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12ケ月ぶりに減少した3月のコンビニ売上高(GLOBAL EYE)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/703.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 21 日 18:10:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

12ケ月ぶりに減少した3月のコンビニ売上高
http://www.globaleye-world.com/2016/04/1098.html
2016.04.21 12:59  GLOBAL EYE


日本フランチャイズチェーン協会が発表しました3月のコンビニエンスストア売上高(既存店ベース)は、前年同月比微減の7929億円だったと発表されており、前年実績を割り込むのは12カ月ぶりとなるとされています。

平均客単価は0.6%増と12カ月連続で前年を上回っていますが、既存店客数は0.7%減で4カ月ぶりのマイナスとなったためですが、これが景気の悪化による収入が減ったためなのか、爆買い中国人が減ったためなのかまだわかりませんが、客は増えているのにもかかわらず売り上げが減っているのはデパートも同じであり、コンビニ・デパートとも爆買い中国人の減少と見て間違いないかも知れません。

日本の消費に赤信号が点灯していると言えますが、デパート・コンビニそしてユニクロ(ファーストリテイリング)も崩れ始めたとなると、事態はかなり深刻となります。


 

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1. 2016年4月21日 18:45:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[434]

日本への外国人旅行者、円高で財布のひも締める−チャート
Isaac Aquino
2016年4月21日 17:18 JST

  日本を訪れる外国人旅行者の人数は、増えるペースは鈍化したものの依然として多い。しかし、彼らが落とすお金は減少している。1−3月(第1四半期)に1回の旅行で外国人が使った金額は平均16万1746円と、前年同期から5.4%減った。中国経済の減速に加え、円が年初から対ドルで10%上昇したことが一因だ。円高は外国人旅行客の購買力を低下させる。そこにさらに逆風が加わった。熊本地震を受け、春の旅行シーズンにツアーのキャンセルが相次いだ。
原題:Japan’s Visitor Spending Hurt by the Yen: Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z1D06K50XT01


Business | 2016年 04月 21日 18:15 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
「緩やかな回復基調」維持、地震影響を十分留意=月例経済報告

[東京 21日 ロイター] - 政府は4月の月例経済報告で、「景気はこのところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との判断を据え置いた。ただ、熊本地震について「経済に与える影響には十分留意する必要がある」と付け加え、早期の影響把握とともに地域経済の早期回復や産業復旧に取り組むことを盛り込んだ。

熊本地方への経済的影響は、まだ地震活動も続いている中で全体像が把握できていない。また、前回3月の月例経済報告で個人消費を含めて全体の判断を下方修正したばかりでもあり、今回の月例経済報告では全体の判断、そして個別項目もほぼ判断を据えおいている。

個人消費は「消費者マインドに足踏みがみられるが、おおむね横ばい」、設備投資は「持ち直しの動き」、生産は「横ばい」などとしている。唯一 、企業の業況判断は4月1日の日銀短観の結果も踏まえて「慎重さがみられる」と下方修正した。

「海外経済で弱さがみられている」状況にも変わりはなく、地震の影響が広がれば、国内景気の弱まりも加わり、「緩やかな回復基調」との総括判断が維持できなくなる可能性もある。

政策対応として「16年度予算について、できる限り上半期に前倒しして実施する」とともに、「熊本地震とそれに引き続く地震活動による被災者の生活への支援などに万全を期す」としている。

(中川泉 編集:橋本俊樹)
http://jp.reuters.com/article/monthly-economy-japan-idJPKCN0XI0UH

日銀、円高が2%物価目標のリスクとの見方強まる−関係者
日高正裕、藤岡徹
2016年4月21日 17:30 JST
追加緩和めぐって白熱の議論の可能性−来週の金融政策決定会合
マイナス金利の波及効果見極めたいとの見方も根強い

日本銀行は最近の為替相場の円高進行について、2%の物価目標の早期実現にとって深刻なリスクになりかねないことから、為替相場の円高進行に対して懸念を強めていることが、関係者への取材で分かった。
  複数の関係者によると、黒田東彦総裁が2013年4月に打ち出した量的・質的金融緩和は、円安による企業収益の拡大が設備投資や賃上げにつながる前向きの循環メカニズムを作り出そうとするものだったが、円高の進行により企業の支出スタンスが慎重化したり、期待インフレが低迷するリスクに対し、日銀内で危機感が高まっている。
  黒田総裁はこのほど、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、過度の円高が続けば、実際のインフレ率だけでなく、企業景況感や事業活動、さらにインフレ期待への影響という形で物価動向にまでも影響を及ぼしかねない、と述べた。
  複数の関係者によると、日銀内では、こうした見方に呼応する形で27、28の両日開く金融政策決定会合で追加緩和を行うべきかどうか白熱した議論になる可能性がある一方で、1月に導入を決定したマイナス金利の波及効果を見極めたいという見方も根強いという。

  米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席した麻生太郎財務相は14日、ルー米財務長官と会談後、為替相場の「一方的に偏った動き」に懸念を表明し、「過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与える」との認識を確認した、と記者団に発言した。一方のルー長官は15日の会見で、円相場の上昇に触れた上で、為替市場は秩序立っていると語っていた。
  日銀は月末の決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)もまとめる。モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは20日付のリポートで、「景気・物価見通しの下方修正は避けられないだろう」と指摘。それでも日銀が動かないと、「市場は日銀が『緩和しない』のではなく、緩和が限界に来たため『緩和できない』と解釈し、さらなる円高が進むリスクがある」として、同会合での追加緩和を予想する。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z4KZ6JIJUT01



ドル・円が2週間ぶり高値圏、原油高・株高でリスク選好−109円後半
小宮弘子
2016年4月21日 10:35 JST 更新日時 2016年4月21日 15:53 JST
朝方に一時109円90銭と7日の高値に並んだ後は一進一退の展開
ドル・円の上昇基調は続いている−RBSの平野氏

21日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が2週間ぶり高値圏で推移した。原油価格の大幅上昇や日米株高を背景としたリスクセンチメントの改善が支えとなった。
  午後3時51分現在のドル・円相場は1ドル=109円64銭前後。朝方には一時109円90銭と今月7日に付けた高値に並び、その後は109円台後半で一進一退の展開となった。
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の平野淳外国為替営業部長は、東京時間はどうしても日本勢の売りに上値を抑えられるが、欧米株の堅調や原油価格の上昇を背景とした「ドル・円の上昇基調は続いている」と指摘。欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に前向きな姿勢が見せれば、株式市場にとっては好ましい形となり、「株式市場の上昇を背景に、ドル・円は堅調になるだろう」と予想した。
  ECBはこの日、定例政策委員会を開く。ブルームバーグのエコノミスト調査では、主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利は0%、中銀預金金利はマイナス0.4%でそれぞれ据え置かれる見込み。前回3月の会合ではこれらの金利を引き下げると同時に、月間の資産購入額を30%余り増額して800億ユーロとした。 

  20日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続伸し、ほぼ5カ月ぶり高値となった。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で米国の生産減少が明らかになったほか、イラクのニマ副石油相が5月にロシアで生産量据え置きを目指した産油国会合が開かれるだろうと述べたことが買いを呼んだ。アジア時間21日の時間外取引で中心限月の原油先物6月限は続伸している。
  原油高を受け、20日の米国市場では10年債利回りがほぼ2カ月ぶりの大幅上昇となり、S&P500種株価指数は一時昨年7月以来の高値を付けた。21日の東京株式相場も大幅続伸し、日経平均株価は2カ月半ぶり高値で取引を終えている。
  三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、「このリスクオンが続くかというと、あまりそんな感じはしないが、3カ月くらいリスクオフできてしまったので、1日や2日で巻き戻しが終わるとも思えない」と指摘。「マーケットは110円は1回やりたいのではないか。上がったところで、どのくらい日本の輸出企業が売りにくるかというところ」と話した。
  ユーロ・ドル相場はECB会合を控えて小動きながら1ユーロ=1.1300ドル前後で上値が重く、同時刻現在は1.1301ドル前後。ユーロ・円は1ユーロ=124円台前半から123円台後半へ弱含みに推移した。
  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、「ECBについては市場の見方は固まっている」と指摘。「今晩は緩和はないが、ドラギ総裁は今後の追加緩和に積極的な姿勢を示すと思う」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5YLYY6JTSFG01



麻生氏発言一部掲載せず、「財務省が為替の話おかしい」−公式サイト
上野英治郎、ジェームズ・メーガ
2016年4月21日 14:16 JST

会見概要には質疑応答の主要部分を掲載と財務省説明
為替市場は秩序立っているとの米財務長官発言後の閣議後会見

麻生太郎財務相の閣議後会見での為替に関する発言の一部を、財務省が公式サイトには掲載していないことが分かった。質問内容と答えに整合性がないのが理由と同省では説明している。
  麻生財務相は19日の会見で、為替相場の動きは秩序立っているとルー米財務長官が発言したのを踏まえた日本の為替政策を問われた。財務相の答えのうち「基本的に財務省が為替の話をするのはおかしいのであって、普通これ中央銀行でやる話ですから」と述べた部分が、サイトの会見概要から外された。
  財務省広報室は、米国についての質問に対して応答が欧州を念頭に置いた発言だったと説明、従来も質疑応答の主要部分を掲載しており今回もこれに沿ったとしている。
  米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席した麻生財務相は14日、ルー長官と会談後、為替相場の「一方的に偏った動き」に懸念を表明し、「過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与える」との認識を確認したと記者団に発言した。一方のルー長官は15日の会見で、円相場の上昇に触れた上で、為替市場は秩序立っていると語っていた。麻生財務相の閣議後会見での為替発言は過去にも会見概要から一部削除されたことがある。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5YU166S972E01


ユーロ圏インフレ率、ECB目安を向こう20年下回る恐れも−チャート
Tanvir Sandhu
2016年4月21日 17:28 JST

  ユーロ圏のインフレ期待を示す1年物インフレスワップ金利は、欧州中央銀行(ECB)が今から20年たってもインフレ率を2%弱の目安に戻せないとの投資家の懸念を示している。この金利曲線は10年後以降、1.7%前後でフラット化している。ドラギ総裁が3月に利下げや資産購入拡大などの措置を打ち出したにもかかわらず、最近のユーロ高がインフレスワップ金利への重しとなっている。
原題:Euro Inflation Investors Wary of Return to ECB’s Target: Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z4836JTSEK01



スウェーデン中銀:量的緩和6100億円拡大、金利マイナス0.5%で維持
Johan Carlstrom
2016年4月21日 17:59 JST

スウェーデン中央銀行は21日、政策金利を据え置くとともに、量的緩和(QE)での債券購入を増やすと発表した。インフレ回復を脅かす通貨高を阻止する。
  中銀は政策金利のレポ金利をマイナス0.5%に据え置いた。ブルームバーグの調査でエコノミスト20人全員が予想した通りだった。国債購入は450億クローナ(約6100億円)増やし、インフレ連動債を含めて7−12月(下期)に買い入れる。
  中銀は声明で「諸外国が拡張的な金融政策を続けていることから、クローナが予想より早期に速いペースで上昇するリスクがある。これはスウェーデンの成長とインフレを弱め、インフレ目標達成への信頼に悪影響を与える恐れがある」と説明した。
  追加購入分のうち300億クローナは通常の国債、150億クローナはインフレ連動債に割り当てる。
  既存のQEプログラムの規模は2000億クローナで、スウェーデンの通常国債の残高のほぼ3分の1に相当する。この購入は今年6月末までに完了する。
原題:Sweden Fights Currency Market With More Monetary Stimulus (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z5FV6K50XT01

インドネシア中銀、金利据え置き−新政策金利へ移行控え緩和見送り
Rieka Rahadiana、Herdaru Purnomo
2016年4月21日 18:00 JST

レファレンス金利を6.75%に維持−大方の予想通り
8月から新政策金利に採用の7日物リバースレポ金利は5.5%

インドネシア中央銀行は21日、政策金利の据え置きを発表した。新しい政策金利への移行を8月に控えて緩和を見送った。
  中銀の発表によると、マルトワルドヨ総裁率いる理事会は現在の政策金利であるレファレンス金利を6.75%に維持した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では26人中23人が据え置きを予想、3人は0.25ポイントの利下げを見込んでいた。
  8月から新政策金利に採用する7日物リバースレポ金利は5.5%に設定した。金融政策効果の実体経済への伝達を改善するため、新金利を採用する。
原題:Bank Indonesia Pauses Rate Cuts as It Moves to New Policy Plan(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z73Q6K50XZ01



ECBの「バズーカ」、欧州株には届かず

By RIVA GOLD
2016 年 4 月 21 日 12:35 JST

 今年の欧州株は金融刺激策を追い風に、米国株をしのぐパフォーマンスを見せると大いに期待されていた。だが、欧州中央銀行(ECB)が一連の追加緩和策を発表してから約6週間がたち、欧州株は米国株にリードを許している。このパフォーマンスの差がすぐに埋まることはなさそうだ。

 欧州株はここ数カ月、多数の逆風に見舞われている。急激なユーロ高、世界経済の成長減速、域内のさまざまな政治リスク、極めつけは欧州連合(EU)離脱の是非を問う6月の英国民投票を取り巻く不透明感だ。こうした悪材料が重なり、金融刺激策が欧州株にもたらす効果が鈍っている。

 ECBは21日に理事会を開くが、これが状況の変化につながる可能性は低い。ドラギECB総裁は3月、金利のさらなる引き下げが必要になるとは予想していないと述べた。また、低インフレや望ましくないユーロ高をよそに、ECBの政策は緩和的過ぎる可能性があるとして、追加利下げすれば域内銀行の痛みは増すと主張する向きが増えている。

 投資家も案じている。バンクオブアメリカ・メリルリンチが世界の運用会社を対象に実施した調査によると、ユーロ圏の株式への投資配分は4月第1週に1年3カ月ぶりの低水準を記録したが、米国株への配分比率は引き続き上昇した。

 年初来の騰落率はS&P500種指数が2.9%高であるのに対し、欧州主要企業600社で構成するStoxx600指数は4.1%となっている。多国籍企業の寄与度が高いドイツのDAX指数でさえ、近年は密接に連動しているS&P500に後れを取っている。

 BNPパリバ・フォルティスのチーフストラテジスト、フィリップ・ガイゼル氏は「若干の驚きとともに見守っている」と述べた。今年に入って欧州の投資妙味は他地域を大きく上回っているようだという。同氏は多くの投資家と同様、ECBが今年の欧州株の支援材料になると期待していた。

 トーマス・ミラー・インベストメントのチーフストラテジスト、アビ・オラディメジ氏は、「見通しを尋ねるのが昨年12月だったら、ほぼ全ての人がユーロ圏と日本は米国を上回ると答えただろう。いずれも量的緩和を実施しているためだ」と語った。

 ECBは3月の理事会後、預金金利のさらなる引き下げや債券買い入れの拡大など複数の追加措置を発表した。

 だが、これらの措置がリスク資産に与える影響をめぐり、投資家の間で疑念が高まっている。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月、利上げについて予想外にハト派的な姿勢を示したことを受け、ユーロの対ドル相場は年初来の上昇率が4%に達している。アナリストらによると、ユーロの相対的な強さは欧州株の足を引っ張っているが、通貨高で昨年は利益を圧迫された米多国籍企業の株価には恩恵となっている。

 新興国へのエクスポージャー(投融資残高)拡大も、今年の欧州株低迷を招いており、世界的にリスク回避の波が広がる中でも不釣り合いな痛みを味わっている。

 だが、域内の問題も同じくらい厄介だ。欧州全般で経済成長の低迷が続く一方、ユーロ圏のインフレ期待は大きな回復を遂げていない。

 ギリシャと国際通貨基金(IMF)、欧州債権国の間の意見相違も不安に輪をかけている。ギリシャは7月に35億ユーロ(約4300億円)の債務返済期限を迎える。イタリアでは、不良債権問題が引き続き銀行株の重しとなっている。6月の英国民投票の結果をめぐる不透明感も、域内全般でリスク志向を圧迫している。

 欧州周縁国の失業率は危機以前の水準を大きく上回り続けており、スペインではこの夏の選挙に期待が高まっている。結果次第ではスペインの財政赤字削減は一層難しくなる恐れがある。

 ドイツ銀行のエコノミスト、マーク・ウォール氏は「ECBは無力なわけではないが、構造問題は解決できない」と話した。

 実際のところ、欧州株のパフォーマンスはここ数営業日で改善している。Stoxx600指数は過去9営業日のうち8営業日で上昇しており、S&P500の伸びを上回っている。だが、このところ持ち直しているのは主に資源関連株だ。欧州株は引き続き、荒れが予想される決算発表シーズンを乗り切る必要があるため、米国との差を近く縮小するのは困難と思われる。

 投資家の一部は、特に中国人民銀行(中央銀行)による最近の緩和策で同国経済の健全性をめぐる懸念が和らいでいるため、この差はさらに縮小する可能性があると指摘している。

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ECB総裁、利下げやユーロ高・ヘリコプターマネーへの発言に注目
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁(ブリュッセル、3月)

By TOM FAIRLESS
2016 年 4 月 21 日 11:14 JST

 【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は何とかうまくいかないものかと悪戦苦闘している。

 総裁は21日に開く政策理事会後の記者会見で厳しい質問を受けるだろう。ECBはこれまで債券買い入れ措置を何度も拡充しており、2015年12月時点で規模は総額1兆5000億ユーロ(約186兆円)に達したものの、緩和策への風当たりは強い。

 ECBの最大株主であるドイツがECBの政策は行き過ぎだとの懸念を深めている一方、海外投資家はECBが金融政策手段を使い果たしつつあると心配している。資金難にあえぐ域内銀行の間では、マイナス金利が銀行の収益を圧迫しているとの不安の声が大きい。また、ほぼ誰もが、ユーロ圏の経済成長やインフレの弱さ、そして英国が6月に実施する欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票などの政治的リスクを気にしている。

 ECBの一挙手一投足への注目度の高さは、他の当局が強力な政策を講じない中で、いかに中銀が世界経済を支える役回りを担うようになってきたかを浮き彫りにしている。また、中銀の政策運営がすでに限界か限界近くに達しているとの懸念の表れでもある。

 米債券ファンド大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)のドイツ債券ポートフォリオ・マネジメント・チームの統括責任者であるアンドリュー・ボゾムワース氏は「それぞれの緩和策があまり大きな経済効果をもたらしていない段階に近づきつつあることは明らかだ」とし、「不安が広がり始めている」と語った。

 ドラギ総裁が21日に新たな政策措置を打ち出すと予想する向きはないが、将来的な金利引き下げ、最近のユーロ高、中銀が国民に直接お金を配って消費を促すという極端な緩和策「ヘリコプター・マネー」を実施する可能性などについて総裁がどのような発言をするか投資家は注目している。

 総裁は中銀の政策手段がまだ尽きていないことを投資家に納得させようと慎重な姿勢で会見に臨むだろう、というのがエコノミストらの見方だ。マイナス金利への不満が大きい域内銀行を圧迫するつもりがないこともあらためて確認するとみられる。

 ボゾムワース氏によれば、デリバティブ(金利派生商品)市場は現在、ECBが7-9月期までに預金金利を0.1%下げて0.5%にすると織り込んでいる。

 ECB幹部らは超低インフレが長期化しないよう追加措置を取る用意があることをたびたび強調してきた。

 幹部らのこうした発言やヘリコプター・マネーをめぐる議論を受け、ドイツはECBの緩和政策への懸念をいっそう強めたようだ。

 ドラギ総裁はドイツ政府との関係やヘリコプター・マネーに関する見解について質問される公算が大きい。総裁は前回3月の記者会見で、ヘリコプター・マネーを「興味深い構想」と評した。

 BNPパリバのエコノミスト、ケン・ワトレット氏は「第2弾の政策措置の発表からわずか数週間後にヘリコプター・マネーの議論を求める声が高まれば、(ドラギ総裁は)非常にもどかしい思いだろう」と述べた。

 総裁は6月から開始予定の新たな社債買い入れについてさらなる詳細を明らかにする可能性もある。買い入れ対象となる銘柄や月間購入目標額の有無、加盟各国中銀とのリスク共有方法などに関し、何か情報が公表されるか注目だ。

 ECBの債券買い入れは現時点で2017年3月までの実施が予定されているが、期限が近づくにつれて総裁は、期限延長の可否やドイツ国債市場など一部の市場に障害を起こさないようにするための方策などについて問い詰められることになりそうだ。

 だが当面は投資家から答えを求められることはないだろう、とエコノミストらは言う。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミスト、ギレス・モエック氏は「秋口には市場からECBに対して(債券買い入れ措置を)今後どう続けていく方針なのか説明を求める大きな圧力がかかる、と当行は予想している」とし、「(ECBには)猶予はあるものの、6カ月程度が限度だろう」と指摘した。

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中銀の緩和策、限界に近づく=UBS会長
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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NQ377_eursto_M_20160420070156.jpg




Business | 2016年 04月 21日 17:08 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
「日銀プレー」が演出する日本株高、劣化する実体経済と乖離

[東京 21日 ロイター] - 日銀の追加金融緩和を見込んだトレード、いわゆる「日銀プレー」が再び活発化している。28日の決定会合結果発表に向けて、ヘッジファンドなど海外短期筋が日本株買いを仕掛けているが、日本の企業業績は減速傾向を見せ、景気の足取りも弱い。劣化するファンダメンタルズと株価が乖離(かいり)すれば、投機的なポジションは短期間で巻き戻されてしまう可能性がある。

<黒田発言を材料視>

世界的なリスクオン相場に乗れていなかった日本株が、なぜ今になって、急速に上げ足を速めているのか。三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は、「日銀プレー」が再び強まってきているためだとみる。

「日銀プレー」とは、日銀金融政策決定会合の日程に向けて、日本株買い・円売りのポジションを構築しておくトレードだ。追加緩和がなければ多少の損は出るが、もし追加緩和があれば、株高・円安が進むため、大きな利益を得ることができる。

「黒田東彦総裁の最近の発言から、追加緩和の可能性が大きいとみたのだろう。オプションのクロス取引などデリバティブを駆使して、ポジションを構築しているようだ」(藤戸氏)という。21日の東京市場では、不動産や証券など「日銀プレー」の局面で買われやすい業種の上昇が目立った。

黒田日銀総裁は、20日午前の衆院財務金融委員会で、熊本地震の影響について供給網やマインドへの影響を調査していくとしたほか、日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れについて、株式時価総額との関係で日銀のプレゼンスが大き過ぎることはない、との認識を示した。

景気や物価に関するトーンに大きな変化はみられず、追加緩和の言質を与えるような発言ではなかったものの、市場では「4月27、28日の決定会合での追加緩和に前向きな発言」(外銀ストラテジスト)と受け止める声も出ている。

<海外短期筋が主導>

「日銀プレー」を行っているとみられているのは、イベントドリブン型のヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)など短期売買を得意とする海外短期筋との見方がもっぱらだ。

日経平均.N225は19─21日の3日間で1087円上昇したが、東証1部売買代金の平均は約2兆2600億円。年金など長期投資家が本格参戦しているようなボリュームではない。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのファンドマネジャー調査では、日本株は4月にアベノミクス相場初のアンダーウエートに落ち込んだばかり。海外の長期投資家のスタンスが再び方向転換するには時間が必要だ。足元の株高は、あくまで「短期筋による仕掛け的な買いが主体」(邦銀)とみられている。

為替市場では、日本株市場のような「日銀プレー」が見られているわけではない。しかし、「原油反発をきっかけに、短期筋のドル/円ポジションも巻き戻しが起きている」(三井住友銀行・シニアグローバルマーケットアナリストの岡川聡氏)とされ、足元の円安も株高の一要因となっている。

IMM通貨先物(4月12日までの1週間)では、投機筋(非商業部門)の円買い越し(対ドル)は6万6190枚と過去最高に拡大。日本株買いの「日銀プレー」が連鎖しやすい状況にあった。

<業績懸念強く乏しい「裏付け」>

株高の方向とは逆に、日本のマクロ景気や企業業績には懸念材料が相次いでおり、株高の「裏付け」は乏しい。

3月期企業の決算発表が始まったが、先陣を切った東京製鉄(5423.T)や安川電機 (6506.T)の2017年3月期業績は、大きく減速する見通しだ。円高はやや一服しているが、前年度平均の1ドル120円程度に対し、足元は109円台。円高が業績圧迫要因としてのしかかる。

日経平均の予想PERは15倍後半に上昇。今期の減益予想が懸念される中での株高で、割高感は徐々に強まっている。

熊本地震によるハイテク部品の生産停止で、自動車組立などへの影響も懸念される。三菱自動車工業(7211.T)の不正問題も浮上してきた。日本の国内総生産(GDP)はうるう年効果を除けば1─3月期はゼロ近辺との見方が多いほか、4─6月期もこうした圧迫要因があり、成長期待は一向に高まっていない。

「世界的なリスクオンの背景には、中国や資源国などの景気悪化懸念が一服したことがある」(アムンディ・ジャパン市場経済調査部長の濱崎優氏)という。とは言え、その恩恵を日本企業が受けることができるかは、決算発表が始まったばかりの現時点でまだ不明だ。

この3年の結果から、日銀の追加緩和が実体経済を大きく改善させるとの期待を抱く市場関係者は少数派だ。株高・円安効果も、かつての「バズーカ」ほどではないとの声も多い。28日会合の結果によらず、短期筋の「日銀トレード」は、早々に巻き戻されるかもしれない。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/boj-tokyo-stock-idJPKCN0XI0OL?sp=true

日本株連騰で2カ月半ぶり高値、原油上昇などリスク選好−全業種高い
佐野七緒
2016年4月21日 08:06 JST 更新日時 2016年4月21日 15:29 JST

21日の東京株式相場は3連騰。原油市況の上昇や海外株堅調、為替の円安推移と世界的なリスク選好の流れに加え、日本銀行などへの政策発動期待も根強い中、およそ2カ月半ぶりの高値を付けた。東証1部33業種は鉱業や非鉄金属、海運株など資源セクター中心に買われ、輸送用機器や不動産、証券、鉄鋼株など全て高い。
  TOPIXの終値は前日比27.90ポイント(2%)高の1393.68、日経平均株価は457円8銭(2.7%)高の1万7363円62銭。TOPIXは2月3日、日経平均は同2日以来の高値水準。
  ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長は、「多くの市場関係者がネガティブになり過ぎていた。株価が上昇し、慌てて買いが入っている」と指摘。為替も「1ドル=105円を試しにいった株価形成、心理から言えば、円安になっている」と話した。
  20日のニューヨーク原油先物は3.8%高の1バレル=42.63ドルと続伸し、ほぼ5カ月ぶり高値を回復。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で米国の生産減少が明らかになり、イラクの副石油相は同日、5月にロシアで生産量据え置きを目指した産油国会合が開かれるだろうと述べた。また、ロンドン金属取引所(LME)のアルミニウム相場も2.2%高とことしに入り最大の上昇、鉄鉱石価格も10カ月ぶりの高値に戻した。
  きょうのドル・円相場は、午前に一時1ドル=109円90銭と2週間ぶりのドル高・円安水準に振れた。午後は同50銭ー80銭台で推移、前日の日本株終了時の108円93銭よりなお円安だった。20日の欧米株は上昇し、きょうの中国上海総合指数も一時1%下げたものの、その後は下げ渋り。SMBC日興証券の圷正嗣株式ストラテジストは、「原油の上昇基調が維持され、それが終わらないのではないかという期待感でリスクオンになり、リバーサルの動きが強く出ている」とみている。
  また、来週27ー28日には日銀が金融政策決定会合を開く。ゴールドマン・サックス証券は4月の日銀緩和を基本シナリオにするとし、上場投資信託(ETF)購入の増額が柱と予想。年間買い入れ目標は、倍以上の7兆円前後への引き上げ検討の可能性があるとしている。
  東証1部の売買高は22億8362万株、売買代金は2兆4742億円、上昇銘柄数は1753、下落は149。売買代金上位ではソフトバンクグループやトヨタ自動車、ファーストリテイリング、KDDI、マツダ、富士重工業、富士フイルムホールディングス、野村ホールディングス、東京エレクトロン、三井不動産、スズキが高い。半面、2017年3月期を減収減益と計画した安川電機のほか、さくらインターネット、いちごグループホールディングスは安い。
  軽自動車車両の燃費試験データで不正操作があった、と20日に発表した三菱自動車はストップ安。三菱自と取引関係がある明電舎、ジーエス・ユアサ コーポレーションも売られた。みずほ証券は、販売停止で軽自動車市場の競争緩和につながるとし、ダイハツ工業やスズキ、ホンダの業績にはポジティブとの見方を示した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5YFF96JTSEG01

Business | 2016年 04月 21日 16:14 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
円金利資産ベースに外国資産500億円積み増し=三井住友海上計画

[東京 21日 ロイター] - 三井住友海上火災保険の2016年度の運用計画は、円金利資産をベースにしつつ、リスク性をもつ外国資産を積み増す方針を継続する。

マイナス金利政策の導入で国債利回りの厳しい運用環境が続いており、円金利資産は国内の社債が多くなる見通し。外国資産の積み増しは500億円程度になりそうだという。

財務企画部の原弘章・投資業務チーム長が21日、ロイターとのインタビューに応じた。

円金利資産は、マイナス金利政策で収益性が厳しくなっており、運用はプラスの利回りを持つ国内の社債が多くなりそうだ。社債は15年度に800億円程度積み増したといい、「今年はそこまでいけないかもしれないが、拾えるものは拾っていきたい」と述べた。

日本国債は「利回りがマイナスのものは買わない。まだプラスの20年債、30年債は保険負債に応じて必要な分だけ買う」という。

外国資産はリスク許容度の範囲内でオープン外債、外国株、オルタナティブなどを積み増す。15年度実績は合計500億円超。16年度も同規模程度を見込んでいるが、そのうち半分程度がオープン外債となる見込み。

為替ヘッジ付き外債は、日本国債への集中を緩和する狙いで米国債を中心に保有している。収益を確保するために追加で買っていくことはないという。

国内株は削減する方針を維持する。MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725.T)では、2014年度からの4年間で、グループ全体で5000億円の国内株削減を掲げており、三井住友海上も同様に圧縮を進める。

2016年度の相場見通し(レンジ)は以下の通り。

日本国債10年物利回り マイナス0.20―0.10%

米10年債利回り    1.70─2.20%

日経平均        1万5000─2万円

ドル/円        105―115円

ユーロ/円       115―130円

(杉山健太郎 編集:内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/ms-ins-idJPKCN0XI0CJ?sp=true


FX Forum | 2016年 04月 21日 13:56 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:ドル90円台前半、再来年に到達か=亀岡裕次氏
亀岡裕次
亀岡裕次大和証券 チーフ為替アナリスト
[東京 21日] - 貿易収支や経常収支は、世界各国の利害関係と通貨政策に影響を及ぼす重要な要因だ。経常黒字国や財政黒字国が景気支援のために金融緩和と通貨安に依存し続ければ、他国からの政策批判が強まり、政策変更圧力が為替相場の変化につながるケースも出てくるだろう。

国際収支のうち、ときに金融収支(直接投資、証券投資、デリバティブなどの受取・支払)の変化が為替を左右することもあるが、経常収支(モノやサービスの輸出入、対外債権・債務から生じる利子・配当金などの受取・支払)の変化が為替を左右するケースのほうが多い。ここでは、経常収支の中心をなす貿易収支の動向から、ドル円の行方を考える。

<貿易収支が改善する日本、悪化する米国>

日本の貿易収支は改善が続き、赤字から黒字へと転じつつある。消費税率が8%に引き上げられる直前の2014年3月に貿易収支比率(貿易収支を輸出入合計額で割った比率、3カ月移動平均)はマイナス12.0%まで落ち込んだが、16年3月にはプラス1.5%まで回復している。

15年初めにかけては、価格変動を除いた実質貿易収支も改善しており、円安による実質輸出へのプラス効果(実質輸入へのマイナス効果)や消費税率引き上げによる内需減速から、貿易収支が改善したとみられる。

その後は交易条件(輸出価格/輸入価格)が改善する一方で、実質貿易収支の改善は足踏みしている。海外景気減速が輸出を抑制する一方で、原油安が輸入額を押し下げて貿易収支が改善したとみられる。最近は原油高に振れており、海外景気減速と原油高が重なると貿易収支は悪化しやすくなるが、原油高がさらに進行する可能性は低いだろう。

他方、米国の貿易収支は14年以降、悪化している。しかも、価格変動を除いた実質貿易収支の悪化が明確で、実質貿易収支(09年価格)は13年12月の462億ドルから16年2月の617億ドルへと赤字が拡大している。原油安やドル高による交易条件の改善が貿易赤字縮小に作用したものの、価格変動を除く実質ベースの貿易収支は悪化の一途をたどっている。米国景気とともに輸入が減速しない限りは、ドル高による実質輸出減少・実質輸入増加の効果もあって、米国の貿易収支は悪化を続けやすいとみられる。

日米間の貿易収支も、日本側の黒字が拡大している。13―14年は日本の対米貿易黒字(円建て)が拡大する一方で、米国の対日貿易赤字(ドル建て)が縮小した。一見矛盾するが、円安・ドル高が、円建ての対米輸出増加、ドル建ての対日輸入減少に作用したからである。

15年以降は、日本の対米貿易黒字が拡大を続けるとともに、米国の対日貿易赤字が縮小しなくなってきた。円安・ドル高の価格効果が薄れて数量効果が表面化し、日本の対米貿易黒字だけでなく米国の対日貿易赤字も拡大しつつあるのではないか。

<18年まで円高ドル安基調が続く可能性>

貿易収支の動向は、長年にわたりドル円相場との相関性を持ってきた。為替の変化が貿易収支に影響を与え、貿易収支の変化が為替に影響するという経路をたどっている。

変動相場制移行後の1973年以降で平均化すると、「為替の基調転換から貿易収支の基調転換までは24カ月前後」「貿易収支の基調転換から為替の基調転換までは16カ月前後」となる。日本の貿易収支動向でみても、相対的な日米貿易収支動向でみても、同様だ。そして、「為替の基調転換から次の基調転換までは40カ月前後」で、為替の1サイクルが80カ月前後(7年弱)となる。

12年に円安に転じても14年にかけて日本の貿易収支は悪化し、貿易赤字が続いたため、円安になっても海外生産シフトの拡大により貿易収支は改善しにくい構造になったとの見方もあった。確かに、海外生産による輸出誘発のプラス効果よりも輸出代替と逆輸入のマイナス効果が大きいこともあり、構造的に貿易収支は悪化した。また、輸出入の相対価格変化が輸出入数量に与える影響度(価格弾力性)も低下したとみられる。

しかし、それでも価格弾力性は存在するため、円安(円高)は輸出数量増(減)・輸入数量減(増)に作用する。ただ、円安が輸出入の相対価格変化を通じて純輸出の増加につながるまでには時間がかかるため、円安へ転換後2年ほど経過してから貿易収支が改善し始めたとみられる。海外生産が拡大しても、為替の変化は時間をかけて貿易収支に影響を与えるのだ。最近の円高も、いずれは貿易収支の悪化に働き始めることになるだろう。

日本の貿易収支比率が改善に転じたのは14年4月であり、ドル円がピークアウトしたのは15年6月(明確な円高は8月から)である。「貿易収支の基調転換から為替の基調転換までは16カ月前後」という経験則があてはまる。為替はリスク許容度、内外金利差、金融政策見通しなどによって左右されるが、貿易収支動向に遅れて動きやすい。

なお、日本の貿易収支が改善基調に転じてから為替が円高基調に転じるまでの期間は、過去4局面では22、3、17、14カ月で、平均は14カ月である。また、貿易収支が悪化基調に転じてから円安基調に転じるまでの期間は、過去5局面では15、26、13、7、21カ月で、平均は16.4カ月である。

16年3月現在、日本の貿易収支の改善基調は続いている。また、米国と比べ相対的にも改善している。過去の平均的なパターンからすると、少なくとも16カ月後の17年7月までは円高基調が続きやすい。「為替の基調転換から貿易収支の基調転換までは24カ月前後」であることを考えると、日本の貿易収支が悪化に転じやすいのは、17年半ば頃だ。もし17年半ばまで貿易収支の改善基調が続くのであれば、18年後半まで円高基調が続きやすいことになる。

<ドル円はいずれ購買力平価を下回る公算大>

では、最終的にドル円はどの水準まで下落が進むのだろうか。従来、ドル円は1973年基準の日米購買力平価(生産者物価ベース)を下回るケースが多いが、13年以降はそれを上回ってきた。原因としては、1)日銀の量的緩和拡大、2)世界的なリスク許容度上昇、3)日本の貿易収支悪化、が挙げられる。

しかし、日銀の金融緩和については、量的緩和・マイナス金利ともに拡大は困難で限界に近いとの見方が台頭し、円安効果は縮小している。足元では原油高・株高など、リスク許容度が上昇しているものの、世界景気が減速傾向を脱しない限り、リスク許容度は低下する可能性が大きい。米金利上昇がドル高を伴いリスク許容度を下げる可能性もある。

そして、日本の貿易収支はすでに改善が進んでいる。したがって、いずれはドル円が従来のように同購買力平価(16年3月現在で102円)を下回る可能性が高いだろう。

ただし、日本の貿易収支が10年当時ほどには改善していないことや、日銀の量的緩和が近い将来に停止されるとの見方は少ないことからすると、11年ほどには日米購買力平価に対して相対的に円高が進みにくいだろう。現在の日米購買力平価に対して11年と同等に円高・ドル安が進むと85円程度になるが、そこまでは到達しにくいということだ。

11年よりも10円弱ほど円安・ドル高にシフトしてきた日米購買力平価が今後はやや円高方向に振れる可能性を考慮し、18年頃にかけて90円台前半までの円高・ドル安を想定しておくべきではないだろうか。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yuji-kameoka-idJPKCN0XI0B1?sp=true


英国:3月の小売売上高、予想以上に落ち込む−財政赤字は目標未達
Scott Hamilton
2016年4月21日 18:01 JST

英国の3月の小売売上高は、前月比で予想以 上に落ち込んだ。食料品から衣料に至るすべての分野で売り上げが減っ た。
英政府統計局(ONS)が21日発表した3月の小売売上高指数は前 月比1.3%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は0.1%低 下だった。燃料を除いた指数は1.6%下げ、2014年1月以来の大幅低下 となった。
同日発表された3月の財政収支は48億ポンド(約7540億円)の赤 字。エコノミスト予想の60億ポンドは下回ったものの、これで2015年度 (15年4月−16年3月)の赤字は計740億ポンドとなり、対国内総生産 (GDP)比で3.9%に達した。予算責任局(OBR)は先月、昨年度 の赤字見通しを722億ポンドと発表していた。
原題:U.K. Retail Sales Fall More Than Forecast; Budget Target Missed(抜粋)
--取材協力:Mark Evans.
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z6US6JTSES01


 


過去の栄光を取り戻しつつあるマイクロソフト
マイクロソフト株はナデラCEOの下で再び史上最高値をうかがう水準にまで回復した

By STEVEN RUSSOLILLO
2016 年 4 月 21 日 16:23 JST

 米マイクロソフトの「失われた10年間」については、今や遠い過去の話という認識が強まっているようだ。

 スティーブ・バルマー前最高経営責任者(CEO)の下、2000年代にはおおむね低迷していた同社の株価がここに来て急激に回復している。株価の13年1月以来の上昇率は2倍を超えたが、その大半はサティア・ナデラ新CEOの下でのもの。

 マイクロソフトにとって特に明るい材料となっているのがクラウド事業で、パソコン関連事業の不振を埋め合わせるのに貢献してきた。そして今、同社の株価は1999年12月に記録した過去最高値にあと7%未満という水準まで来ている。

 かつては不可能とみなされていた同社株の最高値更新だが、就任して2年以上になるナデラCEOの下ではもはや不可避と言えよう。21日のマイクロソフトの1-3月期(第3四半期)決算の発表後は、同社株はさらに上昇し、最高値に一層近づくことだろう。

 米金融データ会社ファクトセットが集計したアナリスト平均予想の同社の1-3月期の1株利益は前年同期比4%増の0.64ドル、売上高は2%増の220億ドルとなっている。

過去1年間のマイクロソフト株とナスダック指数の騰落率

 鍵を握るのはクラウド事業だ。アマゾン・ドット・コムやアルファベット傘下のグーグルなどのライバルと同様に、マイクロソフトは企業にクラウドサービスを提供するために先進のデータセンターやインフラに巨費を投じてきた。これらの投資は大いに報われているようだ。

 昨年の下期、「インテリジェント・クラウド」部門がマイクロソフトの総売上高に占める割合は約28%となり、14年下期の23%から拡大していた。

 さらに言えば、その営業利益率は41%で、ウィンドウズ、タブレット、スマートフォン、ゲーム機「Xbox」を含むパソコン関連事業の営業利益率16%を大幅に上回っている。「インテリジェント・クラウド」は昨年下期に売上高が伸びた唯一の部門でもあった。

 マイクロソフト株の最高値更新も見えてきたが、その時価総額4430億ドルは1999年12月当時より1700億ドルも減少している。これはマイクロソフトが長年にわたって実施してきた自社株買いで発行済み株式数が減少したため。

 マイクロソフト株は決して割安ではない。同社株は向こう12カ月間の予想PER19倍で取引されており、このPERは13年以来で2倍以上になった。

 とはいえ、ハイテクバブルの絶頂期に記録した66倍というPERには程遠いことも確かだ。1999年当時と違い、マイクロソフト株の今日のプレミアムは常識外れとは言えないだろう。

 ワシントン州レドモンドに本社を置く同社の株価にはまだ上昇余地がありそうだ。

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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NQ663_TAPE04_M_20160420161847.jpg

政権交代に賭ける新興国投資
南アフリカのズマ大統領(4月)

By KEN BROWN
2016 年 4 月 21 日 15:55 JST

 相場が割高で投資利回りがわずかな状況においては、政治の混乱に賭けることが稼ぐためのひとつの手段になる。

 ブラジルで議会下院がルセフ大統領の弾劾決議を行った17日の以前から、市場は大統領退陣の可能性で盛り上がった。その翌日には、アルゼンチンの新政権誕生後はじめての起債に投資家はわれ先に殺到した。

 両国とも深刻な経済問題を抱えているが、投資家は新しい指導者と政策転換が株式や債券の相場上昇につながるとの楽観に賭けている。

 Tロウ・プライスの新興国債券運用担当者、サミー・ムアッディ氏は「投資家はきっかけとなるめったにない話を探し求めている」と指摘した。

 こうした賭けは、新興国を対象にした場合、いつも利益が上がるとは限らないまでも以前から明らかだった。潮目が変わった直近の例としては、インドでモディ首相が、そしてインドネシアでジョコ大統領が就任した2014年がある。両国の株式相場は選挙にかけての数カ月で約20%上昇し、その後他の新興諸国で相場が崩れても持ちこたえた。

 いま政権交代は、二つの理由で一層重要だ。妙味のある投資の選択肢がほとんどないためと、国際商品(コモディティー)相場や米国の金利などの要因に左右され多くの市場が同調して動いているためだ。

 今年の上昇相場で、S&P500種は19日までの年初来騰落率が2.8%高であるのに対し、新興国は7.3%高となっている。この流れに乗るために投資家はさらに高いリスクを取らざるを得なくなっている。つまり、実際には政権交代がかなり不確実であっても政権が交代するというストーリーを追いかけているのだ。

左:10年物インドネシア国債利回り、中央:ナショナル証券取引所(NSE)のニフティ500指数、右の緑:サンパウロ証券取引所のボベスパ指数、同青:MSCI新興国市場株価指数 ENLARGE
左:10年物インドネシア国債利回り、中央:ナショナル証券取引所(NSE)のニフティ500指数、右の緑:サンパウロ証券取引所のボベスパ指数、同青:MSCI新興国市場株価指数
 ここで一番面白い部分は、次に転覆する政権を選ぶことにある。その筆頭に挙げられるのが、南アフリカのズマ大統領とマレーシアのナジブ首相だ。二人とも連立政権が崩壊し辞任圧力を受けている。ただし、いずれも強い政党の支持を背景に政治生命を維持している。

 両国とも可能性に満ちあふれた若い世代が投資家の関心を集めている。懸念材料は、両国とも中国のコモディティー需要に依存していることと、不人気な指導者と既成権力構造で政策が機能不全に陥っていることだ。

 新興国全般と同様に、どちらの国も投資家に敬遠され、多くの尺度で割安になっている。そして、どちらの国についても、通貨高や企業業績の改善、投資家心理の回復など利益を挙げる方法が数多くある。

 新興国の政権交代に賭けるリスクは、問題があまりにも深刻で、世界経済の状態があまりにも弱いために、投資家の楽観が急速に失われる可能性にある。また、悪政がさらに悪化する可能性もある。

 インドネシアのジョコ大統領とインドのモディ首相が就任して2年たつが、就任当初の熱狂は失望感に変わっている。両国ともかなりうまく行っているのだが、投資家は変化の速度に対して忍耐を失い始めている。

 次は誰が退陣するかを探るのは難しい。ナジブ首相は18年まで、ズマ大統領は19年までの任期をそれぞれ全うできる可能性がある。投資家が狙っている次の大物はロシアのプーチン大統領だ。夢は尽きない。

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石油業界の移民労働者、仕事失い異国の地で苦闘
ベネズエラからカナダへ移住した石油技術者ウンベルト・ロメロ氏は2015年に解雇されて以来、仕事が見つかっていない

By CHESTER DAWSON AND KEJAL VYAS
2016 年 4 月 21 日 14:53 JST

 2005年にベネズエラからカナダへ移住してきた石油技術者ウンベルト・ロメロ氏(52)は、オリエンテーション・プログラム終了後1カ月以内に企業3社から採用通知を受け取った。

 だが、長く勤めていた先を昨年4月に解雇されて以来、カナダで新しい仕事が見つかっておらず、経済・政治危機にひんしているベネズエラには帰れないと話す。

 妻と10代の子供2人と暮らすロメロ氏は「3カ月でまた就職先が見つかると思っていたが、もう9カ月がたち、数回の面接を受けただけだ」と語った。同氏はカルガリーに本社を置く石油・ガス生産大手ハスキー・エナジーで10年働いた後、解雇された。「わずかな数の求人をめぐり競争は実に激しい」と言う。

 エネルギー業界が過去20年で最大の経費節減に動く中、ここ10年のエネルギーブームを追い風により有利な条件を求めて海を渡った石油・ガス関連労働者の一部はいま、生まれ故郷から遠く離れた異国の地で失業状態にある。テキサス州ヒューストンのエネルギー関連コンサルティング会社、グレーブス・アンド・カンパニーによると、原油価格の急落を受け、エネルギー生産会社の人員削減数は世界全体で30万人を超えている。

 移住して新天地で仕事を見つけたものの現在は失業中というエネルギー関連専門職の人たちが増えているが、特に多いのがベネズエラ出身者だ。これらの人たちの多くは、移住先で失業したとはいえ経済混乱に陥っている母国に帰ることもできず、苦境に立たされている。

 ベネズエラを逃げ出した数千人もの石油労働者の多くは、もともとベネズエラ国営石油公社で働いていた人たちで、その大半は2002年〜03年に起きたチャペス大統領(当時)の退任を要求するストライキの後に国を出た。同大統領は自身の辞職を支持した1万9000人の労働者を署名一つで解雇した。これは当時の同石油公社の従業員全体の半分近くに相当する人数だ。

 同公社の元従業員を代表するペトロレウム・ピープルの推計によると、当時解雇された従業員(大部分が技術者や中間管理職)の75%が新しい就職先を求めて米国やカナダのほか、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、中東に渡った。ベネズエラの石油労働組合代表を務めるイバン・フレイテス氏によると、それ以降もさらに、20年以上の経験を持つ機械工など数千人が海外へ移住した。

ベネズエラでは90年代以降、移民は流出超が続いている ENLARGE
ベネズエラでは90年代以降、移民は流出超が続いている
 カナダ西部のアルバータ州がベネズエラの労働者の主な受け入れ先となった。同州ではオイルサンドへの投資が活発だった10年間、熟練労働者が慢性的に不足していた。同州の雇用データによると、2000年代半ばに受け入れた移民の出身国別ランキングでベネズエラは10位以内だ。

 ベネズエラからやって来た人たちを本国に送り返すことはできない。同国経済は破綻しており、仕事はなく、政治的抑圧への不安が広がっている。国際通貨基金(IMF)は、原油が輸出のほぼ100%を占める同国経済の2016年の成長率をマイナス8%と予想している。15年はマイナス5.7%だった。

 ベネズエラを脱出した労働者が世界各国に散らばっていることは、石油産業がどれほどグローバル化したかを示唆している。

自宅で妻・娘と過ごすロメロ氏(4月12日、カルガリー) ENLARGE
自宅で妻・娘と過ごすロメロ氏(4月12日、カルガリー) PHOTO: CHRIS BOLIN FOR THE WALL STREET JOURNAL
 ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメントのグローバルマネジャー、ニール・ガスコイン氏は「石油産業はおそらく(専門的な技術者を中心に労働者の)移動が最も激しい産業だろう」とし、「これまで世界中にたくさんの就職口があった」と指摘した。

 14年半ばに原油価格の急落が始まるまでは、新興産油国とも言えるカナダや米国などを中心にエネルギー関連の熟練技能者は引く手あまただった。ところが、プライスウォーターハウスクーバーズのピーター・クラーク氏によると、移民の働き口は以来「最も中核的な仕事以外は全てなくなってしまい」、失業者の中には仕事を求めて「各地を移動しながら生活している人たちもいる」という。

 北海油田の拠点として栄えたノルウェー西海岸の都市では、石油産業の減速に伴い職を失った東欧諸国からの移民があふれている。

 カルガリーに住むベネズエラからの移民の多くは、たとえ石油関連の仕事がなかなか見つからなくても、家族で根を下ろしたカナダの地にとどまる方法を見つけようとしていると話す。

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産油国、サウジの手のひら返しで窮地に
原油安特集
https://si.wsj.net/public/resources/images/BT-AI219_OILDIA_16U_20160420162708.jpg

原油相場、供給ショックに反応薄い理由とは
ストライキに参加するクウェートの石油労働者

By SPENCER JAKAB
2016 年 4 月 21 日 14:15 JST

 主要産油国が17日にカタールの首都ドーハで開いた会合で衝撃的だったことと言えば、イランが参加しない増産凍結をサウジアラビアが断固として拒否したことぐらいだ。ドーハで起きたことは外に出れば忘れられる。実際、原油価格は会合後に6%下落したが、予想外の支援材料を得て数時間とたたずに下げを戻した。クウェートで石油労働者がストライキを起こし、生産が日量170万バレルも減少したのだ。

 当然ながら、原油相場はストが終結した米国時間の19日夜には反転したが、このニュースでさえすぐに消化された。20日の日中には相場の上昇が再開している。

 原油供給に打撃が及んでも、もはやかつてのような展開にはならない。これにはもっともな理由がある。世界は原油であふれかえっているのだ。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、商業原油および精製品在庫は先進国だけで30億バレルを優に超えている。1日当たりの原油需要は9680万バレルだが、供給は依然としてこれをやや上回る。

 生産ショックの規模を測る上では、消費だけでなく在庫と比較した大きさを見るという方法がある。アラブ産油国の禁輸措置が引き金となった1973年の第1次世界石油危機以降、米国をはじめ各国政府が戦略石油備蓄を積み増した。また、79年のイラン革命で第2次石油危機が発生し、価格の高騰が続いてガソリンスタンドに行列ができるという光景が見られた。

 イランの生産量は1978年が日量530万バレル、81年にはわずか132万バレルだった。当時たった3年で35億バレル相当の生産が見送られた計算になるが、これは78年末時点の米国の商業用・政府在庫の8倍にも相当する。

 次の供給ショックは90年夏、イラクによるクウェート侵攻が契機となった。それから生産が正常に戻った91年末までの間、6億バレル相当が生産されなかったわけだが、これは米国の在庫総量のおよそ60%だった。

 比較してみると、リビアの最高指導者カダフィ氏率いる独裁政権が2011年に崩壊した後の混乱にはもっと重要な意味がある。それから14年末までに供給が見送られた約11億5000万バレルは、10年の米国の在庫量にほぼ匹敵する。これはイラン革命の際よりも規模が小さいということもあるが、その間に米国のシェールオイル供給が急増したという事情もある。

 現在、米国の原油在庫は1978年の3倍に上るが、原油消費は当時を3%上回るにすぎない。つまり、同じような相場の反応を引き起こすためには、3日ではなく3年に及ぶクウェートの完全な供給停止が2回起きる必要があるということになる。

 これは原油相場の強気派にとって、期待しない方がいいというメッセージだ。

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カナダは世界経済の優等生−その見習うべき点とは
カナダ政府が大規模な財政出動予算を組んだことを受け、同国中銀は利下げを見送り、カナダは金融政策よりも財政政策で景気対策を進める数少ない国の一つとなった。 ENLARGE
カナダ政府が大規模な財政出動予算を組んだことを受け、同国中銀は利下げを見送り、カナダは金融政策よりも財政政策で景気対策を進める数少ない国の一つとなった。 PHOTO: PATRICK DOYLE/BLOOMBERG NEWS
By GREG IP
2016 年 4 月 21 日 13:25 JST

 カナダの人々は自分たちが国際市民の典型だと考えている。イラクにおける軍隊の訓練や自国への難民受け入れなど、さまざまな場面においてだ。この公共精神がいま経済面まで広がっている。カナダが進める金融政策と財政政策の組み合わせは、自国ばかりでなく世界に役立っている。

 ジャスティン・トルドー首相が率いる自由党政権は3月、インフラ(社会基盤)から社会保障にわたる数多くの新たな取り組みへの支出を大幅に高めた予算を組んだ。この財政出動を受け、カナダ銀行(中央銀行)は利下げを見送り、カナダドルの急騰につながった。

 通貨高はカナダの輸出産業を圧迫し、政府予算の景気刺激効果を薄めるだろう。だが、カナダの損失は世界の利益となる。実際、カナダはちょうど先週ワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で合意された通りのことを誠実に行っている。つまり、成長を回復させる上で金融政策への依存を少なくして財政政策にもっと頼ることだ。ただし、これを行う意志がありかつ可能と思われるのがカナダだけだということが問題なのだ。

 現在の世界経済は、ゲーム理論で集団行動の問題と呼ばれる状態に似通っている。各国が協力し合わず自国の利益を追求する結果、さらに困窮してしまう状況だ。例えば、ユーロ圏と日本の中央銀行は金利をマイナス水準に引き下げている。他の国々はこれを、自国通貨を安くして輸出とインフレを高めようとする取り組みだと非難している。

 ブラウン大学のガウティ・エガートソン准教授とニール・メロトラ准教授、ハーバード大学のラリー・サマーズ教授による新たな共同論文では、金利がゼロに近く中央銀行がもはや完全雇用を回復できない「長期停滞」の状況においては、このような行動はゼロサム・ゲームに終ると警告している。事実、金融緩和政策は主に輸出を伸ばして輸入を抑えるが、一方で貿易相手国に「否定的な外的影響」(巻き添え的な損害)を押しつけることになる。

 これに対して財政出動は「肯定的な外的影響」となる。公的債務の増加は金利と通貨に上昇圧力を加え、輸入を呼び込む。金利を押し上げることで、ゼロ金利時に失われた金融政策の有効性が一部回復する。問題は、財政による景気刺激はその利益を他の国々と分かち合うことになるがために、どの国にとっても魅力が薄いことにある。各国が「より大幅な財政拡大の達成」に協力すれば、だれもがより速やかに成長するだろう、と3人の研究者は主張している。

 これは、世の中がこのような協調した財政拡大を必要とするほど悪いかどうかの問題だ。大半の大国(カナダは違うが)では失業率が低下している。協調をどこかが主導するとすれば、かねて巧みなマクロ経済運営の一例であるカナダであるべきことはあまり議論の余地はないところだ。1990年代初めのカナダは、先進諸国の中で特に大きな債務負担を抱える国の一つだった。数年間におよぶ緊縮措置で債務を減らし、同時にカナダドル安のおかげで貿易黒字が拡大し、政府支出の縮小で生じた溝を埋めた。

 トルドー首相は国際商品(コモディティー)価格の下落で弱体化した経済を受け継いだが、それに対処する手段も継承した。カナダの公的債務は国内総生産(GDP)比わずか31%で、先進7カ国(G7)で最も低い水準にある。

 国際通貨基金(IMF)と経済協力開発機構(OECD)、米財務省は過去1年、景気を刺激するために債務を増やして首が回らなくならないよう各国に促してきた。IMFは今年4月、GDP比1%〜1.5%相当の景気刺激策で国際協調するように備えるべきと提言した。

カナダの例外性:金利はゼロに近い(左)が、公的債務比率は低い(中)ので、財政赤字を拡大する見通し(右)だ ENLARGE
カナダの例外性:金利はゼロに近い(左)が、公的債務比率は低い(中)ので、財政赤字を拡大する見通し(右)だ
 カナダはこれに耳を傾けた。カナダのウィリアム・モルノー財務相は、特にゼロ近くの金利で金融政策が縛られている中では財政政策の有効性が高いという点について、「IMFとOECD、そしてG20の場面で耳にしたことに、われわれは影響された」と語った。

 カナダでは、景気対策で今後2年間にわたりGDP成長率が0.5ポイント高まると予想される一方、財政収支は昨年の小幅な黒字から来年にはGDP比1.5%の赤字に転じる。

 諸外国に対する一例としては、この程度のことにすぎない。インフラ支出は一時的なものだが長期の成長を高め(そして債務返済力も高め)るので、特に手堅い景気刺激策の一つだ。米国のように多大な債務を抱える国々でも、金利が過去最低水準にあることを踏まえれば、こうした支出は正当化できるだろう。

 だが、カナダの向こう2年間の景気対策の内、インフラに充てられるのは42%にすぎない。残りの大半は児童手当や失業保険、老齢年金など社会移転の拡大に向けられる。こうした負担は全て恒久的なもので、労働意欲をある程度低下させるかもしれない。カナダの財政収支は汚れがなく年金負担は管理可能なので、こうした問題も容易に対処できる。だが米国はそうはいかないし、日本にいたってはとても難しいことだ。

 政治も問題になる。トルドー首相率いる自由党政権にとっては、財政出動は大きな政府への志向と一致している。これは、英国やドイツ、米国の議会で大勢を占める保守政党の大半が向かいたくない方向だ。

 モルノー財務相は先週、ワシントンでの会合を終え、カナダが世界に例を示すことはやぶさかではないが、どこかの国が追随するほどの動機付けになるとの期待は示さなかった。カナダ人としての誇りがあるが「それ以上に謙虚さも備えている」と語った。

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