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新しく日本郵政の社長に就任した西室泰三氏〔PHOTO〕gettyimages
有力経営者たちが日本郵政を敬遠する2つの理由 社長人事のウラ側
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48288
2016年04月02日(土) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■政権交代時でのすったもんだ
紆余曲折を経て、日本郵政の社長交代が決まった。4月1日付で、西室泰三社長に代わり、ゆうちょ銀行社長の長門正貢氏がトップに就く。
健康上の理由で西室氏が2月に入院して以降、総務省事務次官経験者の鈴木康雄・日本郵政副社長が社長代行を務めていた。政府内では鈴木氏の経営手腕はそれなりに評価されていたが、「民営化」にふさわしい民間人にこだわり、長門氏を起用することになった。
だが実は、長門氏に決まる前、水面下では有力企業のトップ経験者などを模索していたという。この調整が難航したため、結局は長門氏に落ち着いたのだ。
企業のトップ経験者が、日本郵政の社長を避けたのはなぜだろうか。
まず、日本郵政がこれまで政治に左右されてきたからだ。小泉政権時代に民営化が決まり、日本郵政ができた。社長は三井住友銀行から西川善文氏を迎えた。
ところが、'09年9月に政権交代が起きると、民主党と連立していた国民新党の意向によって、郵政民営化から再国有化へ政策転換。金融2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)の株式を政府が一定割合保有し、経営体制が見直された。
人事では、社長であった西川善文氏を始めとした民間人を追い出し、旧大蔵省出身の斎藤次郎氏など、官僚OBを社長などにあてた。いわゆる天下り人事である。
西川氏は、本格的な経営者だった。聞くところによると、出身の住友銀行などから30名程度のチームを組み、日本郵政へとやってきたらしい。腹心の部下がいなければ、巨大企業である郵政グループを掌握して経営を主導するのは不可能であると知っていたからだ。
ただその分、追い出されたときは大変だったはずだ。西川氏は更迭された際、自分が連れてきた部下たちが路頭に迷わないよう、全員の再就職を手配した。
実力者である西川氏だからなんとかできたが、これは誰でもできることではない。この騒動は広く民間経営者に知られたので、「マトモ」な経営者であればあるほど、日本郵政を敬遠するようになったのだ。
政の社長が民間経営者から避けられた理由はもう一つある。民主党の再国有化によって、日本郵政はつまらない会社になってしまったことだ。
政府は実質的に日本郵政の株式を保有しているため、経営に関与し続けている。政府が関与する企業に、魅力を感じる経営者はいない。また政府にも、旧来の体制をぶち壊そうとする経営者を起用できるだけの度量はない。
はっきり言ってしまえば、世界の基準からすれば、郵政は「民間会社」ではない。そのため、チャレンジのできない、夢のない会社である。
それに、完全な民間企業なら民間と同じ土俵で勝負できるが、再国有化されているので、民間とのバランスから規制が残る。これでは、どんな優れた経営者でも、アイディアがあっても、経営者は力を発揮できない。手足を縛られて泳げと言われるようなモノだ。
こうした理由から、民間から日本郵政の社長になりたいという人はほとんどいなかったのだ。後任の長門氏も、嫌な役を押しつけられたと思っているかもしれない。
『週刊現代』2016年4月9日号より
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