World | 2016年 04月 11日 10:23 JST 関連トピックス: トップニュース 原油先物が上昇、米石油掘削リグ稼動数の減少などで 4月11日、原油先物が上昇している。米石油掘削リグ稼動数が2009年以来の低水準となったことなどが背景。ロシア・西シベリアの油田で1月撮影(2016年 ロイター/Sergei Karpulhin) 4月11日、原油先物が上昇している。米石油掘削リグ稼動数が2009年以来の低水準となったことなどが背景。ロシア・西シベリアの油田で1月撮影(2016年 ロイター/Sergei Karpulhin) [シンガポール 11日 ロイター] - 11日の取引で原油先物が上昇している。米石油掘削リグ稼動数が2009年以来の低水準となったことなどが背景。 0024GMT(日本時間午前9時24分)時点で、米原油先物CLc1は1.1%高の1バレル=40.14ドル。北海ブレント原油先物LCOc1は0.8%高の42.26ドル。 米石油サービス会社、ベーカー・ヒューズ(BHI.N)が公表した週間統計(8日終了週)によると、石油掘削リグ稼動数は8基減の354基で、2009年11月以来の低水準となった。 北海ブレントは、北海と西アフリカでの生産停止や、今月17日の会合で産油国が生産量凍結で合意するとの期待から上昇。 アナリストは、世界需要が加速する可能性があるとし、需給の引き締まりにつながるとの見解を示している。 http://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKCN0X802G 原油上昇の終了見込む売り持ち増は時期尚早−在庫減少で値上がり Brian Wingfield、Moming Zhou 2016年4月11日 09:44 JST
WTI原油の売り持ち、昨年7月以降で最大の35%増加 米国の原油在庫は494万バレル減少 原油価格上昇の終了を予測していたヘッジファンドは、米国の原油在庫が予想外に減少したことを受けて価格が11%上昇した機会を逸した。 米商品先物取引委員会(CFTC)によれば、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の売りポジションは5日終了週に35%増加。その翌日に米政府が発表した在庫統計で、米国の原油在庫は494万バレル落ち込み8週間ぶりの減少となった。 コンサルタント会社フロスト&サリバン(ヒューストン)の石油・ガス担当ディレクター、カール・ラリー氏は「市場関係者は皆、在庫が積み上がったと考えていた」が、実際のデータではそうではなかったことが示されたと指摘。「相場は若干回復しつつある」と述べた。 ニューヨーク商業取引(NYMEX)のWTI先物5月限はCFTCの報告書対象期間中に6.2%下げ1バレル=35.89ドルとなったが、8日には39.72ドルに回復した。 CFTCのデータによれば、価格下落を見込む先物とオプションの売りポジションは5日終了週に2万6521枚増え10万2119枚と、昨年7月以降で最大の増加を示し、買越残高は12%減少した。 原題:Reports of Oil Rally’s Death Premature as Inventories Decline(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5FZZJ6KLVR401
2016年4月11日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員] 増産凍結でも高水準の生産 再び膨らむ原油の下落リスク 原油相場の国際指標であるブレント原油は、1月20日に付けた27.10ドルをボトムに上昇に転じ、3月18日には一時57%高の42.54ドルまで上昇した。しかし、その後は頭打ちとなり、4月1日の終値は38.67ドルであった。 拡大する 現在の原油市場を取り巻く環境を一言で表すと、「供給過剰」の状態である。その背景にある(1)中国など新興国経済の減速、(2)原油価格低迷下でも伸びない先進国の原油需要、(3)サウジアラビア、ロシア、イラクなどによる高水準の原油生産、(4)経済制裁解除を受けたイランの増産姿勢、(5)米国のシェールオイルの減産ペースの緩慢さ、などは当面変わりそうにない。 2月16日に、サウジ・ロシア・ベネズエラ・カタールによる増産凍結の合意がなされた。他の産油国の賛同を条件に、今年1月の生産量を上回って原油を生産しない、というものだ。 それ以降、OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非OPEC産油国による増産凍結を協議する会合の開催が模索され、4月17日にはカタールの首都ドーハで開催される運びとなっている。 米国のシェールオイルの開発動向を見る上で注目される石油掘削リグの稼働数も減少傾向を続けている。2014年10月時点の1609基が、16年4月1日時点では4分の1以下の362基に減少した。先行き原油需給が引き締まるとの観測がやや強まり、原油相場は上昇した。しかし、足元の原油需給の緩和に再び焦点が当たり、上値が重くなった。米エネルギー情報局が週次で発表している原油在庫は、現行統計を開始した1982年以来の最高水準を更新する動きが続いている。 石油リグの稼働数に関しては、シェール開発がブーム化する以前の水準に戻りつつあるものの、開発が優良案件に絞られながらも、油井開発が進む状況にある。また、数千もあるとされる仕上げ直前の油井(drilled but uncompleted well)の存在も、供給圧力への懸念を強める材料になっている。 こうした中、既述の増産凍結に関しても、ネガティブサプライズとなる報道が飛び込んできた。それは、4月1日にサウジのムハンマド副皇太子が「わが国が原油生産の水準を凍結するのは、イランを含む主要産油国が参加する場合に限られる」と述べたというものだ。イランは増産を続ける意向を示しているため、言葉通りだとすると、サウジが増産凍結に加わらないことになる。 また、そもそも増産凍結が行われても、高水準にある原油生産が維持されるわけであり、需給の引き締め効果はさほど期待できない。原油相場は再び下振れリスクが大きくなりつつある状況だ。 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
http://diamond.jp/articles/-/89355
Business | 2016年 04月 11日 10:05 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 製造業の伸びが過去最低に、2月機械受注 鉄鋼受注の反動減 [東京 11日 ロイター] - 2月の機械受注統計は、設備投資の先行指標となる船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)が前月比9.2%減の8487億円となった。マイナスとなるのは昨年11月以来3カ月ぶりで、世界経済の減速懸念や円高に伴うセンチメントの悪化を浮き彫りにした格好だ。 内閣府が11日、発表した。2月の製造業からの受注は30.6%減と、過去最低の伸びだった。火水力原動機や化学機械など鉄鋼業からの1月の大型受注の反動減が響いた。 運輸業・郵便業や情報サービス業などの非製造業は10.2%増えたが、全体の落ち込みをカバーできなかった。 船舶・電力除く民需受注額は、ロイターが調査機関に対して事前に実施した予測中央値(12.4%減)そのものは上回った。内閣府は「持ち直しの動きがみられる」とする昨年10月以降の判断を、今回も据え置いた。 機械受注統計は先行きの設備投資の動向を占ううえで注目度が高い。 今回の指標を受けて、市場では「GDPベースの設備投資は1―3月期、4―6月期と減少が続く可能性がある」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)との見方が出ている。 http://jp.reuters.com/article/machinery-orders-feb-idJPKCN0X8009 Business | 2016年 04月 11日 10:44 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 中国は鉄鋼過剰生産問題への対応加速を、英外相が王外相に要請 [ロンドン/北京 9日 ロイター] - 中国を訪問中のハモンド英外相は、王毅外相と会談し、鉄鋼産業の過剰設備問題への取り組み加速を要請した。欧州鉄鋼業界は、安価な中国製鋼材の流入でタタ・スチール(TISC.NS)が英国事業売却を発表するなど苦境に陥っている。 ハモンド外相は、王毅外相との会談後に発表した声明で「中国側に鉄鋼生産削減努力を加速するよう要請した」とし「英国の焦点は、ポート・タルボットをはじめ英国の鉄鋼産業のために長期的に維持可能な将来を見出すことだ」と表明した。 9日これより先、中国工業情報化省の高官が、製鋼所の閉鎖を進め、粗鋼生産能力を2020年までに11億3000万トンに縮小する方針と述べている。 ただ、中英外相会談後に中国外務省が発表した声明は、鉄鋼問題には触れず、王毅外相がハモンド外相に、香港の問題は中国国内の問題と述べ、「一国二制度」のもと、高度な自治を認めている香港の政治システムへのコミットメントを示したとしている。 また、ハモンド外相が出席する主要7カ国(G7)外相会合が、南シナ海問題を槍玉にあげるべきでない、と主張した。 http://jp.reuters.com/article/tata-britain-steel-china-idJPKCN0X802X 中国経済、ようやく安定化の兆し 本格回復はまだ先 江西省の省都南昌の花畑(3月11日) ENLARGE 江西省の省都南昌の花畑(3月11日) PHOTO: ZUMA PRESS By LIYAN QI 2016 年 4 月 11 日 10:46 JST 中国経済は、政府の景気対策がようやく実を結びつつあり、安定化の兆しを見せ始めたとみられている。ただ、本格的な景気回復はまだ何カ月も先のようだ。 ウォール・ストリート・ジャーナルが14人のエコノミストを対象に行った調査によると、2016年第1四半期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年同期比6.7%の増加(中央値)と、15年第4四半期の6.8%をわずかに下回ったと推定されている。中国の成長率は昨年の第3四半期、第4四半期と2期連続で鈍化している。 中国経済にとって3月は通常、春節(旧正月)が終わって工場の生産が再開する一方、政府がインフラ投資を増加させるため、経済活動が活発化する準備段階とされている。しかし今年は、政府が一致して経済下支えに取り組んだおかげで、景気持ち直しが例年よりも際立っているようだ。ただ英銀スタンダード・チャータードのエコノミストは、「供給サイドの統計は依然としてさえず、まだ力強い回復とはいえない状況だ」と慎重な見方を示す。 エコノミストへの調査では、3月の鉱工業生産は前年同月比6.0%増と、1-2月の5.4%から増加したもようだ。政府は年初2カ月間の統計は、春節に伴う歪みをならすため1-2月通して発表している。今年第1四半期の固定資産投資の伸び率は10.4%で、1-2月の10.2%を小幅に上回ったと見込まれている。3月の小売売上高は10.5%増で、1-2月の10.2%増から加速したと推定されている。 中国財政省は、今年の予算で財政赤字を増額するとともに、企業の税負担を軽減する税制改革案を発表した。また地方政府に対し、債券発行の増額を認めた。これは債務返済に充当し、公的サービスを賄うのを支援するためだ。中国人民銀行(中央銀行)は、2014年11月以降、政策金利を6回にわたり引き下げ、銀行の預金準備率を数回引き下げている。 しかしエコノミストによれば、中国の物価は高騰を続けており、追加金融緩和の余地は限られている。エコノミストへの調査では、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇し、上昇率は2月の2.3%から加速すると推定されている。実際にそうなれば、CPIは5カ月連続の加速となる。 スイス金融大手UBSのエコノミストは、「実体経済に安定化の兆しがみえることや、不動産の販売が増加に転じ価格も反騰していること、消費者物価が最近高騰していることから、金融緩和への機運は差し当たってはピークを迎えたようだ」と分析した。UBSは年内にこれ以上の利下げはないと予想している。 3月の貿易動向も若干改善を示したもようだ。同月の輸出は、8カ月連続で前年同月比減少した後、8.5%の増加に転じたと推定されている。ただスタンダード・チャータードのエコノミストによれば、3月の反転は海外需要が大幅回復したからではなく、昨年の水準が低かったことが影響したという。輸入も減少を続けたものの、そのペースは鈍化したとみられる。 3月の輸入は10.4%の減少で、減少幅は2月の13.8%を下回ったと推定される。その結果、3月の中国の貿易収支は326億ドルの黒字となり、2月とほぼ変わらないと見込まれている。 関連記事 中国「ブル」は絶滅、響く「ベア」のうなり声 中国市場から世界への影響飛び火、深刻化の恐れも 中国が世界の株式相場に及ぼす影響増す=IMF 今年の米成長・雇用見通しに陰り=WSJ調査 新興国市場の騰勢は長続きするか http://jp.wsj.com/articles/SB12572346946470444848304581515680636908222
Business | 2016年 04月 11日 07:59 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス ECBは低インフレ対策を依然有する=仏中銀総裁
[チェルノッビオ(イタリア) 11日 ロイター] - フランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は、欧州中央銀行(ECB)は必要なら低インフレに対応するための措置を依然有しているとの見解を示した。 ECB理事でもある同総裁はイタリア紙とのインタビューで「ECBは弾薬不足ではない。インフレ目標を達成するまで、あらゆる金融政策ツールを利用するのは適切だ。必要なら一段と介入する」と述べた。 その上で、原油価格下落などインフレに一時的に影響する要因が持続的になるかなどをECBは精査していると指摘した。 ECBは先月の理事会で利下げしたが、この決定について総裁は、ECBが依然「多くの強力なツール」を有していることを示すとした上で、「ECBはやるべきことをやっている。悪いことに経済政策による協調がみられない」と語った。 http://jp.reuters.com/article/ecb-rates-visco-villeroy-de-galhau-idJPKCN0X70Y6 Business | 2016年 04月 11日 07:30 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 独政府、ECBのヘリコプターマネーへの法的措置検討を否定 [ベルリン 9日 ロイター] - ドイツ財務省は9日、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の消費喚起や物価押し上げを狙って市民に直接資金を配る「ヘリコプターマネー」政策を行う場合には法的措置を検討するとの独シュピーゲル誌の報道を否定した。 ここ数週間、ECBのヘリコプターマネー構想が取り沙汰されてきたが、ECBのコンスタンシオ副総裁とプラート専務理事は7日、この構想は議論していないと明らかにしていた。 週刊誌シュピーゲルは9日、財務省の匿名筋の話として、ECBが市民に直接資金を配る場合、ドイツ政府はECBの責務の限界を法的に明確にするため、裁判所に訴えることを検討する方針だと伝えた。 これに対し、財務省の報道官は「ECBは合法な責務の枠組みの中でのみ独立している。ただ、ドイツ政府が法的措置を検討していることは真実ではない」と語った。 http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-germany-idJPKCN0X70XW ポールソン氏の「アドバンテージ」、1−3月期の成績マイナス15% 2016年4月11日 08:06 JST 3月の両ファンドの成績はマイナス7%、米国株上昇でも ポールソン社は昨年末時点でバリアント株やアラガン株を保有 世界の株式相場の回復にもかかわらず、1−3月(第1四半期)に大きな損失を被った有名ヘッジファンド運用者の一角にもう一人大物が加わった。米資産家ジョン・ポールソン氏だ。 事情に詳しい関係者1人によると、ポールソン氏率いるヘッジファンド会社ポールソン社のファンド、「アドバンテージ」と「アドバンテージ・プラス」は1−3月期のリターンがマイナス15%に低迷した。両ファンドは破産やスピンオフといった企業イベント絡みの企業に投資するもので、先月の成績はマイナス7%だった。これに対しS&P500種株価指数の同月のリターンはプラス6.8%だった。 チェース・コールマン氏やアンドレアス・ハルボーセン氏、ダニレイ・ダリオ氏、ビル・アックマン氏ら著名投資家も、株式相場の激しい変動や商品相場の急落、各国金融政策の乖離(かいり)などによる打撃を受け、損失を記録している。ポールソン氏とアックマン氏、ハルボーセン氏はまた、昨年末時点でカナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルの大株主に名を連ねていた。バリアントは経営難で1−3月期に時価総額の約4分の3を失っている。 当局提出書類によれば、ポールソン社は昨年末時点でバリアント株を13億ドル(約1400億円)相当、アラガン株を17億ドル相当保有していた。アラガン株は1−3月期に約14%、バリアント株は74%値下がりした。両銘柄がアドバンテージやポールソン社の他のファンドに組み入れられていたかどうかは不明。 ポールソン社の広報担当を務めるペッパーコム社のジョー・チェックラー氏はコメントを控えた。 原題:Paulson’s Advantage Funds Each Tumbled 15% in First Quarter (2)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O5FVID6JTSEA01
日銀のサプライズETF買い、株価の午後反転後押し−発動条件緩和か 長谷川敏郎、北中杏奈 2016年4月11日 09:37 JST
日本銀行のサプライズな上場投資信託(ETF)買いが入って以降、日本株市場が午後に底堅さを見せている。円高や企業業績に対する懸念から積極的な買いが入りにくい中だけに、需給面で下支えになるとの見方がある。 日銀は7日、従来通りの日本株のETFを333億円購入した。今月に入り3度目の購入で、過去2回の1日はTOPIXの午前終値が2.8%安、5日は同2.3%安と大幅安だったのに対し、7日はわずか0.2%安だった。日銀は3月18日には1.2%安で購入を見送っていたほか、30日の0.4%安でも買い出動しなかった経緯がある。 7日午後は為替の急速なドル安・円高が進む中でもTOPIXは底堅く推移し、終値では0.4%高とプラス圏に浮上。サプライズ買いの余韻が残る翌8日は1.4%安で始まったものの、値を切り上げて1.2%高で終了。株式市場では7日以降の底堅さが目立つ。 東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、「7日の日銀買いはサプライズだった。為替が円高基調の中でも、日本株は午後になかなか下がらなかった。売り方の買い戻しを誘った面もあり、プラス圏で終えたことに少しながらも寄与していた」とみる。 日銀の発表によると、日本株が下げ基調となる中で日銀は1月と2月に積極的にETFを買い入れ、2カ月間で5825億円購入した。一方、3月は672億円にとどまり、1−3月合計では6497億円となった。日銀は年間3兆円のETFの買い入れ政策を継続しており、単純計算では月当たり2500億円が目安になる。 「1−2月に購入ペースが早くなったこともあって、3月は発動条件を厳しくした」と、東海東京調査の仙石氏は分析。条件を厳しくしたことで3月までは平均水準まで積み上がらなかったため、「4月は発動条件を低下させた。残高を意識しての動きだろう」と言う。 大和住銀投信投資顧問株式運用部の岩間星二ファンドマネジャーは、「企業のガイダンスが出るまであと2週間は株価の動きを警戒している。外国人売りも相当出ているため、日銀は一定の支えになる」と指摘した。7、8日は「2日連続で午後に上がる久しぶりの力強い動きになったことも含め、日銀の買いに対する注目度が上がるかもしれない」としている。 一方、4月から新たに別枠で開始した「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」については、4日以降に連日12億円を購入している。同枠は年間3000億円。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5AWOL6JIJUQ01 脱デフレ疑う海外勢、年度売越額「暗黒の月曜日」迫る−日本株正念場 長谷川敏郎、北中杏奈 2016年4月11日 00:00 JST Share on FacebookShare on Twitter Share on FacebookShare on Twitter 昨年までの4年連続の上昇を引っ張った海外投資家が、日本株への投資姿勢を一変させている。2015年度の売越額はブラックマンデー(暗黒の月曜日)のあった1987年度以来、28年ぶりの多さで、年初来の株価下落率は主要市場の中でイタリアに次いで悪い。長期デフレからの脱却を期待した海外勢の間で疑念が芽生え、アベノミクスによる株高シナリオは正念場を迎えつつある。 海外投資家はことしに入り3カ月連続、週間では13週連続で日本株の現物を売り越し、累計売越額は5兆127億円に達した。13週連続の売り越しは、98年以降で最長だ。この結果、15年度は7年ぶりの売り越しとなり、売越額は5兆1025億円とリーマン・ショックの08年度、バブル経済崩壊の89年度を上回り、過去最高だった87年度の6兆2122億円に迫った。 豪AMPキャピタル・インベスターズの資産配分責任者、ネーダー・ ナイエミ氏は「日本は期待外れだ。大きな構造変化が必要だが、ほとんどがアグレッシブな金融政策。多くの人はアベノミクスを疑うようになってきた」と言う。投資家は日本の賃金上昇や設備投資、企業経営者の心理改善を期待したものの、明確な変化は見られず、「アニマルスピリットがない」と嘆く。 4.6兆ドル(約524兆円)を運用する世界最大の資産運用会社であるブラックロックは3月、日本株の投資判断を従来の「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。日本銀行のマイナス金利政策の導入で市場のボラティリティが拡大し、為替の円高推移も輸出企業の業績に対しダウンサイドリスクを拡大させている、とみる。4月に入り、クレディ・スイスは判断を「ベンチマーク並み」へ下げ、シティグループは「アンダーウエート」に変更した。 ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長も、世界景気の鈍化や円高の影響で日本の景気や企業業績の先行き不透明感が広がっており、日本銀行の金融緩和政策やアベノミクスに対する期待も縮小気味と話している。ファンダメンタルズへの不安から「欧州と米国で日本のETFが売られている。売り手は年金のような投資スパンの長いところで、中長期の投資家からすると、日本株の期待値が剥落している」と指摘した。 米国籍で日本株を投資対象とする代表的なETF、ウィズダムツリー日本ヘッジド・エクイティファンドの1投資口当たり純資産(NAV)は6日時点で40.96ドルと、昨年6月ピークの60.3ドルから32%減少。同期間のTOPIXの下落率24%よりも大きく、昨年12月以降は慢性的に資金流出の状況にある。 日本株の年間売買代金の約7割を占める海外勢が記録的な日本株売り姿勢を見せている影響で、TOPIXの年初来パフォーマンスはマイナス17%と世界の主要株価93指数の中でイタリアに次ぐワースト2位。アベノミクス相場で上昇が始まった2012年末からの株高トレンドは、中国経済の減速や米国利上げの影響に対する懸念が強まった昨年8月以降、変調を来している。 三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、海外投資家の売りと日本株の下落がスパイラル化している現状について「この動きが読んでいるのは日本のデフレへの逆戻り」と分析。同社の予測では、3月から生鮮食品を除くコアベースの消費者物価指数(CPI)も限りなくゼロかマイナスになるため、「消費税引き上げの悪影響が一巡し、日銀の全ての緩和策が無に帰すという世界が目の前に来ている」と話す。 年初来の株安を助長したのは、為替市場での2月以降の急激なドル安・円高の進行だ。米国の利上げペースが緩やかになるとの観測などから円が買われやすくなっており、今月7日には1年5カ月ぶりの円高水準となる1ドル=107円台を付けた。 4月下旬から主要な3月期決算企業の業績発表が始まり、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「円高に伴う企業業績の警戒感は強まっている」と言う。日銀の企業短期経済観測調査(短観)によれば、大企業製造業の16年度の想定為替レートは1ドル=117円46銭で、大企業全産業では2%の経常減益見込み。普段なら、株価下落時には政策期待が下支えするものの、一段の円高進展で「シナリオは狂ってしまった。財政政策を打っても即効性がないということではないか」と伊藤氏は懸念を示す。 三井住友アセットの石山氏も,雇用は改善しているが、企業業績の改善や設備投資の復調は思ったほどではなく、アベノミクスが描いていた好循環は成り立っていないとの見方だ。「新年や新年度など機関投資家のポートフォリオが変わる時期に、まず最初に日本株を売ってから見直しを始める」というのが日本株の新しいアノマリーだ、指摘。これは「日本経済やアベノミクスに対する不信の表れ」とみる。 TOPIXは、新年度に入った4月1日に3.4%安と急落した。ことし1月は、大発会の4日から12日まで6営業日続落し、年始からの連続安記録としては過去最長を記録した。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O57GJ26TTDVK01
白井前日銀委員:マイナス金利拡大、今は全く考えるべきではない 日高正裕、藤岡徹 2016年4月11日 06:00 JST
効果と副作用の見極めを、性急な判断は避けるべきだ−白井氏 国債買い入れ、総裁任期の2年続くか疑問−慎重さ非常に必要 3月で日本銀行審議委員を退任した白井さゆり慶応義塾大特別招聘教授は、日銀の「マイナス金利付き量的・質的緩和」について、マイナス金利の拡大は今は考えるべきではないと述べるとともに、長期国債の買い入れ拡大にも極めて慎重な対応が必要だとの見解を示した。 白井氏は8日、退任後初のインタビューに応じた。白井氏はマイナス金利政策について「現時点では効果と副作用をしっかり見極める時ではないか」と指摘。「新しい枠組みなのであまり性急な判断をせず、じっくり見極めた方がいい」と主張し、マイナス金利の拡大は「今は全く考えるべきではない」と述べた。 大規模な長期国債の買い入れに関しても、マイナス金利の導入で量的・質的緩和の持続性が変化したと指摘する。日銀が金利下限を設けずどんな価格でも買う姿勢をみせていることから、「ある程度の期間はできるかもしれない」としながらも、黒田総裁の残り任期である2年間にわたって「継続することが難しくなる可能性がある」と買い入れの持続性に疑問を呈し、拡大には「非常に慎重さが必要だ」と語った。 欧州中央銀行(ECB)は3月10日、マイナス金利を0.4%に拡大した。日銀はマイナス金利の「Q&A」でスイスは0.75%、スウェーデンは1.1%、デンマークは0.65%など「大きめのマイナス金利が適用されている」と紹介。黒田総裁は3月16日に日銀のマイナス金利は0.5%近辺への下げも「理論的な可能性として余地はある」と発言している。元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長はインタビューで、下げ幅は1%が最終的に1つのめどになるとの見方を示した。 白井氏はマイナス金利の下限について「1%というのは否定はしないが、それほど下げ余地が大きいとは思わない」と述べた。デンマークなど欧州の国は「キャッシュレス社会なので現金へのシフトが起きにくく、下げ余地も大きい」一方、「日本はもともと欧州より現金需要が強く、それほど電子取引も進んでいないので、現金シフトがもっと早く起こる可能性がある」という。 追加緩和 日銀は1月に0.1%のマイナス金利導入を決定。声明文で「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる」と表明した。3月の決定会合では政策を維持したが、4月27、28の両日に次の金融政策決定会合が迫っている。ドル円相場は7日の海外市場で一時、1年5カ月ぶりとなる1ドル=107円台まで円高が進行。2014年10月の追加緩和後に進んだ円安が帳消しとなった。市場には日銀が早くも追加緩和に追い込まれるとの見方が広がり始めている。 追加緩和期待の高まりに対して白井氏は、「今、急速な円高の進行で厳しいのは事実だが、追加緩和をしてもそういった状況がなくなるとは限らない」と述べ、追加緩和をすれば「催促相場に入ってしまう可能性もある。新しい投機の動きも呼ぶだろう」と指摘、そうした事態は「避けるべきだ」と語った。 黒田総裁の就任後、量的・質的緩和を導入して3年が経過したが、生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)の前年比は足元で0%近傍で推移しており、2%の物価目標の達成のめどは立っていない。月末の会合では経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめ、新たな物価見通しを示すが、2%達成時期は「17年度前半ごろ」から再度先送りされるとの見方もある。 テーパリング 白井氏は、2%の物価目標の必要性の理解が国民に深まっていない中で、マイナス金利は「感覚的にも良いイメージを与えなかった」と指摘。「ここは一歩引いて、なぜ2%が必要なのか、どうして量的・質的金融緩和をやったのか、それによってどういう効果が出て何が課題なのか、もう少し国民目線に立って冷静に発信していく時ではないか」と指摘した。 さらに、黒田執行部の任期が残り2年となった中で、2%目標を達成できるのか、達成できないとすればその背景は何か、「原点に戻り、行動の前に日銀が何をやっているのかを国民に伝えることに最善の努力をすべきだ」と主張。「それをしないと、政策を打っても国民に理解されなければ効果は落ちてしまう」と語った。 今後の政策の方向性として、単なるテーパリング(長期国債の買い入れの縮小)を行うと「非常にマイナスの影響があるので注意深い準備は必要だが、そろそろそんな時期だと思う」と述べた。仮にマイナス金利を拡大するとしても、「たとえば資産買い入れで調整するといった組み合わせもあり得るだろう」と指摘、そのためにも「マイナス金利の効果と副作用をしっかり見極める必要がある」と述べた。 白井委員は3月31日で任期満了になり、桜井真サクライ・アソシエイト国際金融研究センター元代表が4月1日付で日銀審議委員に就任した。白井氏は13年4月の量的・質的金融緩和の導入、14年10月の追加緩和に賛成したが、1月29日の金融政策決定会合で決定したマイナス金利政策には反対票を投じた。審議委員ではマイナス金利に反対した石田浩二も6月29日に任期満了を迎える。 審議委員は、昨年6月に退任した森本宜久審議委員の後任にトヨタ自動車相談役の布野幸利氏、昨年3月に退任した宮尾龍蔵前審議委員の後任にリフレ派エコノミストの原田泰元早稲田大学教授がそれぞれ就任。布野、原田両委員と黒田東彦総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁がマイナス金利に賛成した。1月の会合でマイナス金利に反対したのは白井氏と石田氏のほか、木内登英、佐藤健裕各委員だった。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O5B4FN6K50XS01 円が対ドルで1年5カ月ぶり高値更新、日本株安で買い圧力−107円台 小宮弘子 2016年4月11日 08:48 JST 更新日時 2016年4月11日 11:02 JST 一時107円63銭、2014年10月27日以来の水準までドル安・円高進行 口先介入は一定の歯止めになるが、円高傾向変わらない−あおぞら銀 11日の東京外国為替市場では円が上昇し、対ドルで1年5カ月ぶり高値を更新。日本株の下落を背景に、リスク回避に伴う円買いが優勢となっている。 ドル・円相場は一時1ドル=107円63銭と2014年10月27日以来の水準までドル売り・円買いが進み、午前11時現在は107円78銭前後。前週末の原油高や米株高に加え、菅義偉官房長官による口先介入の報道もあり、朝方はオセアニア時間に付けた107円82銭から108円33銭まで円売りが進行。その後、日本株が反落して始まると円買いが強まり、ドル・円は再び108円を割り込んだ。 あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、先週は円高のスピードが速かったため、週末にドル・円の買い戻しが入ったが、きょうも株価が弱く始まっており、「ドル・円の上値は重い展開になりそう」と指摘。「政府高官から口先介入も聞こえてくるが、実際に為替介入を行うのは難しいと思う。口先介入は一定の歯止めにはなるが、目先は円高傾向が変わらないだろう」と話す。 菅官房長官は外国為替市場で一時107円台の円高水準となったことについて、偏った動きには「日本として対策をやる用意がある」と語ったと、10日午後にロイター通信が報じた。 8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が2カ月ぶりの大幅高。米国での生産減少が続いていることを好感した。米国株は小幅高。原油高や株高を受け、米国債利回りは上昇した。 一方、週明けの東京株式相場は反落し、日経平均株価は一時300円近く下げる場面が見られている。朝方発表された2月の機械受注は前月比9.2%減となった。市場予想は12%減だった。 中国CPI 中国が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇で、市場予想(同2.4%上昇)をやや下回った。3月の生産者物価指数(PPI)は同4.3%低下で、市場予想は同4.6%低下だった。 ユーロ・円相場は1ユーロ=123円66銭まで円安に振れた後、122円86銭までユーロ売り・買いが進行。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.1400ドルを割り込むなど弱含みとなっていたが、その後1.14ドル台前半へ反発している。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O5FY6Y6KLVR701 「日銀は動かざる得ない」と三菱モルガン石井氏、円高でシナリオ修正 野沢茂樹、Kevin Buckland 2016年4月11日 00:00 JST マイナス金利の拡大は困難、ETF増額が中心になると予想 国債の「爆買いを増やせば、限界への到達を早めるだけだ」 先週の金融市場は急速な円高と株安に見舞われた。機関投資家から高い評価を受け続けている債券アナリストは、日本銀行の黒田東彦総裁が指数連動型上場投資信託(ETF)の増額など質的緩和の強化を迫られるとみている。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジストは8日のインタビューで、日銀が重視する「物価の基調が円高・株安の影響で下振れるリスクが高まってきた。デフレ心理の再燃を防ぐため、日銀はちゅうちょなく動かざるを得ない」と話した。先週は、円の対ドル相場が4円を超える上昇、日経平均株価が4.3%下げる場面があった。 安倍晋三内閣が目指すデフレからの完全な脱却と日銀が掲げる2%の物価目標ーー。アベノミクスの「第1の矢」である大胆な金融緩和がもたらした円安は目標実現に向けての大きな支えだった。ここに来て、世界経済の減速懸念や金融市場の混乱、歴史的な原油安を受けて、企業や家計の景況感と物価見通しは悪化の兆しが出ている。 円は今年に入って全ての主要通貨に対して上昇している。対ドルでは7日に1ドル=107円67銭と、日銀の追加緩和直前に当たる14年10月下旬以来の高値を付けた。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは先月18日にマイナス0.135%と最低を更新。金融政策の影響を受けやすい新発2年物国債利回りは8日にマイナス0.245%と、2月9日に付けた過去最低まで0.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。 石井氏は今月末の金融政策決定会合で追加緩和が決まる場合は、「ETF増額を中心とする質的緩和の増強だろう」と読む。1月末に打ち出したマイナス金利政策は「国民的な批判が強く、理解を得られていない」ため、拡大が難しいと言い、国債の「爆買いを増やせば、限界への到達を早めるだけだ」と語った。 黒田総裁は5日の衆院財務金融委員会で、日本経済は「不況に突入しようとしているわけではない」としながらも、必要と判断すれば「ちゅうちょなく3次元で追加緩和措置を講じる」と発言した。具体的な手段として特にマイナス金利に主眼が置かれているわけではなく、組み合わせは経済・市場動向に合わせて決めると述べた。 日経ヴェリタス誌の人気アナリスト調査・債券部門で3年連続首位の石井氏は、黒田バズーカと呼ばれた日銀による異次元緩和の導入1カ月前に「異次元の大胆緩和策、長期国債の大規模・無制限購入を実施すれば、債券需給はかつてない逼迫(ひっぱく)状態に陥る可能性がある」と分析していた。導入の発表があった当日には、国債市場は「相当の品薄状態になる可能性がある」と指摘した。 追加緩和の約2カ月前には、教科書的には債券投資は見送るのが正解となる低利回りだが、投資家は「国債を持たざるリスクに苦悩せざるを得ない」と語っていた。また、金融機関が日銀に預ける際に受け取っていた金利(付利)の一部引き下げが打ち出される直前にブルームバーグが42社を対象に実施したエコノミスト調査では、付利引き下げを予想したのは三菱モルガン証を含む3社だけだった。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O5B87L6TTDSR01 中国:3月の消費者物価は2.3%上昇、高い伸び続く−食品値上がりで Bloomberg News 2016年4月11日 10:59 JST 中国の消費者物価指数(CPI)は3月も引き続き高い伸びとなった。食品の大幅値上がりを反映した。生産者物価指数(PPI)の低下は鈍化した。 国家統計局が11日発表した3月のCPIは前年同月比2.3%上昇。伸び率は2月の水準に並んだ。食品価格が7.6%上昇した。3月のPPIは同4.3%低下。低下率は2月の4.9%から縮小した。 原題:China Consumer Inflation Pick Up Continues in March on Food (1)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5G54T6S972G01
グロース氏のファンド、資金流出入がプラスに転換−3月は250万ドル John Gittelsohn 2016年4月11日 09:23 JST アンコンストレインド・ファンドは10月以来の純流入 年初から4月7日までの運用成績はプラス1.9% ビル・グロース氏が運用する「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド」(運用資産13億ドル=約1400億円)は、3月に約250万ドルの純流入となり、昨年10月以来で初めて資金流出入がプラスとなった。ブルームバーグのデータで明らかになった。 債券やデリバティブを投資対象とする同ファンドの運用成績は、年初から4月7日まででプラス1.9%。グロース氏はパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)退社後、2014年10月に運用を開始した。 同ファンドの今年の運用成績はブルームバーグが集計する同種ファンドの90%を上回っており、モーニングスターが調査する非伝統的な債券ファンドの上位15%以内にある。グロース氏が14年10月6日に運用を引き継いでからのトータルリターンは約1%のプラス。 昨年10月は590万ドルの純流入だったが、11月は7400万ドル、12月は5700万ドル、今年1月は1480万ドル、2月は約230万ドルのそれぞれ純流出だった。 原題:Gross Investors Added $2.5 Million to Janus Fund in March (2)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5G03E6JTSE901 【インサイト】がっかり、悲惨、ひどい、悪い−1−3月の投資銀決算 Duncan Mavin 2016年4月11日 07:33 JST
がっかり。悲惨。ひどい。1−3月(第1四半期)の投資銀行の業績を形容するのにどの言葉を使ってもいいが、とにかく悪いということだ。 米銀勢を皮切りに、今週から決算発表が始まる。最もひどいのは恐らく、その後に控えるドイツ銀行とクレディ・スイス、バークレイズの欧州3行だろう。いずれも新しい最高経営責任者(CEO)の下で事業再編中だ。 顧客の活動が年初に活発になるため、1−3月は通常、投資銀行にとって最良の四半期だ。しかし今年は違う。金融市場の変動の激しさを前に大きな取引を試みる勇気ある顧客はほとんどいなかったと、バンカーらは語っている。 ブルームバーグのデータによれば、今年1−3月に発表された株式発行や売り出しの規模は前年同期の約半分となり、債券発行は7.6%減。米高利回り債の起債は54%減り、完了した合併・買収(M&A)は82%の急減だ。 債券・通貨トレーディングからの収入は金融危機以降減り続け、引き受けや助言業務の低迷を補うことはできない。バーンスティーンのアナリストらは同収入が2009年の半分以下になったと見積もっている。株式トレーディングからの収入も、2月の相場変動の影響で減った公算が大きい。1−3月の世界の1日平均株取引高は5.3%減少した。 ゴールドマン・サックスのアナリストらによれば、1−3月の投資銀行の収入は全体で前年同期比25%前後減ったもよう。 投資家は既に警告を受けている。バークレイズは1−3月の業績が前年同期を下回ると繰り返し予告しているし、JPモルガン・チェースは投資銀行の第1四半期収入が約25%減との見積もりを明らかにした。他の銀行もそれぞれさえない見通しを示しており、それに伴ってアナリストも判断を下方修正。ドイツ銀の通年の利益予想は今年に入ってから40%引き下げられた。 バークレイズ、クレディ・スイス、ドイツ銀の新CEOらは、不運な時期にそれぞれの銀行の立て直しに取り組むことになったものだ。 収入の落ち込みがコスト削減と資産圧縮を迫るが、これがさらなる減収を招く要因になる。その結果ひどい決算を発表すれば、長期的に持続可能なリターンを実現するために進展しているとアピールできない。3人のCEOは全力で、投資家の目を四半期決算の数字からそらせようとする一方、資産売却なりコスト削減なり、少しでもプラスのニュースにすがりつくだろう。しかし、投資家はこれら銀行の株式バリュエーションを既に何年ぶりかの低水準に押し下げている。過度な期待には水を差し、悪いニュースからは注意をそらすという戦術だけでは、これを反転させられない。 (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません) 原題:There’s Bad, Really Bad, and This Round of Bank Earnings: Gadfly(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-10/O5B7RQ6JTSED01
銀行の株主、配当要求が破壊を招く理由 国際決済銀行チーフエコノミスト、「銀行は配当を支払いすぎている」 英バークレイズは減配で投資家に立ち向かった銀行のひとつだ ENLARGE 英バークレイズは減配で投資家に立ち向かった銀行のひとつだ PHOTO: BLOOMBERG NEWS By PAUL J. DAVIES 2016 年 4 月 11 日 06:17 JST 配当に執着するのは株主にとってむしろ害になる。銀行セクターでは特にそうだ。 欧州の投資家は減配にひどく反応する。ただ、国際決済銀行(BIS)のチーフエコノミスト、ヒュン・ソン・シン氏によると、銀行は金融危機以降、配当を支払いすぎており、それが融資能力を損なわせて将来の収益機会を逃しているという。 欧州では複数の銀行が過去2年間に配当を減らし、投資家をたじろがせてきた。スペインのサンタンデール銀行が減配を発表した2015年1月、同行の株価は14%下落した。ドイツ銀行と英スタンダード・チャータードも昨秋の減配発表で株価がそれぞれ約7%下がった。英バークレイズは3月の減配で株価が8%安となった。 一部の銀行は配当の継続を約束する一方、バランスシート強化のため資本を増強してきた。つまり、これらの銀行は株主に出資を要請することで、一部資金を株主にただちに還元できるようにしてきた。クレディ・スイスは昨年10月、60億ドルの増資を発表する一方で配当の維持を約束したが、このときの同社の株価は1.5%の下落にとどまった。 2007年から14年における欧州の銀行90行の利益剰余金(青)と累積配当額(薄緑)(単位は10億ユーロ) ENLARGE 2007年から14年における欧州の銀行90行の利益剰余金(青)と累積配当額(薄緑)(単位は10億ユーロ) しかし、これらすべての事は、多くの銀行が必要な資本増強に苦戦する一方、一部の銀行は金融危機前から引き継ぎ、現在は業務の足かせになっている不良債権や流動性の乏しいエクスポージャーの処理に奮闘しているという状況下で起こっている。イタリアなどの国では、これは大手銀行にも中小銀行にも当てはまる。 シン氏によると、それは新規融資、あるいは自行の利益だけでなく経済全体に役立つような他の業務の遂行能力に影響を与えている。 シン氏は7日の講演で、「資本不足の銀行が弱い経済を永続させており、このために銀行の株価に圧力がかかり続けている点を考えると、多額の配当を支払うことで、幅広い公益は言うまでもなく、銀行の株主の集団的利益の向上にも支障が出ているのかもしれない」と話した。 シン氏によると、2007年以降、欧州の銀行は資本に加えられる利益剰余金とほぼ同額の配当を支払ってきた。フランス、イタリア、スペインの銀行の場合、配当支払い額は剰余金を超えていた。 減配を発表した大手4行の株価下落率 ENLARGE 減配を発表した大手4行の株価下落率 ここで全く勘違いされているのは、利益がボーナスや役員報酬に配分されない限り、銀行が積んだ剰余金は依然として株主に帰属するということだ。 株主はリターンについて、現金収益よりも有形資産の簿価の成長という形で見ており、資本増強によって銀行が業務を拡大して利益が増えるならば、これは株主にとってプラスになる一方だ。 明らかに、株主は株価上昇と現金収益を求めている。ただ、あらゆる状況で配当に過度な固執するのは愚かな考えのようにしか見えない。 関連記事 欧州銀行株、なぜ下がる 欧州株、回復遅れる理由とは 米大手銀行株は割安―FRB利上げ軌道修正でも 人気が続く安定配当株12銘柄 https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL164_divihe_G_20160407052802.jpg https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL165_divihe_G_20160407053023.jpg
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