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20代の出生率、東京は沖縄の約4分の1…秋田、約40年後に人口半減
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14353.html
2016.03.23 文=鷲尾香一/ジャーナリスト Business Journal
国立社会保障・人口問題研究所がさまざまな分析を公表しており、非常に興味深いものも多々あるので、いくつかを紹介してみたいと思う。
まず、「多地域モデルによる都道府県別将来人口推計の結果と考察」。これはまさしく、47都道府県を2010年の国勢調査による都道府県別男女各歳別人口を基準として、11年から60年までの各年の人口を男女年齢各歳別に推計したもの。これによると、60年の日本の総人口は8846万人となり、10年時点の総人口から約4000万人減少する。60年で人口の多い県と少ない県は以下のように推計されている。
【人口の多い県】
東京都:1070.6万人
神奈川県:705.9万人
大阪府:613.1万人
愛知県:559.4万人
埼玉県:546.9万人
【少ない県】
鳥取県:35.2万人
島根県:40.9万人
高知県:43.3万人
徳島県:44.8万人
福井県:50.4万人
単純に人口の多少を見ると上記のようになるが、実は10年に比べて人口の減少する割合(増加する都道府県はない)を見ると別の姿が現れる。指数は10年を100とした場合。
【減少幅が小さい県】
沖縄県:88.0
東京都:81.4
滋賀県:79.8
【減少幅が大きい県】
秋田県:46.6
青森県:51.9
岩手県:53.9
山形県:53.9
こうして見ると、東京都は人口流入により減少幅が小さいのはわかるが、沖縄県と滋賀県というのは、意外な感じがする。この両県は実は出生率が高いため、減少幅が小さい。一方で、減少幅の大きい県としては、東北勢がほぼ全滅状態だ。秋田県は人口が半分以下になると見られており、その他の県も半分程度まで人口が減少すると推計されている。では、60年の出生数と死亡数の推計はどのようになっているのか。指数はいずれも11年を100とした場合。年は死亡数がピークを迎える年。
【出生数の多い県】
沖縄県:60.6
東京都:54.9
滋賀県:54.4
【出生数の少ない県】
秋田県:33.2
青森県:37.7
岩手県:38.2
【死亡数の多い県】
沖縄県:168.6 60年
神奈川県:167.7 60年
埼玉県:167.5 40年
【死亡数の少ない県】
秋田県:79.6 24年
島根県:84.7 23年
高知県:87.2 40年
これでわかるように、人口減少の激しい県では出生数が少なく、かつ高齢化率が高いので死亡数が少なく、早い時期にピークを迎える。全国的なピークは40年だが、これは「団塊の世代」の死亡期にあたるためだ。一方、死亡数の多い県は人口減少が少ない上に、若年層がいることでピーク年が遅くなる傾向がある。
●都道府県別の出生率
もうひとつ興味深い分析をご紹介しよう。こちらも同研究所の「都道府県別の女性の年齢別出生率と合計特殊出生率」だ。合計特殊出生率とは、ひとつの女性が一生に産む子供の平均数を示す。14年の日本全体の合計特殊出生率(以下、出生率)は1.38人。では、都道府県別ではどうなっているのか。
【出生率の高い県】
沖縄県:1.86人
島根県:1.66人
宮崎県:1.62人
【出生率の低い県】
東京都:1.15人
京都府:1.24人
北海道:1.27人
これを女性の平均出産年齢で見ると、次のようになる。
【出産年齢が低い県】
福島県 29.89歳
愛媛県 30.19歳
青森県 30.20歳
【出産年齢が高い県】
東京都 32.51歳
神奈川県 31.82歳
京都府 31.67歳
都市部にある都道府県は出生率が低く、出産年齢が高い傾向にあることが明確に表れている。東京都は上記の出生数の多い県に入っているが、出生率が低い県に入っている。つまり、出生率は低いが、人口が多いので出生数は多いということだ。さて、さらに細かな分析を見てみよう。都道府県別の女性の年齢別出生率(%)だ。非常におもしろい傾向が表れる。
【出生率の高い県】
20〜24歳 沖縄県 52.45% 宮崎県 52.45% 福島県 49.54%
25〜29歳 島根県118.50% 長崎県114.73% 宮崎県111.36%
30〜34歳 滋賀県114.05% 沖縄県114.04% 宮崎県110.23%
35〜39歳 沖縄県 71.10% 東京都 59.76% 神奈川県57.80%
40〜44歳 沖縄県 16.65% 東京都 13.88% 神奈川県11.91%
45〜49歳 沖縄県 0.61% 東京都 0.51% 島根県 0.42%
【出生率の低い県】
20〜24歳 東京都 14.31% 神奈川県20.03% 京都府 20.75%
25〜29歳 東京都 51.36% 京都府 64.39% 神奈川県68.49%
30〜34歳 東京都 86.43% 北海道 86.58% 秋田県 88.71%
35〜39歳 秋田県 42.31% 青森県 44.05% 北海道 44.45%
40〜44歳 秋田県 6.94% 福井県 7.89% 愛媛県 7.90%
45〜49歳 高知県 0.05% 秋田県 0.10% 宮崎県 0.15%
沖縄県は、出生率の高い県で、25〜29歳でベスト3になっていない以外は、すべての年齢層でベスト3入りしている。これは、沖縄では兄弟の多いことの表れでもある。また、結婚年齢との関係もあるが、地方の県では出産年齢が低く、都市部の県では出産年齢が高いことが明確に表れている。たとえば、東京都は35歳以上になると出生率の高い県に登場し2位だが、20歳から34歳まででは出生率の低い県の1位となっている。
これは、第1子、第2子、第3子の出生率を見ると明らかだ。たとえば、第1子の出生率がもっとも低い京都府は0.59人だが、高い鳥取県、島根県、沖縄県では0.75人となっている。第2子はもっとも低い東京都は0.38人だが、もっとも高い島根県は0.60人、第3子ではもっとも低い東京都は0.12人だが、もっとも高い沖縄県は0.54人だ。
このように、一括りに“少子化”といっても、これらの分析結果を見れば、地域的に特徴があることは明らかだ。少子化対策も、一括りの対策ではなく地域に合った対策を行っていく必要がありそうだ。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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