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ホンダ、復活NSX 米から世界へ
高級スポーツ車量産発表 見た目・馬力に磨き、欧州勢追う
ホンダは17日、新型スポーツカー「NSX」を4月下旬から量産すると発表した。国内で生産した初代モデルとは違い、新型の生産は米オハイオ州の新工場が担う。「フェラーリ」「ポルシェ」をベンチマーク(目標)に馬力も見た目も一新したNSXには生産現場のこだわりの技術が随所に盛り込まれている。初代が届かなかった世界市場へ「メード・イン・USA」の2代目が挑む。
オハイオ州メアリーズビル。ホンダの工場群の一角に7千万ドル(約80億円)を投じた「PMC(パフォーマンス・マニファクチュアリング・センター)」がある。新型NSXの専用工場だ。
「今はテスト車を生産している。量産車は1台あたり10〜12日かけ、1日に8〜10台造る」。NSXの製造責任者、クレメント・ズソーザ氏はこう話す。1日25台だった初代に比べ、新型は丁寧に造り込んでいく。
2005年12月末の生産終了までに累計1万8737台を販売した初代NSX。1990年の発売当時、英マクラーレンと組んだホンダは自動車レースの最高峰、フォーミュラ・ワン(F1)で表彰台を席巻していた。勢いそのままに日本ではブームを巻き起こしたものの、世界市場では欧州勢の壁に阻まれた。
欧州勢に及ばなかったのはなぜか。浮かび上がった改善点は「見た目」と「馬力」だった。
見た目のカギを握るのは塗装だ。新型NSXの塗装工程では巨大なアーム式ロボットがタコの足のように動き、塗装液を吹きつけて11層の重ね塗りを施す。1台に4日かける「塗装の仕上がりは大半のスポーツカーを上回る」(ズソーザ氏)。
軽量を売り物にするため、初代では控えめにした馬力も欧州勢には見劣りした。新型は初代の2倍、欧州勢に匹敵する水準まで引き上げた。パワーを上げれば、車体への負担も増す。強度確保で外板を厚くすれば、車体が重くなり、乗り心地やハンドル操作に響く。
解決策として、新型NSXは骨格に骨材を単純に組み合わせるだけのスペースフレーム方式を採用した。強度を確保するため、骨材の溶接や接合部品の鋳造では難易度の高い技術が求められる。高張力鋼板(ハイテン)を新たに使うなどして、米国の開発チームは軽さと強さを両立させた。
ホンダが日本勢で初めて米国での自動車生産を始めたのは1982年。オハイオだった。勤続30年のエンジン品質担当、ジム・マッキン氏は「日本での研修の際、初代NSXの現場をスゴイと思った。今、自分がNSXに携わっていることは夢のようだ」と話す。
2012年1月、当時の伊東孝紳社長はNSX復活を宣言し、オハイオを生産拠点に選んだ。ホンダは売上高の6割近くを北米に依存する。最大市場である米国での生産は輸送コストの削減に加え、消費者ニーズの反映にも都合がいい。何より30年を超える積み重ねでフラッグシップとなるスポーツカーを生産する「技術」が育まれていた。
溶接、鋳造、塗装、デジタル技術活用など最先端の試みを数多く手掛けるPMCは今、高級車の「マザー工場」だ。挑戦を重んじるホンダスピリッツ、「ホンダらしさ」の象徴となるNSXの米国生産について、本田技術研究所の幹部は「(自動車開発部隊が集まる)栃木の人間は悔しいと思ってますよ」と話す。
自動車メーカーにとって、最新の技術をつぎ込む高級車の存在は競争力の証しとなる。16年春に米国で売り出す新型NSXはフェラーリ、ポルシェの向こうを張るブランドに育つのか。グローバル企業「HONDA」の新しいページは米国から始まる。(米オハイオ州で稲井創一)
[日経新聞3月18日朝刊P.13]
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