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13日、IMF・世界銀行の年次総会の討論会で話すIMFのラガルド専務理事(写真:ロイター/アフロ)
「伊勢志摩」が世界経済浮沈の鍵を握っている 先進国は財政出動に同調してくれるのか
http://toyokeizai.net/articles/-/113868
2016年04月15日 かんべえ(吉崎 達彦) :双日総合研究所チーフエコノミスト 東洋経済
今週4月12日、IMFの「世界経済見通し」(World Economic Outlook)の最新版が公表された。世界経済の成長見通しを各国別に示す予測であり、インターネットで誰でも簡単にダウンロードできる 。その筋の通は”WEO”(ウィオー)などと呼んでいる。
■今年の世界経済は失速寸前と受け止めるべき
このWEO、4月と10月に開催される世銀とIMFの合同会合に合わせて年2回改訂される。ところが近年は、状況の変化が激しくて年2回では間に合わなくなり、1月と7月も併せて年4回改訂されている。で、最近は改訂のたびに、見通しは下方修正の繰り返し。世界経済のベースライン見通しは、前回1月に比べて0.2%の下方修正となり、2016年は3.2%成長となった。昨年10月に比べると0.4%もの下方修正である。
以下、最新版WEOの主要部分をみてほしい。
念のために申し添えておくと、「3%成長なら御の字じゃないか」と考えるのは日本の低成長に慣れた感覚である。「先進国が2%で新興国が6%、世界全体では4%はほしい」というのが普通の相場観と言うもの。世界全体で3%台前半というと、これはもう「失速寸前」と受け止めなければならない。ちなみに今年2月に発表されたOECDの世界経済見通しは、前回の3.3%から下方修正されて3.0%であった。つまりIMF、OECDともに、今年の世界経済は黄色信号と見なしているということだ。
ということで、最新号のWEOは”Too Slow for Too Long”という表題がついてしまった。意訳すれば、「かくも長き停滞」といったところだろうか。なにしろ2012年以来、連続して3%台前半の成長が続いている。しかもわれらが日本経済は、前回から0.5%下方修正されて、2017年にはマイナス成長に転じる見通しとなっている。
「だってオタク、やるんでしょ。消費増税を」と言われているようで、何とも気恥ずかしい。それ以上に大変なのが新興国だ。特にブラジルとロシアは惨憺たるものだ。中国の6%成長への評価は意見が分かれるところだが、ハッキリと好調なのはインドだけだろう。このことを、「BRICsブームは終わったが、愛(I)だけが残った」と称する。でも愛だけじゃご飯は食べられないよね。
かくして全世界的な「低成長、低インフレ、低金利」が広がっている。「まるで日本みたいじゃないか」とか、「日本はもう他人事ではない」などと言われるたびに困ってしまうのだが、さてどうしたらいいものか。
思えばこのところの世界経済は、バブルが崩壊するたびに次のバブルを起こして対応してきた。最初はITバブル。それが2001年に崩壊すると、次はアメリカの住宅市場にバブルが転じた。皆さん、話題の映画『マネーショート』はご覧になっただろうか? MBSとかCDOとかCDSとか、懐かしい言葉がいっぱい出てきて、住宅バブルから2008年金融危機までの疾風怒濤の日々をまざまざと思い起こさせてくれた。
■金融政策はもう限界、財政政策の出番か
リーマンショック以降は、中国経済など「新興国バブル」が穴を埋めてくれた。それもとうとう減速が始まって、いよいよ次の一手が見えなくなっている。石油価格が2年前の半値以下になったということは、資源多消費型の成長はもう続かないということだろう。かといって「次なるバブル」のネタもすぐには見つかりそうもない。
最新号の外交専門誌『フォーリンアフェアーズ』では、元米財務長官のローレンス・サマーズ教授(ハーバード大学)が、お得意の「長期停滞論」を展開している。いわく、世界経済の問題は過剰貯蓄と過少投資にある。これを解決するには金融政策ではダメで、財政政策の出動が必要だ。国際協調によるインフラ投資を呼びかけるべき、と論じている。
確かに金融政策にはこれ以上頼れそうにない。欧州と日本はマイナス金利にまで踏み込んだけれども、効果の方は判然としない。いや、むしろ高齢者や金融機関からは怨嗟の声が上がっていて、かえってデフレ心理を深めてしまったかもしれない。そこで財政出動の出番だが、これは大規模にやらないと効果がない。問題はどの程度の国が同調してくれるかで、その意味でも来月に予定されているG7伊勢志摩サミットが重要になってくる。
安倍首相はどうやら、消費増税の延期と5兆円以上の財政出動くらいは腹をくくっている様子。とはいえ、他の先進国が協調してくれるかというと、そこは何とも悩ましい。オバマ大統領はインフラ投資には前向きでも、議会共和党が支出に首を振りそうだ。いちばん財政余力がありそうなドイツは、健全財政至上主義の国である。そしてイギリスは、キャメロン首相がパナマ文書で非難の矢面に立ち、景気対策どころではなさそうだ。
こうして考えてみると、今月から来月にかけての「政治の季節」はまことに重要と言わざるをえない。さしあたっての注目点は、大型連休中の安倍首相の欧州、ロシア歴訪だ。G7への準備が目的だが、はたして財政出動への理解を得られるのか。それにしても、日本が議長国となるG7に世界経済の浮沈がかかるとは思いもよらなかった。伊勢志摩に答えは見つかるのだろうか?
■皐月賞はマカヒキの単勝で
さて、今週末はファン待望の皐月賞である。今年の3歳牡馬は強そうだ。きさらぎ賞をぶっちぎりだったサトノダイヤモンド、G1朝日杯を制したリオンディーズ、何かと父ディープインパクトを髣髴とさせるマカヒキが3強。スプリングステークスを制したマウントロブソン、武豊騎乗の実力馬エアスピネルも併せると、有力馬5頭という豪華メンバーになる。
先週の桜花賞では、単勝1.5倍のメジャーエンブレムがまさかの4着に沈んだ。やはり3歳馬は人間で言えば高校生みたいなもの。クラシックレースの緒戦はいわば選抜高校野球のようなもの。番狂わせは大いにありと考えなければならない。
ここは弥生賞を勝ったマカヒキを選択する。それというのも、弥生賞を予測した前回の当連載で、「リオンディーズとマカヒキの馬単をマルチで」と予言して、それがホントにマカヒキ―リオンディーズで来ちゃったんだもの。440円と安かったけどね。ゆえに今回はマカヒキの単勝で。クラシックレースは高校野球のようなもの。最初に気に入ったところを応援するといい。
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