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世界中で「爆買い」に走る中国人旅行者をどう利用する?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160411-00010002-dime-int
@DIME 4月11日(月)8時30分配信
日本には中国から大勢の観光客が訪れており、日本全国各地で彼らを見かけることができる。その結果、各地で大量の買い物をしていく「爆買い」が発生。ダイナミックな買い物に圧倒されるばかりだが、これは日本に限らず世界各地で起きている現象だ。
ユーロモニターは今回、「世界中で『爆買い』する中国人旅行者」に関する報告書を発表した。中国は、消費支出額において、2011年に日本を抜いて世界2位の規模になった。中間所得層の増加や人民元高により、国内・近隣国への旅行だけでなく、海外旅行を楽しむ人が急増。
また、中国人旅行客を受け入れる側の国々が相次いで、ビザ要件の緩和や、UnionPay(銀聯)カードの取り扱い店舗・ATMの増加、中国語対応可能な店員の配置などの受入体制を整えていることも、各国への中国人旅行者の流入を後押ししている。本報告書では、世界各国で中国人旅行者が何に消費を向け、各国がどのように彼らの需要に対応しているのかを取り上げるとともに、今後彼らの需要を取り込みたいと考えている行政や企業に求められる対応を解説。
また、既に変容を見せつつある中国人旅行者の旅行・消費スタイルにどのように対応していくべきかについても検討している。以下に、調査結果の概要をお伝えする。
■中国から見た国外への旅行者動向
地理的な近さとアトラクションの多さから、中国人にとっては香港とマカオが最もポピュラーな旅行先。しかし、税金の節約のために香港で大量の買い物をする中国人に反感が高まっていることや、中国政府がマカオのカジノ産業における違法な金銭取引を取り締まり始めたことから、中国人旅行者は他の地域にも足を向けるようになっている。
中国人にとって海外旅行先での主な消費は「買い物」。全世界平均で見た海外旅行先での消費は、1位が宿泊費、次いで飲食、買い物となっているのに対し、中国人の海外旅行での消費は「買い物」が圧倒的な割合を占め、次いで飲食となっている。最近中国政府により導入された「2.5日週末」運動(従業員に対し金曜の午後の休暇を与えた企業は政府からインセンティブをもらえる)などが後押しとなり、経済の低迷が懸念されている状況でも、中国国外への旅行者は今後も増加していくとみられる。
■中国人に大人気の観光地タイ
タイへの中国人旅行者の数は、2010年以降急増している。特に2012年に中国で公開された“Lost in Thailand”というコメディ映画が、中国人のタイへの関心を一気に高めることになった。この映画でタイの風景や文化が紹介されたことで、中国からの観光客が2012年から2013年にかけて1.6倍に急騰し、年間の中国人旅行者数が460万人を超えた。
タイの政府観光局 は、2015年には700万人を超えると予想している。観光はタイ経済において重要な位置付けにあり、2015年ではGDPの9%を占めている。この意味で、タイの経済は中国人旅行者に大きく依存していると言える。
タイにおける中国人の人気エリアは、買い物に便利なバンコク、“Lost in Thailand”の撮影場所であり大自然を楽しむことのできるチェンマイ、プーケットおよびその周辺の諸島。タイにおける中国人旅行者の一番の消費は「買い物」であり、中国国内の高い輸入関税を逃れて、バンコクで大量のブランド品が購入されている。
しかし、中国の経済状況の変化に伴い、社会的価値観も変化している。特に「Millennial(ミレニアル)世代」は、物よりも経験・体験、自己表現を重視する傾向にあり、彼らの消費が高級ブランド市場にも影響を与えている。上海にあるLouis Vuittonは、顧客がオーダーメイド製品の完成を待つためのプライベート空間を用意し、Christian Diorは顧客がファッションショーをバーチャルリアリティで楽しめるヘッドセット“Dior Eyes”を導入するなど、店内での買い物体験を充実させる取り組みを行っています。
中国経済の不透明な状況がありつつも、2015年11月にビザ要件が緩和されたことや、2020年には中国とタイを結ぶ鉄道が開通することなどから、引き続きタイは中国人にとって人気のある旅行先であり続けるだろう。
■中国人旅行者が急増しているアメリカ
2010年から2014年にかけて、米国を訪れる中国人旅行者の数は倍増した。買い物や食事、美術館や国立公園、ビーチ、テーマパークなど、旅行先として魅力ある場所が数多くあるだけでなく、ニューヨーク・サンフランシスコに在住する中国人(学生を含む)が多いことから、家族や友人を訪ねてくる人も増加している。
他国の例に漏れず、中国国内の高い輸入関税を逃れるため、Tiffanyなどの高級ブランド店が中国人旅行者で賑わっている。あらゆる高級ブランド店が、 北京語・広東語を話すことのできるスタッフの採用に力を入れているだけでなく、大手免税店チェーンのDFS Galleriaは、中国人旅行者に人気のある商品を分析し、商品ラインアップを入れ替える取り組みをしている。
Institute of International EducationのOpen Doorsレポートによると、2010年は米国に留学している中国人学生の数は127,628人でしたが、2015年には304,040人と倍以上に増加している。これは2015年に、米国で学ぶ留学生のうち31%を中国人が占めていることになる。今後も留学生の数が増加すれば、彼らを訪ねてくる家族や友人など、長期滞在型の旅行者が増えていくだろう。
■ヨーロッパで一番人気の旅行先フランス
ヨーロッパの中で中国人に一番人気のある旅行先はフランス。中でもパリは、HermesやLouis Vuitton、Christian Diorなどの高級ブランドの本拠地であり、フランスの経済が低迷する中、中国人旅行者による高級ブランド消費がフランス国内における高級ブランド品需要を大きく押し上げている。2010年にはフランスで購入されているバッグのうち、高級バッグの比率は50%以下(金額基準)だったが、2015年には 70%以上を占めるまで購入量が増えている。
今後も継続的に彼らの需要を捉えていくために、メーカーや小売業者は、中国語・UnionPayへの対応だけでなく、ファクトリーツアーやファッションショーへの招待など、贅沢な体験の提供や、各店舗での取り扱いラインアップ・在庫をオンラインで確認できるようにするなどのデジタル化対応が重要になってくるだろう。
■日本における「爆買い」をどう利用するか
日本への中国人旅行者数は年々増加しているが、2014年、2015年における増加は著しいものがある。日本政府観光局の発表によれば、2015 年には2014年の約2倍の500万人近くに達した。背景としては、円安や2015年1月のビザ要件緩和などが考えられるが、“Made in Japan”製品が引き続き根強い人気を誇っていることも大きく寄与している。
近年、中国人旅行者は、日本のOTC・ヘルスケア製品を大量に購入している。中国で人気のブロガーサイトに『神薬』として紹介された日本のOTC・ヘルスケア製品がSNS上で話題。いまや日本を訪れる中国人旅行者にとっては、必ず買い求めるべきものとなっており、各企業の業績に大きく貢献しています。
また、中国人旅行者が日本の紙オムツを大量に購入しているのは有名な話。日本では少子化によりオムツ需要が減少している中、この影響で2013年以降、紙オムツ市場は年々拡大している。中国経済が低迷しているとはいえ、日本政府が2020年のオリンピックに向け、海外からの旅行者誘致に力を入れていることから、当面の間、中国人旅行者需要は落ち込むことはないと思われる。しかし、いつかそのブームが去る時に向け、日本の製造業者は自社ブランドの中国人への認知向上に努めるべき時期に来ていると言える。
実際、日本を訪れている中国人は、全中国人口の2%に過ぎない。旅行者が日本製品を中国に持ち帰り、その評判とブランド認知を広めてくれれば、中国での自社製品の需要が高まる。同時に、将来的な現地生産を視野に入れ、“Made in China”となる自社製品の信頼性をいかに高めるか、という点に注力すれば、「爆買い」需要を中国本土でもつかむことができるだろう。
■ヘルシーな食品を求めてオーストラリアへ
オーストラリアへの外国人旅行者数で中国は、米国・イギリスを抜いて、ニュージーランドに次ぐ国となりました。また、2011年以降、主に中国人旅行者をターゲットとして、オーストラリア各地に高級ブランド店が店を並べるようになった。旅行者が増える中、彼らの消費も多様化している。中国人旅行者からの需要が急速に高まっているものの1つが粉ミルク。中国産の粉ミルクへの安全性の不安から、オーストラリアで大量に購入し、中国国内でインターネット販売を行う人が増加。スーパーマーケットやドラッグストアから在庫がなくなってしまうほど大量に購入され始めてしまい、国内向け供給が不足する事態となったことから大手2社は増産に踏み切った。
また、中国における食の安全性の不安や、オーストラリアの食のグリーンなブランドイメージから、オーストラリアから中国に輸出される生鮮食品は、 2005年から2014年にかけて、年平均17.6%のペースで増えています。個人の旅行者にも、オーストラリアブランドのビタミン剤やサプリメントが爆発的に売れている。しかし、生鮮食品やワインなどは、既に中国本土で偽造品が出回っており、食の安全は今後も難しい問題となりそうだ。
■変容する中国人旅行者の旅行・消費スタイル
中国経済の低迷、欧州各地でのテロ事件、ドル高などにもかかわらず、中国からの海外旅行者の数は減少の兆候を見せる気配がない。これには国民の所得 の増加が大きく関係している。中国では、海外旅行を志向する分岐点とされる年間可処分所得35,000ドルを超える世帯が、2015年の34百万世帯から、2030年には1億21百万にまで増えると予想されている。2030年には、国外への中国人旅行者数は、1億26百万人に達し、アメリカ、ドイツ、イギリスを抜いて、海外旅行者数で世界一になるだろう。
現在、中国政府が主要都市だけでなく地方都市の空港・航路の整備を進めていることから、今後は地方都市から海外に出て行く旅行者も増えるだろう。 その意味で、北京語・広東語を話せるスタッフの整備がますます重要になってくると考えられる。また、団体旅行に代わり個人旅行客も増加してくることから、オンライン予約の利便性向上なども重要になってくる。
そして、中国のスマートフォン契約数・モバイルインターネットユーザー数の伸びには驚くべきものがある。通信環境、Alipayなどの決済システム、WeChat(微信)への対応、顧客ニーズや嗜好に合わせた中国語での通知サービスなどの需要が、今後一層高まってくるものと予想される。旅慣れた旅行者が増えるにつれ、Airbnbなどのシェアリングエコノミーも中国人旅行者によって大きな選択肢の1つになってくるだろう。
@DIME編集部
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