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円高再燃?寝た子起こしたG20 阻止工作が裏目に[日経新聞]
経済部 石川潤
2016/4/16 13:20
「最近は円高が進んだが、外国為替市場の動きは秩序的だ」
ルー米財務長官は15日、ワシントンで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見でこう言い切った。最近の円高・ドル安が急な相場変動に当たらないとすれば、政府・日銀は円売り介入を正当化できなくなる。円高阻止に向けて工作を進めていた日本側をルー長官が冷たく突き放したことで、一服していた円高が週明け以降、再び勢いづく可能性が出てきた。
麻生太郎財務相はG20会議に先だって開いたルー財務長官との会談で「最近の為替市場での一方的に偏った動きに強い懸念を有している」と伝えていた。米国と認識を共有し、円高がさらに進んだ時に円売り介入や追加緩和を実施するフリーハンドを確保しておきたいというのが日本側の狙い。ところがルー長官が為替の動きは「秩序的だ」と言い切ったことで、日米の認識の違いが浮き彫りになり、円売り介入に踏み切ることの難しさをかえって市場に印象づけてしまった。
米国が冷ややかなのは、最近のドル安が日本以外の国にとっては望ましいものと映っているためだ。米国では2014年以降のドル独歩高が景気の重荷となっており、ドル高の修正を求める声が高まっている。中国などの新興国にとっても、ドル高基調が和らげば資金の米国回帰に歯止めがかかり、為替相場の安定につながる。緩やかなドル安はほとんどの主要国にとって好都合で、それに伴う円高の痛みを訴えても共感を得にくくなっている。
さらに、米国は大統領選挙のまっただ中で、米当局者に日本の為替介入を容認するような発言はそもそも期待しにくいという事情もある。4月は米財務省が議会に為替報告書を提出する時期でもあり、米財務省にとって日本の円高阻止に向けた動きは「空気を読めていない」と映った可能性もある。
週明けの相場はどのように反応するのか。三菱東京UFJ銀行の内田稔氏は「円高・ドル安方向を試す展開になる」と予想する。今週の円相場は一時1ドル=107円台まで上昇した後、週後半に2円程度、円安方向に戻す場面があった。これまで円買いを進めていたヘッジファンドなどの投機筋が利益を確定させるための円売りに動いたためだ。身軽になった投機筋がルー長官の発言を手がかりに再び円を買い始めれば、円高が再燃しかねない。
ルー発言の直後、麻生財務相は記者会見で「今日現在で見れば為替が激しい動きではないことは確かだ」と語った。ルー財務長官は今現在の状況を語っただけで、今後相場が急変した場合の円売り介入を封じるものではないとの考えのようだ。
確かに、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が急な相場変動があった場合には「為替介入は正当化される」と話すなど、介入への一定の理解は広がりつつあるようにみえる。ただ、実際に円売り・ドル買い介入を実施する場合に不可欠なのは、IMFではなく、相手国である米国の了承だ。ルー発言で介入の可能性が完全に失われたわけではないにせよ、米国の理解を取り付けるためのハードルの高さを見せつけられたのは間違いない。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99737880W6A410C1I00000/?dg=1
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