http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/849.html
Tweet |
雑感。国債と株と日銀
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52805820.html
2016年04月26日 在野のアナリスト
財務省が有識者会合を開き、国債のあり方について議論しました。15年末で日銀が30%以上も保有し、流動性が低下する一方、外国人投資家も10%台に乗せてきた。しかも日銀が国債市場の健全性を確認する指数も2月に急低下し、健全性が危ぶまれるなど問題が拡大しています。黒田日銀総裁は、マイナス金利はローン金利が下がって国民にも利がある、としますが、個人による国債売買は開店休業状態になる、また預金金利が限りなくゼロに近づくなど、マイナス面も広がっている。安定して保有してくれる投資家が減り、それを日銀が肩代わりするような状況は決して健全とはいえません。国債市場は今、大きな歪を蓄えつつあります。
本田内閣官房参与が米紙のインタビューで「追加緩和は6月以後」と発言しています。先週末、Bloombergの観測記事で一気に28日の日銀による追加緩和観測が盛り上がりましたが、その火消しに走った形です。しかし為替市場はほとんど動かず、火消しが火消しになっていません。追加緩和の期待が燻るから…との説明は、現在の市場の趨勢からは外れています。日銀はマイナス金利導入の際にも「工夫した」と自慢げに語っていた。導入の段階で工夫しなければならないのは、効果が限られるということでもあります。仮に新たな緩和の手法を手に入れたとしても、工夫するのなら効果はない。今はアナウンス効果だけで市場が楽観してくれるほど、安倍政権、黒田日銀に対する信頼はないのです。
むしろ今、日系がこそこそ売っているのは、すでに政府か日銀から、今回は緩和はないと示唆されているのでは? との懐疑も生じさせます。しかしもし本当にそんな事態がすすんでいるとしたら、騙された外国人投資家はいずれ日本に煮え湯を飲ませてやろうと、手薬煉ひき、より攻撃的な戦略をとってくるかもしれない。少し前、中国に仕掛けていた売り浴びせが日本でおきる可能性も捨てきれなくなってくるのでしょう。
ここに来て、生損保が今年度の運用方針について、相次ぎ発表していますが、どこも国内債券を減らし、外債を増やすとします。マイナス金利により、金融機関から生損保まで国債への投資を減らす。流動性の低下とともに、買い手不足の状況がどんどんすすみ、いざ急変したときに誰も買わない、といった自体も想定されます。日銀は枠を決めて応札する形ですが、急変動するときは枠に拘らず、買い向かわなければならない、そんな自体すら起こりえるのです。
株式市場とて、その状況に変わりないのかもしれません。外国人投資家が売り持ち分を増やしてくるのなら、まだまだ下を叩きそうです。28日、日銀の追加緩和がでなかったときに、失望が走りやすい。4月に入って外国人投資家は買いに傾いていますが、それを再び売ってくれば、16000円台の前半までは簡単に落ちるでしょう。むしろそのとき、日系が買い支えに動くため、今売っているとするなら、結局儲けたのは日系となる。そんな露骨な利益誘導をするような国は、いずれ市場から大きなしっぺ返しを喰らうことにもなります。
米国では、トレーダーの報酬について新規制基準が示されています。一過性で儲けても報酬としては保留され、長期的にそれが利益となるなら、初めてトレーダーに手渡される。逆に失敗だったら報酬をうけとれない事態にも直面します。しかも今回示されたのは、これまでと比べると長期化したり、内容も厳しくなったりと、トレーディング部門には厳しい状況が生まれます。そんな厳しい状況だけに、ますます日本のような不透明な状況が生まれる国は攻撃したくなるのでしょう。ナゼなら、そんな国には復讐する、ぎゃふんといわせたくなるからです。
黒田氏は海外でも「追加緩和の手はある」「まだまだやれる」と発言します。それも嘘だったら…。むしろこれまでは出来っこない、と考えていた。しかしBloombergの報道以来、もしかしたらやるかも…に変わった。しかしやっぱり出来そうもない、となったときは、円高も株安も、これまで以上にすすむことになるのでしょう。外国人投資家の国債保有比率10%、意外と侮れない数字として、今後は注意深くみていかないと、ある日突然、市場が暴走をはじめるのかもしれません。日銀は国債ばかりでなく、ETFを通じて株も大量購入している。そのとき、日銀は大量の評価損を出して経営不振、そんな事態が明日おこっても、不思議ではなくなっているのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民107掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。