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ザ・フライング・ダイナソー(「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン HP」より)
USJ、うつぶせジェットコースターに客殺到…破綻から十年、なぜ必ず楽しめる施設に変貌
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14413.html
2016.03.26 文=松崎隆司/経済ジャーナリスト Business Journal
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は3月18日、「リ・ボーン!さあ、やり過ぎよう、生き返ろう」をテーマにした15周年イベントをスタートさせた。
図らずも2015年11月にはグレン・ガンペル氏が社長を退任し、ユニバーサル・パークス&リゾーツ(UPR)のジャン・ルイ・ボニエ CFOが就任。主要株主はゴールドマン・サックスなどから51%の株式をUPRの親会社で米国メディア大手のコムキャストが15億ドル(約1830億円)で取得。USJの経営体制もリ・ボーンした。
そんなUSJを体現したような「リ・ボーン」イベント。目玉の新アトラクション「ザ・フライング・ダイナソー」には来場者が殺到、わずか1時間弱で受け付けを終了した。2015年度の来場者数は史上最高の1370万人に達する見通し。16年度はさらにその勢いを増しているようだ。
なぜUSJはこれほど急成長を遂げることができたのか。
「矢継ぎ早に新しいアトラクションを打ち出し、顧客を引き付ける。あそこに行けば必ず楽しめるという思いを印象づけることで、それがブランドとなり、リピーターを呼んでいるのではないでしょうか」(エンターテイメント業界関係者)
■破綻と再生
ユー・エス・ジェイは01年3月、 テーマパークのUSJを開業させ、初年度の来場者数は1102万9000人と世界で最も早く1000万人超えを実現したが、 事故などで業績が悪化、02年度は764万人にまで激減した。04年には事実上の破綻に陥っている。そのとき米国ユニバーサルから招聘され社長に就任したのがグレン・ガンペル氏だった。
当時の改革についてガンペルは08年8月、筆者のインタビューで次のように語っている。
「リファイナンス(借入金の借り換え)を実行するのと同時にコスト構造の見直しを進めていかなければなりませんでした。業績を重視しないというこれまでの企業風土も、業績を重視し株主価値を高めるという企業風土に変えていかなければなりませんでした。さらにテーマパークのポジショニングの変更も必要だと考えました。必要な客層、コアターゲットをしっかりとおさえていくためにはターゲット層を変更していく必要があったからです」(出典は以下:
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/person/interview/080805_usj1/)
ガンペルはゴールドマン・サックスからの資金調達に成功、さらにクロスファンクショナルチームなどを組織して、社内の問題点を洗い出し改革を実行。07年3月には東京証券取引所マザーズへ上場を果たした。09年5月にはSGインベストメンツによるTOBが成立し、09年9月に東京証券取引所マザーズ上場を廃止した。
■イノベーション・フレームワーク
来場者数は07年のマザーズ上場後も800万人台で頭打ちの状態が続き、700万人台の前半まで減少した。このようななかでUSJ復活の期待を託されたのが森岡毅氏だ。
森岡氏は神戸大学経営学部を卒業後に、P&Gの日本ヴィタルサスーン、北米パンテーンのブランド・マネージャー、ヘアケアカテゴリーのアソシエイトマーケティングマディレクターやウエラジャパンの副社長などを経て、10年にユー・エス・ジェイに入社。12年からはチーフマーケティングオフィサー、執行役員、本部長を務めている。
森岡氏は2011年の東日本大震災の自粛ムードで来場者が激減した時には、大阪府と組み関西の子供を無料でパークに招待する「スマイル・キッズ・フリー・パス」を実施。それが呼び水となって来場者が急増した。さらに12年にはそれまでUSJが弱いといわれたファミリー層の集客を強化するため「ユニバーサル・ワンダーランド」を建設。13年には人気ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」を後ろ向きに走らせるという逆転の発想で、予算をかけずに大きな集客を生むことに成功した。14年7月には 新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープン、USJは不動の人気を確立したといっても過言ではないだろう。
こうした成功の秘訣はなんだったのだろうか。森岡氏は自著『USJのジェットコースターは後ろ向きに走ったのか?』(KADOKAWA/角川書店)によると、実はアイデアの発想法があるという。「イノベーション・フレームワーク」だ。
これは、以下の4つから構成される。
・フレームワーク(目的にあった条件設定)
・リアプライ(アイデアの転用)
・ストック(知識、経験の蓄積)
・コミットメント(必死に考え続ける)
そして森岡氏は「3段ロケット」と称して、次の3つの実現に向けて取り組んだという。
(1)家族連れ顧客の取り込み
(2)関西依存の集客構造からの脱却
(3)会社のノウハウを複数の場所に展開する構想
では15週年を迎え、USJはどう変わるのか。3月16日にはプレスレビューが行われ、「ザ・フライング・ダイナソー」の公開と試乗とユニバーサル・リ・ボーン・パレードが行われた。ザ・フライング・ダイナソーは世界最長で世界最大の高低差。しかもうつぶせに乗車するため、これまでのジェットコースターでは絶対見ることのできない景色や浮遊感を体験できる。
実際に乗ってみると、かなりの迫力で次々に景色が目に飛び込んでくる。しかもそのスピード感は自分が飛んでいるかのような錯覚さえ覚え、時には体に大きな重力を感じる。まったく新しい形のジェットコースターだといっていいだろう。
またパレードもただ見るだけではない。泡や紙吹雪が飛び交い、客も一体となって盛り上げられるような演出がほどこされる。
15周年を迎え生まれ変わろうとしているUSJ。果たしてどこまでその人気を高めていけるのか。挑戦は続く。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
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