の首脳陣(20日) (c)朝日新聞社
三菱自動車の懲りない体質 「自動車業界のシャープ」に〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160426-00000184-sasahi-soci
週刊朝日 2016年5月6−13日号
三菱自動車は1970年、三菱重工業の自動車部門が独立して生まれた会社だ。ゼロ戦に代表される軍事技術を土台に、戦後は「ジープ」を手掛け、モータリゼーションの爆発とともに自動車産業に打って出た。
宣伝文句は「技術と信頼の三菱」。売り上げではトヨタ、日産に及ばないが、技術には絶対の自信をもっていた。ギャラン、ランサー、ミラージュ、玄人好みの個性的なクルマを開発。「燃費の差は技術の差」をうたい文句にしたほどだ。
なぜ今回のデータ改ざんにまで追い込まれたのか。「技術の三菱」では近年、技術者の退職が目立っていたという。大学の自動車系学科で、評判は急落。OBから伝わる情報もけっしていいものはなく、学生人気は低下した。「技術と信頼」を深く傷つけたのが2度にわたる大規模な欠陥隠しだった。
「欠陥隠しは消費者の信頼を裏切り、さらにはまじめに取り組む技術者の誇りを傷つけた」。技術者を送り出してきた早稲田大学の大聖泰弘教授(自動車工学)は語る。難破船からネズミが逃げるように、劣化した企業から技術者は離れる。
独フォルクスワーゲンのデータ偽装は排ガス規制逃れだった。燃費も同じだ。動力性能、製造コスト、燃費は、あちらを立てればこちらが立たず。期限とコストに制約がある中、目標が定められる。「できません」と技術者は言えない。
自動車業界では「売れるクルマが良いクルマ」と言われる。技術者が胸を張るクルマが、売れるとは限らない。受注生産で巨大企業になった三菱重工の技術と人脈を引く三菱自動車の病巣は「権威主義と頭の固い経営者」と言われていた。やわらか頭で「売れるクルマ」を造らなければ「良いクルマ」も造れなくなる。それが市場経済だ。
日本の自動車市場は軽自動車が4割ほど。激戦に勝ち残るには低価格と低燃費が欠かせない。ダイハツ、スズキ、ホンダの三つどもえにはじき飛ばされた三菱の市場シェアは3.2%(2015年)。限られた開発体制で立ち向かう技術者が最後にすがったのが「データ改ざん」だったとしたら、あまりにも悲しい。
三菱重工、三菱商事、三菱東京UFJ銀行で支えてきた体制は限界だろう。「自動車業界のシャープ」になるかもしれない。(ジャーナリスト・山田厚史)
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