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「レア スウィート HP」より
ノンカロリー&抗肥満の「夢の砂糖」発売へ…メタボ予防や病気改善の効果も期待
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14136.html
2016.03.08 文=松崎隆司/経済ジャーナリスト Business Journal
機能性を表示できる特定保健用食品(トクホ)の適用を申請していた希少糖、D-プシコース入りテーブルシュガー「レア スウィート」の審査が最終段階に入った。2月23日の食品安全委員会の審議でも安全性が確認され、年内にはトクホ表示が許可される可能性が高くなっている。
D-プシコースは甘さは砂糖の7割程度だがノンカロリー。ブドウ糖の吸収を抑制し、食後の血糖値の上昇を抑える機能でトクホを申請している。このほか臨床試験などでは脂肪の吸収を抑える「抗肥満」の効果などが確認され、生活習慣病の改善などで期待が持たれている。
すでにレアスウィートに先行するかたちで、D-プシコースなど数種類の希少糖を15%含む卓上シロップ「レアシュガースウィート」が販売されており、日経優秀製品・サービス賞(日本経済新聞)の日経産業新聞賞最優秀賞、日本栄養・食糧学会の技術賞、日本応用糖質科学会の開発賞、ものづくり日本大賞の優秀賞などを受賞している。
レアスウィートは香川大学、香川県、松谷化学工業などが進めてきた産学官のプロジェクト。なかでもこのプロジェクトで中心的な役割を演じてきたのが松谷化学工業だ。
松谷化学はトクホ市場ではトップシェアを占める企業。でんぷんからつくられた「難消化性デキストリン」という食物繊維を使用した、「抗血糖」や「抗肥満」などでトクホを取得。トクホ市場の3割を占めている。トクホコーラにも松谷化学の「難消化性デキストリン」が使用されている。
■世界の糖市場を一変させる可能性
D-プシコースのトクホ申請がなされたのは2010年3月。トクホ申請は消費者庁の食品表示課に申請書を提出し、ここが消費者委員会の新開発食品評価調査会に効果を、食品安全委員会の新開発食品専門調査会に安全性を諮問。同委員会の新開発食品専門調査会での審査が終わると、評価案をまとめパブリックコメントを一定期間求めて、その結果を踏まえて修正の上で食品安全委員会が消費者庁に答申。消費者委員会調査部会が改めて安全性や効果を判断して答申をまとめ、厚生労働省の医薬食品局で医薬品の表示に抵触しないかを確認。さらに独立法人国立健康・栄養研究所などが関与成分を分析、消費者庁長官の許可が下りる。
「このなかで最大の難所といわれるのが、食品安全委員会。ここの審査に通るかどうかが、トクホを認可してもらえるかを大きく左右する」(食品業界関係者)
レアスウィートは昨年12月に新開発専門員会が原案を作成してパブリックコメントを集め、2月23日には通称、親委員会と呼ばれる食品安全委員会に諮られ、審議が終了。消費者委員会に答申が送られることになった。
レアスウィートのトクホ表示が許可されれば、メタボ撲滅の大きな原動力になるとみられている。すでに海外でも注目され、米国ではFDA(米国食品医薬品局)の安全食品素材の認定を受けており、今後世界の糖のマーケットを一変させるのではないかとすらいわれている。果たして、日本でどこまでその真価を発揮することができるのか、注目していきたい。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
【参考文献】
『香川発 希少糖の奇跡』(松崎隆司/日経BP社)
香川県発の「夢の甘味料」、希少糖が世に出てきたきっかけ、商品化および全国展開に至る軌跡、そして今後の海外展開、トクホ許可への道筋について。その過程で活躍した香川大学、香川県、松谷化学工業の人々の人間模様を描く。併せて、松谷化学工業のトクホ素材「難消化性デキストリン」の開発および機能性、新しい「機能性表示食品制度」についても解説。“メタボ”を気にする30〜50代男性および食品・流通業界のビジネスパーソンをメインターゲットとしつつ、希少糖においては地方発、産官学プロジェクトの成功モデルとして役立つ内容を目指す。
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