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[スクランブル]さまよう地銀マネー
リスク投資、相場かく乱
日銀のマイナス金利政策により債券投資で窮地に立たされる地銀が、株式投資に活路を見いだそうとしている。上場投資信託(ETF)などに加え、配当を狙って短期で個別株に投資する手法だ。例年以上に3月末の需給動向を気にする必要がある。
日経平均株価が1カ月半ぶり高値で終えた14日。日銀の金融政策決定会合の結果発表を15日に控えて午後は様子見姿勢が広がった。「現状維持」との見方が多い中、警戒モードを解けないでいるのが地銀だ。マイナス金利政策で事業計画が一変したためだ。
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SMBC日興証券は今月、大手地銀の2017年3月期の業績予想を軒並み引き下げた。マイナス金利政策で貸出金利が下がるのが主因だ。純利益は2割前後の減益を見込んでおり、「金利が一段と低下すれば、さらなる下方修正の必要もある」(佐藤雅彦氏)
融資の採算改善が見込みにくい状況では運用部門への期待も高まるが、現実は厳しい。国債を減らして外債やファンド投資を増やす動きは、13年4月の量的・質的緩和以降に加速した。そして国債利回りがマイナスとなった今、地銀が直面する現実はさらに過酷になっている。「これまでの延長ではやっていけない」との声が高まる。
野村証券は先週、地銀を対象にした来期の運用計画に関するアンケート調査の締め切りを延期した。「3月末のぎりぎりまで計画を練り直したい」との地銀が続出したためだ。
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さまよう地銀マネーはどこに向かうのか。浮上するのが株式投資だ。野村でETF業務を統括する塩田誠氏は「高い配当利回りが見込めるETFへの関心が一段と高い」と話す。
もともと「株式になじみの薄い地銀などにとって、『高配当』の切り口は分かりやすい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏)。だが、今年はETFなど指数連動型の運用にとどまりそうもない。中国地方の地銀幹部は「高配当の個別株投資を強化する」と打ち明ける。
銀行は自己資本比率の規制上、リスクが高い株式残高をどんどん積み増すのは難しい。そこで念頭に置いているのが短期売買。期末の配当取りの権利を確保したら、権利落ち後はさっさと売却する。配当は受け取るが期末のバランスシートで株式残高を計上する必要がない、いいとこ取りの手法といえる。九州地方の地銀幹部は「短期間持てば4〜5%の配当利回りを得られる銘柄がゴロゴロしている。債券市場では考えられない水準だ」という。
みずほ証券で地銀などの営業を担当する三浦哲也氏は「地銀は投資先を広げてバランスファンド化する必要がある」と話す。短期の配当取りがその解なのかどうかは疑問も残るが、地銀がそこまで追い込まれているのは事実だろう。
15年度末の配当権利付きの最終売買日は3月28日。数百億円規模の地銀マネーが配当取りに向かい、翌日には一斉に引き揚げるとしたら需給面への影響は小さくない。「短期投資家の地銀」という新たなプレーヤーの出現で、期末相場は波乱含みだ。
(田口良成)
[日経新聞3月15日朝刊P.16]
- マイナス金利の心理学 あっしら 2016/3/21 03:07:53
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