http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/677.html
Tweet |
シャープの本社(「Wikipedia」より/Otsu4)
「国策会社」JDI、単独での生き残り困難に…株価暴落、韓国勢の攻勢受け何もできず
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14794.html
2016.04.21 文=編集部 Business Journal
台湾のEMS(受託製造)大手・鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープ買収が決着した。この影響で、中小型液晶パネル大手であるジャパンディスプレイ(JDI)の漂流が始まりつつある。
ホンハイはシャープを買収することで、液晶の次に有望とされる有機ELディスプレイの本格生産を目指す。ホンハイはアップルのスマートフォン(スマホ)・iPhoneの受託生産をしているが、そのアップルは2018年からパネルに有機ELを採用することを公表している。
液晶パネルはバックライトを使うことで映像を映し出す。一方、有機ELは自らが発光するため、明るく高精細な画像が可能になる。ただ、製造には高い技術力が必要で、しかも価格が高い。シャープは有機ELの技術はあるものの、大量生産の技術やノウハウに乏しかった。ホンハイはシャープの技術を利用し、アップルからの受注を狙う。
当初、シャープは国が9割以上を出資する産業革新機構が経営再建を主導するとみられていた。日本の技術流出を避けるためで、同じ革新機構傘下のJDIとの統合を目指していたともされる。JDIは日立、東芝、ソニーの事業を統合して発足した経緯がある。いわば、オールジャパン体制の構築を目指していたことになる。ところが、ホンハイが高い買収額を提示し、途中紆余曲折はあったものの、ホンハイ傘下入りとなった。
■株価は4分の1以下に
一方、革新機構傘下のJDIはシャープとの統合を前提に、独自の生き残り策を怠っていた節がある。シャープのホンハイ傘下入りが濃厚となっていた今年2月、JDIの本間充会長は第3四半期(4〜12月)決算で「シャープはコンペティター(ライバル)の1社」とはしていたが、今後の戦略については車載事業や、医療・産業関連などへ注力すると述べるにとどまった。有機ELについては18年頃の量産を目指すとしている。
3月には国内2工場の旧式ライン停止など生産体制の見直し、従業員の早期退職などを発表した。売上高の9割を占めるスマホ向けへの依存から脱却し、有機ELへの投資も明らかにした。20年頃にはスマホ向けを半分程度に抑えるという。
しかし、時代の流れは速い。4月に入って韓国電機大手の日本法人LGエレクトロニクス・ジャパンは、65型など5種類の有機ELテレビの新製品を発表した。同じく韓国のサムスン電子はすでにスマホ向けで先行しており、年間2億枚のパネル生産能力があるとされる。LGディスプレイもアップルウォッチにパネルを供給し、小型パネル技術の蓄積を進めている。
そして、ホンハイはシャープと組み、2000億円を投じて有機EL分野での猛追を図る。18年に大阪・堺工場での量産が可能と見られる。
それに対し、ようやく液晶の生産体制を見直したJDI。「親方・日の丸体質」が機動的な経営を阻んでいるようにもみえる。
将来の不安を映しているのが株式市場だ。JDIの株価は16年4月に上場来の安値196円を示現した。14年4月には836円の高値を付けていた。わずか2年で、株価は4分の1以下になったのである。資金面から単独での生き残りは厳しく、他社と組もうにも相手先の選定も困難とみられる。株式の買い手も減少してきているなど、不透明感は増すばかりである。
(文=編集部)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民107掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。