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黒田バズーカ4あるか 日銀追加緩和で進む企業の“国有化”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180257
2016年4月26日 日刊ゲンダイ
もう限界(黒田総裁)/(C)日刊ゲンダイ
27、28日に開く金融政策決定会合で追加緩和を議論する黒田日銀。国債や上場投資信託(ETF)の買い入れ額引き上げや、マイナス金利幅の拡大などについて話し合われるが、株式市場からは「これではニッポンは共産主義国家だ」なんて批判の声が噴出している。
ブルームバーグが25日付で報じた試算(21日現在)は衝撃だ。日銀の2010年から5年以上に及ぶETF買い入れ額は時価ベースで累計8.6兆円に上り、日銀は日経平均採用225銘柄のうち約200社で、保有率上位10位に入る実質大株主になっているという。
たとえばミツミ電機の実質保有率は約11%で筆頭株主、ファーストリテイリング(ユニクロ)は約9%で3位だ。現在のペースで日銀の買い入れが続いたら、17年末には京セラや日清製粉グループ本社でも日銀が事実上の筆頭株主になる見込みというから、今さらながら“異次元”の事態だ。
「ETFは信託銀行と証券会社を通して買い入れており、日銀が企業の経営に口出しすることはできませんが、間接的とはいえ、日本を代表する企業の“国有化”がどんどん進んでいるわけです。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の場合、個人の年金資金を運用するので、百歩譲って個人の投資ともいえますが、日銀は違う。“公的資金”です。自由であるべき市場に政府のバイアスがかかる。まさに共産主義国家ですよ」(大手生保運用担当者)
■「公的資金で底上げされたいびつな市場」
日銀によるETFの年間買い入れ枠は、当初の4500億円から、13年4月に1兆円、翌年10月に3兆円と広がる一方だが、いつまでもそんなことが続けられるわけもない。いずれは売るという“出口”を探さなければならなくなる。
「日銀は昨年末、従来の3兆円の枠に加え、新たに3000億円の枠を設定するなど意欲満々ですが、売るという“出口戦略”は見えてこない。日銀が売らずに保有し続けるという選択肢もありますが、浮動株が減れば、株価操作がしやすくなるという“副作用”が生じる。金融市場の安定化という当初の目的から外れてしまいます。公的資金で底上げされたいびつな市場が持つわけがない。いずれ国内外の投資家にそっぽを向かれるのがオチです」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)
黒田日銀は「追加緩和する」(兜町関係者)という見方が強まっているが、もう限界だ。
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