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世界の株式市場の復調は「本物」か?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48335
2016年04月04日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
■中国経済は回復基調だが…
年初来、不安定な展開を続けていた世界の株式市場は、ここにきて少しずつ安定した展開を示している。特に、2月半ば以降、米国の株式市場の上昇が顕著だ。中国の株式市場も、上海総合株価指数が節目の3,000ポイントを超えるなど、多くの投資家が徐々にリスクテイクに前向きになっているようだ。
その背景には、米国経済が予想以上に健闘していることや、中国経済の回復に目途が立ち始めていることがある。それに加えて、景気の先行きに悲観的だった投機筋が、売り持ちポジション=ショートポジションの買い戻していることがある。その意味では、投資資金の動きに支えられた一時的反発と言える。
そこに米国での低金利期待が加わり、多くの投資家が市場の流れに乗り始めている。
一方で、世界経済の先行きは依然として不透明な部分は多い。
年初来の金融市場を振り返ると、2月半ばまでは多くの投資家がリスク回避に動いた。その後、少しずつリスクテイクの方向に進んでいる。一方、実体経済に目を向けると、依然として不透明な要素が残っている。例えば、FRBの関係者は、ここへ来て先行きへの慎重さを強めている。
その中で、世界的に株価は上昇している。これは年初から2月中旬まで売り一辺倒だった世界の投資資金の流れ=マネーフローが変化したことに支えられている。そこに、米国での低金利継続への期待が加わり、多くの投資家のリスク許容度が回復している、ということだ。
それでも経済の基礎的条件=ファンダメンタルズを見ると、あまり強気にはなれない。株価は昨年夏場までのようには上昇しづらくなっていると見るべきだ。市場予想では米国の1〜3月期決算の一株利益は前年同期に比べ7%程度落ち込むと予想されている。これは前期よりも悪く、企業経営に対する逆風は高まっている。
その他の市場を見ると、アジアを中心に新興国の株式、通貨、債券価格は上昇している。気になることは、成長のドライバーである輸出が落ち込んでいるにもかかわらず、市場が強気になっていることだ。マネーフローの変化がリスクテイクを喚起し、それが市場全体に伝播した影響は大きい。
■結局、実体経済はまだまだ弱いということ
基本的に、足許の市場の動きにはもろい部分が多いと考えた方がよい。最大の問題は、市場が景気の動向よりも、マネーフローに振り回されてきたことだ。3月の米雇用統計、ISM製造業景気指数の改善は利上げへの期待を高め得る材料だった。しかし、米国の長期金利は横ばいとなり、株価は上昇、ドルは対円で下落した。
この動きは、マネーフローの市場回帰に支えられた投資家心理が、低金利を強く期待していることを示している。3月下旬、イエレンFRB議長が慎重な利上げスタンスを示したこともあり、市場は低金利が続くことを今まで以上に強く認識し始めているようだ。
ここで考えたいのは、FRBが世界経済の不透明感が高まる中での株高などに、配慮せざるを得なくなっているということだ。市場が経済情勢よりもお金の流れに影響されている中で、FRBにとって利上げの可能性を示すことは容易ではない。だからイエレン議長は海外経済や金融市場の不安定性に言及した。それは、投資家への注意喚起と考えるべきだ。
再度、ヘッジファンドなどが株式等の売却に動けば、市場の変動も大きくなりやすい。経済指標の改善が再度、米国での利上げ観測を高める場合も、金利上昇が進み株式市場への売り圧力は高まりやすい。足許の株価上昇が実体経済の強さを伴っていないだけに、先行き、金融市場が不安定に動きやすいことは考慮しておいた方がよいだろう。
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