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中国でキケンな「不動産バブル」が再燃中! 消費低迷でも「6.7%成長」のカラクリ 焚きつけているのは中国政府だ
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/826.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 26 日 10:58:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           王保安・前国家統計局長 〔PHOTO〕gettyimages


中国でキケンな「不動産バブル」が再燃中! 消費低迷でも「6.7%成長」のカラクリ 焚きつけているのは中国政府だ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48518
2016年04月25日(月) 近藤 大介 北京のランダム・ウォーカー 現代ビジネス


■国家統計局長の「突然の失脚」

中国の国家統計局が発表する第1四半期(1月〜3月)の各種主要統計が出揃った。

統計の解説の前に、まずは国家統計局の「顔」である王保安局長(大臣)が、1月26日に忽然と消え、2月26日から、国家発展改革委員会の寧吉封寰蜚Cが、局長に天下った一件から述べよう。

王局長は1月19日に記者会見を開き、内外の記者団を前に、「2015年の中国のGDPの成長率は6.9%だった」と胸を張った。その二日後の1月21日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、ブルームバーグのインタビューに応じたジョージ・ソロス氏が、こう言い放った。

「中国経済は、ハード・ランディングに向かっている。グローバルなデフレ圧力を悪化させる急落だ。それが株価を引き下げ、アメリカ国債を引き上げる。この中国のハード・ランディングは、現実問題として、避けられないものだ」

この不気味な予言が世界を駆け巡ったことで、中国に対する不信が、一気に広がった。そこで、このソロス発言を打ち消そうと、1月26日、王保安局長が再度、記者会見に臨んだのである。

王局長は、いつもの強気の口調で、こう述べた。

「中国経済のプライオリティと、V字回復の勢いはまったく変わっていない。ソロスのうわごとのような中国経済の予測は、起こりようもない。中国の株価が多少下がったからといって、それが中国経済全体に与える影響は微々たるものだ。中国の株式市場は、これからも自信を持って進んでいく」

だが、王局長の防戦虚しく、この日の上海市場は6.4%、深圳市場は6.9%も暴落したのだった。

それはそうと、この会見の直後、思わぬ展開になった。国家統計局の内部事情に詳しい中国の経済関係者が明かす。

「王保安局長の記者会見が始まったのが、午後3時だった。4時頃に会見を終えた後、王局長は夜7時半から、国家統計局の幹部たち全員に招集をかけ、『国家統計局活動会議』を行うとしていた。国務院を統括する李克強首相の新たな講話を学習するというのが、会議の目的とされた。幹部たちは、『なぜ夜に会議なんか開くのか?』と訝りながらも、待機していた。

だがその実、王局長は局長専用車の運転手に、会見が終わったら、北京首都国際空港に向かうよう指示していた。同日夜7時発のパリ行きエールフランスと、夜9時発のフランクフルト行きルフトハンザのファーストクラスを、それぞれ2枚ずつ予約していた。身の危険を察した王局長は、何と愛人とヨーロッパに亡命するつもりでいたのだ。

会見が終わった後、王局長は隣の控え室に移り、そこに置いてあったカバンとコートを取って出ようとした。その時、党中央紀律検査委員会副書記と助手、それに二人の特警(特殊警察)が控え室に踏み込み、王局長を引っ捕らえた。王局長のカバンの中からは、『黄国安』『丁毅』という名義の2枚の偽造公用パスポートが見つかった。愛人は、北京首都国際空港の貴賓室にいるところを引っ捕らえられた。

王局長には、古巣の財政部時代に、数億元を不正蓄財し、それらをアメリカとヨーロッパに隠匿していた容疑がかかっている」

このような無様な大臣が、「中国のGDP成長は6.9%」と胸を張っていたのだ。中国内外の多くの経済専門家が、「中国GDP虚偽論」を唱え始めている。私も昨年、6回訪中したが、「肌感覚」として6.9%も成長しているようには、とても思えない。

■新局長となった寧吉浮ニいう男

ともあれ、そんなわけで2月26日、国家発展改革委員会の寧吉封寰蜚Cが、新たに国家統計局長に就任した。

寧局長は1956年、安徽省合肥市生まれで、合肥工業大学電気システム学科を卒業。中国人民大学で経済学の修士号と博士号を取った。1988年に、国家計画委員会(現在の国家発展改革委員会)に入省し、主に西部大開発を担当してきた。

西部大開発というのは、江沢民時代後期の2000年から現在まで続く、発展の遅れた西部地区を発展させていこうという国家プロジェクトだ。

その後、国務院研究室に移り、習近平政権が発足して間もない2013年8月に、国務院研究室主任に就任した。昨年8月に、古巣の国家発展改革委員会に、副主任として戻ったが、1月末の「王保安事件」で国家統計局が大揺れとなったため、急遽、国務院を統括する李克強首相に送り込まれたのだ。李克強首相と寧局長が話す時は、安徽省方言を使うほど、李首相から信任を得ている。

その寧局長になって初めての経済統計発表が、4月15日に行われ、4月19日に寧局長自身が、「中国政府ネット」で解説した。

まず、1月から3月までの第1四半期のGDPは、15兆8526億元(1元≓16.9円)で、6.7%の成長率だったという。寧局長のコメントは、以下の通りだ。

「中国経済の総量はすでに巨大だが、その巨大な中にあってこれだけ成長しているのだから、これは他の主要国と較べてもベストの展開だ。わが国の経済成長の速度は、アメリカ、日本、ドイツなどよりも、はるかに高速なのだ」

今回、発表された経済統計で、ひときわ目を引いたのが、不動産の動向だった。3月の主要70都市の不動産調査で、新築商品住宅(マンション)価格が2月から上昇したのは、62都市に上った。また、中古住宅(マンション)価格が上昇したのも、54都市に達した。

前年同月比で見ると、北京の新築マンションは116%、上海は125%、深圳に至っては161%にハネ上がった。同様に中古マンション価格は、北京が135%、上海が127%、深圳が160%に上昇した。

第1四半期の全国不動産開発投資額は1兆7677億元で、名目で6.2%(物価要素を控除すると9.1%)伸びている。昨年通年の伸びが1.0%だったことを鑑みれば、まさにV字回復しているのだ。

■あまりにも場当たり的な経済政策

このカラクリは、中国政府が固定資産投資を増加させ、「政府主導型の不動産バブル」を演出しているからに他ならない。

2013年に習近平政権になってから、「八項規定」(贅沢禁止令)と腐敗防止を徹底させ、都市部のマンション購入の規制も強めたため、不動産バブルは崩壊した。

習近平政権は、不動産バブルを崩壊させた代わりに、株式バブルを演出した。新築不動産は日本円で1000万円超からしか買えないが、株なら5万円からでも買えるため、より広範な庶民の支持を得ようとしたのである。それによって2014年後半から2015年前半にかけて、株式バブルが起こった。

だが昨年6月に、株式バブルも崩壊してしまった。そこで再び、不動産バブルの「演出」を始めたのである。

そうしたら、北京、上海、深圳と、どんどん上がり出した。

「もはや危険水域に達した」と見た上海市は、3月25日に突然、新たな規制を発表した。それは、上海市の都市戸籍を保有していない中国人は、社会保険料を5年以上払っていなければマンションを買ってはならない(それまでは2年だった)。2戸目のマンション購入は、マンションの種類によって、最低頭金を5割もしくは7割に引き上げるというものだ。

あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、ジグザグと場当たり的に進むのが、習近平政権の経済政策の一大特徴である。よく言えば、中国人的な「走りながら進む」臨機応変の方法だが、あまりに朝令暮改で、政策が変わるたびに国民は振り回されている。要は経済に対する理念・哲学といったものが欠如しているのである。

不動産に関しては、寧局長はこう語っている。

「第1四半期の商品型不動産の売り上げ面積は3割強伸び、売上高は5割強伸びた。不動産価格も伸びている。不動産というのは、あらゆる産業の支柱となる産業だ。今後は不動産価格が過度に上がるのを防ぐことと、同時に多くの人がマイホームの夢を実現できるようにしてやることが大事だ」

あっちも取りたいし、こっちも欲しい。まさに習近平政権の新たな国家統計局長らしい言い草である。

寧局長は、こうも述べている。

「野菜を買う消費者は、最近物価が上がって大変だという。だが野菜を作る生産者は、最近物価が下がって大変だという。政府はさらに努力して政策を磨き、いち早く問題点を改善していかねばならない」

何だか煙に巻いたような結語である。日本の国会にも「官僚答弁」というものがあるが、中国式の「官僚答弁」なのかもしれない。もっとも国家統計局は、決して権限の強い官庁ではないので、彼らにも悲哀があるのだろう。

■「消費の転換」は起こってるかもしれないが…

ところで、気になる統計データもあった。第1四半期の固定資産投資の伸びが、10.7%に達したのだ。こちらは、ありがたくないV字回復である。

中国は、リーマン・ショック後に4兆元(当時の邦貨で58兆円)もの緊急財政支出を宣言して、世界経済復活の牽引役となった。この時に主導したのが、固定資産投資だった。日本で言う公共投資である。

だが固定資産投資が過ぎたために、鉄鋼業や石炭業などが生産過剰に陥り、全国に「鬼城」(ゴーストタウン)が溢れた。かつて日本で、誰も通らない高速道路や誰も行かない公民館などを、どんどん作っていったようなものだ。

そこで習近平政権になってからは、このゾンビのような固定資産投資を減らしていき、国民の消費が主導する健全な経済発展を目指したのだった。

昨年の第1四半期で13.5%まで減らし、昨年通年では、ついに10.0%まで落とした。さらに減らしていき、その分、消費が増えていけば、晴れて中国経済復活の暁光が見えてくる。

ところが、今年第1四半期の民間の固定資産投資は、5.7%まで落ちた。そこで再び、政府による固定資産投資の増加という「悪癖」が始まったのだ。

国家統計局が3ヵ月ごとに発表する経済統計を見ていて、多くの専門家は、GDPの数値が虚偽ではないかと指摘する。だが私が思うに、もっと信用できないのが、消費額が常に二ケタ成長していることである。3月の小売消費額は10.5%も伸びている。総額7兆8024億元も消費したという。

昨年4月から今年3月までの一年間の数値は月ごとに、10.0%、10.1%、10.6%、10.5%、10.8%、10.9%、11.0%、11.2%、11.1%、10.2%、10.5%である。

だがこの間に、株式バブルは崩壊して、1億8000万人の「股民」(個人投資家)が多大な損失を出し、地方経済は崩壊し、工場は閉鎖され、デパートやレストランはバタバタ潰れ……。繰り返しになるが、私は昨年6回、訪中し、大都市から地方の農村まで回ったが、消費が年に10%も伸びているとは、とても思えなかった。

それでも無理やり肯定しようと思えば、物価が上がった影響で、消費額が上がっているということだ。

私は中国へ行くたびに、セブンイレブンに入って、商品価格を定点観測しているが、今年1月の時点で、おにぎり、弁当、缶コーヒー、カップラーメンなど、だいたい日本の8割から9割の間くらいの価格まで来ている。しかも毎年1割分くらい、価格が上昇している。つまり、消費額の上昇分と合致するのである。

消費動向について、寧局長は、次のように説明している。

「私はエンゲル係数に着目している。過去には消費のうち5割は食品だったが、現在のエンゲル係数は3割程度まで下がってきている。これは経済が好転している証左だ。今年に入って、旅行の消費やSNS消費、ネット消費などが、3割近く増えている」

確かに、ネット通販が消費を牽引していることは認める。ただ第1四半期のネット通販は、前年同期比27.8%増の1兆251億元に上り、消費全体の10.6%となったとはいえ、まだ消費全体の1割である。かつ肌感覚では、ネット通販が増えた以上に、店舗販売額は減っている。

寧局長が言うように、「消費の転換」は起こっているかもしれないが、それによって全体の消費量は下がっている印象なのだ。実際、消費に直結する輸入額は、昨年13.2%も減少している。

■65歳以上が総人口の1割を突破

さて、国家統計局は4月20日、もう一つ興味深い統計データを発表した。それは、「2015年全国1%人口ピックアップ調査主要データ公報」である。

中国は10年に一度、西暦で末尾がゼロの年に、人口調査を実施している。だが最近は中国社会の変化が激しいので、中間にあたる西暦の末尾が5の年(2015年)にも、人口調査を行ったというのだ。予算や人員の関係から、人口の1%をメドに行ったのだという。実際には、総人口の1.55%にあたる2131万人を調査した。

この「公報」によれば、2015年11月1日午前0時現在の中国大陸の総人口は、13億7349万人で、5年前の13億3972万人よりも3377万人増加したという。増加率は、2.52%で、年換算すると、0.50%だ。

また、家庭数は4億947万戸で、平均家族数は3.10人。男性は7億356万人で51.22%、女性は6億6993万人で48.78%。女性を100とすると、男性は105.02で、これは5年前の105.20に較べると、改善が見られる。

民族別に見ると、漢族が12億5614万人で、91.46%。55の少数民族は、計1億1735万人で、8.54%である。漢族はこの5年で3021万人増え、少数民族は356万人増えた。

注目すべきは、年齢別人口である。65歳以上が1億4374万人と、日本の総人口を上回る数だ。しかもその比率が10.47%と、5年前の8.77%から1.60%も上昇し、初めて総人口の1割を突破したのだ。これは中国社会が、ものすごいスピードで老齢化社会に向かっていることを意味する。このペースで進めば、20年後には深刻な社会問題と化すだろう。

だが大卒も、1億7093万人もいて、こちらも日本の総人口を5000万人も上回っている。豊富な「人材」に、中国の将来を託すしかない。

ちなみに前回、2010年の人口調査の時には、私も北京に住んでいたので経験している。その時、私が住んでいたアパートにも調査員のオバサンがやってきて、性別、生年月日、民族、学歴などを聞いてきた。私は、「自分は日本から来た駐在員であって、中国人ではない」と説明した。するとオバサンは逆ギレして言った。

「そんなの、私の知ったことではないわ。一人あたり2元もらえるんだから、あなたを数えたっていいでしょう」

首都・北京でさえ、こんな調子だった。それからしばらくして山西省の僻地の村へ行った時、地元の人にどうやって人口調査をやったのか聞いてみた。すると、こう答えた。

「各村の村長や党書記に電話をかけ、だいたいの人数を聞いて終わりだよ。だってそうした方が、調査費が浮くではないか」

こうした経験をしたため、なぜ大仰に全国で人口調査なんかやるのかと思った。そもそも中国には、15ケタか18ケタからなる身分証が全国民に与えられているので、身分証発行元の公安部は、正確な人口を把握しているはずではないか。

当時、少なからぬ中国人にこの疑問を投げかけ、帰ってきた回答も多岐にわたったが、その中で納得できたものが二つあった。

一つは、一人っ子政策などのため、身分証を持たない「無戸籍者」(こっそり産んだ二人目以上の子供)が数千万人単位でいるというのだ。だからきちんと対面して調査を行う必要がある。

もう一つは、公安部が掴んでいる正確な人口は、すでに15億5000万人を超えている。そんな数は国家が養えないから、人口調査をやって、わざと少ない統計が出るようにしているというのだ。

いずれにしても、中国で正確な統計データを取るのが難しいこと、及び中国の統計データには多くの場合、「目的」があるということを、理解したのだった。

 

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