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[ビジネスTODAY]ユニクロ値下げも客離れ 3月国内既存店 客数8.6%減
値上げ後遺症深く 企業の価格戦略、転機に
ファーストリテイリングが4日発表したカジュアル衣料品店「ユニクロ」の3月の国内既存店客数は前年同月比8.6%減だった。売上高も0.3%減と前年実績を3カ月ぶりに下回った。客足を回復させようと2月上旬から一部の商品を値下げしたが、2度の値上げで薄れた「低価格」イメージは簡単には取り戻せない。値上げの後遺症に悩まされる姿は企業の価格戦略が転機を迎えていることを映し出す。
「この商品は平日も週末も、毎日お買い求めやすい価格に見直しました」――。オックスフォードシャツやジャケット、チノパンなど定番商品の売り場に、こんな販促用の看板が並ぶ。ユニクロは2月上旬、一部商品を300〜1000円程度値下げした。
以前は金曜日にチラシを打ち、月曜日までの4日間、対象商品を値下げするセールを展開してきた。今はセールの対象商品や頻度を減らして数十品目を常時値下げしている。
柳井正会長兼社長ら幹部が値下げを決断したのは1月末とされる。商品タグの価格表記はそのままで実行に移した。商品タグと実際の価格の違いに消費者が混乱する懸念もあったが、あえて急いだのにはワケがある。
2014年に5%、15年に10%と2年連続で値上げしたユニクロ。原料高や急激な円安を受け「品質を維持するためには必要」(柳井氏)と考えた。賃上げが広がるなか、ある程度の値上げは消費者に受け入れられるとみていたが、客数の減少が止まらなくなった。昨年4月以降の1年間で、国内の既存店客数が前年実績を上回ったのはわずか3回にとどまる。
「このままの状態をよしとはしていません」。柳井氏は昨年末にこう話し、強い危機感を示していた。回復への切り札の一つが今回の値下げだ。
だが、一度他社に流れてしまった客を取り戻すのは容易ではない。ユニクロを利用していた30代のある男性は「値下げしたことを知らなかった」という。
機能やデザインで付加価値を高めた商品は、その分だけ値上げをしても客は逃げないはず。今回の値下げには、十分に付加価値を高められていない商品まで値上げした結果、客が離れてしまったとの反省もある。今後の価格戦略次第だが、今のところ消費者の間に「ユニクロは安くていい商品が並んでいる」というかつての印象が戻ったとは言い切れない。
ユニクロが値上げで失速している間にライバルは息を吹き返した。しまむらが4日発表した16年2月期の連結決算は3期ぶりに増益となり、3月の既存店売上高も11.8%増と好調だ。
しまむらの1商品あたりの単価は900円以下。客単価は2600円強にとどまり安い製品に強い。野中正人社長は「消費者は潜在的に安い製品を求めている」と業績回復の要因を説明する。
多くの企業で賃上げが抑えられるなか、消費者は品質と価格のバランスをこれまで以上に厳しく見極めるようになっている。外食や携帯電話でも値下げや割安な商品が広がっている。
アベノミクスのデフレ脱却と足並みがそろっていたユニクロの値上げだが、物価上昇を景気改善につなげる手法は行き詰まりも見える。3月の実績を底にできるかどうか。ユニクロの正念場が続く。
(岩戸寿)
[日経新聞4月5日朝刊P.11]
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