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日銀「次の追加緩和」は、やってはいけない!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48523
2016年04月25日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
4月の日銀決定会合で追加緩和策が打ち出されるとの期待から、金融市場では円安、株高が進んでいる。そして、債券市場では追加緩和期待に加え、投資家が日銀に市場実勢価格を上回る価格で国債を買ってもらおうとする“日銀トレード”が金利低下圧力を高めている。
こうした動きを過小評価すべきではない。
特に、日銀のオペレーションで“札割れ”が生じ、日銀が想定通りに国債を買入れることが難しくなる可能性が高まっていることには注意が必要だ。追加の金融緩和を行っても、景気に対する効果は非常に小さいとの見方も増えているだけに、金融政策の先行きは慎重に考えた方が良い。
■金利を低下させる“日銀トレード”
1月末のマイナス金利政策の導入以降、国内金利の低下が著しい。
すでに国債の流通市場では、満期までの残存年数が12年までの国債の金利はマイナスに落ち込んでいる。より期間の長い国債の利回りも低下基調だ。たとえば40年国債の利回りは、月初には+0.43%程度だったが、20日には+0.3%を下回った。
一方、原油価格の上昇や日銀追加緩和への期待などから、ドル高・円安が進んでいる。それを受けて国内の株式市場も上昇基調だ。本来、こうした状況では金利が上昇してもおかしくはない。しかし、国債市場では一貫して金利は低下基調にある。
その背景にあるのが、“日銀トレード”だ。日銀トレードとは、資金供給のために日銀が実施する債券の買入れ(オペレーション)を使い、投資家や金融機関が市場実勢よりも高い価格で日銀に国債を買ってもらうことを指す。こうすれば、仮に金利がマイナスの水準で国債を買っても、一定の利益を出すことが可能だ。
つまり、国内金利は経済の実態よりも、一部投資家の短期的な利益狙いに振り回されている側面が強い。21日には、一時、3ヵ月物の短期国債の利回りがマイナス1.0%を下回る水準に急低下した。一部の金融機関が日銀オペ狙いで特定の銘柄を買い占めた結果、需給がひっ迫し、金利の低下に歯止めがかかりづらくなっている。
■追加緩和は本当に必要か?
この状況下、国内債券のディーラーたちは“札割れ”への不安を募らせている。
札割れとは、日銀が買入れのための入札を通知した時、金融機関が申し込んだ金額が入札予定額を下回ることだ。日銀の国債買い入れが大規模に進み、金融機関が売却できる国債は減少している。その結果、日銀が思った通りに国債買入れを実施できず、資金の供給が進めづらくなる恐れがある。
その場合、市場参加者は日銀の政策が限界を迎えたと判断するだろう。金融市場は混乱し、急速な金利上昇など経済にもマイナスの影響が広がるかもしれない。
日銀は個々の金融機関の応札額に上限を設定し、割高な銘柄を買入れの対象外とするなど、過度な金利低下、ボラティリティ上昇を回避しようとしている。しかし、日銀トレードの動機そのものを市場からなくすことは難しい。
そんな中、4月の日銀決定会合で追加緩和が発表されるのではないかとの見方が徐々に増えている。物価上昇は言うに及ばず、円高圧力を払拭するために更なる金利低下が必要との見方が強まっているようだ。黒田総裁が政策に限界はないと主張していることも、追加緩和期待を高めている。
しかし、追加緩和はやるべきではない。追加緩和は日銀トレードを目的としたマネーゲームを加速させる。しかし、更なる金利の低下は生保等の金融機関の収益力を悪化させ、国債の売却動機も低下するはずだ。
追加緩和の結果、金融政策の運営に支障が生じ、経済にもマイナスの影響が出る可能性があることを慎重に考えるべきだ。
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