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マイナス金利がだめ押し?「円高・株安」でアベノミクスはもう限界(プレジデント)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/756.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 23 日 14:16:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

マイナス金利がだめ押し?「円高・株安」でアベノミクスはもう限界
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160323-00017618-president-bus_all
プレジデント 3月23日(水)12時15分配信


■デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる

 年始からの歴史的な金融市場に翻弄され、「アベノミクス信者」に変化が現れている。中国をはじめ海外経済の減速を前に「日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は悪くない」と冷静に装ってきたが、いまだ低空飛行を続ける個人消費を目の当たりにして動揺が走っているのだ。「円安・株高→企業収益の改善→雇用・所得環境の向上→消費の回復……」という経済の好循環シナリオに狂いが生じ、首相ブレーンからもアベノミクスの「誤算」を認める声が漏れ始めている。

 「今から言うと、言い訳に聞こえるかもしれないが、ここまでひどいとは思わなかった」

 アベノミクスの生みの親である首相の経済政策ブレーンの1人はこう打ち明ける。そもそもアベノミクスの根幹にあったのは「デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる」というものだ。だが、実際は理論通りにいっておらず、各種の経済指標が発表されるたびに首相官邸内は重苦しい雰囲気に包まれている。

 安倍晋三政権は2013年春にリフレ派の黒田東彦氏を日銀総裁に起用し、「異次元緩和」で円安・株高を誘因。企業収益は過去最高に達し、雇用環境はバブル期以来の良好な指標が並ぶようになった。基本給を底上げするベースアップ(ベア)も相次ぎ、所得環境も改善が見られてきている。

 だが、肝である個人消費の低迷は深刻で、15年10〜12月期の国内総生産(GDP)は再びマイナス成長に転落した。1月の消費支出(2人以上世帯)を見ても、物価変動を除いた実質で前年同月比3.1%減と5カ月連続で前年同月を下回っており、消費の不振は鮮明だ。

 その理由について、エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与は14年4月の消費税増税が「思った以上に効いている」と見る。本田悦朗内閣官房参与は「消費税率の8%への引き上げは間違えていた」との立場で、アベノミクスに誤算が生じていることを率直に認めるようになった。

■羅針盤を失ったアベノミクスの誤算

 政府内には、人口構造の変化や消費を引っ張る中間層が弱くなったと原因を分析する声があがるが、何より社会保障制度など将来への不安感から国民に節約志向が強まっている点は否めない。首相は「信頼する経済ブレーンの計算間違いには失望も大きかった」(首相側近)とされる。通常国会では野党側から「アベノミクスはすでに破綻している」などと繰り返し追及されており、首相が答えに窮する場面も見られるようになった。

 アベノミクス推進派の亀裂が意味するのは「羅針盤」の喪失だ。本田内閣官房参与は、来年4月に予定される消費税率10%への再引き上げは凍結すべきだと主張。インフレ率が2%程度で安定し、デフレ脱却が確実になるまでの間、増税実施は不必要との持論を展開している。これに呼応したのは政権の大番頭である菅義偉官房長官で、「税率を上げて税収が上がらないようなところで、消費税を上げるということはありえない」と後押しした。

 だが、麻生太郎財務相に加えて、安倍首相は税率引き上げを予定通り実施する考えを繰り返し強調している。3月2日の参院予算委員会では「リーマンショックあるいは大震災級の事態にならなければ予定通り引き上げる」と明言し、増税先送りの憶測を否定してみせた。

 これまで首相はブレーンの進言を丁寧に聞き、閣内の意見調整を踏まえた上で最終決断するスタイルを重ねてきた。だが、ブレーンへの不信に加えて閣内の要だった甘利明前経済再生担当相が退場し、そのバランスは安定感を失っている。関係閣僚が有識者と世界経済の動向を分析する「国際金融経済分析会合」を新設し、政府の外からの意見をあえて採り入れるとの考えはその現れでもある。

 今年夏の衆参ダブル選挙が濃厚になる中、消費税再増税の延期をその大義とするのか。それともダブル選は回避し、再増税を断行するサプライズに出るのか。羅針盤を失ったアベノミクスの限界が近づいてきている。

 

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コメント
 
1. 2016年3月23日 16:53:50 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[848]

 マイナス金利は 方向性としては正しい

 マイナス金利 => 赤字国債 => BI  までいかないと 効果は出ない
 
 ===

 スイスを 見習いましょう!!
 


2. 2016年3月23日 17:49:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[383]


Business | 2016年 03月 23日 17:27 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
マイナス金利政策に経済効果、過熱感出ないか注視=布野日銀委員

[神戸市 23日 ロイター] - 日銀の布野幸利審議委員は23日、兵庫県・神戸市内で会見し、1月に導入を決めたマイナス金利付き量的・質的金融緩和(マイナス金利付きQQE)が実体経済にも効果を及ぼしているとの認識を示した。

一方、経済に過熱感が出てこないか注視する必要があると語った。

<設備投資・賃上げにも効果>

日銀はマイナス金利政策を導入した理由について、新興国経済の不透明感や金融市場の不安定化などを背景に、デフレマインドの転換が遅れるリスクの顕在化を未然に防ぐためと説明している。

その後も金融市場の不安定な状況が続いているが、布野委員は、マイナス金利政策の導入によって「(経済・物価の)いい循環を担保して保つことに効果があった」と断言。実体経済にも効果が出ているとの認識を示した。

さらに「企業が収益を試算する際に、金利動向は大きなファクターだ」と企業収益へのプラス効果を挙げるとともに、金利全体を押し下げたことで「間違いなく設備投資を促す。まったく疑っていない」と投資や賃上げへの効果に自信を示した。

一方、「実体経済にいろいろな意味で過熱感が出てくる事態はよくない」と指摘。現時点で問題は起きていないとしながらも、「今後、過熱感がどこに出てくるか、ウオッチしていかないといけない」と警戒感もにじませた。

<先行き予断許さず、状況みて3次元で対応>

今後の金融政策運営については、マイナス金利政策の導入によって経済の好循環が維持されているとしたものの、「経済は生き物。どういう状況が起きるか予断を許さない面があり、先入観を持たずに判断していきたい」と指摘。リスクが顕在化するおそれが高まる場合には「ちゅうちょなく政策を打ち出していく」と語った。

その際の手段は「量・質・金利の3次元をどのようなミックスで、どのようなかたちでやっていくかは、環境をみながら、その時々で判断していく」と述べるにとどめた。

マイナス金利政策は金融機関収益への影響や世間の理解がなかなか深まらないなどの問題点が指摘されているが、「評判をみて金融政策を展開しているわけではない。効果を意図してやっている」と主張。マイナス金利幅拡大の限度については、事前に判断できるものではないとしたが、「どこまでも下げられるものではない」とも語った。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/boj-funo-idJPKCN0WP0NW?sp=true

空から金のヘリコプターマネーにわかに注目−中銀直接引き受け可能か
Simon Kennedy
2016年3月23日 12:56 JST

シティとHSBC、コメルツ銀が相次ぎリポート
度重なる利下げと資産購入にもかかわらずインフレはなお弱い

度重なる利下げと12兆ドル(約1347兆円)の資産購入が世界的な金融危機以降に行われたにもかかわらず、インフレの針を十分前に進ませることができない中央銀行は、未踏の領域にさらに深く歩を進める必要があるかもしれない。

  世界をディスインフレから脱却させる新たな手段は、中銀による政府の景気刺激策の直接ファイナンス、すなわちノーベル経済学受賞者のミルトン・フリードマン氏が1969年に提唱した「ヘリコプターマネー」と呼ばれる戦略が鍵を握っている可能性がある。

  シティグループとHSBCホールディングス、コメルツ銀行のエコノミストは、ヘリコプターマネーをテーマとする投資家向けリポートを過去2週間以内に相次いで公表した。世界最大規模のヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏もこのアイデアが可能性を秘めていると考える。さらに欧州中央銀行(ECB)当局者の間でも、ドラギ総裁が「非常に興味深い考え」と呼ぶコンセプトについて既に論争が行われている。

  オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ガブリエル・スタイン氏(ロンドン在勤)は「『ヘリコプターマネー』が次に試みられる特効薬(シルバーブレット)かどうか確かなところは分からないが、このトピックは予想よりかなりの注目を集めている。どこかで何らかの形で実行される可能性はかなり高いのではないか」と指摘する。

  新たな手段の発動余地がいずれもなくなりつつある金融・財政政策を融合するヘリコプターマネーの理論は、現代社会において主要国が試みた例はない。銀行が現在果たしているような制約を伴う通常の仲介機能を経由せず、財政事情が苦しい政府が中銀に短期国債を直接売却することで、減税または歳出プログラムを通じて実体経済に増発された貨幣を投入することが想定されている。

  ブリッジウォーターのダリオ氏も3日のブルームバーグとのテレビインタビューで、「われわれのリスクはインフレでも景気の過熱でもない。消費する人々にさらに直接的に働き掛ける必要が出てくるだろう」と語った。

原題:Billions From Heaven? ‘Helicopter Money’ Option Wins Fans(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4H16G6K50XV01


FX Forum | 2016年 03月 23日 15:54 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:日米欧中銀、市場との対話に潜む罠=永井靖敏
大和証券 チーフエコノミスト
[東京 23日] - 3月に開催された日米欧中央銀行の金融政策決定会合が市場に与えた影響から、各中銀の特徴が浮き彫りになっている。

欧州中銀(ECB)は、期待以上の行動をしたものの、ドラギ総裁が記者会見で追加利下げに慎重な見方を示したことで、影響を打ち消してしまったと批判されている。日銀は、ほぼコンセンサス通り現状維持の決定を行ったが、サプライズを期待した一部の市場参加者からの失望を誘った。米連邦準備理事会(FRB)は、景況感については強気の姿勢を維持しながらも、利上げ見通し(適正値)を市場に近づけたことで、市場に配慮したと評価されている。

各中銀の対応は、市場との対話に対する考え方に由来しているようだ。ECBの金融政策は、伝統的に有言実行型だ。2012年7月の「ドラギマジック」で、ユーロ危機の鎮静化につながった記憶から、「大言壮語型」という印象を持つ人も少なくないが、「何でもする」とした当時の発言は、「ユーロを守るために責務の範囲内で何でもする用意がある」という当たり前の発言だった。

ECBの場合、政策運営を発動する前に、各国間の調整が求められる。ドラギ総裁の発言後にECBの内部から強い反対意見が出てくると、ユーロ危機の再来につながる恐れもある。ドラギ総裁の発言は、出来ることと出来ないことを明確にすることで、ECBメンバーの意思の統一性を示す狙いがあったと思われる。

<日銀はサプライズ政策の問題点が表面化>

一方、日銀は黒田総裁就任以降、「サプライズ重視型」の政策を実施した。一時的にせよ市場にプラスの影響を与えることで、好循環発生のきっかけになること、サプライズを繰り返すことで、さらなる緩和期待が醸成され、これが市場や実体経済にもプラスの影響を与えることを期待している模様だ。

日銀は、安倍政権から強い後押しを受けて、積極的な金融緩和を行っている。損失発生リスクのある資産を購入することや、損失発生が避けられないマイナス金利の国債を購入することは、日銀の「責務の範囲」を逸脱している可能性はあるが、政府は容認している。使えるものは何でも使うべきという発想なら、サプライズ効果を用いることも正当化できる。

ただし、ここにきて「サプライズ重視型」の政策運営の問題点が、浮き彫りになりつつある。具体的には、市場の期待がエスカレートしたり、政策運営の予見可能性が低下したりすることなどであり、前者については、一部で浮上した3月の追加緩和観測にもつながった。市場は利下げを中心軸とした追加緩和が実施されると予想しており、日銀が今後、「サプライズを伴わない」利下げを行っても、失望を誘う恐れがある。

問題表面化の背景には、結果として長期戦に移行したことがある。短期決戦なら、期待のエスカレートの問題は生じない。例えば、金融危機対応なら、市場の期待以上の行動が正当化される。物価安定目標達成に向けた取り組みも、当初「2年程度を目途」にした「短期決戦型」だった。日銀は依然として早期実現を目指しているが、時間とともに「サプライズ重視型」の問題が拡大しているようだ。

また、後者の予見可能性の低下については、市場の不安定化につながる点に加え、政策効果や議論が曖昧になるという問題もある。すでにエスカレートした緩和予想による効果を利用した政策運営を行っているため、実際に行った政策効果の抽出・分析を行えない状態にある。

さらに、日銀の政策に対する「予想」と「あるべき論」の議論の垣根が曖昧になるという問題も派生する。日銀の独立性が確保されていれば大きな問題ではないが、黒田総裁就任後、政府と日銀は一体となって物価安定目標の早期実現に向けた取り組みを行う方針を示した。このため、市場からのメッセージを真摯に受け止めて行動すべきという政府からの要請に逆らえなくなる恐れがある。予見可能性低下は、「日銀の金融政策は予想しにくい」というエコノミストの「愚痴」以上の大きな問題だ。

<米FRBは市場への過大な配慮がリスクに>

米国について、日欧と金融政策の方向性が異なることから、同じ土俵で議論することはできないが、「市場配慮型」だ。予想外のタイミングでの利上げは、市場の波乱につながる恐れがある。実際にインフレが加速すれば別だが、物価上昇の「合理的な確信」しかない状況下で、市場の予想を上回るペースでの利上げに慎重になる政策運営は「現実的」と評価できる。

ただし、市場の判断が正しいとは必ずしも言えない。世界的な金利低下圧力が米国に波及し、結果として、市場の利上げ織り込み度合いが低下している可能性もあるためだ。05年3月にバーナンキFRB理事(当時)が指摘した世界的な過剰貯蓄が、米金利の低下をもたらしているかもしれない。

金利低下が、世界的な物価押し下げ圧力が波及した結果なら正しい判断だが、2月のコア消費者物価は前年比プラス2.3%まで上昇している。FRBが、声明文で景気の認識を上方修正したように、米国内の経済状況だけに注目すると、利上げ回数を、昨年12月時点の4回から2回に下方修正する理由は見当たらない。

声明文で、世界経済と金融動向のリスクを指摘したが、これまでFRBは基本的に国内経済・物価動向に焦点を絞った政策運営をしてきた。物価の押し上げについては、日欧の中銀が実施した非伝統的な政策の効果が証明されていない半面、物価の押し下げに対しては、利上げという伝統的な手段が確保されている。物価コントロールに対する政策運営手段の非対称性がインフレ下方リスクへの警戒感を強め、これが自らの判断に基づく政策運営の障壁になっている可能性がある。市場への過大な配慮が、今後の政策運営方針の急変につながるリスクを、念頭に置く必要があるだろう。

日米欧の金融政策に対する評価は、後に修正される可能性もありそうだ。

*永井靖敏氏は、大和証券金融市場調査部のチーフエコノミスト。山一証券経済研究所、日本経済研究センター、大和総研、財務省で経済、市場動向を分析。1986年東京大学教養学部卒。2012年10月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasutoshi-nagai-idJPKCN0WP0FA



Business | 2016年 03月 23日 12:32 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 デフレ脱却へ金融緩和手段総動員、影響も目配り=布野日銀審議委員
[神戸市 23日 ロイター] - 日銀の布野幸利審議委員は23日、兵庫県・神戸市内で講演し、現行のマイナス金利付き量的・質的金融緩和政策(マイナス金利付きQQE)のもとで量・質・金利のすべての手段を動員して金融緩和を推進する、と語った。金融緩和の影響への目配りや、バランスのとれた経済成長を維持することも必要との見解を示した。

布野委員は「日本経済の将来のためには、長きにわたりデフレが続いてきた中で定着してしまったデフレマインドを払拭する必要がある」と訴えた。

日銀が掲げる物価2%目標の実現には「なお道半ば」と指摘。金融緩和に伴うさまざまな影響への目配りが必要としながらも、1月に導入を決めたマイナス金利付きQQEの着実な推進が重要との認識を示した。

そのうえで「物価の上昇とともに賃金も増えていくなど、経済全体がバランスのとれた好循環を維持するなかで、物価目標を達成していく必要がある」とし、今後の金融政策運営について「量・質・金利の3つの次元の緩和手段をすべて動員して、しっかりと金融緩和を推進していきたい」と語った。

布野委員は経済・物価を見通すうえでの留意点として、雇用所得環境や輸出・設備投資・物価動向に言及。このうち賃金については、先行きも労働需給は改善を続ける可能性が高いとし、「労働需給が引き締まり、予想物価上昇率の高まりが明確になるにつれて、賃金には基調的な上昇圧力がかかっていく」との見方を示した。

もっとも企業収益が高水準にあり、失業率が3%台前半まで低下していることを踏まえれば「これまでのところ賃金の改善の程度は幾分鈍く、労働分配率も低下傾向を続けている」とし、留意が必要と指摘した。

また、企業の設備投資スタンスは次第に積極化していくとしながらも、最近の国際金融市場におけるリスク回避行動が「企業マインドひいては企業の設備投資姿勢に与える影響にも十分留意していく必要がある」と語った。

布野委員は長期的な日本の課題として成長力の強化が重要と強調。ゼロ%台前半ともいわれる日本の潜在成長率を引き上げるには、企業の投資行動や生産性の向上など「企業の努力がまず重要」と指摘。政府による成長戦略の推進に加え、日銀による貸出支援制度などの有効活用により、「成長力強化に向けた取り組みが一層進捗することを強く期待している」とした。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/boj-funo-idJPKCN0WP08O


金融緩和の効果、為替より債券に注目を

中銀の政策効果は薄れているのだろうか(写真は日銀の黒田総裁) PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
MIKE BIRD
2016 年 3 月 23 日 11:25 JST
 「金融政策の景気刺激効果は一段と薄れ、中央銀行の影響力は失われつつある」。最近よく耳にすることだ。
 しかし、中銀ウォッチャーは政策の効果を見るうえで、注目すべき対象を間違えてはいないだろうか。試しに債券市場を見てみよう。
 今年に入って欧州と日本の金融緩和策は為替相場に大きな影響を及ぼしておらず、円とユーロはいずれもドルに対し上昇している。
 日本銀行と欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利を導入しており、ECBに至っては量的緩和策を強化したにも関わらずこうした状況になっている。22日にはハンガリーの中央銀行も翌日物預金金利を0.1%からマイナス0.05%へ引き下げ、マイナス金利政策の仲間入りをした。
 金融緩和策は通常、その国の通貨の価値を引き下げる。この通貨安こそ、インフレ率を現在の低水準から引き上げようとする場合に日銀とECBが必要としているものだ。
 金融緩和でも為替が反応しない理由は依然として謎だ。しかし、緩和策が全く影響していないわけではない。日本の国債市場と欧州の社債市場では大きな動きがあった。
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中銀政策と為替相場の推移(水色:円・ドル、赤:ユーロ・ドル)
 日本では日銀の追加緩和策発表以来、40年物国債の価格が急騰し、約40%も上昇したため利回りは年初の約1.5%から現在は0.5%まで下落した。金融緩和策が投資家をより長期の債券購入へと駆り立てた。満期の短い債券のリターンが極めて小さくなってしまったからだ。
 欧州では2月に債券市場で混乱が生じたが、ECBが投資適格級社債の購入計画を発表してからはこれが完全に終息した。
 ユーロ圏周縁国の債券で構成されるバンクオブアメリカ・メリルリンチの社債指数の平均利回りは1年ぶり低水準となり、ほぼ過去最低にまで接近している。こうした周縁国は、欧州債務危機の際に最も起債が困難だった。
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中銀政策と債券利回りの推移(青:40年物日本国債利回り、緑:メリルリンチのユーロ圏周縁国社債利回り指数)
 企業の資金調達が容易になれば借り入れや投資を促進することになり、中小企業への波及効果も見込める。大企業が借り入れやすくなることで、セクター内でのこうした企業による融資力が向上する。
 投資家の多くは、市場に対する中銀の影響力は低下しているのかという疑問を抱いているが、考えるべき疑問はもう一つある。それは、影響を評価するうえで投資家は正しい市場を見ているのだろうか、という疑問だ。
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http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NE392_euroye_M_20160321110937.jpg 
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NF037_Easing_M_20160322121155.jpg 

クレディ・スイス、2000人を追加削減へ−経費節減の拡大目指す
Jeffrey Vogeli
2016年3月23日 15:30 JST

スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループは、追加の人員削減を実施し、経費節減を加速させる計画を明らかにした。
Credit Suisse
Credit Suisse Photographer: Fabrice Coffrini/AFP via Getty Images
  23日の発表によると、同行はグローバル市場のリスク加重資産を約600億ドル(約6兆7400億円)に圧縮し、2000人を追加削減する。リスク加重資産はこれまで約830億ドルへの圧縮を目指していた。
  ティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)は昨年10月に戦略見直しを発表したが、投資家の信頼回復は思うように進んでいない。
原題:Credit Suisse Targets More Cost Savings, Increases Trading Cuts(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4HAR16JIJUY01

スイスの貿易黒字、2月は急増−フラン高の影響限定的
スイス連邦造幣局で鋳造されたばかりの5フラン硬貨

By BRIAN BLACKSTONE
2016 年 3 月 23 日 09:55 JST

 【チューリヒ】スイスの2月の貿易収支は、医薬品輸出の好調を追い風に黒字額が急増した。スイスフラン高の悪影響は限定的だった。

 スイス連邦税関当局が22日発表した2月の貿易収支は41億フラン(約4700億円)の黒字で、黒字額は前月の35億フランから増加した。輸出(インフレ調整後)は前年同月比6.4%増の176億フラン、輸入は前年同月比でやや減少した。

 21日に発表されたスイスの2015年の経常収支は730億フランの黒字だった。これは同国国内総生産(GDP)の10%超の金額に相当する。

 これらの統計結果を見ると、フランは過大評価されているというスイス内外のエコノミストらの総意に疑問が生じる。また、通貨高にもかかわらず貿易黒字が急増するというコントラストを浮き彫りにしており、こうしたスイスの現状は他の先進国にも影響する可能性がある。

 キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジャニファー・マッキューン氏は「(スイスの貿易黒字の)堅調さは、フランがそれほど過大評価されていないという考え方に信ぴょう性を与えるかもしれない」と指摘した。

 スイス国立銀行(中央銀行)はフランが「大幅に過大評価」されていると再三述べている。

 スイス中銀が15年1月にフランの上限を撤廃し、スイスの最大輸出市場の通貨であるユーロに対しフランが急伸したにもかかわらず、スイスの貿易・経常黒字は拡大してきた。

 BSI銀行のチーフエコノミスト、ステファン・ゲルラッハ氏は「スイスフランの相場水準の考え方はいくつかある」とし、フラン高の影響で「サービスや非貿易財は極めて割高だ」が、「スイスは貿易で非常に強い競争力を備えているのかもしれない。つまり、フランはそれほど過大評価されていないということだろう」と語った。

 アナリストらによると、スイス国民は多額の金融資産を保有しており、金融資産所得が経常黒字に寄与しているため、同国の経常収支は解釈が難しいという。

 だが特に貿易収支は、フランが強すぎるとの見方に逆行しているようだ。2月の輸出の伸びをけん引した化学薬品や医薬品は、他の商品に比べて価格がそれほど売上高に影響しない傾向がある。一方、為替相場の影響を受けやすい紙、時計、宝飾品類の輸出は前年同月比で落ち込んだ。

 ゲルラッハ氏は「フランがどれほど過大評価されているかといえば、おそらく25%よりも5%に近いだろう」と述べた。

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スイス経済、フラン高に悪戦苦闘
スイス中銀から学ぶ教訓とは

http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NE892_swisst_M_20160322074233.jpg


World | 2016年 03月 23日 14:31 JST 関連トピックス: トップニュース

 アングル:豪中銀、総選挙前倒しで利下げ一段と困難に

[シドニー 23日 ロイター] - オーストラリアでは総選挙が前倒しで実施される見通しだ。ターンブル首相は当初9月か10月の予定だった選挙時期を7月に早めようとしており、恐らく7月2日になりそうだ。こうした政治の動きから、準備銀行(中央銀行)にとって利下げはますます困難になってきた。

中銀は、通貨高と雇用の伸び鈍化がもたらすディスインフレ圧力を和らげるため、今後の利下げを排除してはいない。しかし例えば6月7日に予定される中銀の会合は選挙戦の真っただ中、7月5日の会合は選挙直後になってしまう。金融政策においてただでさえ複雑なリスクバランスに、政治までも計算要素に加えなければならない。

もっとも中銀のスティーブンス総裁はずっと前から、どんな政治状況であっても経済見通しの面から正当化できるならばちゅうちょなく行動すると強調している。実際に2007年には選挙期間中に利上げを実施。当時の自由党政権が敗北を喫する一因にもなった。

それでも中銀としては、どちらかの政治勢力に肩入れする姿勢は見せたくないとの気持ちが働くかもしれない。

また中銀は過去10カ月にわたって、過去最低水準の2%になった政策金利を一段と下げる必要はないとの認識を示してきたため、利下げのハードルはかなり高くなっているようにも見える。

RBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、Su-LinOng氏は「今後数カ月で利下げの妥当性が大幅に強まってくれば、中銀は間違いなく動く」としながらも、利下げの妥当性がじわじわと形成されていく程度ならば政治情勢を理由に中銀が様子見を続ける可能性は大きいとの予想を示した。

<5月利下げ説も>

金融市場は、予想に反してオーストラリア経済のしっかりした成長をうかがわせる指標が発表されたため、年央の利下げ観測を後退させている。現在の金利先物は、4月の利下げ確率を6%程度、5月は24%、6月は36%、7月でも50%しか織り込んでいない。

ただ足元で豪ドル相場が急伸している一方、欧州中央銀行(ECB)や日銀が積極的な金融緩和を実施している点からすれば、オーストラリアには大きな追随利下げ圧力がかかっている。

さらに悩ましいのは、政府が年次予算の発表予定を1週間早めて中銀会合と同じ5月3日に設定したことだ。中銀の決定結果は、予算よりも5時間前に公表される。

ノムラのアナリスト、アンドルー・タイスハースト氏は、こうしたタイミングによって中銀が5月に利下げする可能性が高まる可能性があるとみている。

同社はしばらく前から、4月終盤に発表される第1・四半期の物価上昇率が5月の利下げをもたらすほど弱い数字になると予想しており、中銀は予算と関連付けられるよりも物価上昇率に基づいた政策決定を好ましく思うだろう、というのがタイスハースト氏の見方だ。

今月に入り、ニュージーランド中銀が非常に低い予想物価を受けて予想外の利下げを実施した例もある。

(Wayne Cole記者)
http://jp.reuters.com/article/australia-rba-election-idJPKCN0WP0DH

イエレンFRB議長、2%のインフレ目標達成も−米国債利回りが示唆
Wes Goodman
2016年3月23日 15:40 JST

米国債市場はインフレ期待の上昇基調を示唆しており、一つの指標は物価上昇率が米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が目標とする2%に達するとの市場の予想を示している。
  1年物米政府証券と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は22日に2.11%と、2年ぶりの高水準となった。ブレークイーブンレートは市場のインフレ期待指標とされる。

  10年物のブレークイーブンレートは今週、一時1.67%と、昨年8月以来の高水準に上昇。原油価格は12年ぶりの安値から持ち直しており、米金融当局は利上げに動きやすくなるとの観測が強まっている。1月と3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では低いインフレ率とエネルギー価格の下落などを理由に利上げが見送られた。
  野村ホールディングスでアジア太平洋地域の米債トレーディング責任者を務めるジョン・ゴーマン氏(東京在勤)は「今後3−6カ月は米経済の力強さが増すだろう。複数回の利上げがあるのは確実だと思う」と述べ、インフレ関連の指標は「間違いなく上昇方向だ」と指摘した。
原題:Yellen Will Meet 2% Inflation Goal, Judging by Treasury Yields(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4H6G96K50Y201

フィリピン中銀、政策金利を4%に据え置き−12会合連続
Siegfrid Alegado、Karl Lester M. Yap
2016年3月23日 15:52 JST
フィリピン中央銀行は23日、政策金利の据え置きを発表した。5月の大統領選挙を控えた景気浮揚の観測を追い風に、同中銀は各国・地域で広がりつつある金融緩和の流れには乗らず、12会合連続の金利据え置きとなった。
  フィリピン中銀は翌日物の中銀預金金利を4%に維持。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査で14人全員が予想した通りとなった。特別預金口座(SDA)金利も2.5%に据え置き。市場関係者6人全員の予想通りだった。
原題:Philippines Holds Key Rates as Election Tipped to Boost Economy(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4HBG86JIJWW01


日銀政策委の顔触れ、安倍首相の公約に逆行−来月から女性不在か
藤岡徹、Jodi Schneider
2016年3月23日 16:22 JST

韓国中銀やECB、英中銀の政策委議事録でも男性優位が鮮明
FOMCでは女性参加者の割合が高め

日本銀行など主要国の中央銀行における最近の金融政策委員会の記録から1つの事実が浮き彫りになっている。会合参加者の中に女性がほとんどいない点だ。
  日銀が1月28、29両日に開いた金融政策決定会合の議事録によると、総裁や審議委員、政府関係者を含む出席者29人のうち女性は今月末に任期満了となる白井さゆり審議委員1人だけだった。同会合ではマイナス金利を採用するという大胆な措置を決定した。安倍晋三首相は日本経済再生の処方箋の1つとして女性の活躍促進を掲げている。
  韓国銀行の2月16日の政策委員会では、出席者22人のうち女性は韓国銀行の徐英京副総裁補のみだったことが議事録に示されている。
  欧州中央銀行(ECB)が1月20、21両日に開いた政策委員会の議事録でも、女性の参加はごく少数だったことが分かった。25人の政策委メンバーで女性はラウテンシュレーガー理事とキプロスのゲオルガジ中銀総裁の2人だけ。ECBの報道担当によると、同中銀では管理職レベルでの女性の割合を高めており、2015年末時点では中間管理職で24%、上級管理職で19%だった。
  一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者における女性の割合は日銀や韓国中銀、ECBに比べてかなり高い。1月26、27両日開催のFOMCに参加したイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとするメンバーや当局者、スタッフなど76人のうち、18人(24%)は女性だったことが議事録に記されている。
  イングランド銀行(英中銀)は日銀や韓国中銀、FOMCのように参加者の全詳細を公表しているわけではないが、3月16日会合の議事録には、9人の政策委メンバーと財務省代表1人、監視委員会のオブザーバー1人の計11人の出席者が掲載されており、そのうち女性は2人だった。
紅一点の白井氏は退任間近
  日銀の政策委で唯一の女性審議委員である白井氏は3月末日で任期満了となる。安倍政権は今月、白井氏の後任に男性を起用する人事案を提示した。1998年に政策委員会の組織が見直されて以来、委員9人のポストのうち1人は女性が占めてきた。白井氏は3人目の女性委員。
  最近のデータでは、日銀の幹部職における女性比率向上の取り組みはここ2年間、前進が見らていない。日銀は企画役以上の幹部に女性が占める割合を2018年までに5%、23年までに10%に増やすことを目指すとしているが、15年の実績は4%で13年と同水準だった。
  日銀の小川万里絵ダイバーシティ推進グループ長は「女性の採用は増やしているが、企画役級を増やすのには少し時間がかかる」と説明、「目標達成に向けて努力していく」と述べた。  
原題:Few Women in the Room at BOJ Meetings Runs Counter to Abe Pledge(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4H8YX6JIJUU01




「リスクに見合う収益機会」と三菱UFJ国際投信、0.3%台の20年債に
野沢茂樹、Kevin Buckland
2016年3月23日 00:00 JST 更新日時 2016年3月23日 12:40 JST

顧客の資金をマイナスの利回りには投資しにくい、と樋口氏
利回りがゼロ%未満の日本の利付国債は600兆円超

日本銀行のマイナス金利政策を受け、超長期国債の利回りは連日の過去最低更新で0.5%以下となっている。それでも、国内2位の債券ファンドなど、運用資産12.8兆円を抱える三菱UFJ国際投信にとっては魅力のあるゾーンだ。
  債券運用部の樋口達也チーフファンドマネジャーは17日のインタビューで、「顧客の資金を預かる身として、マイナス利回りには投資しにくい」と指摘。「特に残存20年辺りがリスクとリターンが一番見合っており、10年債のマイナス利回りと比べると収益を上げられる可能性がある」と言う。同社の「ポジションもそうなっている」と続けた。

  新発20年債利回りは18日に0.29%と過去最低を付け、1年足らずで約3分の1に低下した。先週の入札では落札利回りが12年9カ月ぶりに最低を更新した。ブルームバーグの日本国債指数によると、残存20年以上は年初来の収益率が18.2%と1−10年債の1.3%を圧倒している。30年債利回りは昨日0.415%、40年債は0.445%とそれぞれ最低を塗り替えた。
  黒田東彦総裁がマイナス金利政策を導入してから1カ月余りで、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは過去最低のマイナス0.135%を記録。ブルームバーグの試算では、利回りがゼロ%未満の日本の利付国債は600兆円超と、世界のマイナス利回り国債全体の約3分の2を占める。短期的な転売による利ざやを狙わない投資家は利回りがプラス圏にある超長期債に集まっており、保有者には評価益をもたらす半面、新規投資は厳しさを増している。
  樋口氏は、日本国債のイールドカーブ(利回り曲線)は全体的にはフラット(平たん)化しているものの、10−20年ゾーンが「非常にスティープ(傾斜)化している」ため、残存20年前後の国債に「収益機会がある」と指摘。「この形状はある程度、継続する可能性が高い。デュレーションのリスクを抱えたまま、長い債券に投資した方が、プラスの収益を期待できる」と述べ、国債利回りの低位安定が続くと予想した。

The flagship branch of Bank of Tokyo Mitsubishi UFJ

  黒田総裁が3年前の就任直後に導入した金融緩和で円安・株高と景気や企業収益の好転が進み、消費者物価も徐々に持ち直してきていたが、「円安が止まると企業収益にもマイナスに働く例が多く、経済成長のスピードが落ちてしまう」と、樋口氏は指摘する。「中銀による経済支援、緩やかな円安基調がまだ必要」で、巨額の国債を買い入れる量的・質的緩和やマイナス金利政策が続くとみている。
  三菱UFJ国際投信が有望視する20年国債は、10年国債との利回り格差が9日に36.9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と世界的な金融危機前の2007年7月以来の水準に縮小した。それでも、30年債利回りとの同格差を24bp上回っていた。22日の相場では、30年債利回りと40年債利回りが一時逆転する場面もあった。
  樋口氏は国債利回りが「ここまで急激に下がってくる前から、20年債に魅力があると考え、割と多めに持っていたので、キャピタルゲインも出てきている。現在も保有を続けている」と言う。30年債は流動性も含めて考えると、現時点での投資妙味は20年債には及ばないと指摘。「銀行ではないので、マイナス利回りの短い債券には投資できない」とも話した。
デュレーションは16.5年
  投資調査会社モーニングスターの国内ファンド調査によると、樋口氏が運用責任者を務める「グローバル・ソブリン・オープン」(毎月決算型)は、債券の国際分散投資型で純資産残高が2位。22日時点の純資産総額は7897億円だった。経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国が発行するシングルA格以上のソブリン債に投資する。
  グロソブの通貨別構成比は先月末時点で、米国債が大半のドル建て資産が42.6%を占めたものの、1年前と比べ3.6ポイント縮小した。ユーロ建ては同5.7ポイント拡大の21.2%だった。基本的に全て日本国債で運用する円建ては11.7%と3.3ポイント拡大。デュレーションは最長の16.5年で、米国債の5.9年やユーロ建て国債の10.4年を上回った。
  樋口氏は「ここ3カ月ほど、円の比率を高めてきた」と発言。円高進行や追加緩和で「利回りが下がっていく機会を収益に結び付けるには、デュレーションを長期化するだけでなく量も持たなくてはならないと判断した」と言う。世界経済への懸念などを背景に、円相場は年初からほぼ全ての主要通貨に対して上昇。対ドルでは17日に110円67銭と14年10月末以来の高値を付けた。
  グロソブの収支は債券投資の金利収入と評価損益、為替の変動による差損益で決まる。債券要因は先月末までの1年間に課税前分配金を含めた基準価額を169円押し上げたが、うち日本国債が約3分の1に当たる55円を稼いだ。構成比が最大のドル建て債と同額だ。ただ、為替要因のマイナス427円を埋めきれなかった。
マイナス金利、米が陰の主役
  三菱UFJ国際投信は半年後の10年債利回りをマイナス0.10−プラス0.20%と予想。米国債は1.70−2.30%、ドイツ国債は0.15−0.45%とみる。円は対ドルで111−123円、ユーロに対しては121−135円と円安気味の展開を見込む。樋口氏は今回のインタビューで、日欧と比べた米国の相対的な好景気という優位性は「水準は別にして、まだ継続する」と話す。
  樋口氏は、世界中でマイナス利回りの債券が増える中で「普通にプラスの金利がある米国の債券はまだまだ魅力的だ」と指摘。ただ、緩やかな利上げを前提にすると「短いゾーンは影響を受け、長期債の方がパフォーマンスが相対的に安定して優位になる可能性が高い」とみる。長短利回り格差の縮小で利益を上げる「フラットニングのポジションを続け、金利収入とキャピタルゲインの両方を上げていきたい」と言う。
  日銀は2%の物価目標を達成するため、大規模な国債購入などで資金供給する異次元緩和を13年4月に導入。翌年10月末の追加緩和で国債保有増を年80兆円に拡大し、昨年12月には買い入れの平均残存期間を7−12年程度に長期化した。ただ、全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は原油安を背景にゼロ%前後で低迷している。
  ユーロ圏でも消費者物価指数が2月に前年比マイナス0.2%。1年余りにわたってゼロ%前後での推移が続く。マイナス金利政策で日銀に先行した欧州中央銀行(ECB)は10日、3つの政策金利引き下げと量的緩和の増額を決定。市場関係者は今年の実質成長率が1.5%にとどまると見込む。
  樋口氏は「通貨安戦争と表現されることもあるが、昔はプラス圏の政策金利を操作して主要国間の金利差を作り、為替や金利を通じて世界中の経済成長の速さが調整されていた」と指摘。今は低金利時代なので「最も景気が良い米国がゼロ%近辺だと、他国はゼロ%未満にしなくてはならず、マイナス金利の国が増えている」と言い、米金融政策の正常化が進めば「日欧は過度な金融緩和を回避でき、マイナス金利が及ぼす負の影響も少しずつ解消されていく可能性がある」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-22/-0-3-20


欧州が米シェールガスの新市場に
米エネルギー会社はエタン市場の多様化を目指している。写真はコンソル・エナジーの水平リグ(マーセラス・シェール、2012年)

By SELINA WILLIAMS
2016 年 3 月 23 日 09:37 JST

 【ロンドン】スイスの石油化学大手イネオスは、米国から初めて欧州向けに出荷されたある種のシェールガスを23日に受け取る予定だ。燃料の供給過剰にあえぐ米国のエネルギー生産会社にとって、新市場の開拓を示す節目になる。

 船荷は、米ペンシルベニア州西部のマーセラス・シェールで抽出された天然ガス液(NGL)のエタン。マーセラス・シェールでは、パイプラインや貯蔵施設に制約があることからレンジ・リソーシズ(米テキサス州)やコンソル・エナジーがエタン市場の多様化に取り組んでいる。

 イネオスによると、米国から欧州への海上輸送によるエタン輸出は今回が初めて。北米のシェールブームが世界のエネルギーをめぐる構図を変革していることを示す新たな事例だ。

 このところの米国のシェールオイル生産の増加は国際石油市場におけるサウジアラビアの影響力を脅かしているほか、これに先立つシェールガスブームによって価格は記録的な低水準へと下落し、電力セクターでの石炭の支配力を覆した。

 イネオスの創業者であるジム・ラトクリフ会長は「シェールガス経済が米国の製造業を再活性化したと認識しており、こうした重要なエネルギー・原材料の供給源に欧州も初めてアクセスできるようになる」と述べた。

 エタンは天然ガスから分離した成分で、しばしば輸送のために液化される。エタンは食品・医薬品の包装などに使われるプラスチックの原料となる。

 米国からイネオスへの出荷は、ペンシルベニア州で最大級の掘削業者の一角であるレンジ・リソーシズ、およびマーセラス・シェールで掘削を手掛ける独立系探査生産会社大手コンソル・エナジーとの15年契約に基づくもの。

 イネオスはノルウェーのラフネスにある石油化学プラントでエタンを使用する計画。また2020年までに、米国から輸入するエタンを、同社の欧州の石油化学施設や精製施設、および英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと米エクソンモービルがスコットランドに保有するエチレンプラントに供給することを目指す。

 欧州の首脳陣は長い間、米国のシェールガスによって欧州圏のロシア産ガスへの依存度が低減することにつながると期待していた。現在ロシア産ガスは欧州地域への供給の3分の1程度を占める。ノルウェーのコンサルティング会社スンド・エナジーのパートナー、カレン・スンド氏は、イネオスに出荷されるエタンはロシア産ガス(主にメタン)の代わりにはならないが、欧州市場での価格低下に寄与する見込みだと述べた。

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乱立の米シェールガス掘削業者、存続危機に
【寄稿】米シェール産業は生き延びる
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NE594_0321us_M_20160321152334.jpg

原油100ドル時代の遺産が枯渇−石油会社、既存油田の生産減補えず
Rakteem Katakey
2016年3月23日 09:52 JST

新規油田の生産は今年以降、既存油田の減少分を補えない見通し
投資削減の影響、2020年までに「非常に強まる」:ライスタッド

原油価格が1バレル=100ドルだった時期に石油各社が蓄えた遺産が枯渇し始めている。
  原油価格が100ドル近辺で推移していた2011年ごろに相次いでプロジェクトが承認されたことから、多くの石油会社の生産は増加し、価格が下落しても現金収入につながっていた。現在ではこうした生産による恩恵が薄れつつある。石油会社の新規油田からの原油生産の増加幅は今年、既存油田の自然減少幅を数年ぶりに下回る見通しだ。 
  ライスタッド・エナジー(オスロ)によると、新規プロジェクトの原油生産量は今年、日量約300万バレルと、既存油田の自然減少幅である同330万バレルを下回る見込み。原油価格の下落が始まった当時の投資削減の影響により、自然減少幅は来年までに新規生産量を120万バレル上回ると予想されている。この傾向は強まる見通しだ。
  ライスタッドの分析担当責任者、ペール・マグナス・ニスベーン氏は「18年には何らかの影響があり、20年には影響は非常に強まるだろう」と指摘した上で、原油市場は今年再び均衡するだろうと付け加えた。同氏は「既存油田の生産がさらに減少すると予想されるため、世界の需給はかなり速いペースで均衡する」との見通しを示した。

  ニスベーン氏は電話インタビューで、新規生産の多くは深海油田が占め、これらは石油メジャーが初期投資を行った後、開発を断念しないことを選択した油田だと述べた。
     
原題:Drillers Can’t Replace Lost Output as $100 Oil Inheritance Spent(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4GREI6KLVRG01


ウジミナスを選択的デフォルトに格下げ、債務支払い猶予合意−S&P
R.T. Watson
2016年3月23日 08:47 JST

無担保優先債の格付けは「C」に引き下げられた
同社は先週、主要債権者と4カ月間の債務支払い猶予で合意

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの鉄鋼メーカー、ウジミナスの格付けの一つを「選択的デフォルト(SD)」に引き下げた。債権者と債務支払い猶予で合意したことを理由に挙げた。
  S&Pの22日の発表によると、同社のグローバル・スケール格付けは「CCC+」から「SD」に引き下げられ、無担保優先債の格付けは「C」に引き下げられた。
  ウジミナスは先週、主要債権者と4カ月間の債務支払い猶予で合意した。S&Pは「当社はこれを経営難に伴う交渉と見なしているため、デフォルト(債務不履行)に等しいと考えている」と説明した。
原題:Usiminas Lowered to Selective Default on Standstill Agreement(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-22/O4GR6E6JIJVI01



FOMC、長期金利見通しは収れん
FRB本部(ワシントン) ENLARGE
FRB本部(ワシントン) PHOTO: ANDREW HARNIK/ASSOCIATED PRESS
By JON HILSENRATH
2016 年 3 月 23 日 10:50 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は一見すると、いまだかつてないほど内部で意見が分かれているように見える。

 直近2回の連邦公開市場委員会(FOMC)では、国内経済が下振れリスクにさらされているかについて考えがまとまらず、リスクバランスの判断を先送りした。FRBのブレイナード理事は昨年10月、インフレと失業率の関係をめぐるイエレン議長の分析に対して公に異議を唱えた。これに先立つ9月のFOMC前には、議長を直接支える2人であるフィッシャー副議長とニューヨーク連銀のダドリー総裁の政策見通しが食い違っていることが明らかになった。

 だがFOMCの金利見通しから読み取れる様相は異なる。FOMCを構成する全17人の間で、向こう3年間の金利動向の予測が近づいているのだ。

 2018年に見込まれる金利水準は2.125〜3.875%と、1.75ポイント以内の差に収まっている。昨年の今頃は3年後の予想金利が2〜4%となっており、一番上と下の差が2ポイント開いていた。この予想レンジが広いほど、長期的な金利見通しに相違があることを意味する。14年には3.5ポイント、13年には4.25ポイントの幅があった。

 最新の3年後の金利予想で上位と下位三つずつを除外すると、2.5〜3.25%という0.75ポイントの幅に収まる。15年は1.125ポイント、14年は1.25ポイント、15年は1.5ポイントの差が開いていた。つまり、FOMC中道派内の予測の違いは過去の方が大きかった。

 2年後の金利予想も収れんしている。今は1.625〜2.75%という1.125ポイントの幅があるものの、15年は3ポイント、14年は2.75ポイント、13年は2.5ポイントとなっていた。

 言ってみれば、現在の利上げサイクルではそれほど金利が上昇しないという見方で一致しつつあるということだ。

 予想の差が縮小した一因は、極端な見通しを示してきたFOMCメンバーが去ったことにある。フィラデルフィア地区連銀のプロッサー前総裁とダラス地区連銀総裁のフィッシャー前総裁は断固たるタカ派、そしてミネアポリス地区連銀のコチャラコタ前総裁はハト派だった。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ現総裁が銀行の解体についてイエレン議長に反発していることを除けば、それぞれの後任はこれまでのところ政策見通しで主流に沿っている。 

 人事交代以外の要因に目を向けると、今回の景気拡大局面が大幅に勢いづいたり、インフレ圧力が著しく強まったりする公算が小さいという見解にFOMCメンバーがたどり着いたようだ。そのため政策金利で大規模な対応を迫られる可能性も低いとみている。イエレン議長はFOMCで目先の行動に関して多くの異なる意見をまとめていかなければならないかもしれないが、実際のところ将来的な金利の見通しは一本化しつつある。

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米FRB特集
3月のFOMC、5つのポイント
FRB、インフレ抑制の手綱緩める
FRBの信頼性に問題も−指標改善も見通し後退で
【FRBウォッチ】イエレン議長の合い言葉は「慎重」
http://jp.wsj.com/articles/SB10922328955711303277604581235571475256868

Business | 2016年 03月 23日 12:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 サプライズなければ利上げ検討すべき=米フィラデルフィア連銀総裁
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は22日、ニューヨークで講演し、米経済が予想外の展開なしに拡大を続けるなら、連邦準備理事会(FRB)は早ければ来月にも追加利上げを検討すべきだとし、年内に少なくとも3回の利上げが好ましいとの考えを示した。

FRBは先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置き、海外リスクや市場の混乱を理由に経済見通しを引き下げた。

総裁は、先週の据え置き決定を支持するとした上で「利上げを進めるには十分な論拠がある」と発言。

予想外の逆風がなく、米国の雇用の伸び改善やコアインフレ率の上昇がこれまで通り続く場合、「すべての会合で25ベーシスポイント(bp)の追加利上げを検討することが適切だと思う」と語った。

inRead invented by Teads
また、先週のFOMCで自身が年内2回以上の利上げを予想したことを明らかにした。ハーカー総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。

先週公表された見通しでは、FOMCに参加した政策担当者17人のうち、9人が年内に2回の利上げを見込んでいることが明らかになった。3回は3人、4回は4人で、1回の利上げを見込んだのは1人だった。

ハーカー総裁は、FRBがあと3回利上げした後でも金融政策は依然として「かなり緩和的」との見方を示した。

市場は、FRBが次の4月26─27日のFOMCで利上げを決定する可能性はほぼないとみている。

ハーカー総裁はまた、FRBが米経済成長見通しを押し上げる能力は非常に限定的だと述べ、成長率は今後数年間、抑制されたペースにとどまると指摘する一方、財政政策が成長見通しを押し上げるとの見方を示した。

また、金利を決定する上でFOMC内に潜在成長力をめぐる見解の相違があることを示唆した。
http://jp.reuters.com/article/us-fed-philadelphia-idJPKCN0WP046


ドルには潜在的な押し下げ要因あり、BofAメリルが指摘
Luke Kawa
2016年3月23日 13:50 JST

ヘッジファンドが抱えるドルのロングポジションは大きいまま
対ユーロでのドル上昇あっても対円では見込めないとストラテジスト

米金融当局が先週下した政策決定がハト派的だったのを受け、投資家の間ではドル上昇の可能性に見切りをつける動きが広がっている。
  しかし、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチ独自のポジションデータは、ドル相場にはもう一つの大きな不安要素を示唆している。同社FXストラテジストのアタナシオス・バンバキディス氏らは顧客向けリポートで、ヘッジファンドが抱えるドルのロングポジションが1年前に比べても、他の投資家に比較しても非常に大きいままであることを指摘した。

   同氏らは「リアルマネー投資家が過去1年間かけてドルショートに傾いてきたが、ヘッジファンドはロングのままで、ドルにさらなる下押し圧力がかかるリスクがある」と結論づけた。リアルマネーとはこの場合、年金基金や不動産投資信託(REIT)、中小の資産運用者らを指す。
  バンバキディス氏らによると、リアルマネー投資家が外為ポジションを使うのは株式や債券のトレーディング実行のためである場合が多く、為替相場自体についての見解を示すものとは限らない。だが、リアルマネーのポジションはドル建て資産に対する何らかの選好という、為替相場の重要な要素を反映している。
  同氏はブルームバーグとのテレビインタビューで、他の主要国通貨や新興国通貨に対してドルが先行き上昇したとしても、広範な動きにはならないだろうと予想。「対ユーロで上昇する一方、円に対してはそうならないと見込まれる」と語った。
  ドル相場は年初にかけて足踏み状態で推移した後、米金融当局の政策が他国・地域の金融政策からどの程度乖離(かいり)するか市場関係者の間で懐疑的なムードが広がったことを背景に下落傾向にある。ドル指数と貿易加重の広範なドル指数はそれぞれの最近のピークからいずれも5%程度下げている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4H3H76JIJV501


米FHFA住宅価格指数:1月は前月比0.5%上昇−供給不足で
Prashant Gopal
2016年3月22日 23:22 JST
1月の米住宅価格指数は前月比で上昇した。住宅の供給不足により、買い手の間で競争が高まっている状況が背景にある。
  米連邦住宅金融局(FHFA)が22日に発表した1月の住宅価格指数は、季節調整後ベースで前月比0.5%上昇。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト19人の予想の中央値と一致した。前年比では6%上昇した。
  地域別に見ると、前年比で全ての地域で上昇。最も伸びたのはメリーランド州やバージニア州、首都ワシントンを含む南部大西洋地域で8.9%上昇。カリフォルニア州やオレゴン州、ハワイ州の太平洋地域は7.4%上げた。ニューヨーク州やニュージャージー州、ペンシルベニア州を含む中部大西洋地域は1.7%上昇で最も小幅な伸びだった。  
原題:U.S. House Prices Climbed 0.5% in January as Inventory Tight (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-22/O4G1FV6TTDS401


Business | 2016年 03月 23日 13:17 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第1四半期は65に改善

[香港 23日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同実施したアジア企業景況調査によると、第1・四半期のアジア主要企業の景況感は、4年ぶり低水準だった昨年第4・四半期から改善した。中国経済への見方が上向いた。

調査対象の97社の向こう6カ月の景況感を示す第1・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数.TRIABSRACSIは65で、第4・四半期の58から上昇した。50が景況の改善と悪化の分岐点。

見通しへの主なリスクとしては、中国の需要減退がトップ。為替相場の過度な変動、原油価格の下落が続いた。しかし、中国の景況感は大幅に改善し、シンガポールなど中国の主要な貿易相手国も急回復した。

INSEADのアントニオ・ファタス教授(経済学)は「指数は驚くほどすばらしい数字というわけではないが、これまでの調査と比べると、悲観的なムードは確かに後退している」と分析。「企業は中国経済の鈍化を消化、今ではより楽観的になり、チャンスを探している。こうした態度の変化が、シンガポールなどの指数に表れている」と指摘した。

ここ2四半期は大幅な悲観的水準に落ち込んでいたシンガポールの景況指数は中立の50で、第4・四半期から29ポイントも上昇、今回最大の上昇幅を記録した。中国は21ポイント上昇し、71となった。

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? 情報BOX:ロイター・INSEADアジア企業景況指数:国別
<回復宣言は尚早>

アジア域内の全ての国にとって重要な輸出市場である中国の景況指数が回復したことで、全体の景況感が押し上げられたが、マレーシア、台湾、インドネシアの景況感はなお50を割り込んでいる。中でもインドネシアは23ポイント低下の42と、今回最大の下落幅だった。

日銀や欧州中央銀行(ECB)など世界の中央銀行が相次いで刺激策を打ち出したことから、相対的にリスクの高い資産への投資意欲が高まったが、企業は依然として、世界経済の状態について懸念している。

マレーシアの医療用手袋大手で、調査に参加したコッサン・ラバー・インダストリーズ(KRIB.KL)の幹部、エドワード・イップ氏は「米国がまだ追加利上げできないことを踏まえると、世界経済が角を曲がったとはまだ言えない」と指摘。「世界経済が回復したと結論付けるには、(景況感が)2四半期にわたり改善する必要がある」と述べた。

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<金融の景況悪化>

また、フィリピンの景況指数は85で、第4・四半期の77から上昇した。その結果、フィリピンは3四半期連続で域内最高を記録した。

セクター別では、家庭用品・食品・飲料が50から過去最高の100に急上昇した。金融は50から47に低下、唯一50を割り込んだ。

調査は、3月7日から19日にかけて、日立(6501.T)、ファーストリテイリング(9983.T)などの97社を対象に実施した。見通しが明るいとの回答は41%。48%は中立、11%は見通しは暗いと回答した。
http://jp.reuters.com/article/reuters-insead-asia-idJPKCN0WP094



Business | 2016年 03月 23日 13:17 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 情報BOX:ロイター・INSEADアジア企業景況指数:業種別

[23日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施した調査によると、第1・四半期の主要アジア企業の景況感を示すロイター/INSEADアジア企業景況指数.TRIABSRACSIは65となり、前四半期の58から上昇した。中国の需要減退や為替の大幅変動に対する懸念が後退した。

業種別では、家計・食品・飲料の見通しが最高水準となり、それにヘルスケアが続いた。一方、金融は景況の改善と悪化の分岐点となる50を下回った。

*調査の詳細は[nT9N16901O]をクリックしてご覧ください。

業種別の概要は以下の通り。カッコ内の指数は(第1・四半期/第4・四半期)。

<家計・食品・飲料:過去最高>(指数=100、前四半期=50)

回答した8社全てが今後半年の見通しを楽観的とした。この業種が指数最高を記録したのは今回が初めて。前四半期からの伸びも過去最高となった。

今後の見通しで最大のリスクは、過度の為替変動、次に競争激化。過去3カ月について、2社がビジネスの増加、2社が従業員の増加、2社が資産の質向上を回答。

<ヘルスケア:2カ月連続で同業種としての過去最高>(指数=92、前四半期=88)

第一三共(4568.T)など6社が回答。うち5社が今後半年の見通しは楽観的、1社は中立。 最大のリスクは過度の為替変動。過去3カ月について、3社がビジネスの増加、3社が従業員の増加、3社が資産の質向上を回答。 <小売・娯楽:ここ1年で最も楽観的>(指数=77、前四半期=60)

ファーストリテイリング(9983.T)やタイのホーム・プロダクト・センター(HMPRO.BK)など11社が回答。見通しは6社が楽観的、残りが中立。大半が中国の需要減退が最大リスクと回答。過去3カ月について、全社がビジネスの増加、5社が従業員の増加、5社が資産の質向上を回答。

<建設・エンジニアリング:過去最大の落ち込み>(指数=70、前四半期=90)

日立製作所(6501.T)など5社が回答。見通しは、2社が楽観的、3社が中立。最大のリスクは、2社が株価下落、2社が中国の需要減退と回答。過去3カ月について、1社がビジネスの減少を報告。1社が従業員の減少、1社が資産の質向上を回答。

<不動産:若干改善>(指数=63、前四半期=57)

豪ストックランド(SGP.AX)など8社が回答。見通しは2社が楽観的、残りが中立。最大のリスクは金融市場の過度の変動と信用ひっ迫。 1社がビジネスの減少を、1社が従業員の減少を報告。2社が資産の質向上を回答。

<自動車:同業種として1年超ぶり高水準>(指数=63、前四半期=60)

4社が回答。見通しは1社が楽観的、残りが中立。為替の過度の変動が最大リスクのひとつ。 2社が従業員の減少を報告。2社がビジネスの増加を、1社が減少を報告。

<金属・化学:今回初めて算出>(指数=63)

前調査ではリソースに分類されていた印タタ・スチール(TISC.NS)など4社が回答。見通しは2社が楽観的、1社が中立、1社が悲観的。

最大リスクは中国の需要減退と株価下落。過去3カ月、2社が従業員の増加、2社が資産の質の向上、1社が従業員の増加、2社が従業員の減少を報告。

<テクノロジー・通信:約1年ぶり低水準>(指数=59、前四半期=60)

デルタ・エレクトロニクス・タイランド(DELTA.BK)など17社が回答。見通しは、14社が中立、3社が楽観的。

最大リスクは、3社が過度の為替変動、2社が中国の需要減退と回答。他のリスクは、競争激化や規制変更など。 4社が資産の質向上を回答。4社がビジネスの増加、2社がビジネスの減少、2社が従業員の増加、1社が従業員の減少を報告。

<エネルギー・ユーティリティー:低下>(指数=54、前四半期=58)

豪オイル・サーチ(OSH.AX)など12社が回答。見通しは5社が楽観的、4社が悲観的。主要リスクは、5社が原油安と回答。

過去3カ月については、6社がビジネスの増加、2社がビジネスの減少、3社が従業員の増加、2社が従業員の減少、3社が資産の質の向上、1社が資産の質悪化を報告。

<運輸・ロジスティック:悲観的から中立に>(指数=50、前四半期=36)

韓国航空宇宙産業(KAI)(047810.KS)など6社が回答。見通しは3社が楽観的、3社が悲観的。

最大のリスクは、世界貿易、銀行の信用ひっ迫、個人消費需要の減退。過去3カ月については、4社がビジネスの増加、2社がビジネスの減少、2社が従業員の増加、3社が従業員の減少を報告。資産の質は3社で向上、1社で悪化。 <金融:今回調査で唯一悲観的見通しの業種>(指数=47、前四半期=50)

中国太平洋保険(集団)(601601.SS)など15社が回答。見通しは、3社が悲観的、2社が楽観的、残りが中立。

最大のリスクは、4社が中国需要の減退と回答。残りは、金融市場の変動、規制や金利の変更と回答。

過去3カ月については、3社がビジネスの増加、2社がビジネスの減少を回答。3社が従業員の増加、3社が減少を報告。資産の質は向上が4社、悪化が4社。
http://jp.reuters.com/article/reuters-insead-sector-idJPKCN0WP09V?sp=true


Business | 2016年 03月 23日 13:17 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 情報BOX:ロイター・INSEADアジア企業景況指数:国別

[23日 ロイター] - 第1・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数.TRIABS RACSIは65となり、2015年第4・四半期の58から上昇した。

一方で、見通しへの最大のリスクもしくは主要な懸念要因としては、中国の需要減退や、為替相場の過度な変動を挙げる声が多かった。

調査は97社が対象。国別では、11カ国中9カ国の景況感が改善、フィリピンは3四半期連続で景況指数が域内最高だった。マレーシア、台湾、インドネシアの景況指数は50を割り込み、悲観を示した。

国別の概要は以下の通り。カッコ内の指数は(第1・四半期/第4・四半期)。

<フィリピン:3四半期連続で域内最高>(指数=85/77)

見通しは8社が楽観的、1社が中立、1社が悲観的と回答した。最大のリスクは、競争激化と中国の需要鈍化。5社で売上高が増加、3社で雇用が増加した。また4社は、資産の質が向上したと回答している。

<インド:回復>(指数=83/71)

2四半期の低下後、上昇に転じた。しかし、新政権への期待感がなお高かった1年前の水準からは、景況指数は依然として下回っている。

見通しは6社が楽観的、3社が中立。懸念材料は国内と中国の需要減退。売上高は3社で増加、2社で減少。4社は資産の質が向上した。

<日本:同国として過去最高>(指数=77/73)

見通しは6社が楽観的、5社が中立。懸念材料は、1位が為替相場の過度な変動、2位が中国の需要。売上高、雇用、資産の質は横ばい。

<中国:大幅に回復>(指数=71/50)

見通しは、7社のうち4社が楽観的、1社が悲観的だった。5社で売上高が増加し、内需減退をリスクに挙げたのはわずか1社にとどまった。雇用が拡大したのは3社、資産の質が向上したのも3社となった。

<韓国:輸出不振で低下>(指数=70/75)

見通しは2社が楽観的で、3社が中立となった。最大の懸念材料は、最大の貿易相手国である中国の需要減退。売上高が増加、雇用が増加したのはそれぞれ2社。資産の質が向上したとの回答も2社だった。

<タイ:輸出は減少したが、景況感は改善>(指数=67/58)

景況指数はこれまで2四半期連続で低下していたが、政府が今年、支出増を約束したことを受けて、楽観ムードが高まった可能性がある。

見通しは6社が楽観的、8社が中立、1社が悲観的だった。最大のリスクは中国の需要減退で、2番目に原油価格下落が入った。売上高が増加、資産の質が向上したのはそれぞれ8社。5社は雇用が増加した。

<豪州:景気は上向くも、景況ほぼ横ばい>(指数=63/61)

見通しは3社が楽観的、4社が中立、1社が悲観的。見通しへの主なリスクは、銀行融資の要件厳格化、株価下落、規制改定。売上高が増加、資産の質が向上したのはそれぞれ4社。一方、1社で売上高が減少し、1社で資産の質が低下した。雇用は1社で増加、3社で減少した。

<シンガポール:最大の改善を記録>(指数=50/21)

景況感は過去2四半期は悲観的だったが、中立の水準に改善した。

見通しは1社が楽観的、3社が中立。最大のリスクは、融資厳格化、中国の需要減、為替の過度な変動をそれぞれ1社ずつが指摘。売上高が減少、資産の質が低下したのはそれぞれ1社。2社は雇用が減少。

<マレーシア:原油安が圧迫>(指数=45/41)

3四半期連続で、概ね悲観的となった。原油安や、過去1年間で大幅に下落したリンギ相場を受け、同国の経済成長率は圧迫されている。

見通しは3社が悲観的、2社が楽観的、6社が中立となった。最大のリスクとしては、原油価格と、為替相場の過度な変動が指摘された。売上高が減少、資産の質が低下したのはそれぞれ2社で、売上高が増加、資産の質が向上したのはそれぞれ3社。雇用が減少したのは4社。

<台湾:世界経済を懸念>(指数=44/38)

2四半期連続で悲観的に。見通しは8社が中立で、1社が悲観的。

最大のリスクは、世界経済の減速、需要減退、規制の改定。売上高は2社で減少、3社で増加した。資産の質および雇用は概ね変わらず。

<インドネシア:最大の悪化を記録>(指数=42/64)

調査期間中、世銀がインドネシアの2016年の経済成長率見通しを5.1%に引き下げる一方、国際通貨基金(IMF)は4.9%に引き上げた。景況感がここ1年、大きく振れていることを反映している。

見通しは1社が楽観的、3社が中立、2社が悲観的だった。見通しへの最大のリスクとしては、2社が為替相場の過度な変動と回答し、1社が金利の低下と回答した。売上高は1社で減少し、3社で増加。資産の質は1社で向上、1社で低下。雇用は2社で増加、2社で減少した。

*調査対象企業は前回調査から変わる場合がある。
http://jp.reuters.com/article/reuters-insead-country-idJPKCN0WP09M


トランプ氏とクリントン前国務長官が勝利確実−アリゾナ州予備選
Mark Niquette
2016年3月23日 13:15 JST 更新日時 2016年3月23日 15:12 JST

民主ユタ州はサンダース上院議員が勝利の見通し
共和ユタ州はクルーズ氏がリード

米大統領選挙に向けた共和、民主両党候補の指名争いは22日、アリゾナ州で予備選が行われ、共和党は不動産王のドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官の勝利が確実になった。指名獲得レースのトップを走る2人が2位との差を広げる見込み。
  ユタ州の民主党党員集会ではバーニー・サンダース上院議員が勝利する見通しだとAP通信が伝えた。ユタ州の共和党党員集会とアイダホ州の民主党党員集会は開票途中で、勝者の予想は示されていない。
  クリントン氏はアリゾナ州での圧倒的勝利と、ユタ、アイダホ両州で確保する見通しの代議員数を考慮すればさらにリードを伸ばす見込みで、追走するサンダース氏が勢いを取り戻す可能性は後退した。
  アリゾナ州ではトランプ氏が得票率46%で、テッド・クルーズ上院議員とジョン・ケーシック・オハイオ州知事を破る見通しだとAP通信が報じた。トランプ氏は同州の代議員58人全員を確保し、同氏の指名獲得阻止を目指す共和党主流派などの勢いを鈍らせる見込みとなった。クルーズ氏はユタ州ではリードしている。同氏は得票率を50%以上に伸ばして、同州の代議員40人全員の獲得を目指している。
原題:Clinton, Trump Win Arizona Primaries to Pad Delegate Leads (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4H3XP6TTDS101


Column | 2016年 03月 23日 14:50 JST 関連トピックス: トップニュース

 コラム:見えないスポンサー、米選挙広告の「巧妙な手口」

Meredith McGehee

[21日 ロイター] - 米大統領選の予備選が本格化すると、外部団体は候補者の選挙本部よりも、広告や支援活動に多くのカネを費やすようになるのが常だ。

政治資金団体であるスーパーPAC(政治活動委員会)や「ダークマネー」を動かす団体によるテレビ広告は増加する一方だが、その資金の出どころを視聴者は知る由もない。

なぜ害のなさそうに聞こえる団体をわざわざつくり出し、こうした広告に資金を提供するのだろうか。

それがうまくいくからだ。

最近のいくつかの調査によれば、広告主が公表されない方が、視聴者はテレビの政治広告に納得しやすいことが明らかとなっている。このような調査は、なぜ非公表の独立した団体による広告が、今年の大統領選の候補者を選択するための手段となっているかを理解するうえで役立つ。

2015年のある調査では、「知られていない団体がスポンサーである広告は、候補者自身がスポンサーの広告よりも効果的」という点が 明らかになった。候補者や団体による中傷広告が等しく効果的になるよう、公平な機会を与える献金者の公表は広告効果を弱めることが、ウェズリアン・メディア・プロジェクトの分析で判明した。

同分析は、2人の政治学者、ミシシッピ大学のコナー・ダウリング教授とマーケット大学のアンバー・ウィシャウスキー教授が2013年に発表した研究結果に同調するものだ。2氏の研究によれば、「有権者は、広告スポンサーとなっている団体の金銭的利害関係について情報が多ければ多いほど、その広告を信用しない可能性がある」という。

選挙活動に資金提供するドナーの透明性を高めるという、議会の(失敗に終わった)努力が、いかに選挙政治に影響を及ぼしているかを同研究は示唆していると、2氏は指摘している。

実際の広告主を視聴者が知ることは大きな違いをもたらすという認識は、米連邦通信委員会(FCC)が放送におけるスポンサーシップ要件を強化する必要性を示す力強い証拠の1つとなり得る。

ソーシャルメディアの時代でさえ、テレビは「あらゆる年齢層や支持政党のあいだで、有権者の投票行動に最も影響を与えるメディア」として際立っていると、新たな調査は示している。故に、米国の有権者はテレビで放送される政治広告の背後に誰がいるのか知る必要があるのだ。

本来のスポンサーを特定しないことは違法である。1934年の通信法は、いかなる有料広告もその広告主を明らかにしなければならないと定めている。FCCの規制にも、放送におけるスポンサー情報として、広告を出している個人または団体の「真の身元を公表」しなくてはならないとある。

この基準は、FCCのメディア局が「Fairness Matters for Oregonians Committee」の正体を暴いた1996年に適用された。同団体は、たばこやその他のたばこ製品に対する増税の是非を問う州投票の提案に反対する一連のテレビ広告を出していた。広告料を実際に出していたのは、米たばこ協会であることが後に明らかとなった。

しかしそれ以来、FCCは基本的にスポンサーを公表することを強制しなくなった。

FCCのトム・ウィーラー委員長は最近、スポンサーの身元に関する苦情数件に対処するのを怠った。同委員長はまた、最高裁による2010年の「シチズンズ・ユナイテッド」判決を受け、無名の外部団体によるテレビ広告の氾濫をコントロールし得る規制強化に着手することを拒んでいる。

だが恐らく、FCCにとって最も手強いのは「シチズンズ・ユナイテッド」判決そのものだろう。最高裁は、いかに視聴者が広告を受け止めるかについて、広告主の与える影響力を認めた。8対1で、スポンサーの公表を条件とすることが支持された。

アンソニー・ケネディー判事は判決文のなかで、「合衆国憲法修正第1条は政治的な演説を保護しており、公表は市民や株主が適切に企業体の主張に反応することを可能にする」と記している。また、「このような透明性は、有権者が確かな情報に基づいて決断したり、異なる発言者やメッセージの重要性を適切に評価したりすることを可能とする」と同判事は述べている。

一方、現在のFCCの規則は、有権者にそのような決断をさせるのに遠く及ばない。ウィーラーFCC委員長は、スーパーPACや「ダークマネー」を動かす団体による広告を考慮に入れた規制強化を最優先事項とするべきだ。なぜなら、このような団体はすでに今年の大統領選に影響を及ぼしているからだ。

米国の有権者には、テレビで流れる政治広告の背後に誰がいるのか知る権利がある。調査で明らかなように、もし有権者がそうした知識をもてば、大統領選の結果に作用する可能性がある。

*筆者は非営利団体「キャンペーン・リーガル・センター」のポリシーディレクター。
http://jp.reuters.com/article/column-us-ads-election-idJPKCN0WP0E5?sp=true



Technology | 2016年 03月 23日 14:36 JST 関連トピックス: トップニュース

 アングル:進歩鈍ったスマホ、次の技術革新で大きく様変わりか

[フランクフルト 22日 ロイター] - スマートフォンは米アップル(AAPL.O)の「iPhone(アイフォーン)」が従来の殻を打ち破ってから10年近くが経過し、ついに進化が終わったのではないかとの声も聞かれる。アップルですら目新しさに乏しい小型の4インチスマホを新型と位置付けるありさまだ。

専門家は、スマホ発の技術革新は携帯機器にとどまらず、その機能は自動車や冷蔵庫から腕時計、果ては宝飾品まであらゆる種類の新製品においてソフトウエアやサービスの形で花を開かせるとみている。

またアナリストや設計者は、新たな飛躍的進歩にとってはスクリーンサイズ、電池寿命、通信網の容量など現在のスマホが直面するハードウエア面の制約が課題になると指摘している。

ノキアの携帯電話でテキストメッセージ用キーボードの開発に携わり、ウエアラブル端末向けソフト開発会社を経営するクリスチャン・リンドホルム氏は「今スマホ業界はすべての動きが小幅にとどまっている。速度、大きさ、データ容量、処理速度などの改善はどれもわずかずつだ」と述べた。

アップル、グーグル(GOOGL.O)、マイクロソフト(MSFT.O)の業界3強は「携帯機器不要」の時代に向けて先陣を切ろうと躍起になっているだろう。多くの企業はタッチ機能、視覚、音などを通じて消費者がより広い世界とつながる新たな手法の開発に取り組んでいる。

こうした取り組みの1つが音声による操作支援機能で、マイクロフォンを内蔵し音声で操作可能な「スマートネックレス」などがある。

大手各社は「グーグル・ナウ」、「アップルSiri」、「マイクロソフト・コルタナ」、「アマゾン・アレクサ」などを打ち出し、こうした分野で既に一定の成果を上げている。

リンドホルム氏は、スマホの機能はエンターテインメント用に大型スクリーンを備えた機器と、個人のスケジュールや健康管理、支払いなどに利用される小型ウエアラブル機器の2つの分野に分化するとみている。

UBSのアナリストチームによると、スマホメーカーの今年の売上高は3230億ドル強と、前年比1.4%減少する見通しだ。またストラテジー・アナリティクスによると、アップルは業界全体の売上高の半分、利益の4分の3を占めている。

こうした中、アップルがアイフォーンの売上高減少に歯止めを掛けるために新型「SE」を発表するなど、大手各社は対応に務めている。

スマホはデジタル時代における「スイス・アーミーナイフ」になった。消費者の注目点は目を引くような美しいスクリーンからアプリやサービス、インターネット関連サービスに移った。

スマホに代わるプラットホームは、電池寿命など厄介な問題を解決しなければならない。消費者がビデオを視聴する時間が伸びているだけに、電池の機能は差し迫った課題だ。

次世代の大型機器にとっては、さまざまな環境で利用可能な、より柔軟性の高いスクリーンも不可欠だ。

金融アナリストのリチャード・ウインザー氏は、最大10─14インチに広げられるフレキシブルディスプレーが開発されれば、スマホはスクリーンサイズの制約から自由になるとの見方を示した。

(Eric Auchard記者)
http://jp.reuters.com/article/world-smartphone-idJPKCN0WP0DR?sp=true

Column | 2016年 03月 23日 12:14 JST 関連トピックス: トップニュース

 コラム:ベルギー同時攻撃で試されるEUの結束
John Foley

[ロンドン 22日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 欧州連合(EU)を結束させる努力は1歩前進し、2歩後退したと言える。ベルギー首都ブリュッセルで22日発生し、少なくとも30人の命を奪った同時攻撃は、EUが団結心を示す最近の兆候を台無しにするものだ。

暴力的な攻撃は、特に西欧では珍しいが、その影響力は甚大だ。EUの将来を決めるはずの繁栄と公平の問題が、脇へ追いやられてしまうリスクがある。

──関連記事:ブリュッセル同時爆発攻撃で30人死亡、「イスラム国」犯行声明

EUの行政とインフラの中心であるザベンテム国際空港とEU関連機関に近い地下鉄マルベーク駅が攻撃の標的となった。欧州の結束に向け、当局者たちが尽力しているさなかの出来事だった。

欧州に押し寄せる難民をトルコに送還する見返りに、より組織だって難民を受け入れるという、EUとトルコが最近達した合意は、解決不可能に思える問題に実用的な解決策を提供した。

確かにこの合意は、メルケル独首相によって強行されたものだ。また、トルコの人権問題も事を複雑にするだろう。とはいえ今回の合意は、欧州の指導者たちが団結して行動できるということを示している。

しかしその真価は、ブリュッセルで起きたような大きな悲劇的事件によって、問われることになる。恐怖が、安全保障と自由な移動の問題を直ちに覆い尽くすだろう。

英国はEUを離脱するなら安全が危ぶまれると、同国のキャメロン首相は主張するが、そうとも言えない。EU離脱によって英国がどのくらい危険になるのか知ることはできない。なぜなら、成功した攻撃だけが目に見えるのだから。EUでは、2014年に起きたテロ事件の結果4人が死亡したが、774人が逮捕された。

──関連記事:ブリュッセル同時爆発攻撃、英国のEU離脱予想強まる

(攻撃と)自由な移動との因果関係を指摘するのはなおさら容易なことではない。最近拘束されたパリ同時攻撃のサラ・アブデスラム容疑者はベルギー生まれだ。だが、同容疑者が自宅近くで見つかったことなど、ベルギー当局に大きな安全保障上の過失があった可能性は障害をもたらしかねない。

ビザ(査証)なしで移動ができなくなると、モルガン・スタンレーの推定では、欧州の域内総生産(GDP)は0.2%減少する可能性がある。だが多くの有権者にとっては、フェンスで囲まれている心理的な利得の方が価値があるように映るのだろう。

欧州の未来は、安全保障だけでなく、繁栄と公平によって決められるべきだ。繁栄と公平については、6月23日の国民投票で英国のEU離脱が決まれば、雇用と成長にとって悪い結果となることが確固たる証拠となるだろう。だがそうした主張は、どちらの側にとっても決定打にはならない。

ブリュッセルの悲劇に打ちのめされ、事実に集中したい気持ちが曇ってしまうようなら、誰にも幸福は訪れないだろう。
http://jp.reuters.com/article/column-brussels-attacks-eu-unity-idJPKCN0WP07S

日本株反落、輸出一角や市況安の資源下げ−売買代金はことし最低更新
佐野七緒
2016年3月23日 08:04 JST 更新日時 2016年3月23日 15:44 JST

23日の東京株式相場は反落。機械や電機など輸出株の一角が下げ、時間外の海外原油先物の軟調を受け、鉱業や商社など資源株も安い。ベルギー多発テロ後の欧州株や為替の落ち着きを受け続伸して始まったが、前日急激に戻した反動や年度末を控えた持ち高整理の売りに徐々に押された。材料不足の中、東証1部の売買代金はことし最低を更新。

  TOPIXの終値は前日比5.73ポイント(0.4%)安の1364.20、日経平均株価は47円57銭(0.3%)安の1万7000円98銭。
  大和住銀投信投資顧問株式運用部の小出修グループリーダーは、「モメンタム相場が続く中、モメンタムで買える銘柄がなくなってきている」と指摘。原油価格が底入れ反転し、世界的にリスクオンの状況になりつつある上、国内には政策期待もあるが、「グロースがないのが今の日本市場。海外から長期資金が入ってこない」との見方を示した。

  ベルギーの首都ブリュッセルの空港や地下鉄駅で22日、計3回の爆発があり、少なくとも31人が死亡、230人以上が負傷した。ベルギー史上最悪のテロを受け、同国政府は警戒レベルを最高に引き上げた。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。

  22日の海外為替市場では、ベルギーのテロを受け一時1ドル=111円38銭までドル安・円高が進んだが、その後は円安方向に反転。きょうの東京市場では112円10ー40銭台のレンジ内で推移、前日の東京株式市場の終値時点は112円8銭だった。22日の欧州株は、ストックス欧州600指数が一時1.6%安まで売られたが、結局0.2%安と下げ渋った。

  きょうの日本株はベルギーテロ後の欧州株、為替が落ち着いていたことを受け続伸して始まった後、方向感に乏しい展開が続いた。28日に年度内の権利付き最終売買日を控えており、持ち高整理や権利取りの動きが交錯。岩井コスモ証投資調査部の堀内敏一課長は、「投資家は強気になり切れていない。日本株は出遅れており、為替が安定すれば、もっと買いが入ってもいいが、手掛かり材料がない。来期業績への警戒感もある」と話す。

  東証1部の売買高は16億210万株、売買代金は1兆7399億円。代金は前日から2割減り、16日の水準を更新、ことし最低となった。上昇銘柄数は733、下落は1064。東証1部33業種は機械や鉱業、卸売、電機、その他金融、パルプ・紙、金属製品、ガラス・土石製品、証券・商品先物取引、銀行など25業種が下落。鉱業や卸売は、アジア時間23日の時間外取引でニューヨーク原油先物が下げた影響を受けた。水産・農林、電気・ガス、小売、陸運、不動産など8業種は上昇。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、日立製作所、村田製作所、三菱商事、TDK、日東電工、SMC、アルプス電気が安く、メリルリンチ日本証券が投資判断を下げた野村総合研究所、創業者執行役の解任など経営陣の混乱が続くクックパッドの下げも目立った。業績・配当計画を下方修正した千代田化工建設は午後に一段安。これに対しファーストリテイリング、小野薬品工業、鹿島、ディー・エヌ・エー、JR西日本、住友不動産、関西電力、東京ガス、大林組は高い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-22/O4GPYG6K50YJ01

三井物産が創業来初の赤字へ、資源下落などで減損2600億円計上へ
鈴木偉知郎、Stephen Stapczynski
2016年3月23日 15:35 JST 更新日時 2016年3月23日 16:24 JST

今期純損益は700億円の赤字に下方修正−従来予想は1900億円の黒字
期末配当は1株当たり32円の従来予想を据え置く

三井物産は23日、2016年3月期の連結純損益予想(国際会計基準)を700億円の赤字に下方修正すると発表した。従来予想は1900億円の黒字。資源価格の下落でチリの銅事業など資源分野を中心に減損損失を約2600億円計上することが響く。赤字転落は現在の三井物産が創業した1947年以来で初めてとなる。
  市況動向を踏まえてチリの銅事業会社アングロ・アメリカン・スールへの投資で900億円、同じくチリで展開するカセロネス銅事業でも250億円の減損を計上する予定。開発計画が遅れた豪州でのブラウズ液化天然ガス(LNG)事業で400億円、豪石炭事業で250億円などのほか、資源以外では海外での一部発電事業における減損300億円も含めた。
  一方、期末配当は1株当たり32円の従来予想を据え置くとした。三井物産では同日午後5時から安永竜夫社長と松原圭吾常務執行役員が都内本社で記者会見する。
  総合商社業界では住友商事がすでに資源価格の下落を主因に今期1700億円の減損を計上するとして、純利益見通しを期初予想の2300億円から1000億円へと下方修正している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-23/O4HAFT6K50XZ01


3. 2016年3月23日 18:10:33 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1151]

>マイナス金利がだめ押し?「円高・株安」
>消費税再増税の延期をその大義とするのか。それともダブル選は回避し、再増税を断行するサプライズに出るのか。羅針盤を失ったアベノミクスの限界

プレジデントも、しょうもないな

具体的に、アベノミクスの、どの政策が問題で、どう改善するべきかを言わず

目先の市場価格に一喜一憂しているようではダメだ


特に、こういう時は、具体的な提言がなければ、経済紙としては意味が無い


市場に踊らされて、今後の資源価格や新興国の動向などを見誤ると、また恥をかくことになりそうだなw


4. 2016年3月23日 21:35:38 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[857]

 次の政策は ヘリコプターマネー(BI)しかないのよね〜〜〜
 

5. 2016年3月25日 13:34:52 : SPjq0nMmqQ : g0Y0ccMFLVw[9]
マイナス金利がだめ押し?>

マイナス金利で駄目なら、マイナス金利を止めればよい
円高も止めればよい、
大元の金融緩和も止めればよい。

増税先送りではぐらかすんじゃない!


6. 2016年3月25日 13:39:05 : vDNAc3NemY : cG1nx7o9NbM[29]
彼の目的は経済ではない
経済は人気取りの手段なのだ
彼の目的はただ一つ
憲法を変え、民主主義から戦前の国家主義への回帰なのだ



7. 2016年3月25日 13:42:38 : 2VGICQLdps : l@eN43kXOeg[4]
アベノミクスは限界で増税先送り:
こそこそと増税先送りの布石話。

限界なら、最大要因のマイナス金利や円高を処分することが先決であろう。
それには手をつけず、消費増税を槍玉にするとは本末転倒。

ステグリッツまで呼んで消費増税先送り云々となれば、有難うと感謝される愚民うけ議論で
バイラス製造元の金融緩和の方はすっかり忘れさせてしまうという、
いうならば、増税バイラス先送り論は金融緩和というテロ温存の為の増税先送り議論となり、
マイナス金利と円高バイラスの事前仕込みで、増税バイラス不要としてある。
増税先送りは金融緩和保存のインチキ議論であり、国民には迷惑千万、百害あって一利なし、
付き合うだけ損で時間と税金の無駄使いとなる。
それにしてもこの芝居はいささかお粗末にすぎる。

増税先送り後に用意されているのは経済の悪化と、株の値崩れ、という事になり、
増税先送りでも対応不可能、あとは追加あるのみとの追加催促か又は根本解決と称しての金融や構造改革の催促となろう。

株が自立復活しては介入下落を繰り返している。黙っていれば、20000はゆうに超えている。


8. 2016年3月25日 13:53:58 : xV3uEzFkoY : YeQLaZc2Xpc[20]
今度は金融緩和テロ隠しに
増税先送り詐欺か
ご苦労なことだ。

http://www.asyura2.com/15/cult15/msg/768.html
11
安倍一味が何で消費増税したのか分かってないな
アベノミクスは金融テロなんだから、景気なんか上向かないことは
やってる本人らが一番知っていることだ
そして景気が上向かないと判った国民は、アベノミクスは金融テロだと気付く
しかし、合わせて消費増税しておけば、白痴の国民は
アベノミクスが悪いんじゃなくて消費増税が悪いのだと思い込む
という計画だ


9. 2016年3月26日 01:19:36 : vFrK8uzi4g : B0tsI87PPJE[5]
なかなか言えてるね。
だが一言。

< そして景気が上向かないと判った国民は、アベノミクスは金融テロだと気付 >

じゃなくて、

愚民は増税テロだと気付くが、大方はまだ金融テロには気付いていない。

そこで、増税テロ先送りをもちだして選挙や『自衛権』目的に騙しにかける。

愚民が「アベノミクスは金融テロ」だと気付いていれば、安倍政権はもう終わっているよ。

それに
< 景気なんか上向かないことはやってる本人らが一番知っていることだーーー

始めは、金融テロに気付いていなかった。
気付く能力があったら、初めから金融テロなどに加担しない。
浅はかだからテロに加担してしまった。



10. 本音二郎[35] lnuJuZPxmFk 2016年4月06日 22:00:55 : H0qIt8F4zw : YTLCb8G1WwQ[40]
財務省がインフレにして相対的に赤字国債を減らしたいだけ。
これ以外の目的は無い。
円安にして輸入原価を上げ物価上昇を目指したが需要が無いところに輸入原価を上げても利益を乗せて売れないので輸入業者は利益を毀損するだけ。消費者も貧困が進んでいるので財布の紐は絞まるばかり。
アベノミックスなど経済学では無く小学校の算数が出来ない奴が考えたアホのミックスという事。そしてドルベースで日本の富を2/3に減少させ日本の経済力を貧困に向かわせているだけの大馬鹿アホのミックス。

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