円高を惹起するマンデルフレミングモデルの亡霊 2016.4.22(金) 黒瀬 浩一 長期金利が初のマイナス、東京債券市場 上空から撮影した日本銀行本店(2015年5月11日撮影)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO〔AFPBB News〕 1990年代のバブル崩壊後の日本の財政金融政策は、一貫して引締め気味の金融政策と拡張気味の財政政策の組合せだった。財政政策と金融政策の組合せをポリシーミックスと呼ぶが、90年代のこの組み合わせこそ、マンデルフレミングモデル*1に基づき、長期間持続した円高の主因だったと考えられている。結果的に発生した円高は、マッキノンによって「円高シンドローム」としても理論化された。 日銀総裁に就任する前の黒田氏はご自身の著書『財政金融政策の成功と失敗』(日本評論社、2005年)で、過去30年間の日本のポリシーミックスの10の実例を分析して「為替レートとの関係(筆者注、円高を惹起したの意味)で財政金融政策の誤りが生じた例が多い」(P.169)と書かれている。「マンデルフレミング理論は政策判断には有効」(P.170)とも書かれている。 黒田氏が安倍総理から要請を受けて日銀総裁に就任した後のポリシーミックスは、ご自身の著書での主張を実践するものであった。すなわち、2013年以降、超緩和気味の金融政策と拡張気味の財政政策の組み合わせで、円安と景気回復に成功した。 ところが、2016年1月の日銀のマイナス金利の導入で状況が変化しつつある。日銀としてはマイナス金利の導入で金融緩和手段を多様化するなど金融緩和の余地を拡大させたはずだった。 *1マンデルフレミングモデルの解説は同シリーズの別レポートをご参照。 しかし実際には逆に、金融緩和はもはや限界という見方が広がりつつある。主因は、マイナス金利の導入で金利が大きく低下したにもかかわらず資金需要の増加は限定的な一方、金利の低下でリスクに見合う利鞘が確保できなくなった金融機関には貸出増強をするインセンティブはない、といった観測が出ていることだ。 他方、政府は選挙対策もあり財政政策には相当な前のめりの姿勢となっている。今年1月には2015年度補正予算を決定、2016年度本予算も前倒し執行に着手した。予算の前倒し執行は、2017年4月の消費税率引き上げ延期と、本年度後半に再び補正予算を組むことを前提にしていると見て良いだろう。 金融緩和の余地が限定的で、財政政策に過度に依存する景気対策となれば、これは 90年代の円高を惹起したポリシーミックスの再来ということになる。 黒田総裁就任後の円相場は、長期的な円安基調の元、グローバルなリスクオフの局面でだけ、短期的に円高となった。しかし、2月以降の円高はグローバルなリスクオンの局面で起きており、これまでの円高とは異質である可能性がある。アベノミクス3本の矢のうち金融政策が限界となれば、残るは財政政策と成長戦略しかない。 しかし、財政政策に過度に依存すると円高を惹起するリスクがある。成長戦略はインバウンドなど成果も出ているが、まだ景気を牽引する力はない。足元の円高要因は、米国政治や人民元の動向など他にもあるが、経済合理性が高いのはポリシーミックスだと考えられる。 (*)本記事は「りそな銀行 エコノミスト・ストラテジスト・レポート 〜鳥瞰の眼・虫瞰の眼〜」より転載したものです。 (*)投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、必ずご自身の判断でなさるようにお願いします。本記事の情報に基づく損害について株式会社JBpressは一切の責任を負いません。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/46661 NY外為(午前):ユーロが上げ解消、ECB会見終了後は1.1290ドル Paul Cox 2016年4月21日 23:06 JST ニューヨーク時間21日午前の外国為替市場 で、ユーロは欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁会見中の上げを解 消。会見後は1ユーロ=1.1290ドルで取引されている。 原題:Euro Erases Gains After ECB to Trade at $1.1290 in New York(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZLKVSYF01S01 ロンドン外為:ポンドが上昇、月初来の高値−英国EU離脱観測和らぐ Marianna Aragao 2016年4月22日 00:53 JST 21日のロンドン外国為替市場で、英ポンドが対ドルで月初来の高値に上昇した。英国の欧州連合(EU)離脱が6月の国民投票で決まるリスクは、過剰に織り込まれていたとの見方が背景。 この日発表された3月の英小売売上高が予想以上に落ち込んだものの、ポンドは主要16通貨の大半に対して値上がり。このところの世論調査は、EU残留派が6月23日の国民投票で大きくリードする状況を示唆している。ザ・ナンバー・クランチャー・ポリティクス・レファレンダム・フォーキャストによれば、同投票で英離脱が決まる確率はこの日、20%に下がった。 ポンドは一時1.4440ドルと、3月30日以来の高値に達した。ロンドン午後4時16分現在は、前日比ほぼ変わらずの1ポンド=1.4330ドル。対ユーロでは、1ポンド=78.80ペンス。 原題:Pound Climbs to Highest This Month as Brexit Risk Seen Waning(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZQDOSYF02001 米景気先行指標総合指数:3月は前月比上昇も予想は下回る Michelle Jamrisko 2016年4月22日 00:38 JST 3月の米景気先行指標総合指数は前月比で上昇したが、市場予想を下回る伸びとなった。 米民間調査機関コンファレンス・ボードが21日に発表した3月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.2%上昇。前月は0.1%の低下だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は0.4%の上昇が見込まれていた。 コンファレンス・ボードの景気環境・経済成長リサーチディレクター、アタマン・オジルディリム氏は発表資料で「この先、数四半期の経済成長が減速ではないものの緩やかな伸びとなることが示唆されている」と述べ、「株価の上昇は住宅着工件数の減少によって相殺された。ただ全般的に指数の伸びが見られた」と続けた。 LEIを構成する10系列のうち6系列が上昇した。株価上昇や長短金利スプレッドが特にプラス寄与した。 一致指数はほぼ変わらず。前月は0.1%の上昇だった。同指数には全米経済研究所(NBER)が 景気循環の判定に使用する雇用者数や個人所得、企業売上高などが含まれる。遅行指数は0.4%上昇。前月は0.5%上昇だった。 統計の詳細は表をご覧下さい。 原題:Leading Indicators in U.S. Climbed Less Than Forecast in March(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZOPFSYF01T01 米新規失業保険申請24.7万件に減少、1973年以来の低水準 [ワシントン 21日 ロイター] - 米労働省が21日発表した16日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比6000件減の24万7000件と、1973年11月以来の低い水準に改善した。経済が減速する中でも雇用市場は勢いを失っていないことを示唆した。市場予想は26万3000件だった。 前週の申請件数に修正はなかった。 申請件数は30万件を切ると雇用市場が引き締まっているとされる。数字は59週連続でこの水準を下回っており、1973年以来の長期間となる。 第1・四半期の米経済には急減速の兆しがみえるが、雇用市場は底堅さを増している。ただ、経済成長の弱さや物価上昇の緩慢さを踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)は、ゆっくりとしたペースで利上げを進める方針を変えることはないとみられる。 FRBは昨年12月に9年半ぶりに金利を引き上げた。連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーの最近の見通しによると、今年の利上げは2回だけと想定されている。 労働省のアナリストによると統計に影響を及ぼすような特殊要因はなかった。首都ワシントン(コロンビア特別区)の数字だけが推計値だった。 週ごとの変動を均し雇用情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は4500件減の26万500件だった。 今回の失業保険申請件数は、来月上旬に発表される4月の雇用統計と調査期間が重なっている。3月と4月の調査期間の4週移動平均を比べると1000件の増加にとどまっており、雇用が引き続き底堅く伸びていることを示唆している。 3月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比21万5000人増えた。 2週間以上手当てを受けている失業保険受給者総数は、9日までの週で3万9000件減の213万7000件と、2000年11月以来の低い水準になった。4週移動平均は1万0750件減の216万8500件と、これも2000年11月以来の低水準だった。 http://jp.reuters.com/article/us-jobless-claim-idJPKCN0XI2AU 米週間新規失業保険申請件数:24万件台に減少、1973年来の低水準 Victoria Stilwell 2016年4月21日 23:24 JST
先週の米新規失業保険申請件数は市場予想に反して前週比で減少し、1973年以来の低水準を記録した。 21日の米労働省発表によると、16日終了週の新規失業保険申請件数は前週比6000件減の24万7000件。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は26万5000件だった。継続受給者総数も減少し、約15年ぶりの低水準となった。 アクション・エコノミクスのチーフエコノミスト、マイク・イングランド氏は「失業保険申請件数は米国経済の健全さを最も鮮明に示す指標と言えよう」と述べ、「労働市場は今後も大半の指標よりも良好に推移するだろう」と続けた。 変動がより少ない4週移動平均は26万500件と、前週の26万5000件から減少した。失業保険の継続受給者数は9日までの1週間に3万9000人減少し、214万人となった。 新規申請件数が30万件を下回ったのは59週間連続で、1973年以来の最長となっている。 統計の詳細は表をご覧ください。 原題:U.S. Jobless Claims Unexpectedly Drop to Lowest Level Since 1973(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZKSFSYF02001
バーゼル委、金利リスク考慮し銀行監督を強化−資本増強要請は見送り John Glover 2016年4月21日 23:56 JST 銀行はマイナス金利シナリオと資産への影響検討を 金利変動によるリスクは「重大」−バーゼル銀行監督委員会 バーゼル銀行監督委員会は銀行が財務上抱える金利リスクに対応して、国際的な規制を強化したが、金融業界からの強い反発を受けて資本基準の引き上げは見送った。 米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などから派遣されたメンバーで構成するバーゼル銀行監督委員会は、金利変動によるリスクは「重大」であり、金利の「歴史的な低水準からの正常化」が進む可能性のある現状においてはなおさら大きいと指摘。21日に発表された規制は、銀行が長期、もしくは満期まで保有する顧客融資債権などの資産で、金利変動によって価値が変わる可能性のあるものが対象とされている。 現行の監督機関主導のアプローチに代わり、バーゼル委員会を中心に新たな自己資本基準を設ける案は昨年、銀行業界から強い反発を受けた。同委員会はこの日の発表で、「銀行業界からのフィードバックに留意」し、銀行財務において「本来不均一な」金利リスクには現行システムを強化することで「より適切に対応できる」との結論に至ったと説明した。 新たな監督基準は「2004年に最初に原則を発表して以来、市場や監督現状に起きた変化を反映させており、特に多くの国や地域で異例の低金利が設定されている現状を考慮した」と同委員会は説明。さらに、「マイナス金利のシナリオと、マイナス金利が資産と負債に非対称の影響を与える可能性」についても銀行は検討するべきだと、同委員会は促した。マイナス金利については、これ以上の詳細に触れていない。 原題:Banks Face Tighter Rules on Interest Rate Risk in Basel Revamp(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZL8PSYF01W01 Business | 2016年 04月 22日 00:12 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス ECB総裁、金融緩和「必要な限り継続」 6月から社債購入へ [フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日開いた理事会後の会見で、利用可能なあらゆる緩和手段を「必要な限り」続ける意向を表明した。ドイツではECBの金融政策に対する批判が高まっているが、中銀の独立性に対する政治介入を拒む姿勢を鮮明にした。 理事会では、予想通り金融政策の据え置きを決定した。 総裁は、ECBの金融緩和政策は「機能しており効果的」とし、完全な効果を発揮するまで待つべきと述べた。 世界の不確実性は根強いとし、「適切な水準の金融緩和策を必要な限り維持することが極めて重要」との認識を示した。 またインフレ率は2%弱とする目標から依然程遠いと重ねて強調、ユーロ圏は引き続き様々な域外のリスクに直面しているとし、大規模な資産買い入れ策やマイナス金利の実施に踏み切っていなければ、状況はさらに悪化していたとの考えを示した。 総裁はまた、月額800億ユーロの資産買い入れ策の一環として、6月から社債の購入を開始することを明らかにした。起債、流通の両市場で実施するとした。ただ公共事業に関連している企業が発行した債券については起債市場の買い入れ対象外となる。 <ヘリコプターマネーについては協議せず> 景気支援策として市民に直接現金を供給する「ヘリコプターマネー」政策をめぐっては、理事会で協議しなかったと述べ、検討するのではとの憶測の火消しに努めた。 総裁は3月、利下げ打ち止めを示唆したが、今回は「金利は現行か、これを下回る水準に長期間とどまる見込み」と述べるにとどめた。ただ、こうした政策は将来的に金利がより高い水準に戻るのに必要との認識を示した。 ドイツでは、ショイブレ財務相がECBの金融緩和策が国内で多大な問題を引き起こしており、極右勢力の台頭を促す一因になっていると述べるなど、ECBに対する批判が強まっている。 だがドラギ総裁は「われわれは、ドイツだけでなくユーロ圏全体の物価安定を目指す責務を負っている」として、ECBの金融政策の正当性を主張。ECBの独立性は欧州連合(EU)協定に定められており、「われわれは政治家ではなく、法律に従う」とした。その上で、各国政府に景気支援に向けた財政政策や野心的な改革の実施を求めた。 http://jp.reuters.com/article/ecb-rate-unchanged-idJPKCN0XI1EI?sp=true ECB理事会後のドラギ総裁の発言要旨 [フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は21日、主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置いた。据え置きは市場の予想通りだった。 上限金利の限界貸出金利と下限金利の中銀預金金利も、それぞれ0.25%、マイナス0.40%で据え置いた。 ドラギECB総裁の会見での発言要旨は以下の通り。 <ドイツの批判と中銀の独立性> ECBの金融政策を説明する一助となるため、丁寧かつ活発な議論は歓迎できる。ある種の批判はECBの独立性を脅かしていると受け取られ、投資やリスクテークを後退させる恐れがある。 ECBは独立した機関であり、結果を出すのに時間がかかるのはそのためだ。 <EU離脱の是非を問う英国民投票> 英国の欧州連合(EU)加盟は相互に有益で、今後数週間、同様の主張を続けたい。ただ、この(英国がEUを離脱する)可能性をめぐる議論に伴い、市場ではすでに幾分顕著な影響がみられた。ポンド安は非常に顕著な一例だ。 国民投票までは確実に市場変動が続くとみている。投票結果や、恐らく投票後の状況についても推測したくない。 (英国のEU離脱が)ユーロ圏の景気回復を危うくする材料なのか。われわれのスタッフが行った評価によると、こうした事態が起こるリスクは限定的だ。 <低金利の悪影響> 年金基金や保険各社などが、低金利の深刻な影響を受けている。業界内でうまくいかなかった原因を、すべて低金利のせいにしないよう注意を促したい。ただ、こうした部門は深刻な影響を受けている。 低金利は、低成長や低インフレを示す症状だ。金利を引き上げたいのなら、高成長、高インフレに回帰する必要がある。貯蓄者に支払う利回りを引き上げるのは困難になると認識している。 <政策は効果的> 銀行の与信は、2014年第2・四半期以降伸びている。拒否件数は減っている。このことは、われわれの施策が最も効果的だったことを如実に示す。 <3月の政策> ECBが3月に打ち出した政策は、世界金融市場の変調に伴う二次的影響を回避する一助となった。これら政策がなければ、今年のインフレ率はマイナスとなっていただろう。 <インフレ目標> 金融状況は全般的に改善した。成長ペースは緩やかだが、安定的となっている。インフレ率を2%を若干下回る水準とする目標を見失うことがないよう注意する必要がある。 3月に決定した金融政策スタンスを維持し、現時点では実施に移すことに注力している。 望ましくない金融の収縮が確認されれば、理事会はあらゆる手段を活用し対処する用意が整っている。 <ECBとドラギ総裁に対する最近のドイツからの批判にどう対応するかとの質問に対し> ECBはドイツだけでなく、ユーロ圏全体の物価安定を維持する責務を担っている。これはユーロ圏の全加盟国に当てはまることだ。われわれは法律を順守する。 ECB理事会は中銀の独立性を守ることで全会一致している。ECBと他国の中銀との政策に大差はなく、われわれの政策は効果を発揮している。ただ、時間は必要だ。構造改革を伴えば、より速く効果が表れるであろう。 <ヘリコプターマネー> 前月も申し上げたが、これについては検討も協議もしていない。興味深い構想だが、分析していない。複雑な問題をはらんでおり、人によっても解釈が異なるかもしれない。2日前に議員から同じ質問を受けた際も、運用上、かつ法的、制度的にも多くの困難を伴うと答えた。 われわれは一度も話し合っていないというのが結論だ。 <構造政策の寄与不可欠> 他の政策分野が、国家、欧州レベルで、さらに決定的に寄与する必要がある。ユーロ圏で構造的失業が高止まりし、低い潜在成長率を踏まえると、構造政策は不可欠だ。 <インフレ率の低下> インフレは今後数カ月に再びマイナスとなる可能性があるが、今年下期には上向くだろう。2017年にはさらに加速する見通しだ。 <成長リスク> ユーロ圏の成長見通しに対するリスクは依然下方に傾いている。 とりわけ世界経済や地政学リスクの動向をめぐる不透明性がくすぶっている。 <景気回復> (経済指標からは)2015年第4・四半期と概ね同様のペースでの成長が継続していることが示唆されている。景気回復が継続すると予想する。 <必要に応じて再度行動起こす用意ある> (ECBは)物価安定の見通しの進展を注視し、必要に応じて責務の範囲内で利用可能なあらゆる手段を利用して対応する。 <金融状況> ユーロ圏の金融状況は幅広く改善した。特に銀行システムを通じた企業と家計に対する金融政策刺激の伝達は強まっている。 <金融緩和> 世界情勢を取り巻く不透明性はくすぶっている。必要な限り適切な程度の金融緩和を維持することが不可欠だ。 <社債の買い入れ> ECBは6月、的を絞った新たな長期資金供給オペ(TLTRO2)の第1弾を実施する。社債購入プログラムの下、買い入れを開始する。 <金利見通し> 理事会は主要金利が長期間かつ資産購入期間後も、現在の水準もしくはこれを下回る水準にとどまると引き続き想定している。 http://jp.reuters.com/article/draghi-highlights-idJPKCN0XI1YS?sp=true ドラギ総裁、ECB刺激策の有効性強調−効果発揮まで辛抱呼び掛け Paul Gordon 2016年4月21日 23:59 JST 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日、前例のない同中銀の景気刺激措置への批判に対し、効果が表れるのを辛抱強く待つよう求めた。併せて各国政府には協力を呼び掛けた。 総裁は政策決定後の記者会見で「ECBの政策は機能しているし効果的だ。時間を与えて欲しい」と述べた。この日の政策委員会では政策金利を過去最低で据え置き、資産購入も月800億ユーロ(約9兆9700億円)の規模を維持すると決まった。「構造改革が加われば、これらの政策の効果はより速やかに表れるだろう」とも総裁は述べた。 ECBがユーロ圏のインフレ回復と成長持続に取り組む中で、ドイツの政治家の間ではECBの政策は預金者や年金基金を苦しめているとの批判がある。同時に、世界の中銀の現・元総裁からは金融政策は全世界で限界に達しつつあり、政府の行動が必要だという声が聞かれる。 ドラギ総裁によれば、政策委員会で政治家からの批判について協議したが、ECBは責務の範囲内で行動しているとの見解で一致した。 低金利が年金基金に影響するという点には同意しつつ、「われわれにはドイツだけではなくユーロ圏全体の物価安定を維持するという責務がある。われわれは政治家ではなく法に従う。中銀は独立しているからだ」と総裁は語った。 ドラギ総裁はまた、金融環境が不当に引き締まる状況が幅広く見られるようになれば、責務の範囲内で利用可能な全ての手段を駆使するとも述べた。 「適切な水準の金融緩和を維持することが不可欠だ」とし、金利の「現行またはそれ以下の水準は長期にわたり、資産購入の終了後もかなり続く」と言明した。 ECBが今週公表した銀行融資調査結果に触れ、「信用供与は続いている。かなりしっかりしている」と指摘。「金利は劇的に低下し、与信量は拡大している。ECBの措置が実際、至って効果的であることを示すものだ」と評価した。 今四半期中に開始する社債購入については、傘下に銀行を抱える保険会社やノンバンクの社債も含まれ、対象の最長年限は30年だと述べた。 「ECBの金融政策措置は成長を支えてきた。わずかな例外を除いて、過去4年間に成長を支えたのは金融政策のみだった」と政府への不満をにじませた。 原題:Draghi Says Stimulus Is Working as ECB Defends Independence (1)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZLK16K51DC01
Business | 2016年 04月 21日 21:07 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス ユーロ圏財政赤字、スペインとポルトガルが削減目標未達
[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が21日発表したデータによると、2015年のユーロ圏の財政赤字は対域内総生産(GDP)比2.1%と前年の2.6%から低下した。その中でスペインとポルトガルは財政健全化目標を達成できず、両国には欧州委員会やEU財務相からの債務削減を求める圧力が強まりそうだ。 ポルトガルの財政赤字はGDP比4.4%と2014年の7.2%から低下したが、EUから求められていた2.5%は達成できなかった。 昨年12月の政府によるバンコ・インテルナシオナル・ド・フンチャル(バニフ)銀行の救済コストを除くと、2.8%だった。 スペインも赤字比率が5.9%から5.1%へ低下したが、目標としていた4.2%には届かなかった。 スペインの暫定政権は19日、先に欧州委員会と合意した今年と来年の財政赤字目標を緩和。今年の目標は従来の2.8%から3.6%に、来年の目標は従来の1.4%から2.9%とし、今年の財政赤字は、欧州連合(EU)の上限である3%を超える公算となった。 ギリシャは7.2%と14年の3.6%から2倍に拡大した。ただ公的債務は3114億5200万ユーロで、GDP比176.9%と前年の180.1%から低下した。 欧州委員会は2月時点で2015年のギリシャの財政赤字をGDP比7.6%、債務は同179.0%と予想していた。 フランスは財政赤字の比率が2014年の4.0%から3.5%へ、イタリアは3.0%から2.6%へそれぞれ低下した。 ドイツは2015年の財政黒字がGDP比0.7%と前年の0・3%から上昇した。 http://jp.reuters.com/article/eurozone-deficit-idJPKCN0XI138 ECB、記録的な景気刺激措置を維持−3月発表パッケージ効果見極め Jeanna Smialek 2016年4月21日 20:47 JST 更新日時 2016年4月21日 21:17 JST 欧州中央銀行(ECB)は21日、3つの政策金利全ての据え置きを発表した。資産購入規模も3月に発表した水準で維持する。同月に打ち出した政策パッケージの効果を見極める考えだ。 ECBは主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利を0.00%で据え置き、下限政策金利である中銀預金金利はマイナス0.4%、上限政策金利の限界貸出金利は0.25%で維持した。資産購入も月額800億ユーロ(約9兆9300億円)で変わらずとした。 ECBは世界的な景気減速と欧州の政治的不透明の中でインフレ回復に取り組んでいる。3月には利下げと資産購入拡大、新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)の政策パッケージを発表したが、ドラギ総裁は必要に応じさらなる措置を講じると言明していた。 ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州経済調査責任者ニック・マシューズ氏はECBの政策発表前に「ECBは下振れリスクに強力な対応を取ったが、措置の導入とその効果の査定には時間がかかるということを伝えなければならない」と述べた。「ECBが引き続き、責務を果たすために必要ないかなる措置も取る」と伝え、市場を安心させることも必要だと付け加えた。 原題:ECB Keeps Up Unprecedented Stimulus as Draghi Gauges Impact (1)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5ZE5K6K50Y501
ECB、主要政策金利を予想通り据え置き [フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は21日、主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置いた。 上限金利の限界貸出金利と下限金利の中銀預金金利も、それぞれ0.25%、マイナス0.40%で据え置いた。 据え置きは市場の予想通りだった。 ドラギ総裁が1230GMT(日本時間午後9時30分)から会見する。 http://jp.reuters.com/article/ecb-rate-unchanged-idJPKCN0XI1EI ギリシャの15年基礎的財政収支、目標上回る黒字=EU統計局 [ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局は21日、2015年のギリシャの基礎的財政収支(プライマリーバランス、利払い費を除く)が国内総生産(GDP)比0.7%と黒字となり、金融支援策で定めた目標を達成したと表明した。 目標は0.25%の赤字だった。 EU統計局の報道官は「欧州委員会の基本シナリオに沿った水準で、支援策の目標を大幅に上回った」と述べた。 プライマリーバランスは、ギリシャの改革の進展状況を見極める上で重要な指標。 http://jp.reuters.com/article/eurozone-greece-deficit-review-idJPKCN0XI1AU Business | 2016年 04月 21日 21:13 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス インフラ整備に「財投債を」、諮問会議民間議員がマイナス金利で活用提言 [東京 21日 ロイター] - 伊藤元重・学習院大教授ら経済財政諮問会議(議長、安倍晋三首相)の民間議員は、25日の会合で、2020年の東京五輪に向けたインフラ整備案として、マイナス金利で発行コストが低下した財投債を財源に活用すべきと提言する。政府筋が明らかにした。 提言案では、リニア開通をにらみ品川、田町、大崎駅周辺地域について国有地や公有地、民有地の一体的プロジェクトを推進すべきと指摘。港湾整備や首都圏空港のアクセス改善と併せ、バリアフリー社会の実現に向けた関連整備も含めて「官民一体で広域的に行うべき」と明記する。 その上で、財源としてこれまで予算に計上した不用額の精査を進め、17年度予算に反映すると同時に、「マイナス金利を活用した財投債を財源として活用すべき」と主張する。 http://jp.reuters.com/article/gov-council-proposal-idJPKCN0XI1GH
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