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30代の平均貯金額は380万円…年収3百万でも無理せず2千万貯金する方法
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14415.html
2016.03.26 文=新田龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト Business Journal
金融広報中央委員会の調査によると、30代の平均貯蓄額は約380万円。500万円以上の貯蓄を持つ人が全体の2割いる一方で、まったく貯蓄がないという人も3割弱存在している状態です。40代の平均貯蓄額は30代のほぼ倍になりますから、30代は貯蓄がある人とない人の差が開き始める時期であり、格差を埋めるための最後のチャンスの時期であるともいえるでしょう。
「給料が安いから貯金なんて無理」と考えている人は、残念ながら思考停止しています。貯蓄と収入に関連性はほぼありません。実際に私の周囲でも、年収300万円台ながら1000万円以上の貯金を持っている人もいれば、年収1500万円を超えていながら、貯金がほぼゼロの人もいます。大切なのは「意識」と「仕組み」です。
まず意識についてですが、これまでは「老後の生活資金」など考えもしなかったことでしょうが、30代ともなればそろそろ逆算を始めておくべきです。定年となる年齢や年金、退職金がどれくらいになるかによって試算はさまざまなのですが、準備しておくべき金額として余裕をもって1億円、切り詰めた生活を覚悟するとしても2000万円は必要といわれていますので、その前提で今からどれくらい貯金しておくべきか考え、実践していかなくてはなりません。
「いずれ給料が上がったら」と期待するのは、問題を先送りしているだけです。いつ勤めている会社が倒産したり、リストラに遭ったり、一気に給料が下がったりするかわかりませんし、事故や病気等で健康に働けなくなる可能性もあります。
筆者もまさに、「まあ、いずれなんとかなるだろう」と意識がずっと弱いままでした。年収の2年分くらいの貯金はありましたし、独立もしていたので、リストラなども他人事と考えていたのです。
しかし、ある出来事をきっかけに状況は180度変わりました。本当にドラマのような話なのですが、信頼していた経営者の失踪によって、連帯保証人になっていた借金が全部自分のところにきてしまったのです。貯金は全部消えてしまい、月々返済する生活がスタートしました。その時から、喫緊の課題として貯蓄せざるを得なくなってしまいました。
その出来事をきっかけに、自分自身の支出のムダの見直しと、自分に合った貯蓄方法を検討しはじめました。それが2つめのポイントである「仕組み」ですね。
■先取り貯蓄
筆者は目の前に使えるお金が入ってくると、「自分へのご褒美」名目でつい美味しいものを食べたり、買い物をしたりしてしまいがちな人間です。お金をためる意志そのものが弱いことは自覚していたので、そこに意志を介在させない仕組みを強制的に入れました。
それが「先取り貯蓄」です。すなわち、給与から天引きで貯金してしまうのですね。自分の意志とは関係なしに引き落とされていきますし、解約手続が面倒なので、勝手に貯蓄が増えていって便利です。
筆者の場合は、給与口座からの自動引き落としで投資信託に積立投資をするかたちにしていますが、銀行口座からの積立でも、定期口座に移すようなものでも、「自動」であればなんでもOKです。月々3万円の積立でも3年で100万円になりますので、ボーナスなどとも併用すれば、定年までには2000万円くらいの貯蓄はできるはずです。
また、手元に100万円があれば、急なリストラでも転職活動に専念できるくらいの生活費にはなりますし、さらに投資に踏み込んでいく際の原資にもなりますから、安心材料といえるでしょう。
■固定費を見直す
また筆者の場合、細かい支出をケチケチしてむなしい気分になるのはイヤだったので、節約術のようなものには興味がありません。しかし、意識せずに支払っている固定費については、工夫次第で大きくカットできるものがありますので、見直してみるのもよいでしょう。
持ち家の場合は、住宅ローンを繰り上げ返済することで、金利の支払いを低廉に抑えられます。賃貸住まいの人でも、公営住宅や特定有料賃貸住宅など、安い家賃で高品質な住居を借りられる制度がありますので、利用できないか検討してみましょう。
保険料についても、義理で契約したものや何年も入りっぱなしのものの保障内容を見直すことで、保険料を節約できるケースがあります。私の場合、貯蓄性のある生命保険に入っていましたが、その分保険料も高いため、掛け捨てと割り切って定期保険に切り替えました。また、割安な年一括払いを選択したりもしています。
できることはほかにもいろいろあります。この機会に見直してみてください。
(文=新田龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト)
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